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tougenkyo no oni
ふゆのさんて、裏社会に生きる男たちを描くことが多い作家さんだと認識していますが、この作品も裏社会に区分していいのかな?けれど、ファンタジー要素もあり、時代背景が現代ではなかったりすることもあって、ちょっと不思議な作品でした。
ごめんなさい、ネタバレしてます。
幼いころに親を殺されてしまった灯珂が主人公。彼視点で話は進みます。
両親を失った灯珂はその後とある家庭に引き取られますが、そこでも冷遇され、挙句の果てに借金のかたとして売られることに。けれど売られる寸前に『鬼』と呼ばれる鬼島に買われることに。
鬼島が経営する娼館に連れられてこられた灯珂は「男娼として体を売れ」と鬼島に言われ…。
という話。
灯珂は子どものころの記憶がないのですが、それはなぜなのか。
『鬼』と呼ばれる鬼島の正体は。
「男娼になるため」と称し灯珂を抱く鬼島ですが、彼の本心は。
というところを軸に話は進んでいきますが、設定を盛りすぎてしまって回収しきれなかった感が。
灯珂の、幼少期の断片的な記憶から鬼島と彼の接点は早々にわかってしまうのですが、でも、そこから鬼島がなぜ灯珂に固執し続けてきたのか、というところも分かりづらかったし、結局鬼島は『鬼』だったのか、彼と「キジマ」との対決はどうなったのか、とか、そういう話のキモになる部分が分かりづらいので、何がなんだかよくわかんないな、というのが正直な感想。
あと、灯珂に尽くし続けてきてくれた百。
彼が気の毒でしたねえ…。灯珂を崇拝しすぎたんでしょうか。それとも恋愛的な意味で灯珂を愛していた?
鬼島と百で灯珂を守る、という展開のほうが、個人的にはよかったな。
「男娼で働け」と灯珂に告げ、そのために灯珂に色事を教え込む、という形で彼を抱く鬼島ですが、鬼島としか行為はしないこと、そして鬼島の灯珂への想いが透けて見えること、などから甘々な空気に満ちてます。
灯珂の正体も面白かったし、鬼島が灯珂を愛し、大切にしているところも萌えポイント。
が、いかんせん話が駆け足すぎてしまって、肝心の「物語」にはいまいち入り込めなかった。もう少しじっくりストーリー展開してくれていたら良かったな、と。
小山田さんの描かれた麗しい表紙につられ購入しましたが、中の挿絵も美しすぎる…。
小山田さんの画集、どこかの出版社さんで出してくれないかな。
好きそうな設定に、中盤まではワクワクしながら読んでいたのですが、後半の種明かしの部分がサラッとし過ぎていて、完全に置いてきぼりでした。。
結局鬼とは何だったのか、受けの力は何なのか、ファンタジーなのか、ただの比喩表現なのか、色々謎のままで消化不良でした。
攻めが事情があって最初は受けに鬼畜な態度を取るという展開はよくありますが、それにしても自分の恩人で再会したかった相手にあんな態度取らないだろうと、矛盾を感じる点が多かったように思います。
読み手が好きそうな設定を色々盛り込んだけれど、結局それらがお話としてちゃんと繋がっていなかったという印象です。