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suigyo no majiwari
展開の意外性に引き込まれる作品だった。小さな驚きで笑ってしまいたくなる不思議な読後感。こんな形のカップルも良いかもと、新しい発見をもらえたような。危うさを保ったまま添い遂げる未来が見えてくる、面白いカップルだった。
出会いは飲食店の店員と客として。そこから手作り弁当を持って職場に押しかける海津に最初は怖さを感じたが、橘髙がひょうひょうと対応していたおかげで、徐々に海津のキャラに慣れた。
その後、思わぬ場所で出会った二人は、互いの秘密を察する。海津が橘髙のハウスキーパーになるのは強引に感じつつ、M気質の海津と元華族の橘髙の関係が、性愛を伴う主従関係になっていく流れは面白かった。
ラストの駆け抜ける怒涛の展開には圧倒される。海津はSEに復帰し、会社の役員待遇を得て活躍し、国内外からのヘッドハンティングを蹴って三十半ばで引退。そうして選んだ人生は。
綺麗なハピエンだし、二人にとっては最高に幸せだと思う。だが海津の秀でた能力を派手に飾り付けたがために、嵐のように表舞台から去ってしまった印象になり、二人だけの箱庭に閉じこもったような、わずかに陰のあるラストに見える。
とてもクセになる、やめられない後味。タイトルが秀逸。
そういえば、月夜堂さんの他の複数の作品でおなじみのバー「アッシュ」が出て来た。あのキャラはまだ遊んでるんだな、とか懐かしく思えて嬉しかった。