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mundane hurt
いや〜受けはひたすらにクズいなぁ笑
最後に懇親の「俺も好きだから、お前のことちゃんと好きだからっ」ってね。
"お前が好きだって目をする、そういう顔見てると安心した。なんにも持ってないしなんにもならないのに、自分なんかのどこがいいんだろうってずっと思ってた。"
って心理描写に受けの全てが詰まってると思う。
SDカードのデータ盗み出した時は、これでもうここには戻らなくなるって長野と縁を切ろうとしてたのに、自分がピンチになってヤクザに暴行されたり警察に駆け込んだりした時は、長野に助けを求めてる。終いには見捨てないでくれと言わんばかりに長野に縋りよる。
西崎は自分の人生の延長でしか長野を見れないのかもしれない。
最後に長野の事が好きだと言っているけれど、それは長野が本当に好きなのか、それとも自分を好いてくれる、自分に価値を見出してくれる長野が好きなのか。
本当に切羽詰って助けて欲しかったんだろうね。
でもそれは長野じゃなくても良かったのかもしれない。
そのあたり西崎っていう男の人間性を丁寧に書き表していてとても素敵でした。
こういう人間味のあるクズさは大好きです。
萌えないんだけど、やっぱり良いんですよねぇ。
何が?って木原音瀬さんが〜。でも、他の作品のように、痛さや切なさ、重さは感じませんでした。さらっと読めちゃった。
重くて辛いものでも再読しようと思う作品多いですけど、コレはもう多分読まない。
ネタバレさせようにもネタってネタがない(笑)
もう最初っから受けがクズなだけで…えぇ、最後までクズです!
普通のBLのように、攻めの愛情で心を入れ替えたり、周囲の方々のお陰で目覚めたりしません!
そしてこの本編では結ばれませんのです。体の関係はあったとしても。
もう、受けに関しては因果応報的な感じで全く同情の余地がないのですが、攻め君は好きなんだろうなぁ、このクズを。って読めました。
攻めは普通なんですよ、至って。
こんなクズにハマらなきゃ良かったのにね、って。でもそれが恋愛感情、ってやつなのかも知れません。ダメンズにハマる女子的な。。。ぁ、それだと受け攻め逆か。クズな女子にハマる男子作品てあるかなぁ。
そう思うと、これも受けが女子だと作品にはならないんじゃないかなと。そこら辺が木原さんの上手いとこかな。
ラストもお尻ムズムズな感じで終わるのですが、同人誌で続きが読めるようなので探してみます。で、探したらまとめ売りは法外な値段で(3万超えとる〜)諦めました。むぅ。
最っ高に面白かったー!
今作はクラス内でのイケメンリア充が真面目秀才をオトす賭けをするお話、正反対の人間同士の掛け合いが好きな人には堪らないです。その上、木原さんの描く清々しいクズキャラ!
そして「夜はともだち」井戸ぎほうさんの挿絵もドラマチックで美しかったです。
足が速く、とにかく勉強、貧乏な長野
親の金、良いツラで楽勝モードな西崎
余裕ぶったエリートが純朴労働階級に次第に惹かれズブズブに…はNOW HERE他でもあります。今作でも貧乏で生真面目でそっけない長野に西崎は(レアスニーカーゲットの為)距離を縮めていき、魅力を拾っていきます。背筋や背中が綺麗だとか、自分にはない面白さだとか。外見平凡な人が読んでいく内にどんどん惹きつけられていく木原さんの筆力が、クズキャラ同様今作も吹き荒れています。
見た目の良い西崎は他人の判断基準も見た目になりがちなのですが、それ以外の長野の良さを見つけて惹かれていくし、長野の心を掴むタイミングも上手いので読んでて面白い。
長野が育ちの違いや人との関わり合いの薄さから、西崎の軽い冗談に対応出来なかったりダサいと思われるのは二人の違いとして読んでいて面白いです。だけど私は明らかに長野側の人間なので、上手く切り返せなかったなぁ、とかモタモタしてダサいなぁ、と思う事がよくあるので西崎側の視点は理解出来るけど「そうなんだけどさぁ…」と非常に身につまされました。
西崎はもともと会話のセンスもあり、一人称での語りも面白いし、ヤクをやってからの心理が凄くて読み応えあります。木原先生ほんとにやったのかなと思うくらい(「罪の名前」では本当に虫食ったのかなって思っちゃいましたよね。露伴みある)
そして大人になった二人の立場はクッキリと入れ替わる、ここが痛快です。
西崎は何もかも無くし暴力に怯えボロボロ、
長野は良いスーツを着た弁護士。
そして少年期と同じく、西崎は長野を思うままにしようとする。なんて面白い展開…
大人になっても破廉恥話を避けるような長野を馬鹿にしつつ、身体を重ねるのも自分が誘い込もうとしたら逆にあれよあれよと迫られ隅々まで愛されてしまう。なんて美味しいBL展開…
その時の西崎の台詞
「むっちゃ気持ちいい。お前とするの」
が爆発的でした…!!
長野も次第に西崎との会話に慣れ「色っぽかった」と口にしてみたり、小さい影響が垣間見えるのも良いです。こういうところいくらでも読みたい…
長野も様々な思いを抱えつつ側から見て西崎に盲目的になっているのも最高です。長野の心情は全編で台詞以外で語られることがなく、それがラストに効いてくるのですが、こういった甘いシーンや後書きでのところまで、この素敵キャラの内面を覗いてみたかったなと思いました。
長野はあれだけの仕打ちを高校生の時に受けたのにまた西崎を匿うなんて、初恋の力というか、やはり抗い難い特別な想いがどうしようもなかったのでしょうね。
ラストもスッキリしつつも人によって好きにその後を解釈出来る良い終わり方でした!
あれだけ人を弄び真剣に取り合わなかった西崎に少し情けをかけ過ぎな気もしますが。
やたら評価いいですけど、木原音瀬先生信者向けだと思います。
普通の人ならなんだこりゃ?となるのでは?
生まれて初めて本を読んだ後、すぐに捨てました。
私は近年の木原先生の作品がどうにも合わず…昔の有名な作品は好きです。
灰の月もダメでした。灰の月よりはこちらの方がマシでしたが。
ハッピー☆みたいなのを求めてる訳ではないんですが、読んだ後とても疲れます。
ダークな小説やバッドエンドの小説って書く方は説得力が求められるし、読む方もそれなりに覚悟と気合を求められると思うんです。
特に小説なんか少なくとも2時間くらいかけて読むので、それだけ時間かけさせといてこのラストだと辛いんですよね…同じこと書くんなら短編でまとめてくれ…と思います。
木原先生が天才…と言われるのは分かります。他に書ける人はいないでしょう。
ですが、木原先生の才能に震えたいんじゃなくて、真っ当に感動して萌えるBL小説を読みたいんだよ〜って方には本作はオススメしません。
暗くて救いがないのが好きならオススメです。
受けの西崎が金持ちで顔が良いクズ系高校生だぞ。
これはくるぞ。見えるぞ。ドン底に落ちる受けの姿がな…と確信をもったスタートが裏切られることはもちろんありませんでした!(^^)!
受け視点の文体がテンポ良くて、キャラの滲み出るクズぶりだったり楽して生きてる軽やかさがとても癖になりました。
諸々舐めすぎ発言が顕著で楽しいくらい…!
普通なら胸糞悪くなりそうなのに、どうしてこうも気になってしまうんだろう。
人生勝ち組と信じきった彼の行き先がどうなるか見たいとおもってしまうんだろう。
攻め長野との関係は西崎の気まぐれな暇つぶし。賭けの対象としてモーションをかけらていることも知らずに西崎にのめり込んでいく長野のピュアさが痛がる胸に沁みました。
若者らしいノリにもうまく乗れない生真面目すぎるウブな攻め…そんな彼は早々に飽きられ西崎に簡単に捨てられます。
その後の大人編。
好き勝手できていた西崎の環境は地へと落ちています。
しかしド底辺な毎日でも彼の人間性は変わることなく…まぁた木原ワールドのドクズコレクションに新たな名前が増えましたね。
なんの因果か再び長野との関係がはじまりますが………。
ラストはこれで許されるのか…ってぐらいに甘くないですね。
残りのページ数が少なくなりすぎてもこれで…あれ?と思っていましたが…。
文句を言いたいわけではありません、寧ろ大好きです。
これでお話内で明るい光が見え見えだったら凄くチープな話になっていたと思います。
仕出かした罪に反して愛をかぶせて元通り…とは絶対にならないところはいつも安心できます。
今更遅すぎるし信じきれない西崎の長野への気持ち。
どうせまた裏切るんじゃないかと思いつつも、あとがきにあったカフェ経営している姿を想像したくなる…。
再び西崎に振り向きまっすぐで熱い愛を向ける長野とそれを真っ向から受け止めるのはやっぱり恥ずいしと思いつつも長野が差し出す手を決して離さない西崎…
修復不可能だろと思う反面もしかしたらの明るい未来を考えてみたいと思わせてくれること自体とても凄いことだと思います。
どん底なんだけど真っ暗闇ではないかもしれない…二人の関係が切れないことを願います。切れたとしても死ぬ気で結び直してみせてよ西崎。
とてもリアルに感じました。人の本質とはそのようなものだろうと思うんです。
確かに読後感はあまりよくはないです。
受けが攻めを傷つけ続けてきたことを考えれば当然といえるラストです。
人生でどんなに悲惨な事があろうと、自分が辛い事があったなら決して自分の周りの人にまで同じ思いをさせまいとするのが普通の人です。
自己中心な人間が周りの人を傷つけてきたならなんの代償も払わずに救われる必要はないと思います。
自分への好意に甘えるだけの人間に幸せなんてこなければいい。です。
クズに振り回されても許してすんなりハッピーエンド。
これが愛みたいな話はたくさんあると思います。
ですけど、ここまでされて最後にまだやすやすと西崎に手を差し伸べるようなら長野も頭がおかしな人です。
それは実は西崎は真実の愛とはいえないものを手にした事にしかならないともいえると思います。
なので、最後の拒絶は当然といえるし、それがリアルだと思います。
とは思っても最後のページで茫然としましたけどね。
あとがきを読んで、そして続きがあることも知ってはいます。
そう思えば二人のストーリーはつづく・・・です。
ですけど、この本の終わりはこれで納得でした。
おそるべし木原先生です。
病院経営者の叔父を持ち裕福で自堕落な生活を送っていた高校生・西崎は、体育祭で誰より速く駆け抜ける秀才・長野に目を奪われ、退屈しのぎに長野を落とそうとします。堅物で純情な秀才を落とすまでは楽しかったのに、付き合ってみれば退屈で、西崎が長野の父親の前科を仲間に暴露したことから、二人の関係は終わります。
大学に入ると、西崎の叔父は事故死し、母は暴行され、兄は犯人を殺し、生活は暗転します。孤独の中、女にたかり、薬に手を出す転落人生。ヤクザにつかまり、ある弁護士が持つデータを手に入れてくるよう命じられます。その弁護士こそが、西崎がかつて振った長野でした。偶然を装い接近し、長野の家に転がり込んだ西崎は、長野がまだ自分に想いを残していることを知り、ハニートラップを仕掛けます。期限が迫る中、長野のPCから手に入れたデータをヤクザに渡しますが、それは偽物と発覚。西崎は車で運ばれ始末されそうになりますが、交通事故のおかげで間一髪、助かります。交番に駆け込み、長野に連絡を取りますが、迎えには来てもらえず…。
長野と西崎の対照的な生き方が、とても印象的でした。
父親が罪を犯し、両親が離婚、苦学を強いられながらも、ひたむきに勉学に励み、長野は弁護士になる夢をかなえます。しかし、長野を上から見下ろしていた西崎は、社会の底辺に堕ち、卑屈に生きることしかできませんでした。昔「親が金を持っているのも才能」とうそぶいていた愚かな目でしか、自分を見ることができなかったのでしょうね。
そんな二人が再会後、なぜ体を重ねたのか。西崎には魂胆がありましたが、それでもやはり二人は惹かれ合っていたのだろうと思います。堅物で気が利かない長野にとって、自分を遠慮なくからかって笑う西崎と過ごす時間は、今も昔も変わらず楽しかったのでしょうし、西崎にとっても、長野の真面目さや不器用な優しさ、走るときの美しいフォームが、とても眩しかったのでしょう。
物語の最後、長野に去られ、やっと自分の本当の気持ちに気付く西崎が、痛々しくてたまりませんでした。
作中、蔑みや暴力など、この世の痛み(=Mundane Hurt)がこれでもかと描かれてきましたが、もしかしたら一番つらいのは、愛を失う痛みなのかもしれないと思いました。
長野の愛を取り戻すために、西崎は誰のせいにもしないで頑張る強さを身につけなければ。自分がクズで、つまらないプライドが邪魔して「好きだ」と言えなかったと、やっと気づけたのですから、そこから始めればいいと思います。長野はきっと西崎を見捨てないのでしょう。美しい表紙イラストの二人のしぐさが、行く末を暗示しているように思えました。
長野がなぜ西崎に「困っていることがあるなら、話してくれ」としか言えず、踏み込んで聞けなかったのか。気になって、「弁護士職務基本規程」を読んでみました。依頼者の意志の尊重、依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件に関する規程あたりが、関わっているような気がしました。素人考えなのですが。
あとがきによると、二人には救いがあるようですね。作品中、何度か描かれていたコーヒーが重要な役割を果たすようで、コーヒー好きな私としてはとても楽しみです。
人の弱さとか、愚かさとか、そういうのをシリアスに一気に読ませます。
暴力シーンが沢山あるので夜に読むもんじゃないです…。ドキドキして眠れません。
実は「吸血鬼と愉快な仲間たち」目当てで購入した同人誌に、この作品のその後がちょっとだけ載っていたので続きを知っていますけれど、それなしだとこのラストで読み終わっている状態はかなりキツいって思いました。あとがきの救済まで読んで!としか言いようがありません。
西崎は自業自得なんですけれど、確かにクズなんですけど、私にはどうにも憎めなかったです。運が悪い部分もありますよね。それって本当に西崎が悪かったの?と思えてしまって。
逆に、長野の方がいまひとつ納得できないというか…。「喋って楽になるなら」と言われても殺されそうな身には戯言にしか思えずないですよね同級生だったからこそ猶更そんなに頼りがいがあると感じなかったでしょうし。長野があれこれ手を尽くしたという風に読めなくて、西崎から「相談してくれたらヤクザから助けることができたんだ」という信頼をされなかったのは仕方ないんじゃないかなと思いました。
あとヤクザのことを知っているんなら偽データ渡したら西崎がどうなるか予想がつかなかったわけじゃないだろうに…と思うと怖いですよね。
どこぞのスパダリなら、受けが悩んでいる間に、さらっと背後関係を洗って手を打っていて、受けに危機が迫っても「大丈夫だよ」と颯爽とした登場となるんでしょうが、さすが木原先生。そういう救いは一切ありません。でもそこが好きなんですよね。
レビューを見ずに読み始め、あ、これはやばいやつか、と思った時にはすでに遅し。。。悪い意味で胸が締め付けられたまま、一気読みをし、これはやっぱり嫌だけど神評価か。。。と思っていましたが、西崎の何でも人のせいな思考に読んだ後頭痛を覚えたので中立にしました。西崎の命を消さずに話が終わったのは作者の優しさでしょうか。
高校時代の、好きな人に自分を知ってもらいたいという長野の純粋さにこちらは良い意味で胸が締め付けられました。それなのにあのゲス野郎。
私的には、西崎には一生一人で反省してもらい、長野には新しく良い伴侶を見つけて幸せになってほしいです。
買ってから一年越しに読みました。腐女子歴10年の若輩ではありますが、沢山のBL作品にお世話になる中で沢山のクズキャラに出会いましたが、この作品の受け西崎は、その中でも頭一つ抜きん出る超ド級のクズでした。
物語は、前半が高校時代、後半がその10年後とふたつに分かれて描かれています。そして最初から最後までまぁああ一貫して西崎がクズ!自分の中ではこんな可愛くねぇ受けいる!?ってなりました笑
木原先生自身もあとがきで愛されないクズって書いてましたが、ほんとその通りです。人をからかって大事な部分を踏みにじるわヤク中になるわ自分で堕落した癖に人のせいにするわ、おまけに陳腐なプライドのせいで長野にも見捨てられてしまいます。
確かに西崎は家族が理不尽な目にあって辛い思いもしているし、巻き込まれて暴力を振るわれたりしています。でもそれでも同情の余地なしにクズ。因果応報感がハンパない。
話は変わって個人的にはラストシーンが一番印象に残りました。
長野がなぜ自分に話してくれなかったのか、また自分を騙すのか、と西崎に話すシーンです。多分西崎みたいなタイプは長野みたいに尽くして愛してくれて大切にしてくれる人が必要なんだと思うんですよね。でもそういう相手にも心を開けない、プライドが邪魔をして助けての一言も言えない。長野は最後の最後まで西崎が心を開いて全部長野自身に身を任せてくれるのを待ってたんでしょうね。せっかく差し伸べられた手を自分で振り払っておいて、西崎が待ってくれと長野に縋り付く最後のシーンは思わずため息をもらしてしまいました。
あの後西崎はどうなるんでしょうか。個人的には、最後は結ばれてハッピーエンド!っていう終わり方より想像の余地があって面白かったです。
願わくば西崎が改心してますように…。
西崎の話がながくなりましたが、それはおいといて攻めの長野を語ります。一言で言うとめちゃくちゃ可愛かった!!!もうね、すごい純情で尚且つエロエロっていう、まさに私の考えた最強の攻めって感じで長野が西崎に触れるシーンが入るとにやにやしてしまいました。ダサい純情が一番キュンキュンくるんですよ!個人的にはたまりませんでした笑
あと長野の友人の北尾くんですが、殴られたにも関わらず友人として長野を支えていて地味に感動しました。それと西崎以外で腹たったのは柚月です。あいつは何で順風満帆風やねん!ってそこは若干西崎に同情しなくもなくないかもしれない…しませんが。
今回も木原音瀬の作品は面白かったです。次回作が出るまで全裸待機します笑
こんだけクズで憐れな受でありながら、ちゃんと読ませる展開に持ってこれる木原先生はやっぱり神です。でもラストは受け入れられない人も多いと思うので、安易にオススメはできません・・・。
木原慣れしてる人には「いつも通り嫌な奴が出てくる痛い木原小説だよ」って伝えます。
木原小説読んだことのない人には、「木原先生なら、他の読んでからこれ読んでみよっか?まずは『美しいこと』とかどお?」ってさりげなく話題逸らしたくなる、そんな作品です。
西崎のクズさがすごい!!ここまで徹底的にクズをクズとして書けるのがすごい!!
そんな救いようがないクズの西崎でしたが、まさか本当に救われないクズのまま終わるとは…。
レビューは全く読まずに本作を読んだのでかなり衝撃的なラストでした。いや、最後の方ページが少なくなるにつれ「もしや…」という気はしていましたが……。
この何とも言えない消化不良な気持ちをどうしたらいいのか(^^;)
救いようがないクズの西崎を救うのはやっぱり長野であってほしい!続きが読みたいです。
ゲスでクズな受け:西崎(ただし美人)と硬派で実直な攻め:長野(ただしそれなりにエロい)の二人がどう足掻いても交われないお話、つまりはバッドエンドです。
西崎を愛する事はできても決して人道に反する事のない長野に対して、西崎は外れた道を突き進みながらも誰かの愛情を傲慢に受け取ろうとする。
今回、バッドエンドとは知らずに読み進めていたので、終わり方には衝撃を受けました。
そしてその衝撃を代弁するかの様なラストの描写。さすが木原先生。
確かに人生は甘くないけれど、気持ちの持ちよう一つでどうにでもなったんだぜ西崎よ。
バッドエンドは嫌いだけど木原先生の小説は読みたい、という方には、あとがきにほんの少し救いがあるので最後まで読み進められる事をおすすめします。
皆様のレビューを先に見てしまい発売日に購入したにも関わらず尻込みしてしまい1ヶ月後の本日読み終えました。
さすが、と思うのは作品の吸引力!止めることが出来ず1日で読み終えてしまいました。途中で止める所がありませんでした……
クズだクズだとの噂通り、受けはクズでした。ただ、前半のクズは高校生独特のものかな、と思いますがそこが後半のクズ具合より遥かに私は嫌悪してしまいました。
高校という箱の中の限られた物しかない空間で勉強、友達、恋愛は三種の神器みたいなものだと思うのにそれをどれもグシャグシャにされてしまった攻めが酷く切なくて。まぁ、友達に関してはやや自分の早とちり等のせいでもあるんですが。頑張ってた勉強も手に着かなくなる程の恋愛に振り回されてしまった彼は学生にありがちですが、彼のバックボーンも相まってとても辛くなってしまいました。
そんな彼が努力して夢を叶え色々な武器を手にし趣味?なのか海外のサイトを見たり砕けた話し方が出来るようになっていたのに感動してしまいました。君の努力の賜物だよ、と。
努力をしなかった受けとのコントラストが読んでいて面白かったです。
人は努力なしでは変われない。それをまざまざと見せていただけました。
私は基本、攻めに酷いことをされなければ他者からどんな責め苦をされても大丈夫なので、後半のクズへの暴力レイプシーンは受け流せました。攻めがとても優しく愛してくれたからなおのことです。
酷いことしかなかった時に優しくされそれが嬉しかった、そんなの当たり前のことです。こいつしかいないと思うのも当然です。ただ、優しいのもあいしてくれたのも嬉しかった、すがりたい、で終わるのではなくそこから昇華させていってね、と受けの最後の言葉を読み、ささやかながら応援したくなりました。
あとがきに二人が暮らすとありましたが、それを物語で読んでいないので想像に終わりますので、やはり最終的にどうなったか気になります。対クズ受けになると、どうしても強く踏み込めない攻めはきっとなし崩しに面倒を見てしまう気もします。懐疑心を抱きながら。それをどのようにして受けは返しいくのか気になります。
このような終わり方に文句も何もありませんし、素晴らしいと思いますが……やはり続き……下さい!!
今回もアイタタタなお話でしたね(ー_ー)
受がボロボロすぎてちょっとかわいそうに見えてしまった。
や、すぐ調子のりそうな子だからこのくらいでちょうどいいのかどうなのか。
金持ちな環境で幼少~少年期を過ごし
大学生になってから、まさかの転落人生。
金さえあれば何でも手に入るし、たいていの事は思い通りになると
思っていた。
しかしそれは持っているから思えた思考。
全てを失ってしまった受は・・・・。
やくざに脅されて、昔少しだけ付き合ったことのある男に近づいた。
受が変わるか否かというところ。
結局「クズはクズのまま」とあとがきにある通り
さほど変わらなかったというのが結末ではあるのですが
あんなに「気持ち悪い」と思って離れたはずの男といる心地よさが
少しずつ見え隠れする部分が好きでした。
ここまで引きずってきたものはすぐに変わらないとは思うのだけれど
攻にてってー的に矯正されるっていうのも面白い。
付いたり離れたり。結局逃げたとしても戻ってきちゃうんだろうなとか。
作品としてはやさしくないラストではあったものの
結局おちつくところにおちつくんだろうなっていう想像をするのであれば
これはこれでハッピーエンドなのかなと思うことにいたします。
評判通り受け(西崎)はクズでした。
自分の酷い素行は忘れて、自分が一番不幸な被害者という救いようのない思考です。
家族の死など可哀想な部分もあるのですが、努力する姿勢が全くなく、悪いことはすべて人のせいにする性格には呆れてしまいます。
ただ、お母さんにリップクリームを買いに戻ったり、お兄さんに謝罪の手紙出したり、クズになり切れない一面もあったように思います。
一方の攻め(長野)は真面目で、何故そこまでも西崎に執着するのか疑問です。
自分が騙されていることに気づいても、騙されているふりをしたまま西崎が相談してくるのをひたすら待つ姿は、健気さを越して哀れにすら思ってしまいます。
最後の最後に、ようやく西崎を突き放してくれたのはよかったですが、誰も救われない話でした。
そして、前半のわりに後半があっさりし過ぎていて、ここで終わり??という消化不良感が半端ない。
メンタルが弱ってる時に読むと余計にやられる気がします…。
今までは痛みと同じくらいなにかしら深く刺さる感情を与えてくれる木原作品が大好きだったのですが、これはもうひたすらにクズだし痛い。
胸にグサグサくるストーリー展開を期待して読んだので、神評価にします…。
イラストが井戸ぎほうさんなあたりでもっと心構えをして読むべきだったかもー。
作品の雰囲気には合っててよかったです。
これは困った。精神的身体的に疲れている時に読んではならなかった…cold hurtの初見時、ショックから半年以上経ってからやっと飲み込めた あの作品以来の爆弾でした。先生の作品だからなぁ と予想はしていたのですが思った以上にメンタルブロウ喰らい、まだ感情を消化できずにいます。因果応報 当然の結末なんです…幸せなBLを求める人には絶対お勧めできないのが木原作品 という位置付けを私の中で強くしました。
前半1/3は二人の高校時代の話、これがちょっと退屈でした。
残り後半は現在と過去が入り混じった話で、とにかく痛い!痛い!血生臭い!の連続でした。
西崎が乱交でボロボロにされるのを皮切りに、ひたすらヤクザにボコられます。
ボコられた後は長野の甘い介抱、そしてまたヤクザにボコられ…と交互に展開していきます。
このボコられシーンがかなりキツくて読むのが止まってしまうのですが、やっぱりラストが気になる…ということで、結局何回かに分けて読み終えました。
いや、そこまでして読まなくても…という感じですが(笑)
西崎はどうしようもなく自分勝手で、人を利用して生きていくことしか出来ません。
そして自分の身に降り掛かった災難は全て人のせいにします。
それがとてもお世話になった人でも。
ここまで突き抜けたクズはやっぱり木原さんの作品でないとお目にかかれないですね。
ラストはしっかりと書かれていなかったのですが、あとがきを読んで自分の想像通りだったので結構スッキリしました。
今回はイラストが自分に合わなかったです。
口絵は高校生なんだと思っていたら30歳のときのシーンだったので、なんだか二人の顔がしっくり来なかったです。
井戸さん嫌いではないのですが。
酷い。主人公の受がクズ過ぎるというレビューばかりですが、なるほどクズ過ぎです。最後まで良いとこ無しのクズなだけの男でした。
ストーリー展開はまるっきり馳星周の小説の如く、主人公が自滅ボブスレーに乗っかって選択の余地なく地獄のゴールへ一直線というものでした。もちろん馳星周よろしく最後の最後まで酷いほどに救いがない。
ハピエのかけらもないBLってどうなんだろうと思いますが、あとがきでちょっとだけ救いがありました。巧いです。ホントに巧いです、木原先生。敢えてそのネタを本編で欠片も見せないあたり、主人公のクズさを損ないませんでした。
でも木原先生、あとがきのそこ妄想、ホントそれがいつか作品になるの、待ってます。
久しぶりの木原さんの新刊でしたが、色んな意味でキツイ話でした。
精神状態がいっぱいいっぱいな時に読んだので、あまりの容赦なさに途中で投げ出していたのですが、少し回復して何とか読み切ったという感じです。
率直に言えば好みの話ではありませんでした。
基本的にクズ野郎が攻でも受でも楽しめるのですが、このクズ受はクズ中のクズで、もう一体どうやってこのクズさを表現して良いのか、的確な言葉がみつからない。
読んで下さいとしか言えないほどの見事なまでのクズ野郎です。
そしてこのクズが途中で少しでも改心して、不器用で優しい誠実な攻とともに歩む未来……なーんて考えてましたが、木原さん自身があとがきでもおっしゃってる通り、もう本当に救いようがないくらい最後までクズのまま。
いっそ清々しいほどのクズでしたが、あまりの自己愛自己憐憫っぷりに途中から失笑し、おめでたいバカだなこいつ……と白けた気持ちで読んでました。
どうしてこんなクズのことを好きでいられたのか、どこをどう解釈して読んでみても攻の気持ちがカケラほども理解できず、最後の最後でやっとこのクズの性根が見えたのか遅いよと思ったほど。
最後まで読んで思ったのは、結局は全てクズ受の招いた結果。
自業自得で因果応報。同情する気にもなれないほど、思考回路がバカそのものでちっとも可愛げがなかったのでこの評価です。しゅみじゃないでも良かったのですが、読み物としての吸引力がすごかったので中立。読む方がこんだけ消耗するのだから、これを書かれる木原さんは命ごりごり削って書いているのではないかと心配になるような鬼気迫ったものを感じます。
攻は木原攻によくある、ダサくて不器用くん。でも優柔不断くんではなかったのでイライラすることはなく、つかみ所のない謎多きキャラという印象。
ぜひとも2人が一緒に暮す編を読んでみたいです。
木原音瀬先生、相変わらずだな。読後の感想はそんなところでした。
安定のゲスい受け×不憫攻め。どこまで進んでも平行線、というか反発もあり。
でも一ミリでも方向が変われば、いつかは2人の思いが交わる…。でも木原作品はそこまで書いてくれないんです。
ビーボーイから出版されているのはどれもこれも、いえ、ビーボーイに限らずどれもこれも心が痛くなる作品ばかりの木原音瀬先生ですが、コレクターとしては読まねばならぬと思い頑張って読みましたが…。いつものとおり、読後感どんよりでした。
それでも新刊が出たら読みます。それが木原音瀬の魅力です。
レビューを見て好みじゃない展開と結末だとはわかっていても、木原作品ということとイラストに惹かれて読んでしまいました。
カバーイラストは、どこのレーベルかと思うような今までにない絵で特にビーボーイノベルズらしくなくてちょっと驚きました。
二人の性格や行いからこの二人はこんな顔こんな雰囲気というイメージ通りでした。
ストーリーは想像通りのものだったのですが、やっぱり私は最後に幸せになれるのがいいな、救いがないとか微妙なところであとは読者の想像や判断ににお任せしますという考えさせられる系のBLは苦手だなと思いました。、
あとがきによりますと、十年以上前に雑誌に掲載された作品をかなり改稿された作品のようですが、どれくらい加筆・修正されたのでしょう。西崎のセリフやモノローグの言葉遣いが、アレっ?ていうくらい今風に感じました。木原先生のセリフ回しに抱いていたイメージは、饒舌というよりは必要最低限。個人的にはそこが魅力の一つだったのですが、こんなに軽やかでセリフ+モノローグが前に出てた感じだったっけ、と少々困惑。古めかしいと感じたとしても、それを全く気にさせない、素っ気ないくらいの硬質な文章が好きだなぁと思っていました。
物語は高校同級生の再会ものですが、自己保身のためにたとえ好意を持った相手さえも利用してしまう、人間の本能的な自己愛に纏わる弱さ、ズルさ、傲慢さがやるせないくらいに描かれています。木原作品では裏切られる人物がこれでもかっていうくらい鮮やかに描写されますよね。そんな彼らに同情を誘いつつ、騙す側の気持ちにも読者に共感させてしまうという、捻れ、交錯した人間の愛憎心理を描くのに、ほんっと長けていらっしゃいます。また、読者にその後を委ねるエンディング。BLに対する配慮のためか、作品によっては作家さまが「あとがき」でフォローを入れていらっしゃることが多々ありますけれど、個人的にはバッドエンドであろうが腑に落ちなかろうが、一つのピリオドとして受けとめられる先生の技量を盲信しているフシがありまして…。そういった意味でBL小説界では特異な作家さまの一人ではないかと、一ファンとして漏れずに思っているのです。
今作では井戸ぎほう先生がイラストを担当されており、挿絵きっかけにファンが増えたら嬉しい。レトロっぽいけど新しい、お洒落な雰囲気のカバーイラストは、世代的になんとなく『風木』を思い起こさせました。過去作品のイメージを刷新するという意味では斬新な組み合わせだと思うのですが、このカバーは、果たしてストーリーに合ってるんだろーか…?というのが本音です。(挿絵はステキでした。)
ほぼにわかといっていいファン歴なので、今作について、デビュー当時から作家さまの作品をずっと読んでこられてきたコア層のお姐さま方の感想をたくさん伺いたい次第でございます。
今回は文章にちょっと違和感を覚え、ストーリーの重さをあまり味わえなかったのでこの評価となりました。
がこの作品のテーマだとあとがきに書かれていました。
読み終わってみるとまさにその通りで。
クズの主人公・西崎の視点で話は進んでいくので問題から目を背け色々な人のせいにしている見苦しい言い訳を読んでいると「こいつクズだな〜」と思いつつも確かにこの言い分は一理あるかも、こいつも可哀想っちゃ可哀想かなとも思いましたが...
最後の長野の「お前には、データを持っていかれたって気づいた時の俺の気持ちなんて、一生わからないよ。..(中略)..怖くて...好きだって言えなかった俺の気持ちも、もうお前はわからなくていいよ。...別に知りたくもないだろ」という台詞で長野視点から西崎を見たらどうしようもないクズでした。
長野よくやったよ..。高校時代から本当に。
前半の高校時代も遺憾無くクズっぷりが発揮されていたのですが、先に裏表紙のあらすじを読んで後に社会的立場が逆転すると知っていたので割と心穏やかに読めました。
この前半と後半で立場が逆転するというので同じ木原作品の『月に笑う』の山田と路彦を思い出しました。
ヤクザに追っかけられるところと最後は交番に逃げ込むところも少し被ってました。
が、『月に笑う』の山田の方は最後の最後でしっかりと路彦に助けを求めたので色々ありながらもあのエンドになったわけですが、今作の西崎は金持ちだった頃のチンケなプライドが邪魔をして長野に打ち明けられなかったからこんな結果になってしまったと。
西崎が簀巻きにされトランクに詰め込まれ山に向かっている最中は、長野は偽データで西崎を泳がせてヤクザをあぶりだそうとしたんだよね?だから助けに来るよね?というかそうであってほしい、と少女漫画脳な思考で読んでいたのですが、あちゃー甘かった。これは木原作品だった〜。
久しぶりにこういう甘くない展開の話を読むとなかなか痛快でした。
しかし、データが本物でそれを紛失した長野が退職に追い込まれるという1番最悪の結末ではなくて心底よかったです。
なんか2人がハッピーになる展開が私には全く想像できないんですけど、あとがきによると今後の展開として2人は共に暮らす、そこに行き着くまでに沢山の山あり谷ありだそうで。読みたーい‼︎
(けどあの結末ではほっぽらかされた西崎は丸顔にまた捕まって秩父の山の土の中じゃ?とも思ったり..)
10年以上前の雑誌掲載作の後半を大幅に改稿したのが今作で、多少ラブ度はましになり、クズ度は増量していると書かれていましたが、そんなの読んでしまったら雑誌掲載時のが読みたーい‼︎気持ちになりました。
あとイラストの井戸ぎほうさんがよかった!
もともとどちらの先生も好きだったのでこの作品が楽しみだったのですが、本当にイメージ通りなキャラで雰囲気もあっていてよかったです。
井戸ぎほうさんの作品によく出てくる寡黙キャラが長野とピッタシな感じだったのでそのままドンピシャリでした。
あと少し心弾んだのは、今作に出てくるかまぼこ(たぶん出てきたけどうろ覚えです..)、マシュマロ、ヤクというのが井戸ぎほうさんのB.S.S.M.とリンクしているなーと思ったところでした。
最後に...
冤罪でタコ殴りにされた北尾が可哀想でした(._.)
いつになったら受けが改心するんだろう?と思ってページをめくり、めくり、めくり、あれ?もう残り少ないけど・・・となり、結局いいところ無しで終わってしまいました・・・( ̄□ ̄;)
あとがきを読んで、特に次の刊が出るわけでもなさそうな雰囲気なので、「ちょっと待って」って感じです。
受けもやればできる子だと思います。
木原先生、お願いですから受けに挽回のチャンスをあげてください。
そして長野を幸せにしてあげてください。
お願いします!!!
久しぶりに読んだ木原先生作品。
お約束ながら?受けがボコボコになってて惨めで痛々しいです。。
クズ人間が改心するって流れは嫌いではないのですが、この受けは本当にクズだなーって感じです。
自分のやったことを棚に上げて攻めを責めるとか、何様だ!と本気で腹が立ちました。
攻めも攻めで、ドMか!と。
性悪過ぎる受けを全く好きになれなかったのと、愚鈍な感じの攻めも何を考えているのかよく分かりませんでした。
あと終わり方が本当に唐突で尻切れとんぼでした。。
お好きな方はごめんなさい。
下記全部ネタバレです。
初見の方にオススメできるのかという点で見るとやや微妙。
97年本誌掲載作の改稿とのことで、もとは約20年前、大層に言わせてもらうと四半世紀前の作品ということらしいです。違和感はほぼないですが、発売延期が続いたところを見ると、リメイク作業が結構大変だったのかなあと思いました。ラストがあまりラストっぽくないというか、ここで止めておかないとまたずるずる続いてしまう;という畏れから打たれたピリオド、っていう感じで、前後編の前編を読み終わったような印象に近いです。続きがぜひ読みたい。長野視点で。個人的にこの長野という人物がよく掴めず、熱い人なのか冷めた人なのか、どこまで冷静なのかとか、本当はどんな性格の人なのかが最後までわからなかった。ただ、尊敬している元カノの事ですら、絶対最後まで苗字か名前か知らんけど「さん」付けで呼んでいたに違いないのに、達也の事は「お前」なんだ。ってフッと考えた時にすごく萌えた。あと、「好きな人としかしたくない」っていう乳臭い主張を笑われ、換気扇の下に煙草を吸いに行った時って何考えてたんだろう?とか。その煙草を吸う姿が「そこそこ様になっていた」っていうのも萌える(是非井戸先生のイラストで見たかった)し、煙草なんて吸いそうにないのを「……たまに」吸っているのは、やっぱり達也が忘れられなくてなの?って考え始めるとたまらないですよね。センチメンタルフレンドの小田っぽいかな?とも思うのですが、あそこまで支配的なタイプでもなく達也が荒らした部屋の中で平然と弁当を食べる…器量が狭い人なのか大きい人なのかわからない。マイペースなのか合わせる人なのかもわからない。このわからなさ加減が絶妙ですごく興味をかき立てられるキャラでした。あと、怒り方がすごく自分の好みでした。「……話した?」ってところとか。それからヴィジュアルがすごい好きなのかもしれないです。作中では会話?とかダセェダセェ言われてるけど、身体的にはスタイルも良くて、後頭部の形とかもいい人なんだろうなあ、と。確かに喋りは「であるがしかし」みたいな固さがあり、頭でっかちかな?って思うと、作中にもあるような大人の返しを唐突にしてくる。そういう計り知れない部分が魅力的でした。カッチカチに喋ってたり、「そう」「近くで寝てるから、具合が悪くなるようなことがあれば起こして」って、「起こしてくれ」まで言わない「起こして」で終わる感じもあって萌える。
ハートつながりで言うと(正確にはhurtとheartで何も繋がってないですが)コールドハートももう10年近く前の作品になってくるわけで、いや、この前読み返して感じ入ったばっかりなので、そういう作品が光を失わず私たちを引きずり込む力を持ち続けているというのは本当にすごいことだと思いますね。全然とりとめがなくなってしまった
評価のとても難しい1冊。主人公の受はクズとしか言いようがなく本当に性格が悪い。何か困難があるとその原因を他者のせいにして、心から反省するということがない。つまり共感しにくい人物であるということ。
対して攻は寡黙で少し言葉足らずな部分があって、これまた理解をしにくい。
それでも物語には魅力があり最後まで一気に読み終えた。結末もはっきりと白黒ついたモノではないが私はその曖昧さが良いと思った。主人公が人生で初めて必死になって求めた物が得られると私は信じたい。