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amai yotogi ai no orihime
ディアプラス文庫さんのフェアの為に購入しました。小冊子の為にどの文庫を選ぼうかと思って、大好きな華藤えれな先生の未読作品を選びました。
大好きな不憫受けの作品でしたし、面白いなと思って読んでました。後半からは攻め視点もあったので、「やはりそうよね」と攻めの愛情を確認しながら読めたのも好みだったんです。
結末もスッキリしてて好みでした。
でも読み終わった後にモヤモヤが残ってしまったんです。
まず未紘の姉で頼人の義妹である美和の存在でした。
これ言ってしまうとこのお話にはならないのですが、頼人が庇って身代わりになった事がそもそもの間違いで彼女には捕まってそれなりの償いをさせて欲しかったです。
いくらあの事件の後に反省して舞妓になる修行をしたとしても、彼女の性根は変わって無いですよね?
大人達が外聞を気にして庇った結果が、その後の不幸の呼び水になったとしか思えませんでした。
都合良く病気で亡くさないで、人生のどん底まで落として欲しいくらい嫌な人物でした。
そしてもう1つの違和感は、未紘の祖父の矢太郎が頼人の正体を知って激昂して頼人を追い出した点でした。
彼がどうして知ったか書いてなかったので気になりました。そして青谷織物の為に身代わりで放火犯になってくれとか、都合が良すぎてビックリしました。
あとは頼人が大きなお金を動かせるのか不思議でした。彼の職業で個人的にあんなに動かせるものなんですね?
これらの違和感があったので萌にしました。
ただ、未紘の京言葉には萌2をあげたいです。
頼人の未紘に対する愛情がとても深いものだっただけに惜しかったです。
わーい!!
華藤先生の京都健気受けだー!!
京都の伝統芸能や伝統工芸を題材にした作品群、シリーズになっている物もあれば、独立した作品のこともあり、今作は一応独立した作品。
伝統の担い手である薄幸な受けが、誤解や理不尽な仕打ちに健気に耐えつつ、胸に秘めた密かな恋を手放すことができずに葛藤しているのを、最終的に全てスーパー攻め様が解決してあげるパターンのお話は、もうこれはこれで、華藤流のお家芸の様な物なので、ファンからすると、おっ、キタキターッ!的な、ある種、定期的に摂取したいような好物だったりするわけですが、多分、このパターンがダメな人はダメだろうなぁって事も想像できるわけで、評価のばらつきはしょうがないのかな。
反面、繊細で健気でそれでも一本芯の通った、そんな受けが、王子様に救って貰うメロドラマ風味のお話がお好きならオススメ。
セルフツッコミ
実は、受けの京言葉っていうのが、一番ハードル高いかも。
男の人の京言葉ってなかなか淫靡でええのやけれど、ほぼほぼファンタジー世界の異国の言語としか捉えて貰えなさそう。
そして、ムクさんの挿絵は、お稚児姿や攻めかっこよさの方はいいんだけど、受けの方までガタイが男らしすぎて、この作品の薄幸健気受けとしてはちょっと微妙。
華藤さんって、健気・不憫受けさんのイメージですが、この作品もそのイメージを損なう事のない不憫受けさんでした。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
西陣織の織元の一人息子で、跡取りの未紘(受け)。人間国宝候補にも挙がったことのある西陣織の名匠を祖父に持ち何不自由ない生活をしていたボンボン。
のように見えて、実は両親から愛されることもなく、子ども時代に性的ないたずらをされた過去を持つ不憫さん。
そんな彼が恋をしたのは祖父のもとに弟子としてやってきた頼人。
西陣織のことを教えてもらったり、何かと優しく接してくれる頼人を兄のように慕い、そしてその気持ちが恋心へと変化して。
そんな中訪れた、二人を引き裂く悲惨な事故と、頼人の裏切りで…。
不憫で健気な受けさん、って個人的にとってもツボ。
なので、読み始めたとき未紘が可哀想に思いつつもテンションMAXで読み始めたのですが。
なんていうのかな、未紘を襲う不幸が多すぎておなか一杯、という感じ。
未紘にはなにひとつ悪いところはないんです。
なのに、彼を取り巻く大人たちがクズすぎちゃって…。
妻がいながら舞妓に入れあげ子どもをなしていた未紘の父親。
跡取りにするために実の母親から子を奪っておきながら「(夫の不倫の子である未紘を)愛せない」と冷たい態度を取る育ての母親。
実の弟でありながら、自分との境遇の差を恨み、友達に未紘を襲わせる未紘の姉。
そして、自分の欲望のために未紘を虐げ、男娼まがいのことをさせる未紘の叔父。
とことん未紘に冷たく当たる彼を取り巻く周囲の大人たちにげんなりしてしまった。
それでも攻めの頼人が大人な対応で未紘を癒してくれれば救われるのだけれど、彼もなんだかなあ、という感じ。
結局未紘を守り切れていない。彼を守りたかったのならもっとやり方があったと思うし、結局のところ未紘よりも優先するものが他にあったんだな、という。
最後にはハピエンだし、いじわるな叔父さんには鉄槌が下されたりもするのだけれど、未紘をどん底まで追い詰める、という点にばかり終始していた感があっていまいち話に乗り切れなかった。
未紘の京言葉は可愛らしかったし、なにしろ彼は健気さんなので健気受けさん大好物!という方にはお勧めです。
あと、ムクさんの挿絵がなんともよかった。
シリアス一辺倒の作品ですが、ムクさんの絵柄でほっこりとした雰囲気が添えられていたように思います。
あらすじ:
西陣織の名匠の孫・未紘(受け)は高校生の頃、祖父の弟子の頼人(攻め)と恋仲になるも、ある事件を機に疎遠に。
5年後、多額の借金を抱える織元を継いだ未紘の前に、イベントコーディネーターとなった頼人が現れ…
京都を舞台とした職人モノ。
受けの未紘のはんなり京言葉が色っぽいです(攻めの頼人は標準語)。
国宝級の西陣織職人であった祖父を尊敬し、将来祖父のような職人になることを夢見ていた未紘。
祖父の弟子で天才的な才能をもつ頼人を慕い、恋人になるも、彼は突如祖父に破門されてしまいます。
その後、頼人の正体と、自身の出生の秘密を知ることになる未紘。
未紘の実の母親は芸妓で、彼の姉は、頼人の実家に養女として引き取られていました。
亡き姉は、織元に引き取られた未紘のことを最期まで妬んでおり、義兄の頼人に復讐を依頼。
そのことを知った祖父は頼人を破門。
…というドロドロした事情がありました。
更に、子どものころ未紘を犯そうとした犯人が頼人であるとの情報も。
動揺した未紘は、頼人と距離を置くように。
その後、未紘の家が火事に遭い、両親は死亡。助かった祖父から、放火犯は頼人であると聞き…
という、すれ違い展開です。
悪い噂ばかりの頼人ですが、彼自身は一貫して未紘に優しい男前キャラ。
再会した未紘が取引相手の男たちに抱かれていると知っても、大して酷いことは言いません。
俺様キャラではないためストレスなく読めるものの、ストーリーとしてはやや物足りないかも。
前半部〜中盤までは未紘と頼人の過去編メインで、現在編の物語が動き出すのは後半から。
未紘が頼人と愛人契約を結び、身体の関係を持ち、その後誤解が解け結ばれるまでの展開が後半に集中しており、やや急ぎ足な印象です。
未紘の出生の秘密などドロドロした部分の説明が長すぎて、肝心の頼人とのラブ展開が分量的にも内容的にも物足りなくなっている印象を受けました。
H中の未紘の京言葉(「あかん」「かんにんして」など)が色っぽく、ヨリを戻した後の二人も可愛いので萌はあり、
京都の町並みや西陣織のリアルな描写も楽しめましたが、
ストーリー的には高評価は付け辛いかな、という感じの作品です。