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dameinu no seizonsenryaku
1人暮らしのサラリーマン、保見(受け)は、クリスマスの夜に1匹の仔犬を拾う。とりあえず連れ帰ったら、そこに仔犬の親らしい成犬まで乱入。仕方なく一晩泊めたところ、深夜に絶世の美形男性が自分にフェラをしてきた。理解できず夢だと思い込もうとしたら、次は犬の親子が人間に変化するという出来事まで起きて…。
仔犬を拾ったら親犬までついてきて、さらにその犬の親子が人間になっちゃった、という話です。
拾った犬が人間に、というBLはありがちですが、拾った仔犬プラス乱入してきた親犬が揃って人間に、という事態は迷惑すぎるというか、大変すぎて受けに同情しかわきませんでした。
しかも親犬である攻めの傍若無人さ、図々しさが本当にひどい。家中荒らし回って受けのとっておきのカシミアのセーターを「他のは安物で肌に合わないからこれを着る」とのたまうし、受けが自分へのご褒美として買ってあった高級食材ばかり消費するし、尻尾を出したいからと借り物のスラックスの尻に勝手に穴を開け、料理をしたら台所を荒らして後片付けもしようとしない。おまけに慎ましい受けの生活に不平不満だらけ。じゃあ出ていけよ、と思います。仔犬であり子供のリュウは空気が読める良い子で、気を遣っているし可愛いので、余計に厚かましい攻めに対して嫌悪感がわきました。
受けは両親に捨てられ、厳格な祖父母に育てられた過去があります。祖父母との生活もひどくて、愛情を与えられるどころか精神的な虐待としか思えないような生活だったようで、その後遺症から他人に頼まれると断ることができず、他人に怒ることができない性格。受けに怒られないことでさらに図に乗って好き放題する攻めには到底好感を抱けません。
置いてもらう代わりに、と受けにフェラするのはいいのですが、それも受けが要らないと言ってるのに「いいからいいから、ほら気持ちいいだろ」的な上から目線、しかもその姿を撮影した挙句「家に置いてくれなきゃこの写真を晒す」的な脅しまで。このあたりの評価は「しゅみじゃない」以外の何物でもありませんでした。
ただ、攻めが受けに惹かれ始め、受けの特異な育ちを知ってからは少し評価も持ち直しました。
でも攻めを好きになれないのに変わりはないし、攻めザマァ成分も足りないので溜飲が下がることもなく、あまり読んでいて楽しい気持ちにはなれなかったです。