お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
慎也(受け)視点の表題作と、瀬崎(攻め)視点のショートの2作品が収録されています。
あとがきを読むまで「スペシャリスト」の続編だと気が付きませんでした。ただ、慎也が記憶をなくす辺りと、記憶喪失で過ごした二週間の間の話が簡略化されていて、もう少し説明が欲しいなと思っていたので、前作があるのなら…と納得できました。
順番は逆になりますが、二人の身の上に何が起こったのか、この作品の合間の謎を知るために前作を読むという風に順番が逆でも面白いのではと前作未読の身では思いました。ただ、どちらにしても2冊セットで読んだ方がより楽しめる気がします。
慎也は失った記憶を取り戻すのか、二人の関係はどうなるのかという恋愛模様にピアニストとしての慎也の仕事状態が絡められていてタイトルにあった内容だと思いました。とはいえ、そんなに専門的な話でもないので、音楽に詳しくない方でもさらっと読めると思います。
前作「スペシャリスト」の続編ですが、これだけでも独立して読むことができます。
主人公・一條慎也は新進気鋭のピアニスト。
でも、梶先生やヌレエフ先生からは「テクニックはあるけれど美しくて綺麗なだけ」と評価されていました。当然ライバルの八木沢が一歩も二歩も先を行っていたのです。
ところが、瀬崎嘉信を知って愛されるようになってから、慎也の音は激変します。そして新しいホールのこけら落とし演奏会にソリストとして選ばれます。
ところが、突然嘉信のもとに別れた恋人・アレックスが現れます。
動揺する慎也。
以前記憶を失っていたときの自分・美波のほうを愛していて、現在の慎也を愛してはいないと思い込んでしまいます。
みるみる音楽が死んでいく慎也。
そして、慎也にかわってソリストの地位を得ようと、八木沢も怪しげな男たちを雇って慎也を追い詰めていきます…。
最後までどきどきするストーリーでした。
手負いの野獣のような嘉信と、子犬のように純真な慎也のカップリングに萌えます。