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reiou game
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ちるちるの海外ブロマンス小説のおススメで挙がる事が多い作品だったので、気になって手にとりました。ボリュームたっぷりで、英国のパブリック・スクールを舞台にした群像劇を楽しめました。人間の罪や苦悩など色々考えさせられる作品でした。
西洋の上流階級層は、早くから親元を離れて寄宿舎生活を過ごすことにより、一人前の紳士になれるといった根強いパブリック・スクール信仰があります。
このような完全男社会では、自分の弱い部分を他の生徒に絶対見せられません。カーストの下層にならないようにマウントを取り合います。まるで男らしさの牢獄です。
全寮制なので、イジメにあったら、学校生活のみならずプライベートの寝る時間まで至るので、まさしく地獄絵図です。
子供から少年、少年から青年への多感な移行時期である思春期をこういう特殊な環境で過ごす事はどうなんだろう??まるで軍隊のような生活です。
組織を前提とした集団生活では、個々の個性が消されるし。こういった環境で育った人たちが社会をリードするエリート層になるという現実。
社交性は培われるだろうけれど、プライベートがゼロなのはゾッとします。
良家の子女はこれに耐えられないとダメなのか。
家族と会えるのは長期休暇ぐらい。こういう環境では自然と友との結びつきが深くなり、友愛が培われます。これが主人公のジョナサンにとって悲劇に繋がるのですが…。
親や先生の評判が悪い生徒ほど学生にとって危険な魅力があるという。
ジョナサンとリチャードの共依存は萌よりも怖さが勝りました。
「出会ってはいけない二人」というのがこの作品のキャッチフレーズのようですね。
私は「朱に交われば赤くなる」という諺(ことわざ)を思い出しました。
また少年だけの特殊な環境の中だけに同性愛行為への抑圧は常軌を逸していました。特に同性愛への世間の目が厳しい時代だっただけに余計に、、。
この小説は健全な青少年の育成に理想的とされているパブリック・スクール制度への問題提起もあるようです。
結末は狭いパブリック・スクールの世界でのアルマゲドン・エンドでした。闇堕ちですね…。
最後まで読み終えて何とも言えない気分になりました。
作家が男の人でビックリしました。心理描写もきめ細かいし、少女漫画のような世界観だったので、てっきり女性の作者かと思っていました。翻訳者の影響かな?
タイトルからオカルト要素が強いように思いましたが、意外に現実的でどうしようもなく重めの話でした。他人の心に巣食っている闇の深さに身震いしました。
そういった側面は深く付き合わないと分からないし、分かる頃には簡単に離れられない関係になってしまう事が多く。組織に属していると余計に難しいし、このような悲劇が生まれる事もあるんだな。
肝心のオカルトシーンははっきり描かれていなかったので、ちょっと残念でした。消化不良気味です。
想像を補わないといけない部分もあります。
設定的に美少年も多く、杓子もあるし群像劇なので海外実写ドラマでたっぷり堪能したい…と思いました。
一般文芸なので文体は硬く、きっちりとしています。
そのぶん読み応えもあり、文量の多い作品ながら最後まで一気に読んでしまいました。
成績優秀ながらも一匹狼のリチャードから強い執着心を向けられるいじめられっ子のジョナサン。
だんだんとその執着心が道理を外れた方向に向かっていく様はおそろしくもあります。
それはそれとして、少しずつ二人の距離が縮まりスキンシップが激しくなっていくところにはパブリックスクールモノならではの萌がありました。
本作のメインはリチャードとジョナサンの関係性ですが、サブキャラクターの個性も強く、いろんな要素が詰め込まれています。
もともとジョナサンと仲が良かった友人の嫉妬、双子同士の特別さ、教師と生徒などなど、メイン二人以外にも刺さる要素は多いのでは。
パブリックスクールモノがお好きな方、骨太のストーリーを求めている方には外せない作品です。
からはじまる解説もですが、帯の
きみに手出し
するやつは
だれだって、
このぼくが
殺して
やるからな。
の破壊力も凄まじいですよね。
638Pありますがまったく問題ないです。
あっという間です。
登場人物欄に22人の名前がありカタカナの名前に弱い私でしたが大丈夫です。
それだけ各人物の描写も印象深くしっかりしているので覚えます。
読みにくかったらどうしよう…という心配も無用でした。
いじめられっ子とされているジョナサンですが、オドオド系ないじめられ気質ではないです。友達もいますし読者側の気持ちを傾けられる子で良かったです。
そんな子がカリスマ性たーっぷりな孤高の一匹狼、リチャードの唯一の友となります。
ジョナサンを守る姿に性格難ありそうだったけどヒーローじゃん♡と胸熱くなると思います。
けれどもどことなく感じる不穏さ…得体の知れぬ恐ろしさ…。
不安は広がりそれは確実に形になっていきます。
序盤と終盤では二人へ抱く気持ちがまったく別のものになっていると思います。
(ヒント:ヤンデレ)
というかレビュー少なすぎなことにひっじょーーーーーに驚きました。
ガッツリBLしか読みたくないんじゃい!!!という方でなければ是非読んでほしい一作です。
ネタバレなしでいきましょう。
だって帯の台詞だけで色々膨らみますでしょ?
読み終えると、よっしゃ次何の本読むかな~~という気持ちになるには時間かかるのでそこだけご注意ください(笑)
もうこのタイトルの台詞だけでやばいです。
そんじょそこらでも中々お目にかかれない
史上最狂のヤンデレ様が降臨されてしまいました。
物語は1999年、あるジャーナリストが45年前に
とあるパブリック・スクールで起きた事件について
一人の老人に取材をする場面から始まる。
老人の口から語られたのは世にもおぞましく、美しい日々の記憶だった。
1945年、14歳の素直で少し気弱なジョナサンは
イギリスの全寮制の男子校に通っていた。
ある日のラテン語の授業で問題をあてられて困っていた彼に
助け舟を出したのはクラスメイトのリチャードだった。
ルックスが良く、勉強もできてクラスメイトたちから一目置かれ、
にもかかわらず一匹狼を貫くリチャードにジョナサンは秘かに憧れていた。
そして、その日をきっかけに2人は友人となる。
リチャードと親しくなったことで、
嫉妬したいじめグループからは目をつけられ、
意地悪な教師からも目の敵にされ、窮地に陥ってしまうジョナサン。
そんなジョナサンをリチャードが庇い、立ち向かうよう背中を押してやる。
一連の騒動を経て、2人の親密度は急速に高まってゆき、
ジョナサンはリチャードを崇めるように信頼するようになっていた。
顔を近づけ合って勉強したり、親しみを込めて肩を抱いたり、
ベッドに並んで眠ったり、悲しみを分かち合うときには抱き合い、
彼らの過剰なほどのスキンシップにニヤニヤが止まらない。
そんな友情と愛情の狭間を行き来するような曖昧で、
キラキラと眩しい少年たちの関係にドキドキしながら読んでいた。
でもこれ、周囲からも「ホモ野郎」と言われてしまっているし、
海外だとしてもそういう発言が出てしまうくらいには
ベタベタしすぎだったということなのではないかなあ…(歓喜)
しかし、物語は突如として手の平を返してくる。
リチャードのジョナサンに対する異様なまでの執着。
それは少しずつ、2人の友情の形を支配関係へと変えてゆく。
ともかく、リチャードの完全無欠のスパダリからのヤンデレへの変わり身がすごい。
リチャードの悪意はタガが外れたように暴走し、徐々に狂気を増してゆく。
ジョナサンは巧妙な罠に嵌められるように絡めとられ、
そこから抜け出すことができなくなってしまう。
それはまるで悪魔との契約のようなものだった。
リチャードはジョナサンとの友情を手に入れた代わりに悪魔と成り果て、
ジョナサンは誰もが羨むリチャードという悪魔からの
寵を受けてしまったばかりに信頼していた仲間や教師を失う。
リチャードの狂気の根底にあるものは父親に対する憎しみであり、
一方で彼はジョナサンの中に自身の母親を重ねていた。
だからこそ、ジョナサンを独占し、他を顧みることもなく守ろうとした。
嫉妬にかられ憤ったとしても、ジョナサンに対してだけは
まるで繊細な壊れ物を扱うように優しく触れた。←ときめいた
そして、2人の仲を裂こうとする者は容赦なく他者を排除し、壊し尽くした。
ジョナサンと言い合いになる度に口にする
「きみに必要なのはぼくだけさ。」という言葉は
「ぼくには君が必要なんだ」に思えた。
かつて孤独を愛したリチャードが本当は心の底では独りを恐れ、
寂しかったのだと気づく。
後半にはリチャードの悪魔的魅力に誘発されるように、
物語のあちこちで歯車が狂いだし、その全てが
破滅の穴に吸い込まれていくように悲劇が連鎖してゆく…。
本書で驚くべきはリチャードのジョナサンへの執着の純度の高さだ。
学内の人間をジョナサンの周囲から排除するだけでは足らず、
しまいにはジョナサンの父親への危害まで仄めかしてしまうほどだ。
最終的にはジョナサンにとって愛すべき人間が自分一人だけとなり、
2人だけの世界を築くところまでがリチャードにとっての理想だったのだろう。
自らを与える代わりにジョナサンの全てを奪うという
歪んだ表現でしか彼の至高の愛を果たせなかったというのがなんとも切ない。
リチャードにとっては本当にジョナサンだけ、なのだ。
そして、ジョナサンもまたリチャードを恐れ、拒絶しながらも
最後の最後には友情を貫いたということなのだろうと思いたい。
賛否分かれそうな結末ではあるけれど、個人的にはおすすめしたいと思います。
600ページを超えたにもかかわらず、ページをめくる手が止まらず一気読みでした。
パブリック・スクールという閉鎖的な環境の中で結ばれる特殊な友情や
ひっそりと行わる秘密の儀式など、妖しげな雰囲気も見事にハマりました。
ミステリーであり、青春小説でもありながら、
友達、親子、夫婦の愛を描いた作品でもありました。
お勧めされているのを拝見して読みました。
まずとにかく分厚い!!
珍しく読むのに数日かかりました。
確かにパブリックスクールならではの閉鎖的な環境というのにも心惹かれますし、友情以上のBLっぽさもありますが、家族の歪んだ愛情というか人間のドロドロした狂気が漂う作品で、個人的にあまり萌え要素は感じられませんでした。
霊応ゲームについての説明が少ないので、結局そのゲームが何をもたらしたのか、いまいちスッキリしません。
終わり方もバッドエンドに近しく、なんだかモヤッとしました。
私が普段ミステリーやサスペンスを読まないので一般的な評価は分からないのですが、萌えというよりは人間の闇にゾッとさせられるという印象でした。
ミステリー小説だと思ったら、意外とホラーでした!そして意外と萌える(笑)
・BL的な萌えについて
腐女子としては、非常に美味しいシーンがたくさんありました!
特に序盤、内気なジョナサンと一匹狼のリチャードが出会い、だんだん仲が進展していく様にはニマニマしっぱなしです。「二つの影法師がひとつに重なり合った」り、「濡れた地面に座ったまま抱き合った」り、果たしてこれは友情なのか?と思うくらいイチャイチャしてます。萌えます!!
ただ!!やはりこの作品は一般小説でありBL小説ではないので、ジョナサンとリチャードにCPとしての過度な期待はしないほうが良いと思います。萌え要素が詰まったミステリーくらいの軽い気持ちで読むと良いのでは……、特に後半は二人の関係性が大きく変わってくるので、注意が必要です!!
・ストーリー
舞台がイギリスのパブリックスクールであることと、少し暗めな雰囲気だったので、読んでいてBLゲームの『神学校』を思い出しました。
伏線回収も多く、またどんどん変わっていく人間模様を見ていくのが面白かったです。ただ、タイトルが「霊応ゲーム」なのに、肝心の霊応ゲームの描写が少なすぎる気がします……、最後もあまりすっきりしない終わり方なので、謎を残して終わる作品が嫌いな人にはあまりおすすめできないかな〜といった感じです。
全体的に面白かったです。少しおどろおどろしくはありますが、好みだな〜と思ったら是非手にとってみることをおすすめします!
2015年に刊行されたミステリーファン待望の復刊作品ということで、読んだことがある方も多くいらっしゃるかもしれません。わたしは今回の復刊でこの作品を知りました。安心?のハヤカワ文庫で、佳嶋さんの素敵な表紙イラストにそそられたのもありますが、某サイトで目にした「腐ミステリー」との触れ込みが決定打。分厚いですが、翻訳の読みやすさと惹きつけられるストーリー展開で、どんどん読んでしまいした。
物語の舞台は1954年、英国のパブリック・スクール、カークストン・アベイ校。四年生(十四歳)のジョナサン・パーマーが雑用係をしていた上級生、ポール・エラーソンが死んだ。教師も生徒も彼の死について口にしない中、彼を慕っていたジョナサンは心細い寮生活を送っていた。ある日、ラテン語の授業で訳文につまったジョナサンに、クラスメイトで優秀なリチャード・ロークビーが助け舟を出してくれた。恩義を感じたジョナサンは、常に超然とした態度で誰とも群れないリチャードに惹かれていく。ジョナサンには親友のニコラスとぺリマン兄弟がいたにもかかわらず、ふとしたきっかけでジョナサンとリチャードは親友達さえも寄せ付けないほど仲良く共に過ごすようになっていく。それはポール・エラーソンの死以来カークストン・アベイ校に起こることとなる、不可思議で悲劇的な大事件の幕開けであった…。
舞台が英国のパブリック・スクールというのも、個人的な萌え要素に引っかかったのかもしれません。(国は違えど、ルーツは萩尾望都先生や竹宮惠子先生の作品に出てくるギムナジウムあたりかな?)映画でいうと、『アナザー・カントリー』や『モーリス』などをまんま彷彿とさせます。読んでいて顔がニヤケとるなと我に返る瞬間が何度かあり…。非BLですが、男の子同士の妖しい関係に萌えを覚え始めた頃の、懐かしい感覚を思い出させてくれた物語でした。
原題は“The Wishing Game”。そのゲームにはウィジャ・ボード(西洋版のコックリさん)が使われるようですが…。読了後、コックリさんについて抱くイメージを再考してみると面白いかもしれません。ミステリーなので、ネタバレはいたしませんが、まるっとすっきり解決する物語でないことは明言させていただきたいと思います。
多感な年頃の少年達が、全寮制の学校という閉鎖的な世界の中で、自分の居場所を見出すために必死に模索する姿、友人達に対して抱く独占欲や嫉妬心、今でいうところのいじめなどが描かれる一方で、親子の愛、夫婦の愛、兄弟の愛と、登場人物それぞれが抱える愛憎のドラマも描かれており、読みやすいけれどもとても広がりのある作品だと思います。また、時代背景から英国で同性愛がどのように扱われていたのかを知るには興味深い発見があるかもしれません。読みどころについては巻末に素敵な解説が添えられていますので、そちらをご参考に。
物語の結末は、賛否分かれるかなぁと思うところもありますが、少年(十四、五歳)の成長過程にある、自分を十分にわかっているつもりで、全く掌握しきれていない、危うい一時期にピクっと来るものがある方にオススメします。ただの「思春期」とは呼ばせない、狂気と紙一重の世界を体感させてくれます。もちろん、軽めのミステリーがお好きで、BL要素が無くても十分楽しめる方にも、是非手に取っていただきたい作品です。