世界の半分

sekai no hanbun

世界の半分
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神41
  • 萌×242
  • 萌23
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
19
得点
443
評価数
109
平均
4.1 / 5
神率
37.6%
著者
かわい有美子 

作家さんの新作発表
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イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813013020

あらすじ

皇子・エルヴァン率いる残虐非道な大国に攻め込まれ、カイの故郷は今まさに滅びようとしていた。
生き延びていつか必ず祖国の再興を、と父王に託されたカイは、亡くなった姉姫に扮し城を後にする。
けれどぬかりないエルヴァンの放った追っ手に捕まり、彼の女奴隷にされてしまう。
「世界の半分がある」と謳われる華やかな大国の都へ連れ去られ、
彼のハーレムに閉じ込められたカイは男であることを隠したまま、エルヴァンの閨に侍ることになるが──!?

表題作世界の半分

エルヴァン,24歳,サッファビーア帝国第三皇子
カイ・スーラ,15歳,シルカシア王国第二王子

その他の収録作品

  • 王子達の楽園

レビュー投稿数19

察する攻め

ハーレムもの好きじゃないのに読み耽ってしまった…。かわい先生の筆力&葛西先生の画力、ハーレムのなかで密やかに静かに愛が育まれます。衣擦れや鈴の音が聞こえてきそうなハーレムの夜の情景が繊細に丁寧に美しく描写されていて、しばし浮世を忘れるひとときでした…。

前半は戦争の描写が重くて悲しいんですよね。んでもってその後も、捉えられた美貌の皇子カイがどうやって生き抜くかのハラハラ…。しかも大国の第三皇子であるエルヴァンが手柄をたてたわりに、ぜんぜんドヤドヤしてない、むしろちょっと哀しそう、むしろなんだか無関心で、ええ?ラブ始まるかしら?って軽く不安になったのでした。つか、それくらい、攻様エルヴァンがストイックで紳士的!ハーレムなのにエロくない!ってちょっと新鮮でしたw というわけで、3分の2くらいまで受皇子と攻皇子の不憫さや人柄の描写がメインだったような印象です。でも、この前半のストイックさがあったからこそ!後半が!!えっろ!!エロ多くないんですけど、その少ないページ数にぎゅっと官能が凝縮されているんです!!もう!ふたりとも、なかなかのスケベなんですよ!!(普段はとてもスンとしてるのに)

もうね〜、なんつーか攻様、受さんがちゃんとその気になるまで”待つ”んですよ。(ハーレムなのに…)ちゃんと”その時”を”察して!”、”その時”まで待って、、ようやくその後に押せ押せで口説きまくって溺愛するってゆー…かわい先生の”察する攻め”最高。。気持ちを通じあわせた二人を待っている将来が明るいのか暗いのか曖昧な印象が残ったのですが、聡明なふたりで結託して運命を切り開いていってくれればいいな〜と、祈る気持ちで読み終えました。

1

美しく静謐なおとぎ話

私なんかがこの作品の世界観を上手く表現できるか定かではありませんが、孤独な生い立ちによって、穏やかでありながら無感動で、しっとりと波立たない水面のようひ生きてきた攻め様のエルヴァンと、攻めいられて国が滅び、孤独になったカイの美しい物語です。

個人的には前半部分がちょっと長いかなぁ〜という印象。
説明的というか、必要な部分ではあるんですけれど、もう少し攻め様と受け様のやりとりが色々見たかったのが正直な気持ちです。

けれど、そう思わせるには理由がありまして、なんと言っても攻め様がマジでスパダリなんだもの。
孤独だからこその優しさとか穏やかさ、静かな水面みたいな雰囲気を纏っていると言いますか。
攻め様の素敵さをもっと堪能したかった。
1冊ではなく2冊に分けてもっとゆっくりとネホリハホリ(笑)2人の生き様が読みたかったです。
最後らへんがページ数の都合でバタバタと回収されて終わってしまった感じだったので、そこが少し残念で萌え2評価になりました。

けれど基本的には素晴らしく雰囲気のある作品で、かわい先生ならではの硬さを残しつつ静かに紡がれる文体が作品の内容にマッチしていてとても良かったです。

これネタバレになってしまうんですが、
カイがエルヴァンとのキスで、触れてもいないのにイッてしまうシーン。
ま〜〜〜〜〜どエロい。

こういうのが読みたかった!!と震えました。


また、葛西先生の挿絵!
葛西先生の挿絵の小説は積極的に読ませて頂いているんですけれども、本当に毎回毎回、感嘆の溜息が止まりません。

透明感のある絵柄が作品の世界観にぴっっっっったりでとっっっっっても素晴らしかったです。

2

しっとりと密やかな二人のお話

しっとりとして静かでひそひそと語られるようなお話でした。

こんなにされたらお互い好きになってしまうよ…。

冒頭はエルヴァン視点その後はずっとカイ視点で現在から過去を回想し行き来しながら語られ。

不遇の皇子エルヴァン。よくこんなに優しく真っ当に育ちました。母を殺され父や兄達に疎まれ、いつ殺されるかわからない日々を鳥籠の中で生きてきて。

悲劇の王子カイ。国を襲われ家族も民も殺され姉の振りをしてなんとか生き延び。
いつか祖国の再興を、叶わなければ語り継ぐことを父王に命じられ…。

エルヴァンがカイ達に対して誠実に向き合って接してくれて。カイを兄から下げ渡されてもカイの不遇を憐れみ、出来るだけ心を尽くしあたたかく迎えてくれて。

二人ともいつ死ぬかわからない身でありながら、またカイは男だとバレないようにしながらも寄り添いあって、慰め支え合い。

カイが男だったと知らしめるタイミングがあのときだからこそ上手くいったということなの?えらいあっさり許されむしろ自由度が上がって。

最後も完全なハッピーエンドではなく、命の猶予期間を幸せに一緒にそばで過ごしながら…。

カイが悲劇の王子でありながら、エルヴァンのおかげで幸運に幸運が重なって生き延び、二人で愛し合うようになって良かったです。
いつか故郷の地を踏めるといいですね。

1

戦勝国の王子と亡国の王子の千夜一夜物語

シチュエーションからいって男であることがバレ、民や臣下の身の安全を質にとられ黙ってて欲しかったらいうことを聞けと性奴隷のような酷い扱いをされる健気な王子様…かと思いきや始めっから甘い空気を醸し出し亡国の美姫を保護してくれた心優しい王子様、男とわかっても愛しい想いは変わらないという初恋が実る優しい話でした。

恋バナの方はそんな感じに丸く収まりました。
ただ大国が平和な小国を蹂躙していく悲惨な描写はありますし、カイの両親や皇太子である兄の最後には涙を誘われました。
大国の傲慢さや驕りがいつか身を滅ぼすことになって行くのではないのかと現実の世界情勢を見るようでした。

エルヴァンの生い立ちや王族の継承に関わる習わしなど哀しい過去があり
カイに惹かれ共に傷を抱えた者同士が互いを癒される相手として愛するようになって行くという気持ちの変化が感じられ敵国の王子を好きになって行く過程に無理がなく入り込めました。

1

月◯砂漠とかアラビアンナイト的な

他の方のレビューを読んで気になったので購入しました。葛西さんのイラストが大好きで、かわいさんの作品もわりと好きで何冊か持っているのに、この作品は存じませんでした。

まず、表紙と口絵に見惚れますね。なんとも色っぽい憂いを帯びた表情のカイと、静かにカイを愛おしむエルヴァン。

千夜一夜物語を思わせるお伽話テイストではありますが、若干血なまぐさい描写もあり、ラストも“それから二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ”といった終わり方ではないので、甘さは控えめかもしれません。
カイは間違いなくエルヴァンを愛しているのでしょうけど、エルヴァンの方の感情がわかりにくかったので、もっと彼の情熱的な部分や、執着心が見れたらなぁ、と思いました。(まぁ、閨の中では情熱的でしたけど)
好奇心旺盛なカイと違い、エルヴァンは優しい性格なだけに、どちらかといえば受け身な印象でした。

どうか二人が無事にカフカスへたどり着けますように。

5

心地よい

葛西先生の挿し絵の美しさにうっとり。
お話もその雰囲気ぴったりの美しさでした。
男だと知っていたとなるまで長かったけれど、そこからはもう艶かしい夜伽風景たまりませんな。
受けが私個人の理想ぴったりな健気ちゃんでして可愛いし美しいで読みながら息づかいが…w
最後まで安心して(王子達の今後を考えると不安要素は残りますが…不憫で)読めたのでホッとしました。
疑問に思うことは多少なりありましたが、こちらの作品の情景が目に浮かび、おとぎ話をまるで聞いているような心地よさが何より素敵でした。

4

エルヴァンも不憫だ

かわい先生2冊目です。こちらもファンタジーですが、生きるために姉姫に扮した敗戦国の王子と、生きるために攻め入った大国の王子のお話。

女奴隷としてエルヴァンの元に差し出されたカイは、夜枷の時に男だとバレないように毎回自国の話をします。
最初は自国を攻め入ったエルヴァンを良くは思っていなかったのですが、その人柄や、彼の苦悩を知るにつれ、カイはエルヴァンを好きになります。
女奴隷として、夜伽についてたくさん学び、エルヴァンへの想いが募った時、学んだことを発揮させたのですが、それがまあ、エロかったです。それまで綺麗な静かな文章だったので、余計に…!最後までいってないのに、こんなにエロいってどうなの!?

カイも不憫で頑張り屋なのですが、エルヴァンも不憫でした。だから余計にエルヴァンは達観してるし、優しいのかもしれないですね。最初から、カイのことを大事にしてます。従者からも、慕われてます。

どうか、二人で、末長く幸せに暮らせる未来であれば良い。少しでも長く。

今回電子書籍で読んだのですが、美しい挿絵付きで、大満足でした。

3

エルヴァン(攻さん)の我慢!に神評価

皆さまおっしゃっておられる通り、葛西先生の挿絵のあまりの美しさに脱帽。
私も口絵が最も好き!たまらん・・・
攻めさん、受けさんの着衣姿。
大きめのディヴァン?に二人して座ってるところ。
受けさんの衣装が薄いライラック色で、美しすぎる背中がvネックで見えてて斜め後ろにいる攻めさんを振り返っておられ、麗しい金髪がはんなり・・・(ああなんて拙い私の言葉。先生の美しい挿絵を汚してる気がする(泣)でも書かずには おれん!)
ほんま男子か!といいたい!いや小説が成り立たなくなるんやから男子でいいんですが。

で、男子なんだけど、その美しさと優しさ?お互いの持って生まれた運命?で、エルヴァンをノックアウトしちゃった時の、エルヴァンの我慢の仕方が 悶絶死級。(エルヴァンは我慢しようとするんだよ!すげー)
その時のエルヴァンの言葉にこっちがノックアウトされました。

エチシーンが少なくてもOK!という方で、トルコ好きな方はぜひご一読あれ。
先生の挿絵と、攻めさんのセリフにご注目です!

最後どんでん返しするところが、ちょっとご都合よろしすぎではと気になったりしますが、それはさておき。
側仕えとなってからのカイが、これまた可愛らしい。
ちょっと言葉で逆襲してみたりして。
二人でなんとか末永く生きながらえてほしいと、しみじみ思います。

最後まで読んで、やっとこのタイトルの意味が何となく分かりました。
本当に切ないタイトルです。
世界の半分があってもなあと、つい感じ入る次第でした。

11

あーちゃん2016

はるぽんさま、コメントありがとうございました!
じんわりせつないお話で、余韻がありますね、このお話。
勝手に幸せになった二人を想像して、萌え~としときます(笑)
きっと私もしばらくしたら、読み返します!残念なのは初版本?についていたというミニペーパー?が読めなかったこと。なんか可愛らしいお話が書いてあったそうではないですか。しゅん。頑張って好みそうな本は発売当初から手に入れられるようにしっかりチェックしよう。。。

はるぽん

あーちゃん2016さま。
お読みいただけて、気に入っていただけてうれしいです\(^o^)/
ほんと口絵は神ですよね〜。アラビアンナイトとか、そういう感じで。エッチシーンじゃないのにうっとりです。
私もまた読み返したくなってきました。(笑)

金の鳥籠

葛西先生の美しくも繊細な絵に彩られた歴史ファンタジー。
キーワードは、大国に攻め滅ぼされた「亡国の王子」。
父王の、生き延びて国の再興を果たせという命のもと、シルカシア王国第二王子のカイは、前年に亡くなった姉姫に扮して城を脱出するのだが…。

もうこれ、カバーイラストが圧勝!
美貌で謳われた姉姫に扮しても、王子と見破られない美少年。
取り替え花嫁のお話には挿絵の力がどれだけ味方するか、その理想型を見るようです。

ストーリーの展開も、攻めのエルヴァンの設定が秀逸で、ぜひこの二人には、幸せになって欲しいわ。

6

攻めの方が不憫なのか?

「残虐非道な大国に攻め込まれ」「彼の女奴隷にされてしまう」というあらすじで勝手にエルヴァンの悪いイメージを作ってしまってたのですが、読んでみると全く別で逆に超紳士? 国を攻められ両親など殺されたカイも可哀想なのですが、エルヴィンの方が不憫という感じがしてしまいます。全てにおいてイメージ通りでなかったかも。敵国に連れてこられた時も美貌からして兄のお手付きになるかと思いきやすぐにエルヴィンに破瓜する権利をくれたり、その後も兄のものになるでもなく。男だとバレても何の咎めもなく最後まで2人の良いように進んでいった感じ。自分が思ってた以上にサラッと読み終えてしまいました。

1

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