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こんなに殴りたくなるキャラは初めてかもしれない(笑)

攻めの創介をとにかく殴りたくなりました(笑)
違和感は然程ないのですが、よくよく考えるととても非現実的なキャラクターです。
極端な例ですが、“子供はコウノトリが運んでくる”と信じているようなキャラが苦手な人には、もしかしたら向かないかもしれません。
創介は普通に考えてありえない行動をちょいちょいとりますから。
キーワードにもあるトラウマのせいということになっていますが、果たして本当にそれだけで一企業のやり手社長がそんな行動をとれるだろうか?そんな浅はかな人間がこんな風に社長業をこなせるだろうか?と思わず突っ込みを入れながら読んでいました。
考えたらキリのない事ですが、そういうのが苦手な方はご注意を。
とはいえ細かい事ですので、さして気にならないという方なら盛大に笑いながら読める事でしょう。

私は読んでいて何度も声を出して大笑いしました。
受けの恵流がいいところで創介を怒鳴りつけてくれるんです。
それも思わず「作者も創介にイライラしながら書いていたんじゃなかろうか」なんて邪推してしまうくらい、いいタイミングで。
本当にとても爽快です。
笑える話、楽しい話が読みたい時にとてもいいです。
クライマックスは本当に最高にすっきりしました(笑)

しかしそれだけに、最後のまとまり方が微妙に感じました。
後味が悪いわけではありませんし、きちんと収まるところに収まってはいるのですが、なんとも(´・ω・`)な気持ちになります。
「え、今更。結局そこ?」っていう。
ここも、好き嫌いの分かれるところと思います。
あと一歩、読者の予想をいい意味で裏切る展開が欲しかったかなぁ。
個人的な好みとは思いますが、正直、締め方のためだけに評価を少し迷ったくらいです。
それでも最後の最後、締めの直前まではとても楽しかったので、萌評価を選びました。

締めが良かったら確実に神評価でしたね(苦笑)
それくらい、楽しめるお話でした。

こんなネコミミ、好きです(*´∀`*)

表題作『こんなネコミミ~』と収録2作目『おくすりの時間』は魔法学校黒森学園のお話。
3作目の『みずいろ三角』(全三話)は全然違う、現代のお話です。
あらすじは菊乃さんが書いてくださっているので、省略しますね。

○こんなネコミミ、好きですか?
表紙のカップルが主役です。
私は元々ホームラン・拳先生の作品が好きなので、作者買いでした。
なので、裏表紙なども一切読まず、ネコミミな人種のいる世界観なのだとばかり思っていました(笑)
実際読んでみたら、全員普通の人間でした。
人間×ネコミミとばかり思っていたので、いい意味で裏切られましたね。
お陰でいいものが見れましたw
また、裏表紙に書いてある“しっぽの生え際”、1コマだけですがちゃんと出てきます。
さすがに、“校則”に触れるので360°は見せてくれませんが、180°くらいは…。

○おくすりの時間
裏表紙で座っている2人が主役です。左が颯太(攻)、右が刃(受)。
ちなみに、キラキラしてるのは月ノ木校長です。
見た目的にも、魔法の習得度合い等の雰囲気的にも、ネコミミの2人の先輩かな?といった感じ。
描き下ろしでも共演していますし。
ネコミミとはまた別の、惚れ薬を自作したり、校則の抜け道を知っていたり、学園ならではというか、魔法学園らしい楽しさが織り込まれています。
刃の健気で少しツンの入った、マイペースというか俺様というか…って性格が、とてもいい味出してます。
颯太を襲うときの刃の表情が、すごくいいです。
この先この2人は、刃が颯太を尻に敷くカップルになるのでしょう(笑)

○みずいろ三角
主役はカラーピンナップの2人。
実はこの単行本の中で1番ページ数の多い作品。
半分以上がこの『みずいろ三角』です。
そして私にとっては、この単行本を神評価にした決定打です。
告白直後に歩道橋から落ち、その時の記憶をなくしたセイですが、周を好きな気持ちは幼い頃から抱いていたものなので、その気持ちは変わらないまま。
それ故特に退院後は、セイの周に対する愛しさ溢れる行動が端々にあって、周視点で進むストーリーの中でも、セイの心情がとてもよく伝わってきます。
また、1度読んだだけではわかり辛かったのですが、全体の流れをわかった上での2度目では、賢吾の心情も少しですが、わかる気がしました。
『みずいろ三角』は、そうやって2度目3度目と、それぞれ視点を変えてみたりして楽しむことができます。

個人的に、賢吾と月ノ木校長の幸せ物語が読みたいです。
先生がいつか描いてくださることを祈っています。

隣の彼 コミック

木下けい子 

ご近所付き合いに胸キュン

ちょこちょこと出てくる方言にも萌えます。
BLの部分も好きですけど、BLなのに、BL要素のない部分がとても好きな作品です。

ストーリーは、大学のため田舎(長野)から東京に出てきた松田(受け)とアパートの隣室に住む八乙女(攻め)の、引っ越しソバを渡すという“ご近所付き合い”から始まります。
何回か、八乙女の帰りが遅くなる日に、隣の部屋の松田がはなちゃん(八乙女と暮らす小さい女の子)を預かるのですが、初めて預かった時に松田がはなちゃんにつられて、八乙女のことを「よっちゃん」と呼んでしまうところがすごく好きです。
そういうさり気ないところで共感できるところがたくさんあります。
他にも、松田が八乙女家の夕飯に突然お呼ばれしたり、朝のゴミ出しや挨拶など、ご近所ならではの出来事がいっぱい散りばめられています。
2話目前半まではBLということを忘れ、純粋に「こういう近所付き合いっていいなぁ。理想だよ」と思ってしまいました。
八乙女と松田の恋愛が少しずつ進み出してからも、そこここにある人の温かさが、とても魅力的です。
「松田は田舎から東京に出てきたはずなのに、東京から田舎に来たみたい!」と思うほどに(苦笑)

そしてBL的にも、ご近所萌えです!
松田が酔って帰ってきた時にアパートの外階段で八乙女がタバコを吸ってて偶然出迎えてくれたり、朝の見送りにお弁当がついたり…。
ほんわかあったかい話を読みたい時にオススメです。

2種類のお仕置きに私が虜

内容を端的に表すと「甘やかされて育ったダメダメお坊ちゃまの社会人生活奮闘記」でしょうか。
主人公・健気(けんき)は大手レコード会社の御曹司で、二十歳になったばかり。
なのに(だから?)周囲に甘やかされてきたため、遅刻を悪いとも思わないダメな大人に…。
そんな息子に社会勉強をさせようと、父親のコネと命により、健気は父の会社の取引先企業である大手芸能プロダクションの社長秘書として働く事になった。

作者初めての社会人ものだそうです。
おバカな主人公の一人称という事もあり、軽くて非常にテンポの良いストーリーなので、サクッと読めます。

それにしても、なんだかとっても変態なレビュータイトルに…(- -;
本文始まってわずか十数ページのところに、第一のお仕置き・お尻ペンペンが待ち受けています。
そしてそれ以降「お仕置き」という単語が出る度、お尻ペンペンを期待してしまう(笑)
もちろん色っぽいお仕置きもあるし、主人公が期待しているのはそっちなのですが、それだと少しがっかりしてしまうような、そうでもないような……複雑な気持ちになります(´・ω・`)
おバカ受けが好きな方に特にオススメです。

余談ですが、作者本人が本作の続編の同人誌を出されています。
そちらでもお尻ペンペンが大活躍(!?)していますので、本作を読んでハマった方は是非探してみてくださいv(笑)

長くて短い、人形と人間の愛の物語

人外モノが好きな三島先生の、久々の人外モノ!
単行本では、新装版を除くとラブネコ以来3年振りじゃないでしょうか。
先生の人外モノが大好きな私にとってはもう「待ってました!」って感じです。

以下ネタバレ有り。                           


慎が一目惚れして手に入れた美しい人形は、持ち主に十分な愛を注がれると人間の姿になれる、魂を持つ人形だった。
しかしそれ故、持ち主に気味悪がられその主を転々としていた。
そんな人形―ブラッディ・ドール―にとって、初めて自分を受け入れてくれた主が慎だった。
しめじと名付けられた人形は、慎と共に過ごす内に少しずつ人間生活に馴染み、感情を覚えていく。
ただ愛され、そして拒絶される。この2つしか経験した事がなく、愛を求める事しかできなかった人形が、愛してくれる主を得て、色々な事を学んでいきます。
描き下ろしを抜いて全5話あり、それぞれにメインテーマとなる単語が副題としてついています。
なので扉を見ると「こういう話なのかな」と想像がついてしまうのですが、想像通りでわかっていても、キュンときてしまいました。
慎としめじ、それぞれの受けた感動や衝撃が、ダイレクトに伝わってきます。
一瞬「バッドエンド!?」と心配しましたが、ハッピーエンドで安心しました。
ドキッとするところもありますが、ハッピーエンドなので安心して読んでください(笑)

個人的に、二話が一番好きです。
笑いのツボもかなりついてくれますが、副題となるものについて「そういう理由か…!」とちょっと驚かされました。
帯にある「初めての涙」の理由、すごく素敵で大好きです。

可愛い尽くしの一冊

表題作の他、短編2本が同時収録。
うち1作は他社で掲載された作品。

◯ベイビィ★アイラブユー
同レーベルでの前コミックス『パパ★アイラブユー』のスピンオフ。
あの時5歳だった秋生が、高校生のお話です。
大きくなっても可愛い秋生が、ひたすら可愛いです。
でも攻めです。相変わらずの三島節(?)全開です。
お話自体は比較的ほのぼのしていて、安心して読めます。
随所に出てくる薫がとってもパパで、いい味出してます。
全3回なのですが、どの回もいちいちオチがおもしろいです。
最後の1~2ページで、それまでのいろいろが吹っ飛びます。
平坂がずーっと眉間にシワを寄せているので、ついつられて、読んでる方も眉間にシワが…;
読前読後の眉間ケアが必要かもしれません(笑)

◯お姫様と犬
可愛くって人気者のクラスメイト・姫野が気になる、ちょっと乙女な犬養(いぬかい)。
憧れの姫野君に声をかけてもらえ、しかもなんだか仲良くなれたみたい?
学校帰りにカラオケにまで誘われちゃって、舞い上がる犬養だが……。
あらすじを書いてみました。参考までに…。
(見た目が)可愛い方が攻めです。たぶん。
明確なシーンはないですが、三島作品なので。
個人的に、姫野の友達の若宮が好きです。
これもやっぱり最後のオチなのですが、彼の一言が最高です。

◯スキっていってv
恋人の鈴原とHをしたい葉山。
しかし、家に遊びに行ってもスパルタ勉強会ばかりで……。
可愛い方が攻めです。でも両方可愛い(笑)
ストーリー自体は王道なので、想像通りの展開という感じもしましたが、想像以上に可愛い表情に萌えました。
あと、葉山の女友達・梅ちゃんがすごく好きです。
こうやってBLにうまく女の子を登場させられていて、そういう点でも、この作品は面白いと思います。

第一部完!

毎巻発売が待ち遠しい『兄弟限定!』も、この4巻でついに第一部完。
もちろん第二部へと続きますが、とても良い終わり方なので、このまま本当に終わっちゃうんじゃ…と一瞬心配になりました。
雑誌に続きが載っているから、確実に続いているのに(笑)
それくらい綺麗にまとまっています。
これはもう、見事としか言いようがありませんね。
なので、続き物は終わってから読む派の方々には是非、とりあえずこの4巻まで今読んでみて!と言いたいです。
スッキリまとまってるから、読んでハマって!そして語り合おうよ!と。


以下ネタバレ有り。



この巻で家の相続問題が解決するのですが、まさかあんな手があるとは…。
そうなるかなと薄々思ってはいましたが、実際にできるのでしょうか?
ともあれ、兄弟仲が良くて読者も幸せです。

新キャラの神月ですが、私的にはとてもいい感じです。
特に雅東の芸術の腕を買うあたり、非常に好みです。
また、神月絡みで橘が活躍するのですが、意地っ張りな彼らしさが出ていて萌えます。
たぶん本音だろう彼の言葉も、意地を張った彼の言葉も、キュンキュンきました(*´ω`*)

最後の神月の台詞に「なんだこの人、読者とほとんど同じか」と思ってしまったのですが、みなさんはどう思うでしょうか?(苦笑)
是非意見を交換できたらと思います。

………あれ?最後私信?……すいません(、、;

大人CPと高校生CP、2組の同棲物語

南月ゆうさんの商業デビュー前からの作品が、文庫になりました。
プロローグ/准輔×帝互編がコミック、賢児×皇太編が小説です。
元々の設定(南月ゆうさんHP参照)とは少し違いますが、若い2人のケンカップルぶりや大人2人のイチャイチャは変わりません(笑)
既にできあがっている2組の同棲カップル話になりますので、全体的に甘々でほのぼのとしています。
軽い話を読みたい時、読書でリフレッシュしたい時にオススメ。


◯賢児×皇太編
素行不良だが成績優秀で掴み所のない賢児と、サッカー部所属で明るく前向きだがドライな一面も持つ皇太。
賢児は素行不良といっても、よく言う不良という程ではなく、皇太もその辺にいそうな高校生といった感じ。
こちらのあらすじは上にあるので割愛。
この2人、私の大好きなカップルです!
皇太がまだ男同士の色事に抵抗があり、また決して大人しい子ではないので、見ていてすごく楽しいです。
途中、賢児が皇太を殴るシーンがあるのですが、そこがとても彼ららしく、原案である南月さんのこだわりが伝わります。


◯准輔×帝互編
小学校時代同級生で大親友だった彼らは、中学から別々になってしまう。
成長し25歳になった彼らは、偶然再会する。
准輔が十数年前の淡い恋心を打ち明け、晴れて2人の想いは通じ合った。
それから2年後の現在、彼らは准輔の元教え子である賢児・皇太と共に暮らし、砂糖を吐かんばかりのラブラブ生活を送っている。
そんなある日、帝互は高校時代の先輩・桐島カズヤから相談を持ちかけられた。
自分に付きまとう女性を諦めさせるため、帝互に「恋人役」をしろと言うのだ。
余程困っていたのかしつこく協力を請う先輩に辟易していた時、帝互は昔離れ離れになった准輔から送られてきた手紙を不注意でなくしてしまう。
2つの出来事が重なり、次第に2人の仲は気まずくなっていき……

まとめるの苦手で、あらすじが随分と長くなっちゃいました;
一瞬しか出てきませんが、准輔のお父さんがなかなかいい味出してます(笑)
桐島先輩も憎めないというか、私は好きなキャラクターですね。
気まずくなった帝互と准輔、それぞれと話をする賢児と皇太がカスガイのようで、ちょっと笑えます。

各話スポットの当て方が秀逸

◯前世と現世と君と俺
個人的に、水上さんの絵柄は迫力系美人という印象が強く、エスニックなシーンは特にその魅力が増すなと思っていました。
前世という事もあって、やはりそういったシーンがあり、非常に魅力的でした。
何世にも渡り報われない片思いを続ける主役2人なのですが、苦悩する受けの特に前世での姿は絶品です。
前半は正直、前世やマスターのお兄さんの方がおもしろく、その上現世での場面転換も少しわかり難く、主役が霞んでいるように感じました。
しかし、現世で2人の仲が進展するところで、不意打ちの様にかなり萌えました。
ここまで散々シリアスでしっとりした展開できてたのに、ここでそれ!?と。
すごくかわいいプレゼントに、一気に現世にスポットが当たった気がしました。
もうホント、やられたって感じですね。
その一瞬のだけで、“一読の価値あり”です。
全5話から成っていますが、それぞれのスポットは以下の通り(あくまで主観ですが)
1…前世その1
2…前世その2
3…現世進展
4…世間体と迷い
5…大団円

◯玉鏡の君
あらすじは前の方が書いていらっしゃるので割愛。
初読後の感想を一言で表すと「思春期だなぁ」
ストーリーの軸は、漫画によくある話です。
捨てられた者同士の慰め合いから始まる、成長と恋の物語。
(慰めるは言葉のまんま、普通の意味です/笑)
正確には誰も“捨てられて”はいないのですが、メインキャラの出会いのシーンでは、自分の存在意義が揺らぎ、孤独を感じています。
互いに健気に想い合い、尽くそうとするお話です。
ラスト1コマがすごく可愛いです。
こちらの話もやはり、神々しさ漂う伏見様がとても日本情緒豊かに描かれています。

余談ですが、私は『前世と~』では最初に出てくる前世シーンが1番好きです。
そして『玉鏡の君』では、源九郎と八代の作ったお稲荷さんが食べてみたいです(笑)

着物好きには最高!

すっっっごい好きです。こういうの大好き!
中に出てくる着物全部見てみたい(モチ、中身もいい男で 笑)
とにかく着物、なんといっても友禅!この話はまず、友禅有りき。
女物の生地を男物の着流しに仕立てる。ステキだ(*´∀`*)
そうやって着てみたい。高そうだけどorz
ストーリー全体の感じも、私は結構好み。
なんにしても、仕事人てのは輝いてるね。
仕事シーンがきっちり書かれてるのは割と好きなので、この作品はそういう人にもオススメ。
リーマンでも自由業でも、その仕事を綿密な下調べの上で読者に伝えてくれる話は楽しい。
特に着物好きな人にはオススメ。
いっろんなのが出てくる。
デザインは現代的なものが多いけれど、古典の良さもちゃんと伝えてくるからさらに面白い。

自分的ベストは、雅のよく着ている菊のやつと勇人の真っ赤な襦袢に蜘蛛の着流しと、部屋着。
どれも実際あったら見てみたい。

広めたくて書いたので、ストーリーのネタバレは避けてみました。