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katakoi no yamai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
初めての久我有加先生、芸人シリーズは、大好きなイシノアヤ先生が挿絵を担当されているこちらの御本から。
読み進めていくと、深野(攻め)が何を考えているのかわからないので不信感が芽生えました。
極め付けはデリカシー皆無発言。
完全に「何なん深野!」と思っていたのですが、のちのち深野は深野で真面目に考えての発言だったのだとわかりました。
どちらにしろ由(受け)からすると酷い発言なのですが、想いは一方通行だったわけではなく...
最後は至高のハッピーエンド!
お笑い小説の面白さもしっかり。
とても素敵な御本でした!
芸人シリーズ最新刊です。今回は現代物。
全国漫才コンテスト、通称「全漫」での優勝を目指す、中堅お笑いコンビ「表面張力」。そのツッコミ担当・由の相当拗らせた片思いの物語です。
二人が出会ってコンビを組んだばかりの頃は、ただ「一緒に漫才をやりたい」というキラキラした純粋な気持ちだったはずが、10年以上の長い片思いを経て、どうしようもなく大きく膨らんだ、自分では制御出来ない「病」のようなものに・・・。
二人で追う「全漫」優勝の夢と共に、平行して拗らせ系の切なく苦しい片思いが書かれています。
感想としては、いや~、重いし切ない!
何でしょうね・・・。もう、純粋な気持ちばかりでは無くなっているのが、ある意味とてもリアリティがあって、なんとも切ない気持ちになるとでも申しましょうか。
中堅としてそこそこ売れてはいるものの、盤石では無く年齢的にも後が無い二人。「全漫」での優勝を目指すものの、真の目的というのは「二人でずっと漫才をやり続ける」事なのです。その手段としての「全漫」優勝なのですね。しかし、長い拗らせた片思いが病のように由を蝕み、今までのような漫才が出来なくなってしまう。
このあたりが相当重くて苦しいです。
どちらかというと、常識人で思い詰めやすいタイプの由に、一般の尺度では測れない、大らかというか大物の深野。深野の大物っぷりに救われる部分もあれば、よりすれ違いを深刻にしてしまう部分もあり・・・といった所でしょうか。
あまりのじれったさに、途中で「もうオマエら、いい加減にしろよ!!」とブチギレたくなりつつも、二人の恋の行方が気になって気になって、一気に読み進めてしまいました。
まぁしかし、由→→→→←深野かと思いきや、深野も相当深刻なんじゃないの・・・?本人が無自覚なのがまた、根深さを感じさせてくれるというか。鈍いにも程があるよー!と言いたい・・・。
とりあえず、結ばれた後の二人はとっても甘いと言う事だけお伝えしておきます。
明るく楽しいお話では無いですが、読み応えがありました!
シリーズものなんですが、未読でも全く問題ありません。
ただ、私は元々このシリーズが大好きで読んでいたので、ちらほらと出てくる人物やコンビ名がうろ覚えだったのが気になって、シリーズ最初から読み返してしまいました。なお、個人的には順番は「片恋の病」を読んでから「恋で花実は咲くのです」を読むのがお勧めです。時田に笑ってください。
由(受)の視点でストーリーは進みます。
相方の深野(攻)に十年以上こじらせた片思いでしんどい中、全国漫才コンテストに挑む話です。
深野に恋人になろうと言われても、同情はいらんと抗ってしまう気持ちにすごく共感しました。
深野がすごくお気に入りです!最初からずっと由に優しいのが、自分的にはポイント高かったです。
なによりタレ目がいいです!イシノアヤ先生のイラストがどれも素敵で、悶え転がりまくりました。表紙は帯「ふたりだけの世界」にぴったりでしたし、手前の靴が二人の性格を表しているようでした。口絵カラーの見つめあ合う二人も素敵でした!一番のお気に入りは、深野が由のマスクを下げる場面です。鏡に映った背中が細かいなと思いました。
それと階堂の「天然に説教してどうする。流せ」が個人的にはツボでした。納得です(笑)
ただ、深野はバツイチなうえ、元妻も元息子も登場するので、そういうのが苦手な方はご注意してください。ただ、さっぱりした女性ですし、何度も登場しませんので、読みやすいとは思います。
いやー、懐かしい面々がお揃いで。
「お久しぶりでーす。みなさんお元気でしたか?」
おなじみのコンビ名が出てくる度に、そう言いそうになりましたよ。
このお話単独で充分楽しめますが、久我さんの『芸人シリーズ』は読破するとそんな楽しみ方も出来ます。こんなコンビ、こんな人が『ワチャワチャしている世界』が立体的になる感じでした。
このシリーズで、特に漫才を題材に扱ったものは、コンビを組んでいることと恋愛感情を抱いていることの両立に悩むお話が多い様に思います。
このお話も受けさんの由からすればそういうお話なんですけれども。
でも、私が興味深かったのは『恋愛という意味で好き、ってどういうこと?』でした。
攻めさんの深野って、気遣いとか人当たりとか漫才の『間』とかには細やかな人なんですけれど、他人に対する好意に対してはとても大雑把なんですよ。
とにかく「由が一番好き」で「ずっと由と漫才をやっていきたい」んです。「そのためなら何でもする」と言える人なんです。
で、由は悩んでしまうんです。「それは恋愛の好きと違う」って。
気づくと「それじゃダメ?」って思っている自分がいたんです。
そもそも恋愛って『人として好き』っていうのとどう違うんだろう、って思うんですよね。
ぶっちゃけ「やれるくらい好きだったら、それが恋愛なんじゃないか」と思うんですよ(身も蓋もない書き方ですみません……)。久我さんがこの結論をどう持っていくのかが非常に楽しみで、グイグイひきつけられて読み終わりました。
結果は満足。
やっぱり愛のベースは信頼だと思うの。
久我有加さんの関西弁芸人BLシリーズ、今回は既シリーズでもちょろちょろ名前は出てきていた結成13年目の中堅コンビ、「表面張力」のお話です。
前作までの登場人物が何人か出てきたりもしますが、筋には絡まないので未読でまったく問題はありません。
カップリングはボケ担当の天然イケメン攻め×やや毒舌なツッコミ担当が受けです。
受けは結成して間もない頃からずっと相方が好き、でもその相方は婚歴もあるノンケで、コンビとしてずっとやっていきたいので口にも態度にも好きな想いを出さずに耐えているというキャラ。
視点キャラも受けなので、ひたすら相方が好きだ、言えなくてつらい、でもコンビとして一生側にいたいという健気な片恋描写が延々と続きます。
受けは健気だし、片想いも切なくて、報われるといいなーと受けの恋を応援しながら読めたのですが、攻めのキャラクターというか、考えていることがまるで分からず、宇宙人を見ているような気持ちでした。あと受けの目を介してしか攻めの性格が語られず、攻めはこんなに変だ、天然だ、でも好き! みたいな感じで、受けの恋心に同調できにくかった。
あと、攻めに結婚歴があるのが個人的には萌えられず、すごく引っかかりました。崖から妻と受けがぶら下がっていたらどちらを助けるか、の話にも、ええっ⁉︎ って思ってしまった。これは萌えるところなのでしょうか…私は引いちゃったんですけど。
でも、くっついてからのエッチにはすごくたぎりました。回数は少ないけれど、一回が濃厚で読み応えがありました。
ただ態度に出やすい受けのこと、今後テレビなどで恋愛感情丸出しな態度をとったりしないかが非常に心配なところです。
もう何作目になるのかわからない、大阪芸人シリーズの、現代版編の新作です。
シリーズの前作で登場したコンビやキャラがそこかしこにいるのが楽しい。
しかし、シリーズも長くなってくると、BLとしての恋愛パターンに行き詰まりを感じてくるというか、なんというか、
今回のお話は、片恋を隠すことに囚われすぎて迷走するツッコミ担当と、鈍感なんだか天然なんだか何考えているのかわからないボケ担当との、10年以上コンビでやってきて、年齢ももう30代になってしまったからこその、関係に変化をもたらすような一歩が踏み出せないもどかしさを、じっくりたっぷり。
既刊を読んでいればわかる通り、実は周りは同性カップルだらけで、先輩カップルたちには、それとなく応援されているのに、当事者の鷹司はそれに気付かず闇雲に恋心を隠そうとするばかりで、、、
今回は、片恋されている深野の方は、何を考えていたのかが描かれていなくて、っていうか、キャラ的に、実は何も考えていないキャラなのか、この深野に魅力を感じられなくて、ちょっと萌マイナス。
漫才の相方に10年以上片思いし続けてるとか、あまりの年月の長さにクラっとなりました。
おまけに、全漫チャレンジは最低でも決勝戦まで残らないといけないと課せられて……
受けの追い詰められぶりが読んでて辛い……。
これ、自分だったら胃がいくつあっても足りないだろうなぁ……。
攻めはなんか規格外の不思議男で、何を考えてるのか掴みづらく萌えにつながらなかった……。
芸人シリーズは、「何でやねん!」のバンテージしか知らないのだけど、特に問題なく読めました。
でも「オレンジグミ」とか、「さんご」とか、絶対この人たち他のシリーズの主役なんだろうなぁ…彼らの事を知ってたらもっと楽しめるだろうなぁと思いました。
それにしても、ゲイカプだらけ……!
これはですね、感想・評価が難しい。。。。
(以下内容に触れながらの感想です)
というのも、攻めが、独特の考え方をする男すぎて。思考回路が分からなさすぎる!!!!
途中まで、必死に思いを隠そうとする由が健気で、苦しむ姿が切なくて、めちゃめちゃ応援しながら読んでいました。
いや、由を応援したいという気持ちはずっと最後まであったんですけれども。
ストーリーとしては、漫才コンビの受け→攻めへの片想い。
もうずーーーーーっとひたすら切ない片想い展開が続くので、この点でも好き嫌いは分かれる作品かなあと思うのですが。
でもでも、でもですね。。中盤のね。。
相方、攻めの深野の言葉で、自分的にどうしても共感できないし、許せん!恋する者の気持ちを踏みにじってるやろ!…と思ってしまう部分があって。
「お前がずっとしんどそうだから、(恋愛的な意味で好きではないけど)お前が望むならキスでもセックスでも何でもするし愛してるとも言う」って…なんか、なんか、、
それは違う、と。
あまりにも人の恋心を分かってない、失礼すぎるよ…と思ってしまい、その時点で攻めを受け入れられなくなってしまったんですよね。
や、多分ですね、攻め自身も気付いていない、無自覚の「好き」って気持ちありきの言葉なんだよねってことは分かるんですけれども。。萎えてしまった。
その後の言動も、特に「決勝戦まで恋人になろう」とか、理解に苦しみすぎて脳内???状態に…
それってそれって、「決勝終わったら恋人ごっこは終わり。」という意味にしか自分には捉えられず。失礼の上塗りをしてくる男だよ、、、と。
プラス、ことあるごとに深野が「大丈夫やからな」と優しい目で由に語りかけてくるんですが、大丈夫じゃないし大丈夫じゃないのは誰のせいなんだー!と、若干イライラしてしまいました。
後半、由の言葉で深野の言動が「深野なりの愛情」と表現されていますが、私には理解できなかった。
久我先生の落語家シリーズとか、大好きなんですけれど…
受けの報われなさそうな長い片想い、って点には萌えたんですが、攻めがとにかくダメで、中立寄りなんだけど久我先生の作品だし…と葛藤しての、「萌え」評価です。
今ひとつブレイク出来ずにいる中堅お笑いコンビが、全国漫才コンテストに挑戦をするお話。
関西・漫才コンビ・片想い…と、気になるワードばかり。
関連作を全ては読んでいなくても問題なく読めましたが、うーん…ちょっと思っていたお話とは異なる雰囲気でした。
決して面白くなかったわけではないんです。
大きな舞台へ挑む緊張感だとか、才能溢れる後輩たちへの焦りだとか、そういう人間くさい部分の描き方は好きだったんですね。
ただ、すごく惹きつけられるなにかがあったかというと、そういうわけでもなかったというのが正直なところでした。
拗らせた長年の相方への片想いと、コンビとして漫才コンテストで結果を出せるかどうかの苦悩が受けの由視点で綴られていくわけなのですが…
盛り上がる部分があまりないまま、ずっとロートーンでぐるぐると悩む姿がなんだか読んでいてしんどかったです。
心理描写が上手いがゆえにとても息苦しい。
攻めの深野が、この重ための空気の良いガス抜きになってくれたのならもっと読みやすかったのかもと思いましたが、彼に関しては終始何を考えているのかがよく分からないまま読み終えてしまった。
わたしにはこんなにも長い間由が片想いをするほど、深野が魅力的な人物だとは感じられなかったのです。これ!という説得力がほしかった。
題材は好みだっただけに、もっとすっきりと読み終えたかったなと思いこちらの評価に。