お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
古い作品ですが、名作だと思います。
読みごたえたっぷりの重い中編が、三つ入ってます。
『テイク・ラブ』
表題作にして、この中編集唯一のハッピーエンド。といっても、正直ハピエンと呼んでいいのか迷うところなんですが。
エクアドルから15年ぶりに日本に帰ってきた主人公には、会いたい相手がいた。15年前、お互いに傷つけあい別れた恋人だ。
かつて恋人の痕跡を辿って旅をし、色んな人と出会って話をしながら、主人公も知らなかった過去が少しずつ明らかになる。
このプロットなら、今の時代なら、一冊か二冊ぶんになると思う。
展開は早いし、過去と現代の混じりあう複雑なストーリーなのに、とても読みやすく、面白かったです。
『アウト・オブ・フォーカス』
親子に愛された男の話。
かつて悲劇的結末を迎えた激しい恋愛によって虚脱した人生を送っていた主人公は、明るい青年と出会う。
その青年はまっすぐ主人公を愛し、主人公も彼によって癒される。
でも、その青年の父親が主人公のかつての恋人だと知ってしまい――。
とりあえず結末に、なんでやねん、とツッコミ…。そりゃないよママン。
『薔薇はもうこない』
凄まじいとしか言い様がないです。
容赦のない鞭打ちに電気ショック。どんだけサディストなんだ、この攻めは。
「汚れる? 君の血でなら、それは飾られる、というんだ」
救いようのない悲しい結末でした。