条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
akutou ni niai no otoko
火崎勇先生の作品なら大ハズレはなかろう…となんとなく選んだ本作。
え!すっごい面白いじゃん‼︎
…という感じで。
いやいや、ほんとに面白かった!
医師法に抵触し医者になれず、だが貧しいひとを救いたい。そんな気持ちで医師免許を持たないまま闇医者として働く市井。
そんな市井を本気かどうか惚れた、と口説いてくるヤクザの鬼塚。
この2人の物語なんだけど、途中から思いがけない展開へ変化するのです。
ネタバレなしで読んでほしいので詳しく書けない〜。けど私はびっくりした。
え?なに?そうなるの?そうだったの?
…って感じ。
という設定上のトリックというか設定の転換の面白さと同時に、市井の心境の描写が興味深かった。
市井は別にゲイでもなんでもないのです。
だけど、鬼塚が本気で市井にぶつかってきた時、市井も本気で鬼塚に向き合い、自分のために全てを捨てられるなら、全てを忘れられるなら、私がどんな人間でもいいなら、それなら応える、と。
鬼塚いわく、女王様だな。
そして鬼塚を手に入れた、あれが私の男だ、と笑う市井の姿。
そう、市井には別の面があります。
一度は手に入れた鬼塚だけど、自分の真実を知ったら離れていくかも、もう愛してくれないかも、と不安になる市井の恐れ。
この市井という男の存在感がとにかくすごく印象的な作品。
読み終わってこのタイトルのイミシン。そこもいい。
現代で闇医者が出てくる本とはどんな話なのか、あまり予想が出来ないまま読み始まる。読んでみると闇医者になった理由もリアリティがあって納得できた。話はどんでん返しがあって読み応えがあり良かった。タイトルがそのどんでん返しに関わっていて上手い。
ただ文体が「。」の度に改行されるのはいただけない。そこまで改行する必要はないと思う。正直ページ稼ぎをしたいのかと疑いたくなってしまう。そこが違っていたらもう少し話が進められて満足感がもっとあったと思うだけに残念。
イラストは話にとても合っていてそれに助けられている部分もあり。さすが草間先生。