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hatsukoi sousa nankouchu
李丘那岐さんの新刊+ヤマダサクラコさんのカッコいい表紙にテンションが上がり、発売を楽しみにしておりました。
既刊「ロクデナシには惚れません」のスピンオフです。
あらすじ:
警視の高木(受け・30歳)は、洋菓子店オーナー殺人事件の捜査で、高校時代の同級生でパティシエの緑野(攻め・30歳)を事情聴取することに。
12年前高木を一度だけ抱いて姿を消した緑野は、何かを隠している様子で……
高木は、いつもはクールで飄々としたエリートを演じていますが、素は元ヤンで口が悪く熱血漢というギャップに満ちた人物。
前作カプの前では遊び人を気取っていますが、実は18の頃一度だけ抱かれた相手(緑野)のことを今でも好きで、彼を取り調べる度、素のアツいキャラが顔を出すところが面白いです。
緑野は、昔から大人っぽくて包容力がある反面、大切な人を守るためなら自分が不幸になることも厭わない自己犠牲的な一面も。
実は12年前も影で高木を守っており、彼が片足を少し引きずるようになった理由もそこにありました。
そのことを知った高木が、今度は自分が翠野を守るべく、事件解決に奔走する。
その姿が最高に健気で可愛くて男前でグッときます。
メイン二人だけでなく、二人の高校時代の仲間もいい味出していて、彼らの若き日のエピソードはBL関係なく楽しめました。
高木がゲイであることも、難関大を受験することも受け入れ、軽口叩きながら応援してくれる彼らは本当に良い仲間だと思います。
この過去編が面白いから、その前後の現在の高木と緑野のやり取りの親密さに説得力があり、緑野の無実を証明したい高木の気持ちに感情移入できました。
絡みは過去編とラストに1回ずつ。
抱かれ慣れていない高木のウブな反応がとにかく可愛すぎました。
すごく甘いけど、合間合間にくだらない会話もしており、ムーディになりすぎないところが男同士っぽくて好みでした。
キャラが立っており(特に受け)、仕事描写とコメディ成分のバランスも良く、かなり好みの一冊でした。オススメです☆
30歳パティシエ×30歳警視庁キャリア警視。
高校生時代の受けが知り合い、心を預けた同い年の攻めは、高校卒業と時を同じくして受けの前から姿を消した。
当時から目指していた夢を叶え、警視庁のキャリアになった受けが、ある日大好きなスイーツ目当てにカフェに行くと、なんとそこで攻めがパティシエとして働いていた。12年ぶりの再会に、昔姿を消された痛みを胸に抱えながらも喜ぶ受け。そんなとき、管内で起きた殺人事件の容疑者に攻めの名前が浮上して…という展開。
かなりガッツリめの事件もので、受けもバリバリ仕事しています。攻めに容疑がかかっているので取調室で取り調べたりもします。
普段は冷静なキャリア管理官受けが、攻めの前にいるときだけ熱くなったり子供のときのように感情をあらわにします。受けには、仕事をしているときの冷静沈着なエリートの顔と、犬猿の仲の部下とその恋人である刑事(スピンオフ作の主役カプ)の前で見せる飄々とした顔があって、攻めの前で見せる顔はそのどれとも違うのです。子供っぽく、甘えたで、可愛い。このギャップがなんとも萌えます。
攻めは18歳の頃から寡黙で老成していて、自分に降りかかってくる災難をそのまま受け入れてしまうような人です。誤解を受けても解こうとしない、幸せになるのを最初から諦めている人。受け入れてもらう、想いを伝える、そんなことカケラも期待せず、受けの知らないところで受けのために動いている。
どうか受けには攻めを幸せにしてあげてほしい。
攻めの命が尽きるときに「幸せだった」と思えるような人生にしてあげてほしい。受けがずっとそばにいて、笑いあえるだけで、攻めは幸せに人生を送れると思うのです。
なんかキュンキュンしてしまう作品でした。
神です
前作未読です。本当に楽しめました。
詳細は、前レビュアー様の通りです。
もう本当に二人で幸せになってほしいと思わせる一冊でした。
事件で最後までハラハラさせられ、
過去編で楽しみながらハラハラし、
攻めの人生観と覚悟みたいなのが次第に明らかになりハラハラし、
そしておっとこまえな受けの現在を打破する思いと行動にワクワクさせられました。
ええ、二人には本当に幸せになってほしいです。
登場人物がとにかく魅力的でした。
再会もの。初恋の人が殺人事件の容疑者で……?という面白い設定。主人公がこの事件の捜査管理官てとこも良い。
警察・殺人と硬派になりそうなテーマだが、雰囲気は軽く明るめ。黙って誰かを守り続ける攻めが切なくて辛くてとても好きだった。学生時代の仲良し四人組の友情も良い。
高木はエリートぶろうと努力しているが、基本はどもりながらキャンキャンしている。何度も自分を制し、捜査に私情を挟まないよう必死になる姿勢は良い。無自覚片思い中のエピソードにきゅんきゅんした。
緑野は見た目と境遇から不幸と不運を背負い過ぎててしんどかった。そのせいか、キレたら手が付けられないところにリアルな生々しさを感じるというか。もし高木と出会っていなかったら、本当にヤバい方面に行ってしまいそうな危うさを感じた。
学生時代の様子だけでも惹かれるキャラだが、12年前の真実が明かされてからはめちゃくちゃ好きになってしまった。高木を守るためにあそこまでするクセに、抱くことは二度とないと突き放す心境を考えるともう……。
「自己犠牲精神は人に必要とされたい気持ちの表れ」という友人のセリフが印象的。全てを諦め投げやりに見える緑野が、実は何かを求めていたと解釈すればたまらない気持ちになる。緑野の幸せを願わずにはいられなかった。
事件解決に向けては高木の職権乱用でトンデモ展開に。直感大当たりですんなり幕引き。
警察ものとして見ればツッコミどころが大量にある。管理官が捜査会議内で言葉も選ばず私情丸出し発言をしたり、現場経験の浅いキャリアが自分の直感を信じて動いたり、凶器の特定に関する捜査がものすごくおかしかったり等々。
だが本格捜査ものでなく、全体がエンタメ方向に振り切った描き方になっており、さらに捜査の中で攻めの過去が明かされていく構成になっていたので、BLとして面白く萌えながら読めた。
とにかく攻めに惚れた一冊。自分の幸せなど望まず、ただ誰かを守るために自己犠牲に走る。そんな緑野がやっと欲に素直になれたこと(ここが重要!自己犠牲で終わらないところが萌え!)に感動した。萌えツボにぴったりハマった感じでとても好き。
関連作「ロクデナシには惚れません」未読ですが、特に問題なく、この作品だけで楽しめます。
飄々と世渡りしているようなエリート警視、若い警察キャリアの高木想。
仕事現場での彼のクールな顔の裏にあるのは、、、。
若い頃一緒に過ごしたやんちゃ仲間との日々から、くすぶり続ける恋の傷。
まだ恋がどんな物かもわかっていなかった高校生時代。
恋を認めたら友人でいられないと思っていたのに、思いがあふれて初めて抱かれた日、「二度と抱くことはない」と告げられて、以来12年、ようやく再会した緑野篤士はその外見に似合わないパティシエになっていました。
緑野が巻き込まれた殺人事件で、彼が犯人ではないと信じる高木は、事件の真相と共に、緑野があの夜から12年間どうしていたのか知り、今度こそ自分の気持ちに正直になって、緑野を捕まえて二度と離さないと努力します。
事件にケーキにこじらせた初恋。
甘さのバランスもとてもいい、読みやすい作品でした。
尻取りで教えていただいた当作品。そうじゃなきゃ絶対到達しない。
特別、好きな絵師様でも好きな先生でもないし、
刑事もの そんなに得意じゃないし。
すごいわ、勧めていただいただけあるわ。
もう前半からきゅんきゅんきゅんきゅん
胸が痛いったらありゃしない。
受けがたまらん。可愛い?というか健気というか、そうだ!純情なんだ!
30歳のくせに、お前は女子中学生か!というようなきゅんきゅん度合。
割合早くから、攻めの気持ちは読者にだだもれ、気付いていないのは受けだけ
という状況で、読んでるこっちは、まだかまだかと じりじり・・・
なのに、事件が過去も今回も起こりやがって(怒)と
正直、きー といった気分でした(笑)
なぜか 真犯人はまだ別にいる と思い込んでて
あれ 終わっちゃったよ という気分になってしまったので、
すいません神に至らず・・・・
二時間サスペンスの見過ぎだわ。
この受け気に入ったので、前作もさかのぼって読んでみよう♡
スピン元の『ロクデナシには惚れません』は未読ですが、スピン元のカップル(南元と伊崎)の出番も多く、関係性が分かりやすかったので今作だけ読んでも十分楽しめました。
攻めの緑野はパティシエ、受けの高木は警視。
賢いのに馬鹿で一途な男二人の長い両片想いのお話。
荒れた高校時代に出会い仲良くなった二人はある出来事を境に音信不通になり、12年の時を経て再会。
殺人事件の容疑者として緑野に向き合わなくてはいけないシーンもあり、もっとシリアスな方向へ進める展開もありだと思うのですが、物語の肝は二人のすれ違い(気遣いだったり、逃げだったり)を経ての恋愛話なので、どこかしら甘さを含んだ空気でお話は展開していきます。
受けの高木がとてもチャーミング。
頭が良くてクールな切れ者として署内では通っているのに、本性は甘いものが大好きで緑野の前ではなんだか抜けてて可愛い一途な男。
攻めの緑野は大切な人のためには自己犠牲を厭わない硬派。
ひとつ間違えば裏社会にいってしまいそうなところを、高木の陽性な言動が緑野をとどまらせている関係性が良かった!
殺人事件が絡んでくるお話ですが、高木が緑野を信じて奮闘する姿に悲壮感はなく、南元・伊崎カップルとのやり取りも明るくテンポが良いので非常に楽しく読了。
初恋は実らないものだけど、実ることもあるというロマンチックな恋物語でした。