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伝説の勇者×突然救世主となった青年のドキドキ異世界ファンタジー!
seioukishi no amai dekiai
ファンタジーの中でも異世界トリップものは小さい頃から読んできているせいか大好きなので、ワクワクしながら読み進めました。
ファンタジーのお話はその世界観の表現度合で読者がどこまで惹き込まれるか決まると思っているのですが、こちらの作品はその世界観が緻密に表現されていて、それでも説明チックな文の運び方ではなく自然と会話の中等で出されているので、飽きることもなく想像の世界に入り込めました(´ー`)
受けさんの航が親友の健太の巻き添え?で異世界にトリップしちゃう事から物語は始まるのですが、航も健太も普通の高校生に見えて幼少の頃に酷い虐待を受けた施設育ちという、なかなか過酷な設定で。
同い年でも精神的にはお兄ちゃん的ポジションに収まり、日本でも異世界でも健太を守り慰め励ますという姿勢を最後まで崩さなかった航には、ただただ脱帽です。
私は何回健太にイライラしたことか…笑。
そんな誰にも甘えず、でも愛を渇望していた航の前に現れた王子様のような出で立ちの攻めさん・キースが、上手い距離感で航に近付き徐々に航が甘えられるようになっていく様に安心しました。
後からわかるキースの抱えた闇もなかなかなもので、この2人って結構互いに重そうなカップルになるんだろうなあ…と若干怖くもなりましたが笑。
でもやっと、2人とも幸せになれるんだなあ…と感慨深くもなりました。
剣士としてお互いの背中を預けている姿も見てみたいものです。
健太だけ日本に帰ることになるのですが、そこにちょくちょく遊びに行くウェルのお話も最後の方にあり、これもしかして脇カップルでの続編があるのかも…と勝手に今から楽しみにしていたりします。
この場合は、ウェルが逆トリップで日本に住みつく事になりそうですが(^^)
異世界トリップものが好きな方には楽しんで読めるのではないかと、また、まだトリップものを読んだことない方もこの本から読んでみてもいいのではないかと、オススメしたい1冊です( *´︶`*)
大好物の異世界トリップもの。
養護施設で育った受と友人の健太ですが、健太が里親に引き取られたことでずっと抱えてきた孤独を拗らせた受が、ある日こちらの世界で出会った金髪の攻に巻き込まれて友人健太と一緒に異世界に飛ばされちゃった~、というとこから始まります。
その異世界では受は「恵みを授ける人」として崇められることになるけど、別の場所に飛ばされてしまった健太は酷い目に遭い、助け出した時にはすっかり怯えきって引き篭もってしまいます。そんな中で目をかけてくれた攻と、その親友ウェルとの交流を深める中で徐々に受の孤独は癒されていくけれども、健太は更に大変なことに巻き込まれていくという、まあ忙しい展開でした。
恋愛メインというよりは友情や絆のお話が終盤まで続くので、そういったのが好きな方はとても楽しめると思います。私はこういう友情ものとか家族ものに弱いので、ずびずび鼻をかみながら最後まで読んでました、泣ける……受が不憫健気で最高。
童貞攻というのもこれまた新鮮でよかったです。
色々な困難はあっても、結局は悪い人がほぼ出てこない話になっていて、ただただ甘く癒されるストーリーは楽しく読むことが出来ました。
糖分補給したい時にはおすすめです。
あらすじ:
航(受け)と幼馴染の健太は、施設育ちの高校生。
ある夜、二人は王国の騎士と名乗る美貌の青年・キース(攻め)と出会い、竜巻に巻き込まれ異世界へ。
キースに保護され、王国での暮らしに馴染んできた頃、健太が邪教の魔術師に術をかけられ…
主人公が物心つく前に施設に引き取られた天涯孤独の身の上という、なかなかシリアスな設定からスタートする作品。
幼馴染との絆や、それぞれの精神的自立というテーマも盛り込まれており、ファンタジーでありビルディングロマンのような雰囲気もある物語です。
幼い頃から優等生の航ですが、周囲から愛されるのは天真爛漫な健太。
そのことに少し寂しさを感じながらも、幼い頃からずっと健太の面倒を見ています。
健太の方は、資産家の家に引き取られ施設を出て行ったものの、里親とうまくいっていないのか、度々航に会いに施設を訪ねて来ています。
こんな二人の前に現れたのは、異世界の騎士・キース。
魔術師によりこの世界に飛ばされたというキースは、親友の神官が自分の位置を探し当ててくれるのを待っているのだと言います。
そしてその『迎え』として竜巻がやって来ますが、航と健太も巻き込まれ異世界へトリップ。
王国で大人で優しいキースと過ごすうち、彼に惹かれていく航ですが、キースが健太のことを可愛がるたび胸が痛み…
という感じで、恋をきっかけに航に自我が芽生えていくような展開です。
健太の方は、異世界の生物『翼竜』に怯え、部屋に閉じこもりがちに。
しかし、キースの親友ウェルと打ち解け、徐々に王国での生活に慣れていきます。
健太の存在が航の足かせになるような展開を予想していたので、健太がストーリーにそれほど絡んでこないのは意外でした。
そんな健太ですが、魔術師に人質にとられ、(一時的にですが)右目右耳が使えない状態に。
航たちが、健太を救うため魔術師の教団のもとへ向かう…という展開です。
話の流れとしてはオーソドックスなファンタジーものかと思いますが、
孤独を抱えていた航が異世界で自分の居場所を見つけ、自らの意志で異世界に残ることを選ぶまでが丁寧に描かれており、感動的な異世界トリップものとなっています。
健太がもう少し自力で成長するようなシーンがあれば更に良かったと思いますが、彼も航から自立したことで一回り成長したのだということが分かるラストはなかなか良かったと思います。
キースと航の甘いシーンもしっかり描かれており、溺愛モノとしてもオススメの一冊です。
西洋風の異世界トリップものです。
騎士が竜に乗って空を飛び、兎そっくりの愛らしい生き物が集団で人を襲い、魔術師が呪いをかけ…という、正にファンタジーの世界。
そこでは受けは特別な存在として尊ばれ、危険な目に合ったりしながらも知恵と勇気で乗り越え、傍らには見守ってくれる金髪碧眼の騎士…更に高校生同士の熱い友情、という正に正統派ですね。BL初心者さんにもお薦めです!
養護施設で暮らしている高校生の航(受け)と、同じ施設で育ち、現在は裕福な家庭に引き取られた親友の健太。
ある夜、二人は公園で美貌の青年・キース(攻め)と出会い、謎の竜巻に健太と共に吸い込まれて、気が付くと異世界に…という内容です。
受けは真面目な優等生タイプ。人を思いやる事の出来るいい子ですが、なかなか素直に人に甘えたり出来ない自分に引け目を感じ、明るく人懐っこい親友にコンプレックスを持っています。
攻めは正に正統派の騎士様といった感じ。金髪碧眼のキラキラした容姿に、思慮深い性格。やや堅物な所も好印象です。
受けはたまたま現れた場所のせいで「恵み人」として崇められ、親友の健太は逆に酷い目に遭います。
しかし、二人の友情は壊れず、魔術師の呪いから健太を救うため、受けは自分の命を掛けて攻めと共に旅立ち…といった感じで進みます。
そして最終的に受けの選んだ道はー。
世界観も面白いし、受けを「恵み人」としてだけじゃなく、彼自身に特別な気持ちを抱き守ろうとする騎士。自分自身を受け入れ、試練によって成長する主人公に、熱い友情。
正にケチの付けようが無い、王道作品です。
なのですが…。個人的には作品自体が「いい子」すぎて、ちょっと物足りないというか、パンチが足りない印象です。まぁ、私がひねているからそう感じるだけの気もしますが。
あと、タイトルに溺愛とありますが、本編ではそれ程、溺愛部分は多くないです。多分、これから溺愛ぶりを発揮するんだろうなぁ…といった感じで。
そんな訳で、どちらかというと初心者さんにお薦めなんじゃないかなぁ?…といった所です。
孤児で施設に育った高校生の受けは、不思議な外国人と公園でいた時、共に施設で育った幼なじみと共に異世界へ飛ばされてしまう。不思議な外国人は異世界の騎士であり、異世界で受けは「国に恵みを授ける存在」として崇められるが…。
好き作家の月東湊さん、好き設定の異世界トリップときては買わねば、と勇んでゲットしました。
まあ、受けはとてもいい子だし、攻めも無骨ながらもかっこいいし優しいし、言葉は通じるので異世界難度も低いし、ほのぼのな感じでした。
でもそれは、あくまでも「受けにとって」でした。共に異世界に飛ばされてきた幼なじみくんが、とってもひどい目に遭いまくりなのです。
受けは飛ばされた位置が良かったため「恵み人」として大切にされます。そして人柄によるものもあるのですが、動物は受けに懐き、子供には慕われ、異世界の人たちは皆受けをちやほや。
でも受けは、そんなに大事にしてもらっているのに、妙に卑屈で、幼なじみの方が大事にされていると思っています。日本にいたときも幼なじみの方が皆から好かれる、僕のことは誰も選んでくれないと思っていたのですが、まあ日本にいたときはそうだったかもしれませんが、異世界に来た後は明らかに自分の方が恵まれているのに。
飛ばされた位置や時期が悪かったせいで、異世界でひどい目に遭わされ、救い出されたときは怪我をして精神的にもPTSDを発症して外にも出られない状態だった幼なじみを「彼の方が大事にしてもらってる」と本気で思っている受けが理解しがたかった。
いや、本当にいい子ではあるんです。万人に優しいし、健気だし、幼なじみくんのためなら危険なことでもしちゃう勇ましい面もあります。でもひどい状態の幼なじみに嫉妬しながら優しくしてあげている受けにはかなり引っかかるものを覚えました。
攻めと受けの恋愛にはなかなか萌えました。キラキラ美形なのに○○(ネタバレにつき伏せます)で、ガラスのハートを持つ受けに対して言葉が足りない不器用さとか、キャラ的にも好きな感じでした。
エッチはラストに一度だけ。でもいざとなったら赤面しながらもいさぎよい受けはオトコマエで良かったです。
惜しかったのがイラスト。旭炬さんは別に苦手な絵師さんではないのですが、受けも攻めもあんまりイメージじゃなかったです。特に受けが耽美で弱々しい感じで、こんなキャラじゃないのになぁ、と思っちゃいました。
幼なじみくんの話もスピンオフになるのかな…。どちらかといえば、異世界で悲惨な目に遭う彼の方がBLの受けとしてふさわしい気もするけど、あまりにひどい目に遭ってるし、PTSDで引きこもりだし、ちょっと可哀想すぎて読むの厳しいかも。