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paperback
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
明光新聞社シリーズの同人誌再録集、第2巻。
こちらは『off you go』のエピソード中心です。
表紙の佐伯氏には誰やお前!と叫びたくなりましたが(そもそも青石さんの絵のタッチが、個人的に本シリーズのイメージと少し違うかもしれません。『off you go』の表紙のセンスは大好きですが。)、書き下ろしまで読み終えると、こんな穏やかな表情も悪くはないなと思えてきました。
再録分は全て既読でしたが、改めて読み始めると、やはり佐伯密というキャラクターの面白さ、リアルかつ叙情的な物語世界の豊かさに引っ張られ一気読み。
密と良時と十和子。
清濁入り混じる世界で、奇妙な純愛で結ばれた三角関係を保ちながら歳を重ねてきた三人の姿には、何度読んでも涙腺を刺激されます。
だからこそ書き下ろし「ハネムーン」で密が三人で暮らす未来を語るシーンには沁みるものがありました。
実現されるかはともかく「ずっと遊んでようぜ」という幼き日の約束に対する一つの答えとして、とても素敵な言葉だと思います。
再録分のエピソードはどれも素晴らしいですが、個人的に最も好きなのは『キャノンボール』の「僕と不良と校庭で」。
記者とヤクザの癒着疑惑、という強烈な掴みから緊張感ある展開を経て、最後は若き日の爽やかな思い出に着地するラストになんとも言えない余韻が残ります。
書き下ろし「ハネムーン」は、良時が密とクロアチア…ではなく金沢を旅行する話。
初めての二人旅が、密に「行っちまえ」と告げられた思い出の地というのが何とも良いです。
気心の知れた男同士の遠慮のない掛け合いが相変わらず楽しく、やはりこの二人好き☆
あとがきにかえて…の書き下ろし「プレムーン」は、20年前、良時のいる金沢を訪れた密が十和子に電話をかける話。
密の繊細さを誰より理解し、
『私は寂しくない』
と言い切る十和子の聡さと美しさが印象的です。
密のラストの捨て台詞と、「ハネムーン」での良時とのじゃれ具合との落差には、ニヤけつつもホロリとさせられました。
本書の紹介文に「パズルのピースが集まっていくような」とありますが、確かに様々な視点・時間軸から紡がれる一篇一篇が大変面白く、これらを踏まえて本編を読み返すとまた新たな発見が。
ファンとしては、パズルが永遠に完成しないことを願うばかりです。
集録作中、書き下ろし以外は既読だったが
それでもまとめて読むと、感無量という感じだった。
作者が述べているように、「佐伯さん祭り」(笑)、
新聞社シリーズの中でも、off you goの二人の分量多しです。
西口が佐伯を表して「エッジの効いた性格」という場面があるが
off you go自体がエッジの効いた作品だと思う。
こういう優しく遣る瀬無くも非常に鋭い感覚は
一穂作品に共通するものではあるが、特に際立つこのシリーズ。
それぞれの短編の味わいは、これはもうお読みいただくしかないが
過去に未来に、彼らの思いや行動が描かれていく。
本編で語られなかった部分が語られ、本編のその後も語られ、
読者の知ることができる彼らの人生が厚みを増していく。
個人的に非常に好きなのは、一束が香港から出張で来て
本社で良時、密、十和子と一同に会す(!)「Overtour」、
宿命とも言える絆に涙が止まらなかったのは、「Tiny Boat」、
そして良時の只者じゃなさが見える「僕と不良と校庭で(二千なん年)」
(キャノンボールより)
書き下ろしは、かつてoff you go!と言った土地
二人の運命が大きく動いた金沢への、中年二人のハネムーン。
うふふきゃははという雰囲気の中にも散りばめられた
切なさの破片が彼ららしい。
評価は神としか言いようがない作品集だが、
挿絵に関しては個人的にはミスマッチ感が拭えない。
単体でみるとなかなか素敵なのだとは思うのだが
作品に対する思い入れが強すぎるせいか、
違う感がぬぐえないのがとても残念です。
<追記/収録作品一覧>
同人誌:Overtour
Ninna Nanna
Tiny Boat
キャノンボール
その他掌編:is in love
おはようからおはようまで
green eyed little monster
the other side of off you go
アナザグラフィカ(2012 Summer)
The cloud of unknowing(2014 spring)
たたかいすんでひがくれて(2014Winter)
書き下ろし:ハネムーン
(あとがきにかえて):プレムーン
(同人誌、無配本などのレビューはすでに書いているので
詳しい内容や感想は割愛いたします。)
こんな穏やかな表情で良時の胸にぴったりと寄り添う密。あのひねくれ者がここまでラブな空気飛ばしちゃっていいんでしょうか?同人誌作品集って素晴らしい。
私は一穂さんの作品の中で密というクセのあるキャラクターが一番好きなので大満足でした。前回のペーパーバック1も良かったですが、私にとっては少し密不足という感じだったので。
短編・中編ばかりですがおなじみのあの新聞社関連のキャラばかり登場するのでファンは楽しめると思います。冒頭の方のお話では密の元彼・今彼・元妻がバッティングします。それでも全然動揺しない密・・ほんと罪な男だなあ。でも憎めないんだけど。
ラストの「ハネムーン」は書き下ろしだそうですが甘甘すぎて悶絶しました。40代男達の海岸でふざけてキャッキャウフフアハハな感じが読めて本当に幸せでした。最凶のひねくれ者と彼を心から愛する永遠の王子様みたいな密・良時のカップルが大好きです。
十和子と婚約したばかりの頃の20代の密と良時とか大きなぬいぐるみ持ったカラーの密とか素敵な挿し絵もたくさん見られて大満足の一冊でした。
佐伯と吉時、そして十和子…の奇妙な三角関係にまつわるエピソード多めの番外編集。もう「BL」とは言えないようなエピソードも混ざっているのですが、それを含めてなんだかたまらない。
自分がもしもこの3人の少し近くにいる部外者だったとしたら、まず理解できないであろう関係性ですが、本人達の中では必然性と運命とに導かれた関係で。
長いスパンで少しずつ行きつ戻りつしながらエピソードを積み重ねる感じが大好きです。
元々、こういう風に時を遡ったりしながらエピソードを積み重ねる描写の作品って好きなんだよな……と自分がこれまで読んできた作品たちを想起したりもしました(※BLに限りません)。
本編を読んだ人で、この番外編たちを読んでいない人がいたら「是非読んで!」とお勧めしたい、そんな作品集でした。
佐伯密にこんなに入れ込むとは思いもせず…
挿絵に躊躇していた頃の自分が懐かしい。
今では、漫画、小説読み漁っている身でありながら、佐伯密がお気に入りの受け第1位ですし静良時がお気に入りの攻め第1位です………
もう、最近では朝起きる度に、あ〜佐伯さんは今日の新聞でどんなことにちゃちゃいれたのかな、とか、良時は今日の新聞どんな風に作ったのかな、とか。(良時だけなぜか呼び捨てなんですよね…笑)
そんなことばっか考えてます。
なので、その位に入れこみすぎていて、この作品を読み終えるのが寂しくて寂しくて仕方なかったです。
気晴らしにペーパーバッグを読みながら数日違う作家さんのお話を読んでみたり、漫画だけに留めてみたり。
けれどもう頭のどっかに彼らが住み着いているんですよね。
勿論、そこには十和子の存在もあり。
こうして、あの時のこの人の気持ちはこうだったのか、とか、違う側面から本編を読み返せるのって本当に楽しくて幸せでワクワクして。
それを佐伯密のお話として読めて本当に感無量です。
どれも印象深いお話だったんですけれど、
入院している時のモズのお話。
あれ、すごく佐伯さんらしくて胸がぎゅっとしました。
「自分が賢くも強くもないって
そう、俺の半分くらいは痛感してみろ。」
そう言いながらの独白のシーン。
そんなふうに感じながら、一心に十和子と良時のことを汚さないようにしている佐伯さん。
そこにどんな影も落ちていいはずがない。
そうやって言い切れるし、そうあるために自分がすべきことをわかっているし、汚かったり残酷だったり後始末だったり、そういう立場に立つことを寧ろ安心しているみたいにも感じて。
はぁ〜〜〜〜〜相も変わらずの不毛っぷり
不毛すぎる潔さと献身と健気っぷり
性格と口が悪いせいで伝わらないけど、この人こそ健気の鑑だと思うんですよ………
いずれにせよ、佐伯密が好きすぎる私には本当に大切な1冊になりました。
新聞社シリーズの番外短編の詰め合わせ、その2.
その1の方は同人誌やらなんやらで既読の作品が多かったけど、こっちのその2の方はほぼ未読作品ばかりでした。
めんどくさい男・佐伯密と、静兄妹の不可思議な関係は、書いても書いても次々とエピソードが湧き出すようで、読んでも読んでも知れば知るほどもっとその間のこと、この先のことと果てしなく知りたくなって、本当にきりがない。
逆に圭輔と一束、西口と碧の話は、後は好きなだけいちゃいちゃしていればいいじゃんって感じで、もう満腹。ごちそうさまでした。
それにしても「アナザグラフィカ」が誰のどこに繋がる短編かわからない。
誰かの親世代の話だろうけど、どこに出てきた、誰の親だろう?
雀影さま、お返事ありがとうございました。
>ちなみに、私の佐伯イメージは福山○治さんが近い感じです。
基本的に最近の若い子の前髪バラバラカットが好きじゃないので、
なるほど。
実は福山さんは、私的には佐伯ではなく良時のイメージでした。
佐伯さんは、bassoさんの「amato amaro」の表紙のイメージ、
前髪バラバラだけれど……(笑)
いずれにしても、本作の表紙は違うだろう〜というのには同意です。
雀影さま、こんばんは。
「アナザグラフィカ」ですが、ステノグラフィカに出てきた
杣友こと松田老人と、彼が秘書をしていた政治家・誠士郎の話です。
セルフツッコミ
このカバー絵の佐伯が、私の脳内イメージの佐伯と全くかすらない。
本編の方を読んでいた時には、顔なんかの具体的なイメージがなくて、勝手に脳内でキャラを作っていた。
私の佐伯は明るい髪色の癖っ毛なのよね。
で、それをちゃんとセットしているイメージ。
黒髪ストレートは譲ってもいいけど、前髪バラバラの佐伯はナシだわ。
今回もis in youについて書いています。ネタバレしていますのでご注意下さい。
新聞社シリーズのis in youを読んで嫉妬の嵐が吹き荒れていたので、とてもじゃないですが嫉妬の原因「佐伯密」が主人公の1人となるoff you goなんて読める状態ではなく、番外編が載っているペーパー・バック1を読んで気持ちが落ち着いたはずでした。
しかし、せっかくおさまったはずの嫉妬の嵐が、まさかペーパー・バック2でこんなに蒸し返されるとは思っていませんでした。
主にis in you関連について。
ガツンときたのはOvertureとOvertourです。最初に収録されてるので、思い出した嫉妬を最後まで引きずってしまい、他の話には感情がついていけません。
「Overture」
和訳すると序曲。
is in youで一束が圭輔に語った「ハイヒールの、シャンパン」の続きです。
一束が佐伯を好きになったきっかけ、煙草をやめるきっかけが書かれています。
ここで一気に時間が巻き戻されて、強制的に過去に連れて行かれました。ペーパー・バック1でせっかくコツコツ積み上げたものが全て吹っ飛ぶほどです。
「ハイヒールの、シャンパン」のくだりは圭輔が佐伯と一束の関係を知り、激しい嫉妬の感情をぶつけて、「何で佐伯さんなんだ?」と訊いたことに対する一束の答えでした。続きを読まされることによって、圭輔が一番嫉妬している時に巻き戻され、頭から冷水をかけられたような気持ちになりました。
「Overtour」
Overtureを読んでis in youを読んでいた頃に感情が戻っているので、いくら最後にいちゃいちゃしていたって全然足りない。
2011年11月、is in youから1年経っています。
一束に東京本社への出張を伝えた時、圭輔は笑顔でしたが胸中は全く違う気がします。佐伯に対する羨望と嫉妬、まだこだわってるなんて情けなくて一束には言えない。
そんな時に一束は佐伯とワインを3本空けた夜を思い出しているなんて、ますます煽られました。
そして、出張前日の2人の会話が本当に、本当に、叫び出したくなるくらい切なかった。
「俺にもう特別な興味がないのはあの人だって同じで、」
「『あの人』って呼ばないでくれ」
一束が佐伯と「やってます」と言ってから圭輔がセルドナに行くまでの間で、一束は5回も佐伯をあの人と呼んでいます。
一束が言った5回目のあの人は、「僕は、あの人が好きだ」
この台詞、すごく刺さりました。圭輔にぶつけるのは過去形「好きだった」なのに、佐伯には現在進行形です。
「僕に特別な興味がないのは同じ」
こんなこと言われたって全く嬉しくありません。佐伯と一束が再会しても、何もないのは頭ではわかっているし、一束の気持ちも信じてる。でも、わかっていても嫉妬はします。それはどうしようもない。
圭輔に感情移入しすぎて、本当に辛かった。
その後、東京本社で一束は佐伯と静兄妹と会うんですが、なんだか遠くから眺めているような気分です。
良時と密と十和子のことなんてどうでもよくて、一束が十和子について行くものよくわからないし、一束が「何が何でも会いたい」と思ったことさえ理解できない。佐伯の悪趣味にもイライラしっぱなし。
圭輔に会うためだけに10万円近くかけてドバイに行って、ドバイのいちゃいちゃを読んでもずーっとぐるぐるしていました。
「絶対、誰にもやんない」と言った圭輔に「別に誰も欲しがらないですよ」と、答えた一束。ほんと、「そういう問題じゃないんだ」と言いたい。
誰も欲しがらないから、僕に特別な興味がないからではなく、圭輔のもので、圭輔以外は特別じゃないと言ってあげて欲しい。
圭輔は一束がドバイまで来てくれて、嬉しそうでしたけど、そこまで素直に喜べないまま読み終わりました。
もう圭輔は別の国に赴任して、違う人と一緒になった方がいいんじゃないか、記憶喪失になって一束を忘れてもいいんじゃないかと考えたほどでした。
出来ないでしょうけど。
この後、is in you関連が3作収録されていますが省略します。
最後にペーパー・バック2を読むのはダメだとわかりました。
個人的には時系列順に読むことをお勧めします。
「新しい陣地」を最後にして欲しかったです。
【時系列】
2007/秋 Overture
2010/10/上 before you
2010/10/中〜11/4 is in you
2010/10/下 knockin on you
2010/10/28 the other side of 「off you go」
2010/11/中 Anywhere is
2011/2/上 is in me
2011/2/上 is in love
2011/2/上 うれしくってだきあうよ
2011/春? after you
2011/夏 brother sun, sister moon
2011/夏〜10/16 夏のロビンソン
2011/10〜11 Overtour
2011/10〜11 Overtake
数年後の12月 あたらしい陣地
以下2作は何年なのか不明。
夏 おはようからおはようまで
12月 green eyed little monster
収録作品は以下のとおりです。
【Overtour】
Overture
Overtour
Starting over
Overtake
【Ninna Nanna】
Ninna Nanna
キスをしなくてよかった
とりのゆめ
【Tiny Boat】
ハイファイ・ローファイ
大切をきずくもの
Tiny Boat
【キャノンボール】
星を抱く(70'S)
永遠を知らないか(80'S)
羊の血(90'S)
僕と不良と校庭で(二千なん年)
【その他掌編】
is in love
おはようからおはようまで
green eyed little monster
the other side of 「off you go」
アナザグラフィカ
The cloud of unknowing
たたかいすんでひがくれて
【書き下ろし】
ハネムーン
プレムーン(あとがきにかえて)
エジリオさんはじめまして。
私も新聞社シリーズで「is in you」が
圭輔と一束のカップルが一番好きで
だからこそ今作が辛くて
圭輔と一束は別れてほしい、圭輔に記憶を失ってほしい、もう圭輔は新聞社を辞めて広い世界に向かって欲しいと考えるようになったクチです。
レビューを読んで、同じことを感じてる人がいる!と驚いて同時に辛い気持ちが少しラクになりました。
ありがとうございます。
2巻は「off you go」の番外編中心です。
二人のイチャラブを楽しむと言うよりは
三人の関係への理解が深まる感じ。
密を兄妹で交代に愛するって感じですか?
かつての愛人一束を一堂に会させる話は
こわっ!!と思いましたw
密に比べて良時は常識人だと思ってたのにw
この話はBLじゃないかもしれないな…と思うぐらい
十和子の関係が不可欠ですね。三人の関係が密(みつ)。
十和子を通して近親相姦みたいで萌えなかったけど
お話は面白かったかな、と思います。
雪絵さんがいなくなった後に三人で暮らすのは
ハッピーエンドなんだろうか…
何だかぞっとしちゃうのは私だけかな…
それに比べて、「is in you」「ステノグラフィカ」は素直に楽しめました。
私は一対一の恋愛物を見たかったので。
特に「ステノグラフィカ」の二人は大好きなので
ずっと見ていたかったです。
碧のきちんとした暮らし、私には無理だけど
憧れの気持ちで読んでしまいます。
一番驚いたのは「アナザグラフィカ」。えええ~!
二人がそんな仲だったとは。
青石ももこさんの挿絵は好きですが、中年には不向きかもな、と思いました。
明光新聞社のシリーズの番外編集。
同人誌や小冊子やSSカードやその他諸々に掲載の番外編を集めた本の2冊目。今回も楽しかったです。
前作と同様、目次に惑わされて中編かと思うと、SSや短編の詰め合わせだったりするので、それはもうたくさんのお話が読めます。
とってもお得です。
(「アンフォーゲタブル」はまたしても冬悟がちらっと出るだけですが)
さて、今回とくに好きなのは「ハイファイ・ローファイ」のうち、新聞社に見学に来たどこかの小学生が、ソファで惰眠を貪る密に「おじさん、暇なの?」と声を掛けて、「僕のつくった学級新聞見てください」とお願いするシーンです。
知らない子供相手に、あの密が、結構短い時間の中で端的に赤ペンで添削してアドバイスして、でも毒舌なのが最高でした。
「やさしくしてくれた」、と表現する子供も最高。果物をお礼に送るその親も最高。何もかもが好みでした。
殊の外大好きで、何回も読んじゃいました。
それと、「アナザグラフィカ」。
「ステノグラフィカ」の松田さんの過去話です。どうやら以前、無配があったらしい、と羨んでましたが、きっとこれですね!(と信じる)
とっても少ない文章量なのに、すごく鮮烈。
誠士郎が長椅子に寝そべって上を向いて喉を剃らすのが、ネクタイをほどけ、っていう合図なのが素敵すぎました。
もっと読みたい気もするし、これだけでも充分な気もします。覗き見できて嬉しいです。
それと、すごく思ったのが、「off you go」の3人の絆についてです。
「ペーパー・バック」2冊中、とても多いんですよ、3人のお話が。
で、こういう番外編の積み重ねによって、本編では正直芯の所まで理解できたとは言いがたかった3人の関係性が、とてもよく分かるようになりました。
「off you go」は単体のBL小説だから、どうしても十和子の配分が少なくなるので仕方ないとは思うのですが、「ペーパー・バック」でようやく彼女の人となりが見えました。それで色々と腑に落ちました。
どうして頑なに密との離婚を押し通したのかとか。
関係性の理解を踏まえた上で「off you go」を再読すると、初読とは違った見方が出来ると思います。
「ペーパー・バック 3」も待ち望んでいます。もっと読みたいです。