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kare no shiguwa no hitotsuhitotsu ga
シリーズ第4巻! 完結編‼︎
本山は、事務所の世界進出のためアメリカに生活の基盤を移し始めます。
暁は大学3年生。
周囲もぼちぼち就職活動に入っていく中、自分の将来に悩みます。
モデルとして順風満帆に成長を続け、慣れてきたことで最初のような緊張感が薄れつつあった暁。
周囲も彼の秘めた可能性に期待しているからこそ、小さくまとまっては欲しくないと望み、暁がどんな答えを出すか見守ってくれます。
この周囲の暖かさも心地いいんです。
甘えてはいけないと自分に言い聞かせ、真摯な姿勢で悩み続ける暁。
そんな暁の姿がとても好ましいです。
そして一つの答えを導き出します。
本山と一緒にこれからも居続けるためにはどうしたらいいのか⁉︎
一緒にいたいなんて、本当に夢物語のような事なんですけど、この2人を見ていると、奥底から感じる心の欲望や想いは、人を成長させていくんだなあと深く感じさせられるんです。
それからの暁は、学業とモデルを両立させる傍で、英会話やマネージャーの仕事を覚えようと奮闘したり、本山の力にもなりたいと…
些細なことなんですけど、本山の留守中に、嫌いな部屋の掃除をすると言い出したり…一生懸命さが健気で愛おしくなります。
そんな変化に本山も嬉しくて(笑)
本当は自分と一緒にアメリカに連れて行きたいと思っている本山。
でも、男の意地で必死に踏みとどまり、暁の出す答えを見守ります。
で、今回も、2人に焦ったさや、仲を引き裂く申し訳なさを感じつつも、ガツンとかましてくれた女社長の男前っぷりは惚れ込みます。
暁と一対一で会話するシーンは思わず泣けちゃいました。
彼女のように、時には厳しくいいながらも、いつも愛情を感じる言動には憧れます。
彼女の言葉で目標が定まった暁が、またカッコいいんです。
アイドルとの嫌な噂を立てられようと、仕事で言い寄られそうになろうと気持ちは決して揺らぎません。
本山を支えるための力をつけるため、真っ直ぐに成長していく姿は爽快です。
そして訪れる一時の長い別れ!
本山がアメリカへ出発する成田でのシーンは胸が締め付けられます。
一度もわがままを口にした事のない暁が、泣いて本山にすがるんです。
この時の会話だけではない、文章から伝わってくる心情描写には魅せられます。
他にも、二人のベッドでのシーンも、思いにあふれていて素敵♡
口にしなくても、仕草一つ一つで伝えてくれる甘い感情!
こういう表現の仕方は、麻生先生ならではで大好きなんです♡
何度読み返しても、このお話の甘さは心地よくて、胸がキュンさせられます。
心が優しい気持ちで満たされていきます。
最後は本当に大団円。
暁が本山の元で、世界に羽ばたく姿も近いよう⁉︎
でもお話はここまでなんです!
それでも、読後は幸せな気持ちで一杯で納得の完結でした。
ただ、桑原先生のイラストはお話の優しい雰囲気にピッタリではあるものの、あまり業界人の華やかさは感じられないかも。
私も最初は違和感があったんですけど、巻が進むに連れ、この普通さが、逆にこのお話にはあっていたのかなあと思えるようになりました。
全体的に、本当に愛おしさを感じさせてくれるキャラ達ばかりなのもポイント!
シリーズ全体を通すと、私の中では神評価をつけてもいい位思い出深い作品かもしれません。
レーベルがコバルトなので、学生世代向けな印象を受けるかもしれないんですけど、年代を重ねて再読しても、やっぱり良い作品は色褪せていませんでした。
最近は、こういったライトなお話も好まれる世代かな〜と感じているんですけど⁉︎
そんな中でも、少し一味違う作品かなあと思います。
長くボーイズラブを読まれてきた方はもちろん、ボーイズラブが苦手だった人、これから読んでみようかと考えている方、興味のある方は、古い作品なので手に入れにくいかもしれませんけど、読んで頂けたら嬉しいです。
オススメしたい作品です。
暁と本山シリーズ最終巻。
今回読み返してみて、改めてこの2人の関係性が好きだなあと。
少女向けレーベルのコバルト文庫らしい、王道設定の中に光る、麻生玲子先生だからこそ書ける繊細な心理描写が素敵。
1作目にも書きましたが、ハードなものをお求めの方には向かないかもしれません。
ですが、さまざまな作品を読んだ中でも、ふと何年か経ってまた読み返すと、その度に初心にかえり、BLって良いなと思えるスタンダードな良さがある作品です。
麻生先生の作品って、読み心地だったり、後味が本当に良いんですよね。
文章の雰囲気?言葉選び?と、色々と考えてみたのですが、最大の魅力はキャラクターのひとりひとりがしっかりと立っているからなのかもしれません。
さり気なく書かれた行動や言動から、その人物が今どんな気持ちでいるのか自然と理解が出来る。
ちょっとした描写でも非常に丁寧に描かれているんです。
なので、気が付けば登場人物達に感情移入をしてしまっていたり、応援したくなってしまっていたり…なんてこともしばしば。
こちらの暁と本山シリーズは、年の差カップルの恋愛面と仕事面がメインに描かれています。
普通の大学生だった暁がひょんなことからモデルとなり、悩みながら少しずつ成長していく様が1作目から爽やかで、読んでいて気持ちが良くて。
シンデレラボーイのようだった彼が、1歩ずつ進んでいくのを見守って応援したくなるんです。
本山との関係もそう。
巻数が増える度に、2人の関係が深く強いものへと変化していく様子が、多くの言葉を並べなくてもしっかりと伝わって来る。
そして、2人のことを愛おしく思ってしまうんだなあ。
人の成長と恋を応援したくなる作品かも。
最終巻は前作と比べると、ややバタバタとしている?という印象を受けましたが、暁と本山の結末には納得しかないもので。
本格的に海外を視野に入れ動き始めた事務所。
彼ほどの適任者は居ないだろうと、単身アメリカへ向かうことになった本山。
一方、順調に人気が出つつある暁は今後の進路について考え始める。
まだ大学生。もう大学3年生。
将来に関しても、モデルとして人気が出て来た自身に関しても、周囲の人々の変化と暁の意識の差を描くのが上手いなあと思います。
今までの暁って、どこか自分があまりないというか、目標だったり、これがやりたいんだというものがなかったように感じられていて。
足元がぐらついているようだったというのかな。
そんな彼が、いつしかプライドを持ってモデルの仕事をこなし、これからも本山と居たいから「自分がやりたいことを自分のために」頑張ろうと懸命になっていく。
前向きなんですよ。本山とずっと一緒に居る未来を真っ直ぐに見据えているんです。
「本山のために」ではなくて、あくまでも自分がしたいことのために。
過去の本山を追っていた暁はもう居ないんです。
対等な関係のまま、同じ方向を向いて、同じ歩幅で一緒に歩もうとしている。
この成長がすごく良かった。
なんだろうな。暁からすれば大人に見えるかもしれませんが、本山ってそこまで完璧な大人なんかじゃないんですよね。
ちょっと自信がなかったり、弱音を吐きたかったり、本当は言いたいことだってありますし、まだ若い暁の人生を自分が左右して良いものなのかともだもだしていたり。
年上だからこそなかなか口に出せない言葉もあったりして。
けれど、共に歩むため、眩しいほどに真っ直ぐに自分を見つめて来る暁を見て、彼を信じて少し先で成長を見守り待とうとする。
不安をなかなか口に出来ない本山にとって、ストレートに欲しい言葉をストンとくれる暁はある意味ヒーローだったのかも。
強い信頼関係で結ばれた彼ら。
本山がアメリカへと向かう空港でのシーンがあまりにも切なくてたまらない。
先に家を出た本山の正直な気持ちと、強がっていたのに、最後まで強がれず本音を吐露して泣いてしまう暁。
どちらの気持ちも痛いほどに分かるので、ここのシーンは何度読んでも心理描写が上手すぎてつらいものがあるのですが、でも本当に大好きで。
このシーンがあるからこそ、その後の2人の姿がより幸せと希望に満ちたものになっているのだと思います。
2人の明るい未来への1歩を見届けられた、晴れやかな気持ちでいっぱいのままお話が終わる。
今後の2人はどうなるのかななんて想像してしまいますね。
きっと仕事面では苦労することもあるのではないかなと思いつつ、恋愛面ではもう何も心配することなんてない気がします。
シリーズ4冊を通して、爽やかで甘い香りがする素敵な作品でした。
またしばらく経ったら読み返したくなってしまうんだろうな。