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oughou haru no yoi no romace
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
平安時代を舞台に圧倒的な知識と優美な文章が光り、秋月先生ならではの豊かな知性が感じられる作品。寺院と稚児の関係や、平安京の政についても知れて勉強になるBL。 千寿丸がとにかく可愛くって長い髪の毛を左右に結い上げている姿に萌えた!コミカライズもされているのでそちらも読みたいな。
平安王朝ものです。
こういう時代ものの小説は、歴史事項などが漢字でいっぱい出て来るから難しいですよね。時代背景もいろいろと難しそうだし。秋月こお先生も「調べまくった」と、あとがきで書いておられますし、なかなか大変でいっぱい苦労があったことがしのばれます。
専門的に見ていくと、いろいろとツッコミどころもあるのですが、そこはご愛嬌。
主人公は千寿丸。
如意輪寺の前に捨てられていたのを、この寺の慈円阿闍梨に拾われて、僧の身の回りの世話をする稚児として、大切に育てられています。見目麗しい千寿丸は、僧侶から純潔を狙われていて、いつも力ずくで犯されそうになるのを、機転と運動神経と慈円の庇護によってかろうじて免れています。
この、僧たちが本当にイヤラシイ!
もう、エロ僧侶どもどっかいって! って言うぐらいイヤラシイ。
老齢の慈円の跡継ぎとして寺に乗り込んできた拓尊阿闍梨が、千寿丸を政治の道具として身体も心も危険にさらしてしまうと、慈円は判断して千寿丸を寺から逃がします。
当然、拓尊から追っ手がかかるのですが、この追っ手どもも本当にイヤラシイ!
小さな千寿丸をよってたかっていたぶります。
追っ手に傷つけられ、犬に噛み付かれた千寿丸を助けたのが、「硯石」とあだ名が付くほど堅物な蔵人・藤原諸兄でした。たまたま通りかかっただけなのですが、堅物だけに真面目な彼は、千寿丸を放って置けません。こうして二人は出会って惹かれあっていきます。
自分を助けてくれた恩義を一心に返そうとする千寿丸が、どんどん諸兄を好きになっていくところが萌えです。わかっていながら知らないふりをして、それを苦にする諸兄も良いですよ。
政争が背後に絡んだり、宮中の和歌の文化が息づいていたり、千寿丸の出自がどうも天皇家に絡みそうだったりと、いろいろな背景を交えてストーリーは展開していきます。
伏線もたくさん張ってあって、読み応えたっぷりでした。
まだまだ謎が残されているので、続きが楽しみです。
脇役で出てくる在原業平が、色男だけじゃない策士なのが、ちょっと意外で楽しいです。