花舞う夜に奪う愛

hanamau yoru ni ubau ai

花舞う夜に奪う愛
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×212
  • 萌6
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
72
評価数
21
平均
3.5 / 5
神率
4.8%
著者
和泉桂 

作家さんの新作発表
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イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
花舞う夜に奪う愛
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344839007

あらすじ

花宮伯爵家の次男で記者の幸人は、兄の親友の売れっ子作家・天笠の推理で出向いた屋敷で怪盗「夜叉」に遭遇し、唇を奪われ……!?

表題作花舞う夜に奪う愛

雪人の兄の親友で人気作家
子爵家次男で記者

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

王道の大正浪漫譚

あらすじ:
ときは大正、ところは帝都。
没落した子爵家の次男・幸人(受け)は、世間を騒がす怪盗「夜叉」を追う記者。
兄の親友で人気作家の天笠(攻め)の力も借り、夜叉を捕まえようとするが…

怪盗と記者ということで、真生るいすさんの『日報群雲浪漫』を思い出しますが、こちらは怪盗とはキスどまり。
怪盗の正体(読者にはバレバレ)など、設定自体はかなり王道ですが、大正浪漫の魅力たっぷりの世界観を楽しめます。

幸人は、かなりの美人ながら自分の容姿にてんで無頓着な堅物キャラ。
納得いかないことがあると子犬のようにキャンキャン吠え始めるところが面白く、頭はいいのに結構抜けているところも可愛いキャラクターでした。

そんな幸人の良き相談相手となるのが、兄の友人で作家の天笠。
一見、知的で温厚な大人の男性ですが、その本性は…?
後半出てくる天笠視点のシーンでは、彼が幸人にかなり執着していることが見てとれます。
あとがきで作家さんが心配されていたほどキモい感じはないですがw、ちょっとムッツリというか変態紳士的な一面が面白いキャラクターでした。

幸人が夜叉にキスされたり、天笠の縁談の話に動揺したり…と、エピソード自体はどれもかなりオーソドックス。
幸人が夜叉の正体を知ってのリアクションもサラッとしたもので、目新しさや意外性には欠ける展開かもしれません。

しかし、幸人の家の歴史や使用人、兄のエピソードなど、時代を思わせる描写の数々にほんのり切なさがあり、その一つ一つが印象的。
ストーリー面でやや物足りなさはあるものの、ノスタルジーを感じさせる世界観・雰囲気に魅力を感じる作品でした。

次回は幸人の友人・戸次のスピンオフが出るとのこと。
本作でも幸人を何かと世話する(いじる?)役として良い味出していたキャラなので、次回作が大変楽しみです。

8

怪盗もの

個人的に和泉さんはドロリとしたストーリー展開をされる作家さん、のイメージですが、このお話はどちらかというとテンポの良い、さらりとしたお話でした。

怪盗(義賊)もの。
大正という時代背景。
そして主人公が没落した子爵家の次男で、今はブンヤさん。

という、子どものころ読み漁ったミステリーを彷彿とさせる設定(←大好物!)で、初っ端から食いついて読んでしまいました。

雪人の、自分の家を陥れた成り上がりものへの復讐とか、ブンヤとして怪盗・夜叉のしっぽを捕まえたいとか、尊敬し愛していた兄の失踪とか。
そういった様々な伏線があり、それらが複雑に絡み合いながらも小気味良いテンポで話が進むのは流石。
受けの雪人がキス一つで動揺してしまったりするのも可愛らしかったし、その『キス』に意味があるのも面白かった。

「夜叉」の正体は早々に見当がついてしまうのですが、その奥に秘められた秘密にはびっくり。
そして失踪した雪人のお兄ちゃん・悠人の居所も、意表を突かれました。

和泉さんらしい執着攻めも健在で、頼もしく、優しい「彼」のギャップにも萌えた。

ただ、王道過ぎた感も。
面白いのですが、「想定内」といった感じ。

個人的には今回あまり出番のなかった悠人がとっても気になったので、次作も楽しみに待っていたいと思います。

あと、yocoさんの描かれた挿絵がイメージにぴったりでした。

3

大正ロマン漂う・・・

表紙の雰囲気に魅かれ購入しました。
あらすじからは分からなかったのですが、大正時代、帝都が舞台のお話でした。江戸川乱歩の世界のような雰囲気もあり、種明かしに至るまで、わくわくどきどきしながら読む事ができました。挿絵の雰囲気もとてもあっていて、更に世界観を盛り上げてくれています。

怪盗夜叉は、絵にかいたような怪盗紳士、とても素敵な存在です。
読み手側は、怪盗夜叉の中身が誰なのかは直ぐに分かるのですが、逆にその分、義賊であろうとも犯罪者を断固許さない!!!としている受け様と、どう折り合いを付けて行くんだろうか・・・と、その辺りが最後までどうなるんだろう!?とハラハラドキドキできる要素になっていました。

雪人の友人の戸次のスピンオフが今後発売予定との事で、そこで受け様のお兄様の近況も明かされるとか・・・
晃一と雪人も出てくるのかな?
楽しみに待ちたいと思います。

1

レトロっぽい表紙がステキ!

yocoさんの表紙で和泉桂さん作なので絵師&作家買い。こんな素敵作品があったなんて見逃していた。しかも内容は他のレビュアーさんも仰るように大正浪漫譚。大好きな江戸川乱歩先生の世界です。もろに怪人二十面相みたいな義賊の怪盗も出てくる冒険活劇。

BL部分のヒロインである雪人は美貌の没落貴族のお坊っちゃま。陥れられた家の名誉を取り戻すため記者として頑張ります。しかし彼はお勉強は出来るけど素直すぎて勘が悪いというかどんくさいというか、読者としては「怪盗の正体はバレバレなのになぜ気付かない?」ともどかしくもなりました。記者としての才能があるかは疑問なので才能のある翻訳者としてやっていった方がいいんじゃないか?と思いました。

刑事の友人がとてもいい奴だったので最初こちらが攻めになったらいいのに、と思いましたがスピンオフでは彼が主役級みたいなので読むのが楽しみです。次作で行方不明の悠人お兄様の登場があるのかも気になる所です。

0

メインカプとは違うとこに萌えた

受けの過剰な持ち上げが続き、BLだなあと思いながら読んだ作品。無自覚受けを騎士のように守り続けた友人に魅力を感じていたのに、恋の相手は別のキャラ。
怪盗騒動や雪人の背景なんかは面白く、戸次と晃一の雰囲気が好きだった。

雪人は顔が綺麗な突っ走るあほのこという印象で、実際の言動から見えてくる人物像と、周囲の褒め称える内容との乖離が気になる。
特に聡明・高潔と評されることに違和感。正直どこが?と思ってしまうキャラ。短気で感情的で迂闊な行動ばかりが目立っているのに。

本気で雪人を綺麗なものだと思っていそうな晃一との恋愛は、あまり読むテンションが上がらない。恋して盲目状態の晃一と、同じく晃一を崇拝しているような雪人の組み合わせは、どこかふわふわしていてカプとして萌えない。
せめて雪人のありのままを見ている相手であればな、と思う。

晃一は本人の魅力がよく分からなかった。雪人視点で見る晃一は、実体の伴わない虚像を見ているよう。それだけ雪人にとって特別な人なんだろうと思いつつ、晃一視点を読むと雪人は戸次とくっついて欲しいと思ってしまう。

メインキャラは刺さらなかったが、ストーリーは面白かった。特に前半、怪盗が活躍している間はわくわくした。コスプレのような怪盗衣装やキザでそれらしい口調は、コミカルで絵が浮かんで来やすく、読んでいて楽しい。

戸次と晃一の分かり合ってる感や、雪人が知らないところで密約を交わしていそうな雰囲気もとても好きだった。この作品で一番萌えたのはここかもしれない。
あと表紙がめちゃくちゃ好きだった。

0

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