恋煩い

koiwazurai

恋煩い
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神32
  • 萌×257
  • 萌28
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
21
得点
474
評価数
123
平均
3.9 / 5
神率
26%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
志水ゆき 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥640(税抜)  
ISBN
9784403523885

あらすじ

買収予定のぼろアパートに、偵察部屋を借りた槻島。壁に穴があることに気づき覗いてみたところ・・・?ツンデレ社長とアパート管理人の、運命を変える恋。

表題作恋煩い

永沼寛康,買収予定のボロアパート管理人,27歳
槻島敬也,大手不動産会社の子会社社長,29歳

その他の収録作品

  • 恋模様
  • あとがき

レビュー投稿数21

元タチの受!

覗き、首筋の黒子、板前、元タチの受…
素材が良すぎます!!しかもそれらが、すべて美味しく料理されていて言うことなしでした。

会社社長である元タチの受・槻島のキャラが最高でした。ツンデレ(ツン多め)、女嫌いの男好き、負けず嫌いで天邪鬼、中学生相手に大人げない態度をとるような可愛い男です。もう、大好き♪自分の立場を演じて、わざと悪ぶっているような言動に、むしろそれとは真反対の彼の本性が見えるようで面白かったです。

古いアパートの壁穴から覗く男と覗かれる男という背徳的な出会いが、たまらんエロスでした。槻島の秘書やアパートの住人の中学生等、男性の登場人物が多めなんですけど、その中でも、槻島の初めての男「委員長」の存在は印象的でした。高校卒業と同時に別れたけど、永沼と出会い、”こんなに自分が男を求めるようになるんだったらつないどけばよかったな~”と思っているところで再会し、実は単なる欲求不満で永沼に興味をもっているんじゃないんだ!と気づかせる展開がうまいな~と思いました。

また、個人的に性癖のど真ん中の、”どっちがどっち”問題。180㎝と182㎝の身長で、2㎝小さいから組み敷かれてください的な会話に、私は萌えました。いや俺タチ専だから無理、と軽く拒否る槻島でしたが、結果、好きな人とつながれないくらいならプライドもバックバージンも捨てる男気に惚れ惚れしてしまいました。
愛ですね、愛。

志水先生のイラストが男前×男前のガチンコな2人にドはまりしていて、こんなにご褒美みたいな作品だったのか…と今更ながら気づいたのでした。

1

男前同士のガチンコ勝負

いやー、これ大好き! こういう攻✕攻なら全然オッケー、と思った作品。
まったくレビューもなにも読まずに読み始めたんだけど、それがかえってよかった。

まず冒頭、淫靡であやしいシーンから始まって惹きつけられた。壁に開いた穴から隣人の男の自慰行為を覗く男…。
これってアレか? 覗き穴からアレコレしちゃう変態的なやつなのか? とドキドキ。覗きという行為自体は確かに変態っぽいんだけど、それは恋心(と性欲)を募らせる結果にしかならず、だんだん薄れていったので無問題(ちょっと残念?)。

槻島の目線で語られていくお話なのだけど、まあこの槻島が、なんともいけすかない男。金持ちの社長で、女嫌い。高校の時に付き合った同級生の男の子がいたんだけど、卒業と同時にあっさり捨てている。ちなみに、その時はタチ。

結構ひどい男なんだけど、弱みもある。それは自分が愛人の子で、実の母に捨てられたということ。産みの母親が赤ん坊の自分を抱いている写真を、後生大事に持っていたりして、ちょっと可愛いところもあったりして。

中盤、高校時代の恋人との再会もあったりしてしんみりしたり、念願叶って永沼を組み敷いての兜合わせでドキドキしたり。
で、レビューなどの前情報なしで読んでた私はこの時点で、挿絵を見ながら、受けと攻め、逆じゃないかな~?なんて思ってた。

でもって、いざそうなった時に、ああこういうやつか~って思った。
実は攻め同士の攻防って言うのが、わりと本気で苦手。セックスのポジション争いって、延々とやられると萎えてしまう。

でもこの槻島!!
「嫌ならやめようか」って言われて、いやいやせっかく男とやれるのに、それは勿体無い、とばかりに、あっさり抱かれちゃうんだよ。いや~、いいヤツじゃないの。
しかも可愛いくて、その上気持ちよさそう! 私、もともとタチだったキャラが、渋々ネコをやって、屈辱とか肉体的な苦痛ばかりを強調されるのが苦手なんだけど、いやいや、この槻島さ~。
もともと素質あるんじゃないのっていうくらい、しっくり抱かれるの(笑)。
また永沼もいいよねえ。もともとノンケだし、物腰はソフトなんだけど、時折見せる雄みがいい。この先、いい攻め様になると思う。

後日談の「恋模様」は双方の目線から。
普通BLだとどちらかに肩入れしてしまうけど、このふたり、どっちもいいんだよなあ。お互いに嫉妬し合うのが可愛くて、ニヤニヤしちゃう。
もう一度「正しいポジションで…」と思ってる槻島(笑)。永沼を押し倒すんだけど、結局また気持ちよさそうに抱かれちゃった。いつか抱ける日が来るのかしら。でも、実にいいツンデレ受けだと思います。
秘書の樫谷さんがまたいい。なんでもお見通しのお母さん、とあとがきにあったけどまさにそんな感じ。
しんみりと泣かせるところもあり、時々くすっと笑えるところもあり。可愛くて甘いお話で、最後までめいっぱい楽しめました。

1

表現が好き

二人とも180cm超えの攻め×攻めではありますが、受けの槻島のタチ時代というのは高校生のときだけで、それからは女に嫌気がさすほど女を抱き潰してきて、ようやく俺は男の方が好きだと自覚するも男と関係できないまま燻ってる……みたいな状態なのでタチの現役感はないというか、俺はタチだ!と思ってるのは槻島だけで、私から見ると充分受けです。

買収狙いの築50年のボロアパートに偵察と称して部屋を借りた槻島。
壁に開いている穴を覗いたら、管理人さんである攻めがオナニーの真っ最中……。
穴があくほど(実際あいてる)その様子を見つめる槻島の渇望感が良かったです。

すっごーーくいいなぁと思った表現がありました。

高校時代に「委員長」と呼ばれる男と付き合って、卒業と同時に別れを告げた槻島は、(この時はタチだけど)同窓会で彼と再会します。
記憶の中にある委員長は俯いてボソボソ喋るような男だったけど、実は計算高くそれを表に出さなかっただけという事を知ってしまう槻島。
おまけに大人になった彼はその狡さを隠す事もなく、ゲイだけど出世のために偽装結婚をしつつも、槻島を狙ってる事を隠さないヤツに成り果てているという現実。

別れを告げた後、道の角に消えるまで一度も振り返ることなく立ち去ってしまった在りし日の委員長の姿を槻島はふと思い出すのですが、それは赤ん坊だった槻島を捨て去ってしまった母親や、母親代わりに懐いていたのに、自分を差し置いて家政婦に懐く姿を快く思わない義母に契約を打ち切られてしまい来なくなった家政婦の姿とも重なって何とも切ないんです。
幼い頃から自分の元には誰もとどまってくれないという経験を繰り返した末に、「人はいなくなるものだ。」という考えを持つに至ってしまっている槻島。(だからどうせいつかは…と好かれる必要もないから口も悪くなるというところに繋がる)

委員長に再会した後の
「確かなのは、もう「委員長」はこの世に存在しないことだ。たとえ目の前に本人が現れようと、あの日自分が見送った高校生はもういない。」
というモノローグが、槻島の決定的な喪失感みたいなものを感じさせて、胸を打ちます。
(ここだけ取り上げてもピンとはこないと思いますが、その前から読み進めてくると、この一文が何とも切なく沁みるのです)

ぶっちゃけ言うと、受け攻めのキャラとか関係の深まり方などBL的にはあまりピンとこなくて萌くらいなのですが、ここのシーンが好きなのでそれだけで萌萌です。

それと槻島が、優良物件を嗅ぎ分ける女達の嗅覚をトリュフを見つける豚に例えるくだりが、何とも言い得て妙だし、槻島の徹底した女嫌いも同時に感じさせるので砂原さんの表現力って凄いなぁと感心しました。

2

キャラが魅力的です。

槻島がなんか憎めないんですよね。
口が悪いといっても相手をディスるようなものではなく、憎まれ口をたたく感じ。
自分が憎まれるような事を言うけど、他人を貶めるような事は言ってないと思います。
中学生相手にムキになったりするけど。

でも永沼に対しては結構素直なんですよね。永沼の手をジーっと見つめてみたり。
それに、言ってることは意外と正論で、ごまかしたり隠したりしない正直なところもあるんですよ。
名前を呼んでほしくて偽名で契約してるのに本名を名乗るとか。まさしく恋煩い。アホ可愛いです。

永沼はなんとなく目が離せなくなったんでしょうけど、ちゃんと槻島の柔らかい部分を見抜いていると思います。自分に対して特別な感情をもっているのを感じて可愛くなっちゃったんだろうと思います。
だから抱きたい。になったんでしょうね。

最後にはちゃんと両想いなんだなって思えました。

キャラが魅力的で挿絵がマッチしてました。読んでよかったって感じです。

4

(攻)×(攻)

攻めしかいない攻めキャラワールド。
二人とも一筋縄ではいかない性格で、口が悪い槻島にイラッとすることもあるのですが、お話が進んでくるとその理由が分かってきます。

お仕事描写がしっかりしているのでお仕事BLとしても楽しめます。
お話の展開は王道、でも恋愛が始まるスタートの部分が珍しくて面白いです。

あと絵師さんが素敵。
こんな絵も描かれるんだなぁと、いつもと違う感じに感動しました。
続きが読みたいです。

3

『攻め属性の男性を組み敷きたい』願望を満たす作品

電子書籍で読了。挿絵有り。志水さんのイラストの益荒男ぶりが素敵です。

最初に、槻島の仕事は『不動産会社』というより『都市プランナー』の方が近いと思います。読み始めの辺りでは「プランナーとしては考え方が古くない?」と思いましたが、ちゃんとそれもストーリーに絡んでいましたので、ご安心して読み進めください。

今まで砂原糖子さんのお話を読んで「あ、イマイチ」と思うことがありません。どこかで必ず楽しませてくれる。いつも読み終わってから「すごいなぁ」と思います。
今回、私が萌えに萌えたのは『組み敷かれる攻め属性の男性』(笑)。
攻め×攻めというシチュは他の作品でも何度か読んだのですが、何故だろう?このお話ではやたら具体的な絵面が描けるのですよね。おかげさまで「あら、私って男男しい人を組み敷いて上から覗きたい願望があるのね」と気づきました。新たな萌えツボの発見!素晴らしい。
イラスト効果もあると思いますが、なんだかんだ言ってこれは、描写の力なんじゃないかと思います。壁穴から隣室を覗く槻島さんに不快感を感じない所とかも含めて、砂原さんはファンタジスタだなぁ……

4

大型犬は嫉妬深く手ごわい

砂原先生、お試し中なのと、志水先生の挿絵見たさに購入。表紙が本当に素敵。
ずいぶん前に購入したのですが、なぜか読み切れず、
最近ようやく読み終わりました。
読んでみれば、なんか可愛くて、2~3回立て続けに読み返してます。
カプの攻防が新鮮だったからかも。萌2でお願いします。
雑誌掲載分170Pほど+書下ろし90Pほど+砂原先生のあとがきと
個人的1押しは 0志水先生のあとがき?1P。
サブキャラ 社長秘書を描いてくださってます。
イメージぴったりで大好きです、この秘書さん!

受けさんが性格ひねくれてるタイプなせい?で
中の挿絵も あえいでいるか、眉間にしわ寄ってるか という絵が多い感じ。
1枚 着衣のまま抱き合ってる図があるのですが、二人ともガタイがいいので
なんだか ぷっと笑ってしまいます。
そう、カプが意外でした。二人ともでかい。
私の読んだ中では珍しいタイプでした。

登場人物は 攻め受け以外に
アパート住人の中学生坊主(the中学生!といった感じ)、
社長秘書(30代後半♂ 社長曰くロボット)、小料理屋の同僚(♂)、
アパートの元大家(今の大家の祖母)などが出てきます。

社長が、父親の愛人の子ということで家庭での愛情には恵まれなかった育ち。
性格が最初は強烈ひねくれもの だったのですが、恋しちゃって
どんどん可愛くなってしまって、もうきゅーーーん。
アパート大家は忠犬ハチ公。まっすぐ。そして嫉妬深い。
この大家、じつは手ごわいぞ。。と 途中で気づいた社長さんでしたが
もうめろめろになってたので、時すでに遅し。
組み敷かれてました(笑)惚れたものの弱み。

その後も、する時の位置が気になって、なんとかならないかと
社長がじたじたしてる所が可愛い。あきらめろ、惚れた方が負けだー。
社長秘書もなかなかいい味を出していて素敵です。
硬い文章な気がしたのですが
何回読んでも、きゅうきゅう♡する作品でした。

1

壁穴から始まる

キュンキュンした切ない話でした。アパートの管理人×不動産再開発会社社長。アパートの土地を買上げたくて策略のひとつとしてアパートに部屋を借りた社長が隣に住む管理人の自慰を壁穴越しに見てしまったことから意識し始めた。攻め×攻め(元タチ)というわりに、ツンデレ気味で可愛い受けでした。受の槻島さんが悪人ぶっているけどいい人で、永沼さんに恋をしていく内にどんどん可愛くなっていっちゃう所がすごく良かった。攻の永沼さんも面倒見がよくて誠実な人。秘書の樫谷さんはとてもいい味だしてましたね。彼視点のペーパーも楽しめました。

4

攻×攻の攻防

「言ノ葉」シリーズの作家さん。くらいの認識で、
BLアワードにノミネートされているので読んでみました。

「ちるちる」さんのあらすじもろくに読まずに読み始めたのですが、
お話に引き込まれました。
中盤まで、受様が攻めるものとばかり思ってました。
いやぁ、受様本人もそう思ってたみたいですが。
攻様は意外にもに押しが強いです。おそるべし天然。

「さくら荘」というアパートにまつわる話なのですが、
伏線がいくつも張ってあって、最後にすべてがわかったとき、
槻島にぶわーっと感情移入してしまって‥。

「恋模様」
「恋煩い」後日談。
数ページ読んで‥吹きました。
多くは語れませんが、樫谷グッジョブです。
それにしても、槻島。
「恋煩い」でも思ったけど、早合点しすぎだから。
これで、よく社長やってられるもんだ。
まさに恋は盲目だね。

6

理想のツンデレ

砂原糖子先生と志水ゆき先生という、素敵なコンビの一冊。
なんとなく、真面目なお話かと思って読み始めたら。
とっても楽しいお話でした♪
口は悪いがやり手のイケメン社長と。
真面目で寡黙なアパートの年下大家さん。
体格は同等なんですが、中身がかなり凸凹な二人のお話です。


このお話は。
『恋煩い』は、槻島(イケメン社長)視点。
『恋模様』は、前半が永沼(アパート大家)視点、後半は槻島視点。
という、二つのお話にわかれていました。


大手不動産会社の社長の息子で、子会社の社長である槻島敬也(つきしまたかや)。
長身で甘いマスクのイケメンで、その事を自覚している行動言動です。
女性には色々懲りていて苦手なせいか、酷い言葉を吐き捨てたりします。
仕事では、土地の再開発事業を手掛けていて。
自社ビルから見下ろせる地域も、公園にして緑地化しようとしています。

その予定地で、唯一立ち退きを拒否しているボロアパート「さくら荘」。
このアパートの管理人は、槻島よりも二つ年下の永沼寛康(ながぬまひろやす)。
実は大家以外にも専門職で働く、勤勉で生真面目な男です。

秘書の樫谷(かしたに)とのやり取りで、何故かさくら荘の空き部屋に住むことになった槻島。
ボロアパートの部屋には、壁に穴が空いたまま修理もされておらず。
隣に住む大家、永沼の生活を覗き見る事が出来る状態。
これは偵察だ、と心で言い訳しながら覗く穴の中の男は懐かしい人に似ていて…?


※ここからはネタバレ注意ですよ。


この話の中で、何が楽しいって槻島の性格です。
私には、最高に理想的なツンデレでした♪
身長180cmもある甘いマスクのイケメン社長なんですが。
兎に角、驚くほど口が悪い!
口が悪いのに、本人も自分の性格の悪さを自覚しているのに、何故か妙に可愛い。
子供相手に大人気ない発言するくせに、端々に良い人が見え隠れ。
ほんっと、不思議な人です。

そんなツンデレ社長槻島と、無表情だが優秀な秘書の樫谷(かしたに)のやり取りがとても面白いです。
知らぬ間に、槻島を掌で転がしています。
お釈迦様のような母のような不思議な秘書、樫谷。
こういう秘書さん、好きだわぁ♪

わかりにくいのは、永沼の気持ちです。
口とは裏腹に気持ちがダダ漏れの槻島とは、あまりにも正反対です。
寡黙だし、生真面目だし、槻島に対して取る態度をどう受けとったら良いのかわかりにくい。
しかしそれがわかった時が、やはり楽しいですね。

槻島の持っている写真とか、さくら荘との縁とか、高校の同級生(同窓会)などなど…。
様々な事、様々な人との関わりの中で、槻島がどういう人物なのか、周囲にどう思われているのかがわかってきます。
いや~槻島、めっちゃ好みのキャラでした♪

これだけでも神にしたいところなんですが。
一つだけ、個人的にすご~~~くがっかりした事がありました。

それは、槻島が最後まで受だった事です。
一つ目の『恋煩い』では相手がノンケだった訳ですし、わかるんですが。
『恋模様』では受になった事への強い抵抗があっただけに、かなりリバを期待してしまいました。
最後やっぱり受で終わってしまい、思わず「え~っそりゃないよ~☆」と声に出していました。
あ~っ、ホンとに残念☆
でも、そんな優しい、でも口の悪い槻島が大好きです♪

5

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