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amaki chi no shitatari
ベタな吸血鬼モノが大好きなのです!
愁堂さんの作品は(多分)初めてでした。文章が読みやすく、サスペンス風のストーリーも面白かったです。
他の方もおっしゃるように、ラブの要素はやや薄めですかね。Hも後半に一回だけでした。でも、首筋から吸血する場面て、ものすごくエロいと思う。
連続殺人の犯人捜査に重きを置いたストーリーで、グロテスクとまではいかなくとも血生臭い描写はあるので、苦手な方はご注意下さい。
神評価にしようかなーと思っていたのですが、記憶操作や瞬間移動云々の能力に疑問を感じたので萌萌にしておきます。
サスペンスとしても面白かったですし、せっかく心を通わせはしたものの二人の生きる時間の長さや、ジュリオの事とかも気になるので、ぜひシリーズ化してほしいです。
愁堂さんは個人的に当たり外れが大きいので(いや、ごめんなさい)買おうかどうしようか悩みましたが、石田さんの描かれた表紙が素敵すぎて思わず購入。
愁堂さんは刑事ものが多い気がしていますが、この作品も刑事もの。そして表紙、タイトル、帯の文句からも分かるように、吸血鬼モノでもある。
吸血鬼×刑事のお話でした。
ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。
主人公は警視庁捜査1課に勤務する刑事の瀬名。
彼はイケメンさんではありますが自身の容貌に一切興味がなく、彼の興味の矛先は犯人検挙ただ一点に集中しているので、刑事としては有能で早くに昇進も果たしている。ゆえに仲間の刑事たちからは嫉みから敬遠され、単独行動をすることが多い。
そんな瀬名ですが、子どもの頃に両親が惨殺されるという過酷な過去を持つ。その時の状況を時々悪夢として見ることがままある彼ですが、現在仕事の上でも若くきれいな女性ばかりが狙われ、首を切られ、体内の血液のほとんどを抜かれる、という凶悪な犯罪を追っている。
犯人の目星もつかず捜査が行き詰っていたある日、帰宅した彼を待ち受けていたのは見目麗しい青年でー。
というお話。
自分は吸血鬼で、過去の両親が殺されたときに瀬名を守ってくれたと告げるその青年・ファルコは、瀬名が追っている事件の助けをしたいと申し出るのですが、そんなファルコと、過去の両親の惨殺事件、そして現在起こっている連続殺人をメインに話は進んでいきます。
愁堂さんらしい、読みやすい文体にテンポよく進むストーリー。
犯人は誰なのか、そして犯人の目的は?
と、ストーリーは面白く、ページをめくる手が止められませんでした。
ただ、肝心のラブ、という点ではちょい不完全燃焼気味。
ファルコは瀬名の様子をつぶさに観察しているようですが、それが恋愛感情からなのか、過去の事件のためなのか、はたまた現在の事件解決のためなのかいまいち分からない。
一方の瀬名の方も、初めは不信感しか感じていなかったファルコに対して、いつ、どうやって恋愛感情が育っていったのか分かりづらい。
ファルコは吸血鬼なので、人の記憶を操作することもできるし、瞬間移動もできる。「刑事もの」でそれはずるくない…?とちょっと思ったりもしました。
瀬名は周囲から浮いていることもあって単独行動をとることが多いし、むしろ瀬名の仕事を陰から手伝う仕事上のパートナーになっても面白かったんじゃないかな。
ファルコといつもともにいるジュリアも、実にミステリアスで魅力的なのですが、彼の存在意義がいまいちわかりづらかったのも残念。
なので、ぜひとも続き物にしていただいて、ジュリアについてとか、ファルコの能力をフルに生かして瀬名を助けるとか、そういう展開にしていただけると面白いんじゃないかな、とちょっと思いました。
石田さんの挿絵が、これがとんでもなく美麗でした。
作中、濡れ場が最後にちょびっとだけとエロ少なめなので、エロい挿絵が少なかったのが超残念(←おい)でした☆