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kiniro no shukusai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
花嫁ものの異世界ファンタジーです。読み終わって一番の感想って、とにかく受けが不憫…。普段、どちらかというと甘い作品ばかり読んでいて耐性がないせいか、とにかく不憫すぎて胸が締め付けられる…。ちゃんとハッピーエンドなので、そのへんはご安心下さいといった感じなのですが。
読んでいてかなり切ないし、気になる部分もあります。しかし、その不憫さに萌えてしまったのも事実ですし、変則的な三角関係とでも言うのでしょうか? 許されない恋という萌え所にもかなりキュンキュン来たので『萌2』です。
あらすじは、受けが「きんいろ」という特別な存在で、神殿から辺境の小国に遣わされる所から始まります。そこで嫁ぐべき王ではなく、王の臣下で右腕的存在のカヤに惹かれてしまう…というものです。受け視点で進みます。
受けのイルファですが、かなり不幸な境遇です。そして自己評価がとても低い。自分の容姿に自身が無く、みっともない存在だと思っているのですね。元々、目の色が金色の子どもが産まれると、神に祝福された存在として神殿に引き取られます。そこで徹底的に管理されて育つので、「きんいろ」は皆華奢で愛らしく美しい容姿を持ちます。しかしイルファは、神殿に渡すのを良しとしなかった両親が連れて逃げたために、10才で神殿に見つかってしまうまで普通の子どものように育ちます。そのせいで背丈も大きく、声も低い。一般的に見れば華奢な美人なのですが…。神殿に引き取られてからは、外で育ったための従順さの無さも煙たがられ、出来損ないと冷たい扱いを受け続け、自分がみっともない存在だと思い込んでいるのです。
「きんいろ」は祝福を与える存在として、育つとしかるべき相手の所に嫁ぐ事になるのですが、イルファが嫁ぐ事になったのは辺境の小国です。そこで王では無く、臣下のカヤに惹かれてしまうのです。
カヤはもう最初からイルファに一目惚れといった所で、頑なで凍えきっているようなイルファの心に徐々に入り込んで来ます。硬派なのですが、実直で深い思いやりがある好人物なのですね。そして王はカヤとは逆に、華やかで明るく、やや計算高いイメージ。こちらもイルファに好意的です。イルファとカヤはお互いに惹かれ合いますが、許されない恋という事で切ない…。特に切ないのが、お互いの顔すら見れないという事なのです。「きんいろ」は契る相手以外には瞳を見せる事は出来ないので、常に目を特別な布で覆っているのです。二人は絶対に目を合わせる事が出来ないのですね。ほんと切ない…。
そこに神殿から付き添ってきた、イルファを毛嫌いしている従者が絡んで、と不穏な展開。この従者もかなり歪んでいて、受けに異様に執着しています。こいつが色々画策してくれる…。
どうなっちゃうの!?とかなりヤキモキしますが、アッと驚くネタバレで大団円です。ここでハッピーエンドではありますが、「きんいろ」としての宿命で、結ばれた後はまた切ない…。このラストがなんとかならないのかと思いますが、安易なラストだとここまで心に残らないのかも…とも思ったりするのですね。そして本人はとても幸せそうなので救われる…。
気になる所も微妙にあって、神聖な存在なはずの「きんいろ」の扱いが、神殿はおかしくないか?とか、象徴的なものかと思っていたら、本当に「きんいろ」不思議な力を持ってる?とか。まぁ、私は雑なのでいいっちゃいいのですが。
最後の短編で、甘さはしっかり補給出来ます。その後の幸せな二人の生活が書かれてます。こちらは攻め視点になりますが、受けの事をどれだけ好きなんだよ!!といった感じで。最後にこの短編があってかなり救われました。二人が幸せになれたのが、本当になによりです!!。゚(゚´ω`゚)゚。
表紙右上のイケメンに撃ち抜かれて気になってた当作、やっと読めました~
読んでよかったー
とても嬉しい終わり方で、幸せ感満点!
途中ひっかかった点があったので、萌2でお願いします。
ファンタジー好きで、健気受けがお好きな方にはよいのでは。
(受けは作中では そんなひどい目に遭わないです(笑))
受けさん:通常の「きんいろ」とは異なり、10歳まで両親と一緒に暮らす。
そのため、きんいろの宿命を受け入れられず、きんいろを統括する寺院でも
「できそこない」扱い。
ガロという辺境国に求められたため、行くことになったけど、
自分みたいなのが行くのは可哀想だと思っている。
シャニ:小国ガロの国王。とても冷静ぽい。
卑屈になってる受けさんで「いい」と言う。
正式な婚礼をまたず、受けさんに手をだしかけちゃう。
カヤ:シャニの右腕。きまじめっぽい。受けさんのことを一生懸命面倒みる。
ナハド:寺院から受けさんをガロに連れていく従者。嫌なやつ。
といった方々が出てこられます。
シャニから ちょっとおちゃらけた印象を受けてしまって、
おいおいどう終わるんだ と思ってたら、
あらまあ逆転満塁ホームラン、そうきたか、 でした。
(おバカな私には想像できてなかった)
で幸せになって終わるんだもん、嬉しかったわ。
ひっかかったのは、受けさんが途中で気持ちを抑えられずカヤに「教えて」と
志願しちゃうところ。だめでしょーとつい思ってしまう私。
それと、貢物状態で「見えない」という きんいろの宿命の設定が、
やっぱりキツイ。人身売買じゃん!と思うんですけどねー
受けさんの両親もいったいどうなってしまったことやら。
挿絵の先生は何回かお目にかかっていましたが、当作内挿絵は
ほんとうにキレイでした!
カラー口絵は攻め受けベッドシーン、肌色一色、でも滴ってない、
18禁 という感じではないです(笑)
繊細な線で 細かく描かれているところもあり、うっとりです。
(その分、カヤについてはもう少し線が太くてもいんじゃね?と
少々思いますが)
中庭先生も榊先生も次回作を読んでみたいと思います!
王とその国を守護する宿命の金色の瞳をもって生まれた「きんいろ」の物語
金の瞳をもって生まれた子供が親から引き離され神殿で純粋培養されやがて王家に嫁ぎます。
嫁いだ王と国に祝福をもたらす代償に「きんいろ」たちが身に受けることになる悲しい運命に、守護することを心から望み身を捧げる思いが無ければどんなに辛いことかと思います。
国を守るための道具ではなく愛され大切にされるのでなければとても哀しい存在です。
イルファの生い立ちやささやかな願いが切なかったです。
そしてイルファをいじめ抜く従者が憎たらしくてどうにかしてやりたいと思いながら読んでました。
小国ガロの安寧と国王夫妻に幸多きことを願わずにいられません。