華道界の王子様×鉄オタ地味青年の、幼馴染み格差ラブ!

初恋列車

hatsukoi ressha

初恋列車
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×221
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
172
評価数
41
平均
4.2 / 5
神率
34.1%
著者
久我有加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784041054116

あらすじ

見た目、家柄、才能、全てに恵まれた華道界の王子様。女子なら放っておかない優良物件なのに、幼なじみの雪輪は、なんで鉄道オタクの紬の趣味に、嫌な顔一つせず付き合ってくれるんだろう? 華道家として活躍する雪輪と地味な自分とに格差を感じ、紬は一時距離を置こうとしてしまう。しかし、自分の気持ちに気づかれて避けられたと思い込んだ雪輪が、勢い余って紬にキスしてきて!? 一途なキレイ系王子様×地味男前受の、初々しさに悶絶!?な、幼なじみ格差ラブ!

表題作初恋列車

18歳,大学生,華道の家元の息子(師範)
18歳,大学生,鉄道オタク

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

キラキラ王子様×鉄オタの格差ラブ

王子様に鉄オタと格差がある二人の、初恋実らせ系のピュアなお話です。
個人的に大好きな、攻めが受けを好きで好きで仕方ない!…というパターン。ほのぼのピュアな話にキュンキュンさせてもらえました!


華道界の御曹子でキラキライケメンな王子様・雪輪(攻め)と、ごくごく平凡な鉄道オタク・紬(受け)は幼馴染み。紬の趣味に雪輪が付き合うという形で親交は続いていましたが、大きくなるにつれ、紬は自分との格差を感じて雪輪と距離を置こうとし…というあらすじです。受け視点です。

タイトルが「初恋列車」とある通り、幼馴染みで初恋同士の二人が結ばれるまでを丁寧に追った、大変可愛らしいお話です。
地味ながらスレた所の無い紬と、育ちの良さを感じさせるおっとり系の雪輪という二人なので、話自体はじれったくなるほどゆっくりと進んで行きます。しかし、このほのぼのとしたのんびり感が素敵なのです。
鉄オタの受け視点で進むので、列車の話が多いのですね。ちゃんと解説は付いていますが、解説を読んでも疎い私にはよく分からない箇所がちょくちょくあります。しかし、目をキラキラさせ、列車の事を語る紬がとても可愛いのです! そして、そんな紬を隣で見つめる雪輪は、嬉しくて仕方ないといった感じ。読んでいて、大変癒されます。

そんな時に、ある出来事から紬が雪輪と自分との格差を感じ…という展開。更に自称「雪輪の婚約者」という女の出現で、雪輪に相応しくない自分は、彼から離れた方が…というすれ違いです。
こちらも少々じれったくなりますが、恋愛に対しては初心でピュアな受けが、悩みながらも自分の気持ちを見つめて、前に進む姿にほっこり来ます。

個人的に萌えたのが、攻めの溺愛っぷり。やや天然な受けは、攻めの気持ちどころか自分の気持ちにも気付いていませんが、かなりのアプローチぶりです。ニコニコと鉄道オタの趣味に付き合い、助手席に初めて乗せるのは受け。おっとり系の御曹子な為、アプローチもとても紳士的なんですね。
そして気持ちの通じ合う場面では、これでもか!…と甘い台詞を吐きまくりです。主に、「つむ君がいかにかわいいか」といった感じの内容。受けが羞恥で死にそうになっているのが笑えます。

絡みは1回ですが、濃厚です! 受けの初々しく素直な反応に、攻めが煽られるという個人的に大変好みのパターン!( ´艸`) 受けの反応が可愛すぎて悶えます!!

表紙がとってもポップで可愛いですが、表紙そのままの可愛らしくてほのぼのとしたピュアなお話です。
とても楽しく読めました!



5

花オタと鉄オタ

華道の家元の息子で、新進気鋭のフラワーアーティストの攻めと、鉄道オタクでごく普通の大学生受けの、幼なじみ同い年カップルのお話です。

それぞれが5歳の時に出会ってから、18歳の今まで、家柄も趣味もまったく違うのに、交流を続けてきた受けと攻め。受けの視点のお話で、受けは何で鉄道のことしか喋らない自分とずっと仲良くしてくれているんだろう、と腑に落ちない気持ち。鉄道仲間と喋ってる方が楽しいと思っていたり、良くも悪くもとても正直というか、本当に鉄道のことしか頭にないんだな、という子です。
攻めは、鉄道にはまったく興味のない、華道の家元の息子。でもあちこちの電車に乗りに行く受けに付き合って、ニコニコしながら電車に乗っています。家柄もよく、おっとりとした上品なキャラです。

読者には攻めの気持ちは丸わかりなのですが、鉄オタな受けにはわかりません。それがもどかしいといえばもどかしいのですが、あまり攻めが焦りや欲望を表に出さないので、何だかとってもほのぼのした感じ。鉄オタな受けが一般人にはわからない鉄道の話をオタク語りして、それを上品なモデル風イケメンがニコニコ笑って聞いているという、何ともおかしみのあるシュールな描写が続きます。
お互いのことを、ずっと「つむ君」「雪輪君」って丁寧に呼び合っているのも可愛い。

そのバランスが、攻めに横恋慕している女子キャラの登場で崩れます。女子の嗅覚で受けが敵だと見抜き、受けを敵視して貶める女子は本当にイラっとしました。好きな展開でも好きなキャラでもないですが、結果的には恋のキューピッドなのかな。女子キャラのお兄ちゃんが良キャラで、こっちはもっと話に絡んできたら面白かったのにな、と思いました。

攻めが上品なおっとりキャラなので、エッチの時はどうだろう、とすごく楽しみでした。程よく野獣で程よくおっとりな、とても萌えるエッチでした。
モテモテな超絶イケメンが、長年受けに片想いしていて、なおかつ操を立てている設定に弱い方にはとっても楽しめるお話だと思います。

1

初恋は続くよどこまでも

華道界の王子様(標準語)×地味な鉄道オタク(標準語ときどき関西弁)
受け視点で物語は進みます。

*****

紬(つむぎ:受け)は初言葉が新幹線の名前だったというほどの年季の入った鉄道オタク。
いっぽう、雪輪(ゆきわ:攻め)は華道界の家元の息子で、外見や中身も王子様。
まったく接点の無いはずの二人は、紬の祖母が同じ流派の師範を務めることもあって、お互いが五歳の時に華道の展覧会で出会い、仲良くなる。
月に二~三度遊ぶようになったけれど、小学二年生の時に紬の家庭の事情で大阪に引っ越すことになるが、文通(!)したり、長期の休みの時には一緒に遊んだりと交流は続いていた。
大学進学とともに東京へ戻ってきた紬と、また一緒にあちこちに行けるのを喜ぶ雪輪。

*****

というのが、導入部分でしょうか。
紬は雪輪から「つむ君」と呼ばれ、紬は「雪輪君」と呼び合う中で、それが大学生になっても続いているとは、なんとも可愛らしい関係です。
雪輪はいつもにっこりとしていて、本当に王子様で、紬も素朴で微笑ましい二人です。

離れ離れになる時に、
>忘れない。つむ君のこと、大好きだから、絶対わすれないよ。

>ちょっとぐらい、忘れてくれてもよかったんだけど…‥。

大学生になった紬のこの切り返し(心の中で)は、久我さんならではの書き方でしょう。
決して嫌味ではなく、また鉄道オタクや専門用語についてもくどくなり過ぎずに最低限の書き方に留めているのはさすがです。

とにかく雪輪の紬に対する恋心がダダ漏れで、二人でいる時に見知らぬ女の子たちに紬がダサいと言われ、申し訳なく思っているとさり気なくかばってくれたり、
>「つむ君はダサくない。凄くか……、かっこいい!」
などと言ったり。うん、本当は「かわいい」と言いたかったんだね、と読み手に伝わってきます。

雪輪に対しての恋心を自覚していく中で、雪輪の幼馴染の妹(雪輪に行き過ぎた好意を抱いていて、紬を敵対視している)が出てきて、そのため二人は誤解とすれ違いがおきますが、それも乗り越え、無事に結ばれます。

初エッチは雪輪が妙に手慣れている(寝室に何故かローション置いてあるし)ので、もしかして……。
と不安になりましたが、お互い初めて同士でほっとしました。
しかしこれで雪輪の属性に執着+ムッツリが加わってしまいましたが。

隠れ鉄だった青木、てっきり当て馬になるのかと思っていたら、普通に理解のある友人ポジションでした。

初恋、執着、初めて同士が好きなので、存分に萌えられました。

*****
挿絵:麻々原絵里依さん。可愛くてかっこいいイラストなので、作中ダサいと言われる紬ですが、んなこたぁない! 純朴じゃないか。と思えるほど、作品の世界に合っていると思います。

1

華道家元の御曹司 × 鉄道オタク

筋金入りの鉄道オタクの白瀬紬(受け)は大学進学に伴い大阪から元々住んでいた東京の祖母の家に戻ってきました。
華道の師範の祖母に連れられて行った展覧会で知り合った華道家元の次男貫洞雪輪(攻め)とは幼稚園からの付き合いで、引っ越ししてからも文通したり、長い休みには乗り鉄の紬に付き合って鉄道での旅をしたり付き合いが続いていました。
鉄道には全く興味ないようなのにいつもにこにこと付き合ってくれる雪輪に疑問を抱きながらも雪輪が行きたいと言ってくるので趣味に付き合って貰っていました。
東京に出てきて、改めて雪輪がセレブで高身長でイケメンでセンスもよく自分とは全然違うことにことに気が付かされます。

紬は祖母が華道の師範で生まれた時から花がそばにあったにもかかわらず花には全く興味がなく、初めての言葉が「のじょみ(のぞみ)」という筋金入りの鉄道オタクです。
雪輪が感想を聞いてくる時は、いつも最後は鉄道に絡めていかにそれが好きかと表現するくらいです。
そして、鉄道が好きすぎてそれ以外のものに興味もなく、お小遣いも鉄道に乗るためだけに使ってきました。大学も将来を見据えてに加えて伝統ある鉄道研究会につられて決めたくらいです。入学早々鉄道研究会に入会しコアな同業者たちと仲良くなります。それでも忙しいはずの雪輪がこれまで通り一緒に電車に乗ろうと誘ってくれるので一緒に行動します。が、大学生になり今まで以上にあからさまな陰口が聞こえるようになって初めて自分は彼に不釣り合いだと感じるようになります。
雪輪が電車に付き合ってくれるのを不審に思い、趣味の会う人と一緒にいればいいのにと思っていた割には、全く興味のないファッションを垢ぬけた友人青木に買い物に連れていって貰って気を付けたり努力するんですね。


雪輪は華道家元の次男で上に兄姉がいる末っ子で、後は継がなくてもよいのですが、若くして師範としてまたフラワーアーティスト、美術デザイン他で活躍しています。その上、容姿もよくまさに王子様といった感じです。初めて会った時から紬のことが好きで、関係が途切れなかったのはひとえに雪輪の努力の賜物でしょう。

東京に戻ってきてからは会う回数もぐっと増えて、紬は今まで気にしてなかった雪輪の表情が気になってドキドキして、今まで鉄道にしか興味がなかったせいで戸惑います。
洋服選びでヘトヘトになった紬は興味のないことに付き合う事の大変さを知り、少しは雪輪に返さねばと雪輪の行きたいところに行くのですが、大人と堂々と渡り合って仕事をしている雪輪を見て自分との落差に驚きます。時を同じくして、雪輪に懸想している雪輪の幼馴染の妹が、自分が全然相手にしてもらってないのによく一緒にいる紬に嫉妬し暴言を吐きます。
さすがにこれには落ち込んでしまい雪輪と向き合えません。
焦った雪輪の暴走もあり、紬も雪輪のことが好きだと気が付くのですが、暴言の威力は絶大で自分は相応しくないと想いを返せません。その後、すれ違いに続くすれ違いが続き、お互いの努力の結果、誤解がとけやっと無事両想いになります。

二人はそれぞれ歩み寄ろうとしましたが、クライマックスの雪輪の個展についてはちょっとうまく行きすぎかなと思います。個展があるという話はしていても、いつどこでということを一切口にしておらず、たまたま紬の先輩が話題にしたから間に合ったものの、一日でもその情報が遅かったら間に合わなかったところでした。もう少し雪輪が紬を個展に呼び寄せる強い伏線があった方が説得力があって良かったなと思いました。

この幼馴染の妹ってのちょっと頭のおかしい人でした。普通、好きな人とはいえ恋人でもない赤の他人である相手の友達に、いくら羨ましいからって「一緒にいるのが相応しくない近寄るな」なんて、言うどころか思いもしないと思います。
女の勘ってやつで紬を恋敵だと思ったにしても、好きな人が目の前にいるのに威嚇するって好きになってもらおうと本当に思ってるのか疑問でした。
雪輪の幼馴染でこの女の兄は普通の感覚の人で、「妹が何を言っても馬鹿が馬鹿なこと言ってると思って欲しい」とちゃんと妹の異常さを認めて妹を叱ってやれる人で本当によかった。

小さい時からずっと紬が好きなことを知っても、嫌悪することもなく受け入れてくれる(歓迎ムードでした)雪輪の家族は旧家にもかかわらず柔軟な考え方の家で本当に良かったです。
そして、友人の青木はサークルも学部も同じなのもあっていつも一緒にいるので、当て馬にでもなるのかと思いましたが、普通に紬の恋愛の心配し、服のコーディネートに付き合ってくれて、落ち込んでいる紬を心配し、二人のことに気が付いているみたいだけど偏見なく接してくれるいい友人でした。
他のサークルメンバーも「電車が嫁」の人たちなのできっと二人のことを知っても受け入れてくれるように思います。
でも、家族ほぼみんなが二人のことを知っているとわかっていて、週末は泊まりに行くって紬は意外と図太い。防音設備があって聞こえてなくても、次の日動けないとかってバレバレじゃん。

雪輪は婚約者がいると牽制しちゃうくらいもてもてだったのに、よそ見することもなくずっと紬だけを想って待っていたのが、一途な執着攻めが大好きな私にはとてもとても良かったです。

1

ほのぼので可愛い

久々に読みました、久我有加さん。
久我さんお得意の関西弁は控えめです。
もともとが二人とも東京出身だからでしょうね。
ルビーさんなので本は薄いですし、特に嫌なキャラ(女子はなー仕方ないな)も山も谷もないのですが、反面そのせいでひじょうに読みやすく、これはあまり小説読まない方にもお勧めできますね。

**********************
受けの紬は、乗り鉄の大学生。
男性にしては小さめの身長に痩せた体で、春からは東京の祖母の家から大学へ通うことに。
少々人見知りです。

攻めはモデル顔負けの幼馴染み雪輪、18歳。
華道家元の次男で、自身も師範。
美術系の大学へ進学し、そのかたわらフラワーアーティストとして名をあげつつあります。
**********************

つむ君、雪輪君と呼び合う二人は幼馴染み。
といっても学校も家も近所でなく、恋人同士ならば遠距離恋愛では?という生活を11年間過ごしてきました。
途中からは、大阪と東京に離れていたんですから。
幼稚園の頃に二人を結びつけたのは華道の師範だった紬の祖母で、それから度々家を行き合い、紬が大阪へ越してからもそのつきあいは続きます。

機会があると雪輪は紬の趣味にもニコニコつきあうけれど、反対に紬はそれに対し疑問を感じているわけです。
つまらないだろうと。
しかし雪輪の方は、春から東京の大学へ通うために大阪から越してきた紬と、これからはもっと一緒に出かけられると喜ぶ始末です。
はたから見ればこれだけ興味のないことに付き合う雪輪が紬に恋していないわけないのですが、それはそれ、BLのセオリーですから(苦笑

全体にほのぼので可愛らしいお話になってます。
特に子供時代の二人は可愛かった!
話をなんでも鉄道へ結びつけてしまう(お顔が長くて700系のぞみみたい、とか)紬の発想力に、久我さんさすがだなぁと感じました。
雪輪の兄姉も末っ子の恋を面白がりながら応援してるのが、そりゃ古いお家でありえないだろうけれど、こういう作品には妙にしっくりきて微笑ましいんです。
久我さんはシリアスものも書かれますが、やはり少しコミカルな物がお上手だなぁとあらためて思った作品です。

1

ほほえましくて可愛い二人

攻めのお育ちの良いおっとりワンコぶりが良かった〜。
けっしてハフハフしてる訳ではなく、いつも静かに寄り添ってる毛並みの良いワンコ。ボルゾイみたいな気品溢れる系。

受けは筋金入りの鉄道オタクで全国の路線制覇を夢見ている子なので、ただ鉄道に乗る事だけが目的みたいな旅が好きなんだけど、そこにいつでもニコニコと楽しそうにくっついてくる攻めの姿がいいんです。
攻めは全く鉄道に興味はないけれど、好きな子が楽しそうにしている姿を間近で見れて 嬉しいんだろうなぁと思わせるその姿がとても良かった。

なんかほほえましくて可愛いんですよ、この二人。
派手な山場もないけれど、花を愛する御曹司攻めと鉄道を愛するオタク受けという異色の組み合わせがなんか良くて。

実家が華道の家元で、自身も新進気鋭のフラワーアーティストとして人気を博しつつある攻め。
攻めに作品の感想を聞かれて、花なんか解らないけれど「いいな!」と思った気持ちを表現するときに、「小学生のときにSLばんえつ物語号を初めて見たときの感じ。CS57、180号機」とか答えちゃって、でもそれを聞いて「つむ君が好きな列車を見たときと一緒の感じなんだね。良かった」と喜んでる攻め。
世間の評価よりも受けの褒め言葉を何よりも一番にしてるところもかわいい。

受けの事を「つむ君」と呼んでるところもツボだったし、決して声高じゃないんだけど静かにひたすら受けのことを一途に愛してるのが伝わってきてほほえましい。

でも受けは、もさくてダサい鉄道オタクの自分と一緒にいて何が楽しいんだろうか?と不思議に思ってる姿に、そりゃ好きだからに決まってるでしょうよ!!と声を大にして言いたくなっちゃうんだけど、受けは自分の気持ちにも疎い子なのでその鈍いところもまたかわいいというか。
次第に受けも自覚して、御曹司で才能豊かな攻めとただの鉄道オタクな自分との格差に悩んじゃうんだけど、それも微笑ましいというか。

ほのぼの〜としてて読んでて優しい気持ちになれる本でした。

0

相手のオタク趣味を尊重出来るって……どれだけ好きなんだ!

電子書籍で読了。挿絵有り(以前も書いたかもしれませんが、角川ルビーの電子版イラストを見るためにはタップで飛ばなければならないので、流れが悪いなぁと思います。出先で読んでいる時はいきなり肌色イラストが出現しない利点はあるのですけれども。痛し痒しとはこのこと)。

自分が夢中になっているものに敬意をはらってくれる恋人。
羨ましいなぁ……その一言に尽きます。
容認してくれるだけじゃないんですよ。たとえその世界を全く知らずに、解らなくとも、相手が夢中になっているものだから「いい」と言ってくれるなんて!全肯定ですよ。スゴイ。
もう、これだけで雪輪くんと紬くんが愛おしくなっちゃった。
そもそも二人の始まりがそこですし(このエピソードが可愛いったらないの)。
お話では雪輪くんが『超絶イケメン』、紬くんが『身なりに気を配れば結構いけてる』という設定なのですが、たとえヴィジュアルがダメだったとしても、尊い二人だと思ったのです(まぁ、外見の美しさはBLのお約束ですけれども)。
出てくる女子があまりにも子どもっぽい意地悪をするのと、貫洞家の『スンナリぶり』に若干の違和感を感じましたが、読んで損はない、誰にでもお勧めできる優しいお話です。
読後、ほっこりしました。

1

イマジナリー身分差BL

鉄オタの紬とイケメン雪輪のお話。紬視点から雪輪の好きアピールも嫉妬も必死さも見えすぎなくらい見えてるのに、紬は気付いてないっていうアレ。サブキャラも分かってて思わせぶりな発言をするけど、紬だけが鈍いっていう。
全体的に子供っぽく、わざとらしさがキツくて苦手な描き方だった。

地味メン・コミュ障を自覚する紬は、雪輪に釣り合わない自分に気付き、変わろうとする。幼なじみといいながら、初めて雪輪の好きな物・行きたい場所を考えるとか、有名人なのも知らなかったとか、無関心すぎてびっくり。

で、いざ雪輪の領域に入ってみると、場違い感に尻込みして、より一層卑屈になっていく。生きている次元が違うと、ありもしない身分差を作り出し、クヨクヨしてる。普段気楽に付き合ってる友人のことはどう認識してるんだろうってとこを突き詰めたらとても失礼な結論に行きつくと思う。

紬のこういう考えは、目の前の雪輪を信じていない点で見ていてモヤモヤする。向こうから来るのに紬の方が一方的に気に病んで一人で勝手に傷付いているのを見ると、雪輪が可哀想になってくる。

雪輪は雪輪で恋は盲目状態になっていそうな情熱がすごくて、引き気味に見てしまった。幼少期の思い出だけで紬を美化しすぎに思えた。

そんな感じでBのLには萌えなかったが、鉄オタ知識は楽しく読めた。〇〇鉄の細分化がすごすぎる。鉄道研究会も雰囲気が良く、鉄オタ用語を駆使した会話をもっと聞いていたかった。最後の居酒屋でのシーンも賑やかで好き。

0

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