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この作品、もう本当に本当に良くて、神of神だと思いました。
通勤電車で読みながら泣いてました。こんなに愛に溢れたやさしいお話があるでしょうか。
そして、二人の選択もとても慈愛に満ちたもので、私はもうずっと応援していました。
こうして書いていても泣けてきます。こんなに素敵な作品を読めて本当に幸せです。
阿部氏も高嶺くんも勿論ですが、美優ちゃんも芝も御両親も大好きです。
「私は起動したときから人が大好きでした。」という美優ちゃんの一文に泣かされました。
戦争にドールを送り込んだ人間を許せず、あり得そうで恐ろしいし、ドールが可哀相で可哀相でやりきれない。
この作品が埋もれてしまうことがもったいなさ過ぎます。
重版をかけたり、一般書の文庫からも出したりして、たくさんの人に読んで欲しいです。
前作(ショートケーキの苺にはさわらないで)のスピンオフです。もちろん前作を読んだ方が話の流れが分かるので読んでからが良いと思いますが、私は断然こっちのスピンオフの方が好きです。前作が悪かったというより、賛否両論ある前作よりも本作の方が自然だったなぁと。自然なラストの方がスピンオフというのも面白いですが、全編通して幸せな気持ちになれたので「神」を100個くらいつけたいです。
本作は前作にて大活躍(?)したオタクの友人、阿部ちんを主人公にしています。設定などは概要通りですが、ドールオタク×幸薄ドールというのは前作と同じパターンですね。なので、どうやって前作と展開を変えるのか気になったのですが、記憶がなくなる不幸をテーマとして扱った前作に対し、記憶が永遠に残る不幸をテーマにした本作は、物語の構成も結末も前作とガラッと変わっています。同じ作者さんでこの振れ幅はすごい。改めて凪良先生の表現の幅に驚かされました。
キャラクター性で言っても、阿部ちんはオタクでありながらベースが陽キャラです。ゲイであることに悩んでドールにハマった南里と違い、阿部ちんは美優に憧れる形でドールにハマります。一口にドールオタクと言っても全然違うんですよね。なので、南里にあった危うさが阿部ちんにはなく(年齢的な要素もありますが)、その辺りも本作が読みやすかった理由だと思います。情熱と冷静さを等しく併せ持つ阿部ちんの本質は、恵まれた両親やその両親が経営するレストランの常連さん、学生時代の友人との関係性が全て影響していると思います。誰かに優しく出来るからこそ優しくしてもらえて、誰かを助けられるからこそ助けてもらえる。理想的な人間関係を築ける人なんですね。そのせいか、前作は切なくて泣けるシーンが多かったのに対し、本作は幸せ過ぎて泣けることが多かったです。阿部ちんは素敵なお客さんが通うレストランの魅力的なシェフであり、この軸が最後の最後までブレなかったことが本作の魅力に繋がったと思いました。
ちなみに以下ネタバレですが、阿部ちんは美優と暮らすこともマスターになることも選びませんでした。夢は何一つ叶えていないんですね。ただ、高嶺と恋をして一生をともにしただけ。私はこの結末がすごく好きです。「家族がいれば数千万円くらいかかる」「神に誓って結婚しても、別れるかもしれない不安は消えない」「どんなに好きでもどちらかが先に死ぬ」など、高嶺(ドール)との関係が、人間同士の関係と何も変わらない大切なものだと理解できました。ドールである高嶺が人間のように心を持ち、システムに反した愛情行動を示してくれる。ロマンチックな愛の形だと思いました。「おやすみなさい、また明日」が好きな人は絶対好きだろうなと思えるラストです。
悲しい結末だと想像がつくのでずっと積読していた本。
「ショートケーキの苺にさわらないで」を読み、やっと今頃読了。
目が腫れてしまった。
悲しいというより、安倍と高嶺が築いた信頼関係に感動して泣けました。
製造禁止になった裏ドール。
安倍が欲しかった裏ドールの新品はもう入手不能。
中古の裏ドールをひょんなことから手に入れた安倍ちん。
愛想のない裏ドールだけど、安倍ちんは大事に「人格を持った一人」として大事にする。
南里のような決意ができない安倍は、老化していく。
老衰していく安倍に併せて、高嶺も老化をメンテナンスしていく。
安倍を看取り、葬儀を終え、身辺を整えていく高嶺。
エピローグの「2119 9 29」の意味を知る場面で、すっかり感情移入して、読みながら泣けた。
大事な安倍の為に力を使い尽くした高嶺は、立派な人格を備えたドールだった。
安倍ちんも高嶺も、お互いに愛に応えようとする姿勢に感動。
「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフです。
読まなくても分かるかもしれませんが、出来ることならそちらを読んでからこちらを買ってください。
そしてショートケーキを読んだけどこちらは買うか悩んでいる、という方がいらっしゃったら是非こちらも読んでほしいです。
ショートケーキを読んだ際にもボロ泣きしましたが、こちらに関してはショートケーキの二人の描写が出てくるだけで涙が滲みました。後遺症が重症です。
ただ、ショートケーキの方では「萌×2」評価をつけましたが、こちらは文句無しの「神」です。
人間とアンドロイド。
大団円の円満ハッピーエンドにはならないことは誰が考えてもわかると思います。決められた終わりへと話が進むだけですが、読みたかったお話を読ませてもらえました。
「ショートケーキの苺にはさわらないで」の阿部ちんがキャラ立ちしていて好きだったので、期待と心配半々で読み始めました。
こちらだけでも楽しめるとは思いますが、話が絡んでくるので「ショートケーキ~」共に読むことをオススメします。
読んだ人に、考えさせる物語だと思いました。
この本を読み終えたとき、あなたの心に語りたいことが浮かんでいるでしょう。
ドールのこと、戦争のこと、人間のこと、心のこと・・・・・・読む人に問いかける物語です。
あのシーン、このシーン、思わず泣いてしまいました。
心に訴えるような物語を生み出していただき凪良先生ありがとうございます。
欲を言えば、私は「ショートケーキ~」の阿部ちんが好きだったので痩せる必要はなかったのでは?と(笑)
阿部ちんは阿部ちんのままでとても魅力的なので・・・この本から読む人にとっては痩せて主人公っぽい阿部ちんの方が入りやすいのは分かりますけど。編集さん、ダメですか?
ショートケーキよりは良かった。
しかしながらなかなか読み進めず間に色々と他の本を読む私。
どうやら相性が悪そうです。
戦争って安易に扱って良い題材ではないと思うんで。
なんか二作読んで、作者の思想とか感覚が透けて見えてしまった様な。
そんなもん求めてないからダメなのかも。
恋愛なの?
私的にはペットに対する深い愛情の様なものと重なってしまいました。
とても人気の作品にこんな感想しかもてない私が変わり者なんだろうな。と思いました。
今までファンタジーはあまり好きじゃなくて読んでこなかったのですが、「ショートケーキの苺にはさわらないで」でファンタジーもいいなと思い購入しました。
人間とアンドロイドってそんな〜とはじめは思って舐めていましたが。めっちゃくちゃ泣きました。阿部ちん!なんていい子!!
阿部ちんの人の良さとこの歳で付き合うということに慣れてない初々しさ。最高でした。あと何歳になってもあの口調っていうのも阿部ちんぽいなと思いました。
途中から涙なしでは読めずボロボロ泣いていましたが、本当に最後の最後、「あぁこのタイトル!なるほど!!」となりながらめっちゃ泣きました。
凪良先生、私をどんだけ泣かせるんですか····。
心優しいアンドロイドオタク・阿部と、つらい経験のせいで感情を表さない男性型アンドロイド・高嶺が、困難を乗り越え結ばれ、限りある人生を選び、添い遂げるまでの恋物語。
少しずつお互いに惹かれていく二人のもどかしいやり取りにキュンとし、過去の高嶺の主人の縛りを越えて二人が結ばれる場面には胸が熱くなりました。阿部が高嶺に看取られる場面、高嶺が阿部を想いながら命尽きる場面では、涙をこらえきれませんでした。
こんなにも心を打たれるのは、登場人物たちの生き方が身近に感じられて、今の暮らしにも通じるエピソードがちりばめられているからではないかと思いました。
阿部は、まっすぐな性格で、思いやりにあふれています。
高嶺にも女性型アンドロイド・美優にも、人間と同じように接し、彼らの不遇に心を痛めていて。
社会がアンドロイドを道具扱いしても、彼らにも心があると信じて肯定し続けます。
そして、高嶺の何気ない振る舞いの中に隠されている悲しみを見逃さない繊細さも持ち合わせているのですから。
こんな男性がいたらいいな、と思わされます。
高嶺が阿部と一緒にレストランを切り盛りする描写も好きです。
二人が恋愛以外に仕事でもパートナーとして働くのが、対等な感じがして素敵です。
高嶺は性行為で奉仕するためのアンドロイドだけれど、そのことに悲しみを感じていて。
だから阿部と一緒においしい料理でお客さんを喜ばせることができて、すごく幸せだったに違いありません。
社会に居場所があるって、大事だと思います。
「なにがあってもとりあえず飯をくう」という阿部家の方針にも賛成です。
食はあらゆることに善に作用する、というのが両親の持論だそうで。
食べることが阿部と高嶺を良い方に導いて、強く結びつけましたしね。
味わい、噛み、飲み込むという動作が激することを抑えてくれる…。なるほど、実践したいと思います(笑)。
阿部のおばあさんの教え「自分が正しいって思い込みすぎちゃいかんのよ」も、耳に痛く、忘れないようにしたいです。阿部はこの言葉を大事に生きてきたのですね。きっとお父さんも。
南里とシンのエピソードは短いですが、自分の幸せの形について考えてみたくなりました。
自分なりの幸せを忘れなければ、もっと幸せを感じて生きられるかもしれませんね。
そして、人間の都合でアンドロイドを虐げる未来社会の設定が、弱者に冷たい今の世の中を暗喩している気がしてズキリとしました。
ほかにも名言、名エピソードがあり、たびたび頷きながら読んだのでした。
こうした一つ一つの描写がしっかりとこの物語を支えていて、読むたびに心を打たれてしまいます。
「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフなの知らなくてこれだけ読んでしまいました。
元のお話もよまないと!
切なくて優しい物語。すごく素敵な愛情がつまってました。
後半から涙が止まりませんでした。
読後も思い返し、彼らの愛を反芻すると涙が溢れてしまいます。
人間として生を終える姿には本当に言葉にはできないほどです。
49日までの高嶺の行動と気持ちが本当に本当に切なくて。
涙無しでは読めません。今思い出すだけでも号泣です。
阿部ちんと高嶺の間に流れて溢れている愛情が本当に素敵でした。
あとは「ショートケーキの苺にはさわらないで」に出てたり、芝さんの物語書かれてるかわからないのですが、もしあれば読んでみたいです。なければ芝さんのマスターも気になりましたので、いつか書いて頂けたら嬉しいなー。
前作『ショートケーキの苺にはさわらないで』でも大号泣しましたが、今作品でもやはり同じく大号泣でした。凪良先生の作品は、複線の張り方・回収の仕方が本当にお上手で、脇役に至るまで、キャラが魅力的でブレがなく、そして何より、文章が美しい!!
「あ~ここ泣かせようとしてるな~。あざといな~」と思いながらも(←失礼)まんまと大号泣しました(笑)。登場人物だけじゃなく、周りの人間やその物語の世界全てが幸せに思えてくる優しい世界観が大好きです。読み終わった後も思い出して泣けてくるし、何度読んでも泣いてしまうのだろうなと思います。
この作品は是非とも本文を読んで頂きたいので、あらすじについては言及しません!心の洗濯をしたい方にはお勧めの作品です!!