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kitto sore mo koi no sei
1冊丸ごと表題作です。文月(受け)の目線で進んでいきます。
文月は憧れの上司・石橋(攻め)に認められて仕事を一緒にすることになり浮かれますが、石橋が友人・西村の恋人でつい先日手ひどくふったと知り…。
文月は上司という敬愛だけでなく、石橋に恋愛感情も抱いていると自覚し、石橋にも好きだと口説かれるのですが、まだ石橋に未練がある西村を思い、好きだと言い出せません。
文月の思考や言動はもっともであり、読んでいて共感がもてます。
一方、石橋は、自分が遊びだから相手もそうだろうという安直な考えで好きになれません。終盤、別れを言ったセフレや遊び相手から仕事中に携帯へ電話がかかってくる場面がありますが、そのこと自体が相手は遊びだと思っていなかったとも考えられ、自分勝手に相手の気持ちを振り回しているようで不愉快でした。
せめて、西村に他に好きな人ができたとか、恋人ができたようだという一文があればまだ少し印象が変わったのですが、それきり登場しないので、文月との関係はどうなったのか気になるままです。
主人公二人が幸せならそれでいい!という方にはお勧めですが、サブキャラまで幸せになってほしい方には向かないと思います。ただ、コミカル調でテンポよく、さくさくと読み終わりました。仕事の話も出ますので、リーマン好きには良いかもしれません。
2004年発表作品。
主人公は文具メーカーのリーマン2年生・文月。
配属は広報宣伝部。
1年目、ひたすらお茶汲みとコピーに腐る日々に、無駄なものは何一つ無いのだ、と諭してくれたスター社員の石橋。
酒の匂いをさせての出社、階段踊り場での女子社員との別れ話、そんなだらしなさを全て吹き飛ばすほどのキレのある仕事ぶり。
苦手意識もありつつもその仕事ぶりに憧れ、いつか名前を呼ばれたい、いつか一緒に大きな仕事をしたい、と焦がれる文月。
ある日、学生時代の友人・西村から「男の恋人ができた」と相談されて…
しかし直ぐにその「恋人」から振られた、と泣きつかれる。
聞くと、相手はなんと文月と同じ会社の人間で。よくよく聞くとやはり遊び人の石橋で。
石橋に上司への憧れ以上を自覚していた文月は、友人・西村への遠慮と自分の本心の間で揺れ動く…!
…はいいんだけど。
文月の真面目さ、常識的な恋愛観を良しとして読むと、この石橋の自分勝手さがなんとも腹立たしい。
文月と同調して、西村にきちんと謝れよ、という気分になってしまう。
しかし、石橋は石橋。
西村はあくまで遊び、想いを寄せられるのは迷惑、とぶったぎる。
そして文月には本気だ、と。
自分の保っていた規律と、奔放で常識破りの石橋への想いに引き裂かれつつ…「流される」のではなく自ら「選び取る」姿勢を見せた文月の覚悟、という展開を読ませるお話なのでしょうね。
しかしながら。
やっぱり石橋はすんなり受け入れられないヤローだな…という感覚は拭えず。
とにかくBL的にカップル成立させちゃおう的な短絡さが匂うのは昔の作品だからなのだろうか??
石橋が良いと思えるかどうかで評価は変わりそう。私は「萌」で。
改行と同じようなモノローグの繰り返しによって枚数稼ぎをしてるんじゃ…としか思えなかったです。
火崎さんは文章は上手いし物語作りも上手いと思うんですが、多作なだけに出来不出来の差が大きいのかなァ。
主人公はリーマン(受け)。
遊び人のイケメン上司(攻め)に恋します。
上司も主人公に恋して、口説いてくる。でも信用できない。
そんなある日、イケメン上司の元恋人が自分の友人だったと知ってしまう。しかも友人はイケメン上司に未練がある。
主人公はぐるぐると葛藤します。
なぜ遊び人のイケメン上司が主人公に本気で惚れたのか、その部分に説得力が欲しかったです。