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8nenme no kiss
高校時代の先輩×後輩の再会もので、前編・後編という構成です。
卒業祝いの酒に酔った先輩・藤川に抱かれたなつき。
「…美由紀」と寝ぼけて彼女の名前を呼ぶ藤川の姿に心が冷えたけれど、ずっと好きだったからそれでもいいと抱かれた。
だけど、翌朝、誤ちに気づいて青ざめる藤川は追い討ちをかけるように「お前、美由紀に似てるだろ…」と弁明。
そんな二人が社会人となり、7年ぶりに職場で再会するんです。
以前のことが忘れらないなつきは、冷ややかな態度を取ってしまうのだけど、藤川は
「冷たいなぁ。一度とはいえ肌を重ねたりもした……」
なんてあの夜の誤ちを匂わすような冗談かましてきたり、
「おまえは相変わらず可愛いなぁ。高校生の頃も可愛かったけど。」
なんて言うもんだから、その都度心が揺れ動いてしまう。
自分ばかりが翻弄されてイライラさせられているなつきは、藤川にちょっとした復讐をしてやろうと徹夜明けの仮眠室で死んだように眠る藤川にキスをしたところ、寝ぼけた藤川にまたもや抱かれてしまいます。
おまけにまたもや「……美由紀?」と。
その後も追い討ちをかけるかのように「お前って高校の時も酔っ払った俺に簡単にやらせた」「俺のあとにも何人か男としたことがあるんだろ?」などと言われて藤川を避けるようになるのだけど、ある日、藤川が結婚するという噂を耳に挟んでしまい……
とここまでが前半です。
はっきり言って藤川、デリカシーのかけらもない。
そんな男をどうしても嫌いになれないなつき視点でお話は進むので、なつきに同情しまくりです。
やがて「可愛い後輩」というポジでいられるだけいいか……と自らを納得させようとする健気な子。
後半は、なつきが大ピンチに陥るのだけど、そのときの藤川の叱咤激励や手の差し伸べ方が格好良くて見直すことができる。
だけど明かされる「美由紀」の謎には拍子抜けというか、ただただ勿体ないとしか……。
前編後編というボリュームですが、片思いの切なさがきっちり詰まっていたし、二人で仕事する様子も入っていてなかなか楽しめました。
樋口先生の嗜好が土台の、虐められ続ける不憫受の物語。
ムシシリーズと、共通する所が有る。
前後二分の電子版。後半は激甘展開。
藤川浩介:親会社から出向。
8年ぶりになつきと再会した高校のバスケット部の先輩。
昔、なつきを彼女とまちがって抱いた。
佐倉なつき:入社2年・営業課。
華奢でかわいい、女子とよく間違えられる。
初恋の人との事で、恋愛にトラウマを持つ。
ずっと先輩の無神経な振舞に傷つき続ける描写は酷く酷。
血が涙に交じっているんじゃないかと思うくらいの、惨い展開。
後半、どうなるのか気になる。