ペーパー・バック(1)

paperback

ペーパー・バック(1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×218
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
12
得点
338
評価数
78
平均
4.4 / 5
神率
65.4%
著者
一穂ミチ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
青石ももこ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
is in you
発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784344836044

あらすじ

一束と圭輔、蜜密と良時のその後。「is in you」「off you go」の番外編を中心に紡ぐ新聞社シリーズ珠玉の掌編集。

表題作ペーパー・バック(1)

同時収録作品a scenery like you

同時収録作品HAVING YOU

その他の収録作品

  • ワンダーフォーゲル
  • you belong to me
  • その他掌編
  • あたらしい陣地
  • キャロル(あとがきにかえて)

レビュー投稿数12

こうしてまとめて読むことができて感無量です

大好きな新聞社シリーズ、もっと読めるなんて、嬉しくて、ただ感無量でした。
圭輔と一束のカップルも好きですし、良時と密も大好きだったから、本当にありがとうございます。

以下、印象的だった箇所を少し。

***

you belong to me
良時と密と十和子の関係は、off you goを読んだ時、兄妹、結婚、離婚、不倫、と複雑な関係で地雷だらけと当初は思っていた。
でもワンダーフォーゲルを読み、この3人の中のどの2人を組み合わせてもその関係は濃密であり、互いを思いやる気持ちには偽りがなく、正直で、優しかった。
だからこそ、紆余曲折を経て、良時と密が一緒になることも、自分の中では腑に落ちたのだと思う。
雛の心臓で、幼少期の良時が密に「危ないことするな」と言うと、密が素直に聞くところがある。2人の絆が垣間見える。

十和子が死んだら自分も死ぬという密。
1人でも欠けると成り立たない三角関係。
このあり得ない関係が好きだし、描ける先生はすごいなと思う。
こんな3人の関係は、一穂先生しか描けないのではないかと思った。
「言わない言葉を後ろ手に隠している」


***

学生時代、一束がどれほど真剣に圭輔を好きだったかを知る。かけられた言葉を反芻して一喜一憂したり、心理描写に読み入った。
断わられることに臆病になったり、アッサリとした自分を好きになったから、圭輔の一束像を壊すのが怖かったり、一束が圭輔をどんどん好きになっていく心情に深く共感しながら読んだ。

香港を離れなければいけなくなる日を考えて、気持ちが晴れない圭輔。一束が香港に降る久しぶりの雪をみせるために、山の頂上へ連れていくエピソードが好き。
一束の掴みきれない、わかりづらい感情が多いけど、圭輔を心から愛しているのを感じる。
本作で、一束が本当に魅力的だなと思った。一番好きなのは密ですが。。

このシリーズに登場する女性陣も、美蘭、十和子、雪絵など、みんな強くてたくましい。とっても良きスパイスで、好きです。

素晴らしい作品をありがとうございました。

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新聞社シリーズ読了後マスト!

新聞社シリーズ読了後拝読しました。
一穂先生のSSはおもしろすぎるので
本編読んだあとはマストだと思ってます。

ステノグラフィカの西口と碧が大好きなので
いくつか入っていて大変嬉しかったです。
かわいい、かわいい..です。
西口が新入社員時代、
碧はバブたん時代のSSがあって18歳差を痛感。
おそらく一穂先生作品最も年の差カップルかと思われる二人。スキ。
西口が「碧と同い年だったら相手にされてなかったかも」
今だからこそなんだと思えるのが可愛いです。本当に44歳やんちゃ攻め、最高です。

圭輔×一束も、良時×密も楽しく読ませていただきました。(温度差あってすいません)

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短編の集合体

散文の様な短編だと思ったら、番外編だった。
本編を読んでいないと、さっぱりわかんないし、面白くない。

一束と圭輔、密と良時、西口と碧
・・とか、時系列無しのごちゃまぜで、
本編読んでないからでナニコレ?状態で面白くない。

「is in you」
「off you go」
「ステノグラフィカ」
「アンフォーゲタブル」
・・に登場するキャラのその後を書く番外編と気づいたのは、読後。

本編のその後の短編なので、
それぞれの本編を読まなければ、全然関連性が分からない内容だった。
今から読む。

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ステノグラフィカも入ってて嬉しかった

is in you、off you goが中心と書かれていたので、そこまで期待してませんでしたが、思ったよりかはステノグラフィカも入ってて嬉しかったです!!他2作に比べて少ないは少ないですけども。。。碧大好きなので、、本当ありがとうございマス!!
ステノグラフィカが1番推しとはいえ、is in you、off you goもそれぞれ1巻じゃ物足りない、まだまだ彼らのお話読みたいと思うくらいには好きだったので、読めて満足です~。特にこの二作は本編で過去の描写が結構多く(それも萌えるんですが!)、最終的にくっついた後のエピソードやその頃の補完話はそれはそれで渇望していたところなので、満たされました!いや叶うならまだまだ読みたいですけどね!
そういえばたぶんアンフォーゲタブル(未読、、今度読みます!)は入ってなかったと思われます。
番外編集2もあるようなので、こちらはアンフォーゲタブルを読んだらにしようと思います~、楽しみ♪

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とても贅沢で幸せな詰め合わせ

明光新聞社のシリーズの、同人誌や小冊子やSSカードやその他諸々に掲載の番外編を集めた本です。
ほんとにありがたい。ほんとにほんとにありがたいです。
しかもそれに加えて書き下ろしがついているのです。
ありがたく読ませていただきました。
目次を見た時、5つの中編とSSかな、と思っていたのですが、中編と思っていたものは短編の詰め合わせだったので、実際にはたくさんのお話を読めます。

「is in you」「off you go」「ステノグラフィカ」の3作の番外編です。
「アンフォーゲタブル」は和久井さんがちらっと出るくらいです。


個人的には、「you belong to me」の中の「夏のロビンソン」というお話が特に気に入ってます。
「新世界維港泳」という香港で開催される遠泳大会に、弓削が参加するお話です。
学生のときに肩を壊して水泳をやめて以来の大会参加ということで、ジムに行ったり海に行ったりするのですが、怪我のことを一束に話す場面がとてもよかったです。すごく短い場面なのですが、距離感というか信頼関係が窺えて、そこばかり何回も読みました。
「you belong to me」には、高知支局に異動したすみれさんのその後のお話もあり、こちらも興味深かったです。

次巻も楽しみですが、もうこれで最後なのが淋しいなあ。

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嫉妬して、もっと嫉妬したけど、きっともうしない

新聞社シリーズ4冊の内、is in youが最も感情を揺さぶられたので、このレビューはis in youに比重を置いています。
かなりネタバレしていますので、ご注意下さい。

is in youを読んで、ざわざわと嫉妬の嵐が吹き荒れる中、終着点を探してペーパー・バック1を読みました。

以下、is in youの番外編を掲載順に。

「うれしくってだきあうよ」
大阪から香港に戻り、空港に着いたところから始まります。
一束視点で進むため、一束が誰とも違う特別な恋愛感情を圭輔に抱いているのがわかります。
圭輔の部屋に誘われた(ここは一束に頑張って欲しかった)一束が「ふしぎなほど前にも来た感じがしなかった」と思っていますが、圭輔はどうだったんでしょうか。
このあとはいちゃいちゃ描写しかないので、圭輔がどのような態度や気持ちだったのかまではわかりません。たぶん嫉妬はしてそうだけど、自分の中で上手く蓋をして、顔には出していないと思います。

「brother sun, sister moon」
圭輔の妹たちが香港に遊びにきます。いつもと違って家族にだけ見せている圭輔の顔も見られるのですが、圭輔の部屋に一束の着替えや歯ブラシが置かれていることが書かれているので、佐伯との比較ですね。

「Anywhere is」
佐伯が香港から旅立つ日。みんなに嘘の予定を伝えていた佐伯の見送りに来たのは美蘭だけ。一束も圭輔もいません。
is in youの空気を漂わせるこの話は、佐伯と一束がお互いに思ったより好きだったことを再確認させられるので、少し落ち着いた嫉妬心がぐるぐるします。
一束が佐伯に贈ったただ一つの物、10万円程度の麻雀牌のセットを持って帰ることも出来ず、捨てることも出来ず、置いてくることも出来ない佐伯は美蘭に譲ります。
佐伯にとって良時と十和子は特別な存在です。ただ、一束も今までの遊び相手とはきっと違う存在だったんでしょう。
そして、一束の一人称が美蘭に対しても「僕」なんだと気付いたのもこの話でした。あとで確認するとis in youでも使ってましたが、最初は気付いていませんでした。
佐伯に対しては「本気」だったんだなと改めて突きつけられた気がしました。

「after you」
ひたすらいちゃエロい話です。

「before you」
再会前の圭輔と一束。圭輔は彼女と別れ話、一束は佐伯に帰還命令が届いた話。
異動先が香港だと知った圭輔が、純粋に恋をしていたこと、夢や希望、未来をまっすぐ追いかけていたこと、そんな自分を思い出して、息を吹き返すように、生まれ変わるように、下を向いていた顔をまっすぐ上げて、どんどんキラキラしていきます。
その部分がすごーく好きです。

「夏のロビンソン」
実際に2011/10/16に33年ぶりに再会された新世界維港泳。圭輔がその大会に参加するためにジムに通い始めます。
大学2年の時に肩を故障した圭輔。初めて経験した大きな挫折だったと思います。思うように泳げなくなったことは圭輔の中でずっと燻っていたようで、大会に出たことでやっと「すっきり」していました。
オレンジ色の夕陽が空と海を染めるビーチで、足首までを海水につけて、手を繋いで歩く2人のシーンが印象的です。
要は色々あったけど再会して「一緒にいられる。それってすごく嬉しい」ってことですね。

「knockin on you」
is in youでの圭輔視点。
再会して1週間、佐伯との電話の後、部屋を出て行った一束。悶々としていたところにかかってきた美蘭との電話で、自分が知っている一束と今の一束がずいぶん違っていることを知ります。

「やってます」と言った一束の言葉で、2人の関係を思い知らされた圭輔が、ぐるぐると嫉妬の渦を回し続け、自分の中で湧き上がる気持ちをまっすぐにぶつけるため、明け方帰ってきた一束の部屋のドアを叩くまで。

「新しい陣地」
香港に雪が降ったのは1975年以来らしく「40年ぐらい前」と作中で圭輔が言っているので、37〜39年ぐらい経っていると想定します。そうすると2012〜2014年の年末、圭輔が赴任してきて2〜4年ぐらいでしょうか。
現実では2016年1月に41年ぶりに香港で雪が降っています。出版年の2015年かなとも思ったのですが「ぐらい」なので。個人的には佐伯と付き合った3年を越えた辺りかなと思っています。
この書き下ろしを読んで、きっと圭輔はもう過去を気にせずにただまっすぐ前を向いて階段を駆け上がっているんだろうなと思いました。

「一服して待っていた一束が煙草を消した。」
ここを読んだ時に、一束が佐伯のためにやめた煙草を、特別な圭輔と一緒にいることによって、また自然と吸うようになったんだなと思えて、気持ちの上でも佐伯が過去の男になりました。
確実に離れ離れになる2人ですが、それでもずっと待っていますと一束が言葉で伝えてくれてよかったです。10年後、楽しいことも辛いことも経験して、佐伯や静、西口たちと同じ40代の2人に会ってみたいなと思いました。

終着点が見つかったと思ったら、このあとペーパー・バック2を読んでまた嫉妬!


収録作品は以下のとおりです。

【a scenery like you】
うれしくってだきあうよ
brother sun, sister moon
Anywhere is

【HAVING YOU】
after you
before you

【ワンダーフォーゲル】
ワンダーフォーゲル
雛の心臓
study of silence
never let you go
ぬくめどり

【you belong to me】
風味絶佳
セシルのブルース
夏のロビンソン
spleen
you belong to me
オールディーズ(OLD DAYS)

【その他掌編】
knockin on you
37.5℃ BULLET
come on you
ハートグラフィカ
ライブがはねたら
ベイビーリップス
あの時代を忘れない

【書き下ろし】
あたらしい陣地
キャロル(あとがきにかえて)

5

お腹いっぱい

新聞社シリーズの番外編などの掌編を集めたものの一冊め。雑誌まではチェックしていなかったり、発売から時間が経ってから読むことも多い不真面目読者にとっては、こういう風にまとまった本が出版されることは大変ありがたいことです。

シリーズの登場する複数のカップルの、違う時期、違う舞台のエピソードが収められているので、一編ごとに脳内でそれぞれの本編のストーリーやエピソードを反芻しながらページを繰ることになります。
だから、ひとつひとつはホントに小さなエピソードなのに、すごく充実した読後感。点と点の間を埋める描かれていない部分が勝手に脳内に繰り広げられる感じで。

細かなエピソードが重なって人生って出来てるんだよなぁ‥などとつらつら思いつつ、読みました。

1

一束が可愛かった

新聞社シリーズの番外編同人誌類をまとめたもの。
主に『is in you』の圭輔×一束、次に多いのは『off you go』の良時×密。
後は『ステノグラフィカ』西口×碧が少し。

本編よりも圭輔×一束が可愛らしくて萌えました。
ややこしい話なく美味しいところだけ読めるからかな…。
純粋に可愛いな~、楽しいな~って感じでした。

『off you go』の二人、というか十和子と三人の話は、ラブじゃない部分が結構多かったかな。
雪絵さんの話とか…。
このカップルの話は恋愛と言うより家族愛っぽい感じがするので、
何となく罪悪感と閉塞感があって、
お楽しみ番外編と言う感じがあまりしなかったです。

一番好きなカップル『ステノグラフィカ』の二人は短かったけど癒されました。
西口が別れた嫁の姪と連絡取り合ってることにビックリしました。
完全に他人だからそれはデートじゃん。

0

元のシリーズも読み返したくなる

新聞社シリーズの番外短編の詰め合わせ。
同人誌や小冊子類で既読の作品も結構多かったかな。
こんな風に番外編を集めて本にしてもらうと、元の作品も読み直したくなる。
いろいろなカップルの話が次々登場するので、ちょっと戸惑ったけど、元の作品のが印象深かったから、どの登場カップルの事も、どんな内容だったかも思い出すのはそれほど難しくはなかった。
全体の印象としては、一穂さんにしてはエロが濃厚。
その辺が同人誌作らしいって感じかな。

3

雀影

snowblack様、こんばんは
コメントありがとうございました、気づくのが遅くなって申し訳ありません。
一穂さんといえば竹美家さんのイラストの印象が強いので、よけいに違和感があったのかもしれませんね。

snowblack

雀影さま、こんばんは。
セルフツッコミで書いていらした表紙絵についてですが、
シリーズ本編ではほとんど引きの構図だったので、
作者がズームで……とリクエストされたそうです。
絵自体はなかなか素敵なのですが、私も誰?と思いましたし
(消去法で誰だか分かりましたが……)
正直作品のイメージとしては、もうちょっと主張しない感じでの方が
個人的には良かったなぁと思っております。

雀影

セルフツッコミ
イラストの青石さんって、絵の雰囲気変わった?
このシリーズの挿絵って、終始引き絵で、登場キャラの顔に関しては印象が残っていなかったから、表紙の顔アップからして誰って思った。

作品同様読んだ側も色んな気持ちが交差する

一穂さんの新聞社シリーズの番外編を集めたもの+『is in you』 の書き下ろし短編。今回ペーパーバック1の方では、『アンフォーゲタブル』のお2人はほとんど出番なしでした。冬梧が一瞬出てきましたかね。
詳細なレビューは他の方が実に的確に書かれていらっしゃるので割愛します・・・☆
私は一穂さんの作品の中でもこの新聞社シリーズが特に好きで、今でもテレビでニュースを見るたびにこの作品の登場人物のことが頭をよぎるくらい日々の生活の中に入り込んでしまっています。
国会のニュースでは碧や西口が、新聞を読めば密や良時が、香港の話を聞けば圭輔や一束が・・・・・といった具合に。そんな折、この『いいとこ集め』な1冊が発売されるということで・・・・1年の最後にとても素敵なプレゼントになりました。
メインの新聞社シリーズを読んでいらっしゃらない方は、先にそちらを制覇していただいて・・・・こちらに進んでいただくのが間違いないと思いますが、もし新聞社シリーズを読んでいてこちらを読まれていない方がいらっしゃればぜひおススメしたいです。
ただ私個人的には、最後の書き下ろしは少しだけ淋しい気持ちがよぎりました。この結論はこれで間違いない。この2人ならきっとそうなる、それは間違いないし、二人の絆を感じさせてくれた雪のシーンは本当に素敵でした。でも、目の前の幸せと淋しさに弱い私は、自分のことのように『いつ来るかわからない』『でも絶対に訪れる』物理的な距離を感じて心が痛くなりました。私が感じていたより二人の心は強く結びついていたということです(^_^;)私自身の心がもう少し鍛錬が必要だったみたいですね。
狭い世界からなかなか出られない私にとって、個人的に圭輔というキャラクターは憧れです。一束も言ってますが、与えられた場所を精いっぱい感じて楽しんで、そこに居る人達を知って、決して人のことを悪く言わない。私が説明すると安っぽく?なりますが(笑)
一束がそんな圭輔にもっと雑に扱われたい?欲求を感じて戸惑ったり、新しい感情に揺れているのをこうやってまとめて読むとまたキュンとします。
密に対してあまり良い感情を持てなかった私ですが、1冊をまとめて読んだ最後の『キャロル』で払拭されました。短い行数で心をひょいっと左辺から右辺に移項された感じで驚きました。さすが一穂さん・・・・。
一番好きな碧と西口の話はほんの少しでしたけど、やっぱりいいですね。成長のない感想で申し訳ないですが、『きちんと下ごしらえをして、和食を作ろう』という気になります!
ペーパーバック2を楽しみに待ちたいと思います。

9

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