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romanticist wa tomarenai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
違法カジノで働いている雪道(受け)は、高校時代に憧れ、惹かれていた仙光寺(攻め)に再会し、酔った勢いでホテルに行こうと誘ってしまう。しかし、自分が抱くつもりだったのに、あれよあれよという間に美味しくいただかれてしまった。呆然とする雪道に仙光寺は「嫌われていると思っていたが、そうではないのなら全力で口説く」と宣言してきて…。
あらすじを読まれると、強引な俺様系の攻めかと思われるかもしれません(私もそう思ってました)が、実際はかなり変な、天然の攻めでした。大きな会社の社長で、攻めの社会的な地位を脅かしかねないから身を引こうとする受けに、「俺は手つなぎデートだってできる」「公に発表できる」とか言って、結果やったのが恋人岬で鐘をつくこと。言動があさってで、面白いことは面白いんですが、やはりどちらかというと俺様攻めの純情、的なキャラのほうが萌える気はします。
でも、何でもないときに2人で携帯で写真を撮りあったりして、それがすごく可愛い。現在27歳同士なのに、なんか高校生みたいな2人でした。
受けは、ツンデレというか、意固地で意地っ張りなんだけど、基本攻めのことが大好き! なのが微笑ましかったです。
エッチは再会後すぐからやってるので、回数はこなしています。攻めを抱くことを諦めきれない受けが、強い酒飲ませて攻めを酔わせて襲おうとして、でも理性ぶっ飛んだ攻めにいつもより激しくせめられちゃった、というエッチにはなかなか萌えました。
高校の同級生の再会もの。
10年ぶりに再会した両片想いな2人。一方は家業を継いだセレブ、一方はヤンキーからヤクザの下っ端へと流れたチンピラ。
受け攻め両視点で進むので読みやすいです。
あらすじを読んで、強引なセレブ攻めに囲われたチンピラ受けのシンデレラストーリーになるのか?なんて思っていたんです。
これがですね、蓋を開けてみれば溺愛ど天然ラブコメディでした。これは予想外の甘さ。
天然な大人2人が繰り広げる、おかしくもしょうもない学生のようなやり取りが可愛く楽しい1冊。27歳同士、可愛かったです。
タイトルにロマンチストとありますが、個人的には天然ちゃん同士の純情恋愛珍道中といった印象。
初めから好きがあふれている同士なので、ヤクザ関係?痛いのは無理!という方でも安心して読めるかと思います。
そして、攻めの仙光寺のキャラクターがクセになる。
仙光寺なんて、名前からしてもう俺様攻めっぽさがあるというのに、俺様とは縁遠い天然溺愛攻めなのが面白かったです。
想像していたよりも奇妙…いえ、不思議なキャラクターの持ち主で、その言動や行動の数々にクスッと笑わせていただきました。こういう、ハイスペックなのに一風変わった攻めが出て来る作品と出会う度に、作中に攻め視点が少しでも入っていると楽しくて仕方がない。
大西さんに雪道のあれこれを語るシーンは絶対早口だと思う。
受けの雪道は、自己肯定感が低めのチンピラ。チンピラといっても可愛いチンピラです。
根が優しい子なことは作中のあちこちから伝わって来ますし、仙光寺相手に隙あらばタチの座を狙い続ける姿も微笑ましくて。多分それは無理だよ…
やんちゃっぽさがありつつも、決してそれだけではないキャラクターでした。
自分の好みとは異なる受け+言動や行動にうーん?となる部分もあったのですが、作中で泣いた赤鬼を持って来るとはうまいなあと。読んで納得のエピソードでした。弟くんとのエピソードはもうちょっとほしかった。
大きく萌えた〜!とはなりませんでしたが、受け攻め2人のやり取りが終始楽しく、けれどただのラブコメだけでは終わらない作品でした。