輪廻の花 ~300年の片恋~

rinnen no hana

輪廻の花 ~300年の片恋~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神140
  • 萌×241
  • 萌18
  • 中立4
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
26
得点
922
評価数
207
平均
4.5 / 5
神率
67.6%
著者
六青みつみ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥570(税抜)  
ISBN
9784199008023

あらすじ

劣悪な環境から世界を護る巨大な壁――『境界』。
そしてその壁を維持するのが、生まれつき「星」という特殊能力を持つ『星持ち』たちだ。
星を持たない平凡な少年・カインは、星を持った双子の弟と一緒に『星持ち』を育成する学院にやってきて、下働きとして働き始める。
そこで出会ったのは、最強の星の力を持つ青年貴族・レイランド。
二人は運命のように、なぜか強く惹かれていくが!?

表題作輪廻の花 ~300年の片恋~

レイランド・レーエンスブルク、六星持ち、18歳
カイン・セルキス、下働き、15歳

その他の収録作品

  • 片恋の銀魂歌
  • あとがき

レビュー投稿数26

キャラクターが魅力的

ファンタジー要素が強い話ですが、出てくるキャラクターが魅力的で読みやすかったです。メインのレイランドとカインだけでなく、カインの双子の弟スウェンと王太子のベルセリドも魅力的なキャラクターで嫌味がない。実は本当に悪い奴はあんまり出てこない作品なので必要以上にイライラせず読めました。
レイランドがカインを好きになっていく過程もじっくり楽しめますし、前世の記憶が蘇って二人が和解するシーンは感動的でした。が、後半に情報が多すぎたのでラブ要素が少なくそこだけが残念でしたね。前世では友人だったので恋人関係になっても甘くなりすぎることはないのかもしれませんが、せっかく300年という壮大な時間をかけたのだから、もっとロマンチックで熱っぽいイチャイチャがあっても良かったなぁと思いました。

1

感情を知らない不憫健気は切なくて最高だけど

感情を知らない不憫健気のカイエン&カインが苦しいほど切なくて最高でした…
でも特殊設定が想像力に欠ける人間には(電子書籍には挿絵もなく)辛かったです。

転生前のカイエンは感情を封じ使命を果たすよう育てられる。無口無表情の所為で誤解され、レイランドに酷い言葉を浴びせられる。絶望の内に病死(辛)。
300年後、能力を見出されたカインの双子の弟は学校へ、カインは一緒に父の暴力からは逃れられるも下働き(いじめ含)へ。
虐待から守ってきた弟が幸せを享受する様に、安堵と喜びを感じるだけだったのが、友達が増え、最上級生に大切にされキスされる弟に羨みと苦しみが生まれてくる…
カインは弟から貰う本で独学、月イチの休み、いじめ、辛く寒い仕事…
くーっ‼︎胸が締め付けられます。
出来れば弟のスウェンが兄を守るところも見たかったなぁ。
レイランドは転生したカインに全く気付かないし、カインは好意に鈍感(お決まりですけども)だしでジリジリ萌えるけど長かった…

BLで花モチーフが出てくると内容によっては冷めるのですが、こちらも耳に飾ったりウーンはあったものの前世の象徴的な二人のシーンが好きでした。
カイエンは王(何故か女性)に花を届けるレイランドの、その行為よりも身心を案じている事に羨んだのですよね。カイエンは女々しい自分を最期にやっと吐露出来たと思えば、長々しい手紙(彼自身は捨てたのだし)に少し泣けます。

気になった点は、先日地震があったのに遺跡探訪に行くとこ。専門家の許可があるとはいえ呆れます。しかも世界を守る&これから守っていく王族や能力者達が。その無理を通してでも遺跡に設定する必要性も感じられず。

電子書籍(ブックパス)は挿絵なし、誤字・ルビが変なトコ有り。

1

一本の素晴らしい映画を見た気分


ネタバレやレビューを見ずに購入した自分を褒めたい!

普段は安定した執着しか読まない私ですが、たまには別ジャンルも…と思って手を出しました。

物語はファンタジーで独特な世界観があり、名前なども横文字でしたが、情景も浮かびあがって映像を見ている感じでした。

キーワードはズバリ「輪廻転生」。
物語では主要な始まりと300年後しか描写されていませんが、それでも最高に面白い!!

カインの生い立ちや待遇で何度も辛い思いをしましたが、その分ラストでは泣けます。
まさにシンデレラストーリー。

双子の弟と天地の差ができてしまって劣等感に苛まれながらも頑張る姿に胸をうたれ、辛くて何度か手をとめてしまったり…。
いつの間にかその世界観に私もどっぷり浸かってしまいました。

それでも読み進めてこれたのは、登場人物の良さ。これだと思います。
双子の弟や攻めの友人がいい人で、主人公カインと私も本当に救われました。

最後は駆け足気味でしたが、全部を読み終えた後の満足感が凄かったです。
ああ、これだからBLやめられない!!と、改めて思えた小説に巡り合えて本当に幸せです。

4

泣く・・・確かに泣けるけど・・・

泣きました。ただただカイエンとカインの不憫さと健気さに。
不器用だけど本当はとても正直で、思いやり深い受けが涙を誘ってくれます。

ただし、スパダリ風味に描かれているレイランドに対しては、私は不信感しか持てないのですよ。

まず、前世でいくら自分が心を寄せた人が亡くなっても、直接手を下した相手でもない他者に向かって「お前が死ねばよかった」などと言える神経がわかりません。
27歳で12歳、29歳で14歳の王に恋愛感情があったとしたらロリ〇ンですよね。
ここはまあ、”気に掛けていた”という事かとは思いますけど。

その後3か月経ってカイエンが亡くなった事を知っても腸が煮えくり返るほどの事でしょうかねぇ?レイランドの人を見る目の無さは間違いないですけど、それさえも認識が間違ってます。
よほどの事をされた相手が亡くなったならわかりますけど、こんな自分本位な攻めは嫌です。
「お前が死ねばよかった」などと言った相手が亡くなった時点で後悔するのがまともではないでしょうか?
なので後悔して苦しんでも自業自得だと思ってしまいました。
何ならあと千年ぐらい彷徨ってもらってもOKです。
遅くともカイエンが亡くなった事を知った時点で後悔して欲しいものです。

今世でも、明らかに人違いとしか思えない性格のスウェンを何としても見た目が似ているという事にこだわってるのが見た目が好みなのかよ!って思った。
カインに好きって言われたから、脈のないスウェンよりカインにしたのかよ?だった。
ま、色んな意味でレイランドが薄っぺらい男に思えてならないんですよね。

ただただ、カイエン(カイン)がレイランドを想う気持ちに免じてというか、カイエンが救われたのならよかった。という気持ちです。

でも、本当のところカイエンとレイランドが救われた一番の功労者は、ヴェルトハイム候(スウェン)であることは間違いないでしょう。
輪廻の外に隠れていたカイエンを見つけて、一緒に生まれてきたのですから。
そこの記憶をスウェンが語ってくれたら良かったのにって思ってしまいました。

みずかね先生の絵が素敵でした。

1

これからも愛と花を(つд;*)

私の中で、定期的に繰り返し読みたくなるお話トップ10に入ると思うこちら。


人の世界を守る力を持つ"星持ち"と言われる人達がいる世界。
その中でも最も強い六つ星を持つカイエンとレイランドとの過去編。
もうここでがっちり私のハートはわしづかみの萌えがつまっていて。
攻め様の後悔とか嘆きとか、たまらなく好き。


300年を経て転生した攻め様であるレイランドは、同じく転生しているであうカイエンを探し続ける。
星持ちの為の学院で、新しく星持ちとして見い出された、カイエンの生き写しのスウェンと、スウェンの双子の兄であり学院の使役人のカインと出会う。

スウェンがカイエンの生まれ変わりだと信じ、今度こそ幸せに笑ってほしいと大事に思い、暑苦しく愛しさをアピールするレイランド。
一方で、自分と会う度に怯えたような態度のカインがどうしても気になってしまう。
この辺りのレイランドの困惑ぶりや、無意識な執着心がきゅんきゅん( ☆∀☆)

カインの薄幸ぶりや健気さも、とても萌え心をくすぐります。
レイランドから花束を貰って、涙を流すカインとか、よかったねぇ、と抱きしめたくなりました(つд;*)
自分が送った花束を、カインがリースにしてくれていると知って万歳三唱もののレイランドには、かわいくてにまにま。
またブラコンのスウェンにもにまにましちゃう。


レイランドとカインの両視点で進むので、どちらの気持ちも胸にきて、早くハピエンきて〜ってもうハラハラ。

途中、えっ!まさかまさか‥と青ざめたりもしたけど、レイランドがカインの手を取る選択をしてくれた時は安堵しましたよ(*´ω`*)


300年の輪廻の末に、ようやく幸せな日々を過ごす2人。
本当に何度も何度も読んでは浸ってます。


また、みずかねりょう先生のイラストが、物語を美しく彩って下さってました(///∇///)






1

切なさは神評価だけど、残念な点あり

「輪廻の花」六青みつみ先生 読了
夜中の3時まで一気に読み終え、次の日起きたら泣きすぎたせいで目が見事にパンパンに腫れてしまいました(汗)。それくらい号泣しました。切なさは百点満点中千点です。

あとがき読んで、掲載当時は前半だけだったらしくて、その時前半だけ読んだ腐女子さんたち、つらかったんでしょうなとしみじみ思いました(笑)。本当に、文庫化&書き下ろし出していただいて、ありがとうございました。

輪廻モノには小さい頃から弱くて、読むたび必ず泣いてしまいますが、今回もハズレなく痛快に涙流してました。

受けちゃんが可憐で愛しくて、その代わりに攻めくんが理解してくれない焦ったさがどうしようもなくて、読み終えた頃にはこたつの上に丸めたティッシュが小山のように積んでました(涙)。

ただし、やはり再び全体を見てみるとすごく違和感を感じました。


まずは、攻めであるレイランドはカイエン=カインについてどう思っているか、曖昧すぎるではないかと思います。

先代レイはカイエンについてはあくまで「気になる→失望→怒り→後悔や申し訳なさ」にすぎないと考えられます。少なくとも「好き」とは違うような気がします。

それに対して、現世レイはその悔いを償う気持ちでカイエンを探し続けて、でも人間違いして、違う人に愛情(?)を注いながらも無意識にカインを好きになって…

だからレイはなんでカイン=カイエンを好きになったのか未だにわからなくて(汗)。

カイエンに申し訳ないから?カインがかわいそうだから?「好き」を返すことで償いになると思ったから?

すごく不可解で、ここどうやって解釈したらいいのか、知っている方教えていただけると幸いです。


また、スウェンの存在はやっぱり御都合主義的な感じがして仕方がない。あんなに可愛がってもらってキスまでしてきた人が急に「お兄さんの方が本物」と言ったら、普通納得するのか、と思いました。

いくら転生モノ、ファンタジーって言っても、やはり都合主義がやりすぎると逆効果になってしまうのではないかと思います。

むしろ逆に、こういう架空の背景こそ、設定が緻密でしっかり作られてるでないとすぐ崩れたりして、せっかくの壮大な設定が台無しになります。

なので、読んでたときはかなり(泣きながら)楽しんでましたが、改めて考えてみるとまだ残念なところはいくつかもあります。

全体的にみると、やはり1作目(前世までの話)が好きです。片思いの悲恋モノ、ほんとタイプすぎて神すぎます(土下座)。後半は、深く考えずに読んだほうがいいかもしれないと思いました。

2

長すぎる年月を経て

過去編にあたる『片恋の銀魂歌』の次に、本編にあたる『輪廻の花〜300年の片恋』の二本が収録されてる今作。
あらすじは先の姐さま方が詳しく記されてるかと思いますので、あらすじ無視な感想で失礼します。

『片恋〜』のカイエンからの手紙が切なくて泣けて仕方なかったです。
くしゃくしゃに丸められた手紙をルーウィスが拾ってなければ、カイエンの秘めた想いをレイランドは知る事が無かったんですよね。
「どうして」「なぜ」悔やむレイランドの姿が辛すぎでした…。

レイランドとカイエンの物語の300年後の『輪廻の花』。
カイエンの件で悔やみ、彼の生まれ変わりを探し続けてきたレイランド。
本当の生まれ変わりのカインではなく、カインの双子の弟スウェンをカイエンと思い込みます。
もー、なんで間違えてるんだよ!!とレイランドを詰りたくなるのですが、スウェンはカイエンそっくりな容姿だから仕方ないという…。
自覚はしてないが前世の記憶から、レイランドを前にすると萎縮してしまうカインがもどかしかったです。
そんな二人が生死の瀬戸際に立ちながらも想いを通じ合う場面にまた泣けました。

物語のベースはファンタジーで、『星持ち』『異星人』『恩寵の儀』など、この世界観に入り込むのには少々難しく感じるかもしれません。
異星人とは一体どういったものか、防護壁はどうなっているのかもよく分かりませんが、そういった疑問も読み進めていくとさほど気にならなかったです。
終盤戦いのシーンがあるのですが、案外アッサリして終わった感じがして少し物足りなさを感じました。
とはいえ、この物語ではあのくらいのアッサリさが良いのかな、とも思います。

最後のシーンはイラストが無いながら、その美しく幸せな光景が目に浮かぶようでした。


1

ファンタジーと学園生活と大人の恋。全て満喫できる驚き。

読み始めた瞬間は、骨太のSF風ファンタジーかな、ちょっと難しいかなと思ったのですが、
切なすぎるスタートにガツンと引き込まれました。
それ以降、ノンストップで読了。すごくよかったです。

王の守護者(パラディオン)で公爵家生まれのレイモンドには、同じ守護者のカイエンを、勘違いにより深く傷つけ死に追いやったという後悔があった。その300年後、何度も転生を繰り返しながらカイエンを探し続けるレイモンドの前に、探し人そっくりの少年スウェンが現われる。とうとう転生したカイエンに会えたんだ!と歓喜し、スウェンに尽くすレイモンド。しかしスウェンにはあまり似ていない地味な双子兄、カインがいてー
というはじまりです。

泣けると聞いていたので、身構えて臨んだのですが、救いのある終わりで良かったです。
SF風ファンタジーの硬派な世界観、鮮やかな学園生活の様子、細やかなカインの心理描写が印象的です。
とくにファンタジーの部分に関しては、「侵襲者」が何者なのか、なぜこの世界には「星持ち」という守護者がいるのかといった、重要な部分が描きこまれていません。いないんですが、それがあたかも長年続いてきた世界で当然のことなのだ、という雰囲気を出してます。最後の異能バトルシーンも急展開であるにもかかわらず、すんなり受け入れ、熱中できるのは六青先生の筆致のなせる業としか言いようがありません。すごい。

攻めのレイモンドはぼっちゃん育ちのスパダリ。嫌味なくいい男なんですが、転生前も転生後も、まっすぐな性格でいろいろ勘違いしまくるので、なんか腹立たしい!この腹立たしい感じが、リアルです。
それを受け入れ許すカインのいじらしさ、優しさよ…天使を見ました。
二人がこれから幸せに生きていってくれることを、ただ祈りたくなる、素晴らしい作品です。

1

会えない時間が愛を育てる

最近異世界ファンタジーものにハマっていて
切ない系も好きで泣けるということで購入。

最初のお話が誰視点なのかわからず、読み進めるうちにカイエンは転生前の受けなのだなと。
そこから切なく痛いレイランドとのやり取りが続きあの手紙。
あの手紙…!!!
みなさんがおっしゃる通り泣かされました。

私はてっきり前世で愛し合っていた二人がなんらかの原因で引き裂かれ
転生後にその頃のお互いへの愛が残っていて紆余曲折あり結ばれる話だと思っていて
でもよく見たらタイトルが「300年の片恋」なんですよね。
新たな愛の形を見せて頂きありがとうございます。

私のこの作品の一番の感動ポイントはレイランドでした。
300年前のレイランドはカイエンではなく女王を愛してたように見えました。
カイエンへの酷い暴言しかり、カイエンの死を知らされた時の反応しかり。
でもあの手紙を読んで真実を知り後悔する。
どの時点でカイエンへの気持ちが恋愛へと移り変わるのかわからないけれど
間違いなくカイエンの死後だと思うんです。

でも300年前のレイランド視点で本当はカイエンと仲良くしたかったのは判明してるし
カイエンへの失望も、なんとも思ってない相手には最初から期待もしてないので
ここまで怒りを露わにするということは元々は好意があった相手なのだろうと。
でも心の内が読めないカイエンにそれ以上踏み込んで行こうという熱もなかった。
それよりもどんどん心を開いていく女王に夢中になって行った。

そしてカイエンの残したあの手紙。

カイエンが自分のことを好きだったと知った時点で
もしかしたらレイランドに恋愛感情が芽生えたのかもしれない。
そこから300年、何度転生しても誰とも添え遂げず
カイエンの生まれ変わりを探す旅が始まる。
会えない時間が愛を育てるというけれど、300年という年月は
想像を絶する深い愛に育ってそうです。

相手のカイエンもまた、レイランドから受けた心の傷は300年生まれ変わるのを
拒み続けるほどでこっちも重い。重いです…。

このお話は転生前のお話だけでも名作だと思うんです。
あの悲劇の後、二人は転生し結ばれる。そうさらっと後日談があるだけで
よかったと思えるほどあの手紙の下りは泣かされる。

でも転生後、ずっと探していたカイエンの容姿を持って生まれたのは弟の方。
神様は鬼畜ですね~。
それを乗り越えてのハッピーエンドは萌えというよりひたすらよかったと
感動大作を読ませて頂いた気分でした。
死を覚悟してる中での二人が結ばれるシーンは神々しいとすら思いました。

「君が好きだから。思い残して死にたくない」

身体の関係を迫るシーンで切なくて泣きそうになるなんてそうそうない。
カイン(カイエン)、レイランドを受け止めてやってくれ…!てなりました。

しばらく余韻に浸れそうです。

4

私自身も輪廻転生を信じています(〃⌒ー⌒〃)

何か急に泣けるお話を読みたくなりました。そこで、かねてから購入していたものの未読だった本作を手に取りました。表紙絵が、みずかねりょう先生ということでハイテンションだったのですが…。電書はイラストがあるものとないものとがあり、今回は挿絵を拝むことは出来ませんでした•( ;∀;)

にしても、いきなりぶわって感じにやって来ますね。それこそ涙がとめどなく目から溢れ出てしまい、ホント慌てました。泣ける本ということで本作を手にしたにもかかわらず、「あ、ここだったの?」という感じでやられました(つ﹏<。)・゚・。・゚゚・*:.。

サブタイトル「恩寵の儀」の最後辺りでうるっと来たため、「あ、皆さん仰られていたのはここか」と思い、ちょっと涙をこらえ、「うん、よし!」と読み進めたのがいけなかった。もっと大きな大津波が襲って参りました。気を付けないといけないのは、サブタイトル「レイランド」でした。未読の方は心して読まれますよう。なるべく号泣できる場所で一人で読むことをお勧めいたします(笑)

2章からなっており、1章目は更に13ものサブタイトルがつけられております。参考までに書き記しておきました。

片恋の鎮魂歌
 カイエン(前世:受け視点)
 恩寵の儀(前世:受け視点)
 レイランド(前世:攻め視点)
 300年後(今世:攻め視点)
 カイン・セルキス(今世:受け視点)
 レイランド・レーエンスブルク(今世:攻め視点)
 光(スウェン)と影(カイン)(今世:受け視点→攻め視点)
 使役人(今世:受け視点→攻め視点)
 世界(アルファンデラ)(今世:受け視点→攻め視点)
 天馬(今世:受け視点)
 夏休み(今世:受け視点→攻め視点)
 記憶の回廊(今世:受け視点→攻め視点)
 六つ星の帰還(今世:受け視点→攻め視点)
朱鷲色の朝
 SS(今世:攻め視点)

レイランド(攻め)は当初、カイン(受け)の弟スウェンこそがカイエンの生まれ変わりと信じ、大切に慈しみます。でも、そうではないことを知っている私たち読者からしたら、「オーマイガー」と叫びだしたくなるくらい悲しい展開でした。

ただし、根がポジティブで明るいスウェンとカイエンではどこかが違うと疑問に感じているレイランド(攻め)の気持ちを伺い知ることも出来、また、一体いつになったら気づくんだろう、とか、どこでどんな場面で気づくんだろう、などいろいろ想像して楽しかったです。

気付くきっかけになった一端の「花」のシーンは、私の一番のお気に入りです。300年前、カイエンは次のような言葉を残していました。

「一度でいい。王に贈ったように、私にも花をもらえたら、どんな気持ちになるだろう」

レイランド(攻め)はスウェンに花を差し出しても、期待していたような反応がなかったと感じていました。ところが、カイン(受け)は違っていたんです。無造作に花壇の花を切ってはカイン(受け)に差し出し、腕一杯になった花束を「全部君にあげる」と言って立ち去ったレイランド(攻め)。カイン(受け)は、なぜか胸が弾けそうなほど震えて泣きました。そしてそれを花環にして部屋に飾るのですが、それを発見した時のレイランド(攻め)の反応が実に素敵だったなぁ。

あと、天馬レクタングルス(カイエンしか乗せないブランの生まれ変わり)の存在も欠かせません。レクタングルスは知っていたんです。カイン(受け)がカイエンの生まれ変わりだということを。やはり動物の勘はするどいものですね。

最後の方で、とうとうレイランド(攻め)もカイン(受け)こそが自分の探していた人だと分かり、謝罪するところは感無量でした。この感動、是非皆様にも味わってほしいです。お勧めです。素晴らしい作品を有難うございました。幸せです。

6

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