一族の王になるべき者に抱かれるのは運命

狗の王

inu no ou

狗の王
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌5
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
43
評価数
13
平均
3.5 / 5
神率
15.4%
著者
ふゆの仁子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
黒田屑 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
電子発売日
価格
¥850(税抜)  
ISBN
9784065221754

あらすじ

真上ランは、神の造形物のように美しい男・フェンリルと出会う。直後、体に異変をきたしたランは、熱病にうかされたように初対面のフェンリルに抱かれてしまった。

表題作狗の王

フェンリル・サーロス・ウルフホンド,28歳,サーロス・ウルフホンド家の当主
真上ラン,18歳,狼の血を引くオメガ

レビュー投稿数5

黒田屑先生のイラストが美麗

試し読み版読了後、本編を購入。一巻で完結していない
表紙絵が美麗。
本編のテーマは、異種間の恋愛。

長編シリーズが得意な作家だから、この1巻が中途半端な終わり方なのは、続編を出すことを前提に書いているからだと思う。
プロローグ編だから、書評の書き様がない。
リーマンものが多い作家で、ファンタジーは苦手なのかも。

イラストの絵師との力量の差というか、絵がうますぎ。
絵のような繊細な描写の作品ではないのが残念。

1

碧雲

再読、読了。
じっくり読み込んだら、なかなか面白いsfファンタジーだった。

設定もキャラも良いが、もう一声ほしい

あらすじと、黒田さんの描かれた美麗表紙につられて購入。

ふゆの作品て、なんていうのかな。裏社会を描かれることも多くて、ちょっとダークな雰囲気が漂うものが多い気がしていますが、今作品もそんなややシリアスな雰囲気でスタートします。







主人公は18歳のラン。
彼は両親からの愛情を一身に受け育つが、自分と、自分の両親が「普通」ではないことを感じて生きてきた。

同じ場所に1年と住まうことがなく、なるべく他人と関わらないように生きてきたこと。
両親の家族、いわゆる親戚に会ったことがないこと。
両親の仕事の内容を知らないこと。
なにより、ランが金色の瞳を持っていること。

両親は深い愛情を注いでくれたが、ランが一人で生きていけるよう厳しくも躾けられた。だから、ランが18歳になった時に両親から別れを告げられてもさほど驚きはしなかった。

独りぼっちになったランは両親から言われた国・日本へと赴くが、彼はそこで複数の男たちに襲われそうになる。そんなランを助けてくれたのはフェンリルという美しい男でー。

というお話。

なんとなくシリアスな雰囲気でスタートします。そして、ランの、ラン自身知らない彼の秘密とか、フェンリルという男性の存在。ランも何もわからない状態で日本に赴きますが、そういったものを、ランと共に読者も追いかける展開で、一気にストーリーに引き込まれました。

が、うーん。
何というか、尻すぼみ感が否めなかった。

ごめんなさい、以下壮大なネタバレを含んでいますので少し下げます。

***********************************************







今作品はオメガバースものです。

ランに初めて会ったときに、フェンリルの口からランがオメガだということが明かされます。読者にはその言葉だけでオメガバものと理解できるわけですが、ランはオメガという存在を知らずフェンリルの言葉の意味が理解できない。できないまま、ランはヒートを迎えそのままフェンリルに抱かれてしまうわけですが。

フェンリルとラン。
この二人を結ぶツールとしてオメガバ設定を設けたのだとしたらなんとも陳腐。フェンリルはフェンリルなりの意図があってランを保護しますが、そこから彼らの恋が育っていく過程があっさりしすぎていて肩透かしを食らった気分になりました。

今作品はオメガバものではありますが、オメガバがメインになった作品ではありません。タイトルにも書かれているように「狗の王」という部分が軸になったストーリーなんですね。

「狗の王」っていったい何?、と謎に包まれているわけですが、これら二つの要素を組み合わせ、そのバックボーンを生かしつつ進むストーリーで面白くはあるのですが、そのどちらをも深く描いていないためにストーリーが浅いというのか…。「狗」の世界においてのランの立ち位置も早々に分かってきますが、わかるだけ。そこからランの行動や役割に話が移行するわけではないので、んー、それで?という気持ちになってしまう。

いやいや、ふゆのさんてベテラン作家さまですから、ストーリーとか展開の仕方はさすがお上手。お上手なのですが、もう一歩踏み込んで描いてほしかった。

ランの両親について、とか。
フェンネルの過去、彼が抱える葛藤、とか。
ランとフェンネルが、お互いに相手を愛するようになった過程、とか。

もっと言うと、彼らを取り巻く周囲の人物たちもすんごい味があるっていうのかな。ぜひともスピンオフなり続編なり描いてほしいと思うくらい魅力的なのですが、その彼らについてもあっさり。もっと人数を減らして、一人に割くページ数を増やしたなら、彼らの人物像ももっと掘り下げられたのでは?と思ったりしました。

オメガバースものならでは、と言って良いでしょう。
彼らのセックスシーンはそれはそれは濃厚です。濃厚ではあるのですが、そこに彼らの愛情あって、の濡れ場ではないので、読んでいて「萌え」よりもひたすら「エロい」に終始してしまっていた感が。

個人的にはもう少し奥行きがある作品、というか読みごたえのある作品が好きなので、もう一声ほしい感が否めなかったのですが、反対に言うと、エロ多めで、痛い展開にもならず、シリアスベースではないのでさっくり読める作品になっていて、そういった作品が読みたいときにはお勧めかと思われます。

面白くないわけでも、萌えないわけでもないのです。キャラも良いし、設定も良い。

だからこそ、もう一声ほしかった。今作品は「X文庫ホワイトハート」というレーベルから刊行されていることもあるのかな。ちょっとお高めなんですよね。けれど、このお値段に見合った内容か、というと、うーん…。

風呂敷が広がるだけ広がっている感じがするので、ぜひともそれらを回収する続編を描いてほしいと思いました。

8

続くのか?

ふゆの先生の新刊と聞いたので購入。設定が面白かったのですが、なんだか物足りなかったので萌にしました。これ続いてほしいな。本編190P弱+番外編20P超+あとがき。

「18歳となったので一緒に暮らせない」「手紙に書かれた場所に行きなさい」と両親から告げられたラン。アジアを含めあちこちを転々としていたけれども、日本は初めて。見知らぬ男に追いかけられ、唯一知っている電話番号に助けを求めたら、甘い香りのする銀髪ロン毛、琥珀色の瞳を持つ男に出会い・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、結構います
ヴァナルガンド・ウルフハイブリッド(狗の一族で護衛部門担当)、ジャーハンギール(サルーキ・ガゼル・ハウンド家次期当主)、アンテロ(タマスカン・ハスキー家当主)、ブラッコ(イタリアーノ家当主)、アフマド(アフガンハウンド家)、あと斯波家、凱家、ツンドラ・シェパード家と、全9家あるそうです。

++惹かれた設定について

カッコいいんですよ、設定が!ランの父親はハイイロオオカミの純血種、母親はニホンオオカミの純血種とのこと!そして狗は、狼を畏怖し敬意を払う対象としている!

これラン最強では?と思うではないですか。その上、子をなせるオメガだから、狗のアルファ、9家当主としてみればすごく大切で、是非とも手に入れたい物件のはず。わーこれ楽しいって思ったんです。

なのですが、9家の活躍をそんなに読むまでもなく、この巻ではフェンリルとランが事件に巻き込まれてくっつくまで+エロエロ。
ランと別れた両親も全く出てこず、なんだか勿体ない気がします。これだけ設定あるし、先生もあとがきで書きたいと仰っているようですし、続くんだと思いたいです!

フェンリル、最初はヘタレでは?と思いましたが、最後にランのために王になる!と決意して頑張ってましたし、甘えん坊っぽいジャーハンギールもヴァナルガンドも楽しそうなキャラでしたし、続きを何卒。

6

長いプロローグ

多分、作者さまは長いお話がお得意なのだと思うのです。
で、このお話も『人間の世界の中には昔から狗という一族がいて、それも世界を左右する様な要職についている9つの家系がある』という世界観に基づいた膨大なお話の始まり部分、という感じがしました。
ただ、あとがきに『この世界をもう少し書き続けられますように!』と書かれていますので、続刊が出るかどうかは『この本の売れゆき次第』なのかもしれません。

なので全体が長いプロローグの様でした。
で、これがストレスフリーでするする読める。
上手いんですよ、文章が。
だけどプロローグなので、ドラマティックじゃないのですわ。
主役の2人もあっという間に惹かれ合い出来上がってしまうし、途中に『ランの誘拐』っていう、盛り上げればガンガン盛り上がっちゃうエピソードがあるにもかかわらず、そういうやり方はしないんですもの。

これでね、ある意味「続きが読みたい」気持ちが燃え上がりまして。
だって、せっかく『絶滅していると思われた狼の血をひく若者、おまけにオメガ』とか『狗族の王の息子として生まれ、神の様に美しい見た目を持ちながら王になることをずっと拒絶してきた男』とか『狗の血肉を食すればどんな病気も治ると信じる狂信者の集団』とか『狗族の中の地位争い』とか、もう、喰いつきたくなるエピソードのてんこ盛りなのに、全て書き込まずにさらっと終わっているの。
ってことは、これらは「続きは次巻で」ってことでしょう?

「読みたい読みたい」と思うんですけど、心配なのは「割と地味目なこのお話が売れるのか?」ってことなんです(失礼な発言かな?でも、面白いって思った本でもあんまり読まれなかったりするからなぁ……世の中が小説離れしているし)。

ええっと、前段の『 』内に書いてあることに反応された姐さまがいらっしゃったら、是非お手に取っていただき次巻の発売にお力をお貸しください。

6

これからが楽しみなシリーズです

タイトルにこうでも書かないと評価出来ません。余りに本が薄くて、設定が壮大な割に全てが途中のままのような気がしました。

ふゆの先生の「霞が関で昼食を」シリーズが大好きなので、久しぶりの新作でタイトルとあらすじに惹かれて購入しました。

そして読み始めて直ぐに、ふゆの先生の文章に引き込まれました。やっぱりベテランの先生は違うと思ったんです。

ところが読み進めるうちにページ数の少なさがとても気になり出しました。
フェンリルとランが直ぐに惹かれあっているのも分かったし、ランが拐われてから助けられるまでの展開が凄く呆気なくて全然盛り上がらなかったんですよね。

「狗」の世界観がとても壮大なのにフェンリルが王となった時点で終わってるし、ランに子どもが出来たかも不明です。
そして番外編ではランは名前だけの登場です。

フェンリルの従僕になったジャーハンギールとアフマドの活躍も読みたいと思ったし、最初にランを襲った「凱」の存在も気になります。

こんなに解決してないのに評価は難しいので萌にしました。

ところで読み終わってカバー後の値段を見てびっくりしました。値段に関係無く欲しい物は購入しますが、別レーベルでしたら同じ値段で3倍の厚みはあります。

だからシリーズにして続けなければホワイトハートさん許しませんよ!

3

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