夏の残像

natsu no zanzou

夏の残像
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×27
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
61
評価数
14
平均
4.4 / 5
神率
42.9%
著者
義月粧子 

作家さんの新作発表
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イラスト
奥田七緒 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784773003260

あらすじ

音楽事務所に勤める櫻澤は、ある企画で元同級生・伊崎と再会する。
学生時代、櫻澤は、憧れていたスポーツマンで男前の伊崎に告白されたが、自分の臆病さから最低のやり方で振ってしまっていた。
気まずいまま、スポンサー側の伊崎と仕事を共にすることになるが、巧妙に避けられ、櫻澤との過去が伊崎を深く傷つけていた事を知る。
罪悪感がつのる一方、疎まれても伊崎に再び惹かれてしまう櫻澤だったが…。

表題作夏の残像

仕事の関係で再会する 伊崎祥久
自分の臆病さで昔伊崎を手酷く振ってしまった櫻澤稜 

その他の収録作品

  • 夏の残像 第一話
  • 夏の残像 第二話

レビュー投稿数4

10年の時を隔てての再会

やっぱ義月粧子さんは、私好みのアダルトな作品を書いてくださる。
このお話も、ドリーム的な部分が少ないので、夢見たい王道BLファンの方には敬遠されるかもしれないなと思いながら読みました。
私は好きです。大好き。

再会ものです。
高校生時代の同級生同士が、10年の時を隔てて、社会人になってから再会する。
高校時代のとある出来事により、二人は互いを誤解している。
ギクシャクしてた二人だったけど、協力して仕事せざるを得ない状況のなか、互いへの信頼感を深めていく。

お仕事をちゃんとしてること、そこに稚拙さがないこと、お仕事が恋愛とストーリー上できちんと絡み合ってることなどなど、リーマン同士の恋における私のツボをきちんきちんと押さえてくれてるのも嬉しかったです。

高校時代、大好きな男に告白されたときに、受けが思わず言ってしまった一言。
この一言には若さが凝縮されて詰まってる気がしました。
嬉しさとか申し訳なさとか混乱とか、さまざまな感情が胸に一気にこみあげて、整理も制御もできず、悪ぶった発言をしてしまう。
ああ分かる、私にもそういう経験ある…って思いました。
その瞬間は、その一言が相手を深く刺すことにも、それ以上に自分自身を刺すことにも、気づかないんだよね。
しかもその小さな一言が、10年後まで尾をひく重い一言になるなんてさ…。

私、この受けが大好きです。頭がいいのに不器用で。てゆか義月さんの書かれる受けは総じて好き。
受けのうける理不尽さが半端ないので、読んでる最中ずっと、もどかしさやら悔しさやらでいっぱいになります。
途中で受けがした甘えのない自己犠牲には、胸が熱くなりましたし。なんだこの強さ!

それに比べると攻めの魅力がいまいちなんですが、まあそれもデフォなのでw
この攻めをイジメたい、つくづくw

7

つれない攻、だけど理由がある

義月さんの攻って無自覚に受に対して酷かったりしますが、こえは無自覚ではなく意識的に冷たく接しています。
それには理由があって、高校時代に伊崎〔攻〕は稜〔受〕に告白をしたんですが、それを稜がこっぴどく振ってしまい、その時の彼の言葉を伊崎はまだ引きずっていて、それが理由で社会人同士になり仕事で関わる事になっても稜に冷たい態度を取ってしまうのですな。
けれど稜は決して伊崎を嫌いでふった訳じゃなくて本当は好きだったのだけれど素直にその告白を受け止められなくて。
再会して改めて稜はその事を悔やみ、そして同時にまた伊崎に魅かれていく。
伊崎につれなくされて、でも好きだと告白して、でもふられて。
彼らの関係がどう動くのかが分からないのが読んでいて面白いのですよ~。
最後は誤解も解けてラブラブになっちゃうのも良かった!
主に稜視点ですが、伊崎視点からの話もあるので互いの感情もよく分かる。
地方都市での音楽祭を主催するという仕事の試み自体も興味深く読みました。

※誤植が一箇所ありました、ノンケがノンチになってて、でもひょっとしてこういう用語があるのかもしれないっと思わずくぐってしまいましたですよ。ノンチ。

7

王道(?)すれ違いモノ

同級生もの、再開ものです。
最初読んだ感想は、攻めが酷い!ということ。

でも全体通して面白かったです。先の展開というかラストがどう落ち着くのか気になる要素を盛り込んでくるので、最後まで駆け足で読んでしまいました。
攻めが酷いといっても、別に暴力を振るうとか強引だとか浮気するとかいわゆるクズ攻めとも違います。

伊崎は高校のとき稜に告白して酷いセリフで振られてしまい、しかし大人になってある仕事で再開します。
稜が酷いセリフで振ったのにはわけがあるのですが、そんなこと、伊崎は知るわけもないですよね。
稜は実は、人一倍頑張り屋で真面目何ですが、伊崎はネチネチ嫌味ばっかり言って綾を貶めてくるので、何て子供っぽい!て思いました。
10年以上経っていてもう大人なのに、しかも職場なのに、綾に対して意地悪な態度ばかりの伊崎に、仕事と私情を一緒にすんなという気分に…^^;

高校時代、互いが互いに惹かれていたのはわかるのですが、正直これだけ見ると、稜が大人になって再開した伊崎にやっぱり好きだ!と思う要素がどこなのかさっぱりわかりませんでした。
(この人いいな、と思うシーンが1つもなかったんですが…^^;)
とにかく攻めの意地悪な台詞や態度にずっとイライラしつつ、でも最初に酷いことしたのは稜なんですよね。
というわけで、すれ違い・いがみあいばかりの2人が最後どう落ち着くかが気になってしまうお話でした。

しかし、レビュー書こうと本棚を見返しても、タイトルと内容が結びつかない本だなあと思いました。何年か経ってタイトルだけ見たらこれ、どんなだっけ?て思いそうで、ややタイトルで損してる気もします。

7

最後の最後までそのスタンスを崩さないところが好き。

同級生の再会モノ。
最後の最後までかみ合わない感じが好きです。

稜は学生時代、好きだった男・伊崎をひどい言い方で振ってしまう。
そのことがどこかで引っ掛かったままだった稜は仕事の席で偶然にも伊崎と再会してしまう。
一緒に仕事をすることになるのだが伊崎の態度は冷たくて…。

この受、結構好きです。
自分が過去、伊崎に言った言葉がどれだけ彼を傷付けたかとかちゃんと今となってはわかってて。
だから、言われても仕方ない部分は反論しないし、言い争いのようなことになりかけても自分の方から引く。
現状の仕事関係の関係を崩さないように努めてて。
それでもまた、まだ惹かれる部分があったり。
そこで相手に求めないのが稜なんですよね。
好きということと、付き合うということはまるで別のことで。
自分だけの感情としてその気持ちをひっそりと大事にしているような部分があって。
それは、自分なんか相手にされないと思っている部分でもあったりするんだけども。
最後の最後までそのスタンスを崩さず引くところがなんとも。
また、自分の気持ちだけの問題で自己満的なことではきっとあるんだろうけども問題完結を目指すやり方もなんか好きです。
攻の方はそんな受の気持ちなんてわからないから学生時代のことを恨みに思ってて振り回されて。
それでも動かされる感情がありながらも、それを認めきれずにいるところもあって。
受の印象が定まりきらないから上手く噛み合わないところがあったり。
正直、最後のマンションに出向いた後のやりとりはあのまま終わったらどうしよー!と思ってしまいました。
受の方はそれでもそれは仕方ないと泣きながらも納得しちゃうんだろうなと思ったら、ちゃんと向き合ってもらえないままの攻さえかわいそうに思えてきたり。
恋人同士になっても、それに不安を感じちゃうような、そんなところを見せない受が好きだなと思いました。

5

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