シェイク・ミー・テンダー

shake me tender

シェイク・ミー・テンダー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神16
  • 萌×223
  • 萌13
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
10
得点
215
評価数
57
平均
3.9 / 5
神率
28.1%
著者
いつき朔夜 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
本間アキラ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
ISBN
9784403523786

あらすじ

夜回り隊をしている大悟は路地裏で美貌の男・青磁と出会う。
荒んだ彼が、以前ホテルで大悟を助けてくれたバーテンダーだったのに気付き……?

表題作シェイク・ミー・テンダー

邦光大悟 インストラクター 
氷川青磁 バーテンダー

その他の収録作品

  • キス・ミー・テンダー

レビュー投稿数10

いい年下攻めでした!

久しぶりに小説読みました。
イラスト(本間アキラせんせ)に惹かれて購入しましたが、本当にお話も素敵でした。

基本的に年下攻めが好きな私ですが、これほど良い作品に出会えたのは久しぶりかも・・・。

空手黒帯、よまわり隊(町の警備隊みたいな感じかな)のメンバーで強い攻め、邦光大悟と暗い過去を持つ場末の店の美人バーテンダー氷川青磁のおはなしです。
九州の小倉が舞台という地方BLで方言とか可愛いですよ。

そして大悟がとにかくかっこいい!年下だけど包容力があって強い。こんな人に守られたい!!
青磁も色っぽくて素敵です。

とにかく読んでみて欲しい。ほのぼのとした気持ちになれます。

12

美人バーテンダー受け

攻めはガッシリ型年下攻めでした。これも小説ディアプラスで気に入ってて続きが読みたいと思ってたのですが、表紙!素敵ですよねえ。なんだこの受けの細腰。色っぽい首筋。アンニュイな表情。そして男らしい攻めが後ろから抱っこ!構図が最高です。

攻めの北九州弁もよかったです。ご当地BL素敵です。ストーリーは過去にとても可哀想な目に合った受けが心優しい攻めと出会い最後は幸せになるという自分の好みどストライクのお話でした。受けが色っぽいのも良かったです。

9

読後感は保証します

北九州・小倉を舞台にした、いつきさんのご当地お仕事モノ。鉄板です。そこに本間アキラさんのイラストとくれば美味しくないわけがない‼

 主人公の大悟(24歳)はスポーツインストラクター。空手黒帯で、ボランティアで地元の防犯活動に参加している硬骨漢。ある夜ハッテンバの公園で、不良たちの「オカマ狩り」に遭っていた男を助ける。近くの店のバーテンだというその男青磁(30チョイ前くらい?)の際立った美貌には見覚えがあった。3年ほど前、博多の一流ホテルのトップラウンジで花形シェイカーだった彼がなぜこんな場末で、荒んだ暮らしをしているのか?

 出会った時の青磁の印象は鮮やかだった。その日大悟は、戸籍にも載ってない実父と生まれて初めて対面し、彼が広域暴力団の組長であるという事実に衝撃を受けていた。「母さんの葬式にも来んかったくせに、今更父親づらすんのかよ!」いまにも席をけって立ちそうな大悟の前にスッと差し出されたカクテル。その名も「母の涙」。青磁の機転のお蔭で大悟はわれに返り、最初で最後になるかもしれない実父との思い出を最悪なものにせずにすんだ。礼を言う大悟にはにかんだように微笑んで見せた青磁。あれが本来の彼だとしたら、いまの氷の女王のような彼になるまでに、いったい何があったのか・・・
 青磁の店に通い始める大悟。すこしずつ縮まる距離。でも青磁には、絶対ひとには踏み込まれたくない一線があるようで、そこに触れるとピシリとはねかえされてしまう。
 視点は交互に切り替わるので、読者には青磁の目に大悟がどのように映っているかも判ります。ガタイが良くて、ハンパなく強くて、なのに中身は「純情乙女」。そんな年下くんにいちずに慕われて、ほだされるなという方が無理な話。それでも青磁には、すんなりその腕に飛び込めない理由があった。

 本作では、ごく普通の市民に対して突然牙をむいた時の暴力団の恐ろしさや卑劣さが正面から描かれています。BLによくみられる、腐女子の脳内にだけ生息するような、金と力と男の色気を併せ持った「なんちゃってヤクザ」とは一線を画しています。なおかつ、舞台となった町ではいまだ現実の事件も後を絶たず、絵空事の域はとうに超えてしまっているのです。

 青磁を襲った理不尽な暴力は、身体の傷が癒えた後もずっと彼の心を苛み続けている。その心に寄り添うには、覚悟と忍耐がいる。その点若いのに大悟はエラいんです。ちゃんと「待て」ができるから。そして相手の身になって考えようとする。曲折を経てようやくふたりが初めて結ばれた翌朝、青磁の働くバ―のドアのステンドグラスから差し込む夜明けの光を見て、大悟は思う。「青磁にはいつもこんな風に見えていたのか」「もっと早くあいつの苦しみに気づいてやればよかった」 バリバリの体育会系のようで意外とこまやか。こういうヤツだから、薄倖の美人受けを任せても安心、なんですよね。

 後日談の「キス・ミー・テンダ―」では、T市場でのどんぶりデートとか、ちくわを入れるか入れないかのお雑煮バトルとか、少なからずご当地に思い入れのある私にはたまらない要素がてんこ盛りでした。青磁に初めて咥えられて「や、いけん、そんなん」て、小倉弁丸出しになってしまう大悟が滅法カワイイ。大悟が祖父から譲られた古い一軒家で一緒に暮らし始めるふたり。大悟の父との確執、青磁の姉との誤解も解け、青磁はその腕にふさわしい華やかな舞台でふたたびシェーカーを振ることになる。青磁は大悟の父に「決して彼を独りにしない」と誓う。母を亡くし、父と生き別れ、この先子どもを持つこともない大悟には青磁がすべてだから。ラストはあまりにも万事うまく運び過ぎかとも思えるが、青磁の過酷な前半生を思えば、このくらいしてもらってもバチはあたらないだろう。

 なによりふたりの暮らしぶりは地に足が着いてて、なんだか先日BLニュースでも紹介されてた台湾のお菓子のCMに出てたカップルみたいなんだもの。彼らが29年と言ってたから、きっと30年後の大悟と青磁もあんな感じで睦まじくやってるに違いない。久々に一点の曇りもない読後感でした。






 

9

方言はそこまでキツくない

設定、文章、台詞、展開など、浮ついたところのない、素敵な小説でした。主に本間アキラさんの挿絵が目当てで購入したのですが、その点も大満足。カッコ良い大悟と美人な青磁と、何より扉絵にもなっているバー店内の描写は素晴らしく、じっくり眺めてしまいました。

大悟と青磁、それぞれが過去そして現在と向き合う場面にグッときました。二人の心情が交互に描かれるので、理解しながら読むことができたのも良かったです。

ただ、地方BLの割に、特に主人公二人の会話が標準語っぽいことが最後までスッキリしませんでした。ま、私が地元民なのでそう感じたって話ですが…。脳内で地元の言葉で再生すると「ん?」てセリフがちらほら。逆に、方言BLが苦手という理由で避けている方がいたら「心配ご無用!」と太鼓判を押したいです。

しいて言えば、深い関係になるまでの展開がちょっと急かなと感じましたが、その点を差し引いても★4ぐらいの素敵な一冊だと思います。

6

安定した読み心地の ご当地もの

初読みの作家さん……と思いながら読み始めて
すぐに、ああ絵師の石原理さんに惹かれて読んだ
『つながりたい』の作者の方だと気がつきました。
方言と文章が印象に残っていたんですね。

          :

舞台は北九州・小倉。
格闘技系インストラクターと、年上のバーテンダー。
それぞれ過去を持つ大悟と青磁。

安定した読み心地の作品だった。
すごく心揺すぶらたり好みだったりはしないのだが
ストーリーにも引き込まれるし、キャラも悪くない。

バーテンダーというと、Between the sheetsのような
華やかな世界を思い浮かべるが、
これはもうちょっと地に足のついた世界を描いている。
濃すぎない方言や地域色が彩りになっていて
派手ではないが味のある作品になっている。
よまわり隊のエピソードや市場での食事シーンも面白いが、
バーのマスターや大悟の父、まわりの大人がとても魅力的。

評価は、萌と迷ったが、若干甘えで萌×2です。

5

マイルドな大人感

この「難破船」のようなバーに行ってみたいです。地元の人たちが気軽に立ち寄れるネイバーフッド・バー。
老マスターがお客と気の利いた会話を交わし、白シャツに黒いジレの美形のバーテンダーが隙のない手つきでシェイカーを振っていて、カウンターの定席に座るがっしりした青年は、隣り合わせた美女よりバーテンダーの彼に目を奪われている。
小倉が舞台の、ちょっと大人っぽいラブストーリーでした。
「シェイク・ミー・テンダー」と、二人が結ばれてからの「キス・ミー・テンダー」。小粋な感じがとてもいいのですが、惜しいのはキス〜の方の展開がやや強引だったところでしょうか。
主人公、大悟と青磁はもちろん、難破船の老オーナーや大悟の父親など、主要人物は皆魅力的だったのですが、ヤクザ描写は無くても良かったような気がしました。
しかし、優しい気分になる素敵な作品です。

2

人の縁

いつきさんの本は『午前5時のシンデレラ』しか読んだことがないのですが、こちらも北九州が舞台ですね。地方都市の歓楽街?や商店街の空気が伝わってきます。ヤクザの身近な街なのでしょうか。

人の縁の不思議さ深さを感じさせるお話でした。

青磁の辛い過去と汚れたと思い込んで自分を大切にしない生活。
再会した大悟に救われ助けられ縁を感じます。
青磁も大悟親子の危機をフォローしましたからね。

二人が意識しあい好きだと自覚して結ばれて良かったです。青磁が素直になって!別人のようです。

後半は大悟の父親が撃たれ、青磁やみまわり隊の仲間を守るために頼ったのもあり、父親の側近が大悟の周りをうろちょろします。

でも親子の対面を果たしこれで2度と関わらないと決まり、青磁を守れるけど寂しさも。
父親も愛すればこそ大悟母子を遠ざけたのですね。そして今も愛情は変わらずあり。それがわかっただけでも良かったです。

思いがけず青磁の姉の連絡先もわかり、わだかまりが解けて良かったです。

お互い家族を亡くしたり疎遠だったりで、お互いがお互いのもの、孤独ではないのが安心です。

ヤクザの影がずっと二人を暗く追い詰めたりしますがもう大丈夫でしょう。

青磁が無事に表舞台でバーテンダーとして返り咲けて良かったです。

姉さん女房とか嫁にこいとか、マスオさんの気分とか可愛かったです。

帰る家に灯りがともり愛する伴侶が待っている幸せ。いつまでもお幸せに。

2

イラストもすてき

ヤクザの隠し子のスポーツインストラクター×バーテンダー、年下攻め。

攻めが強くてガタイが良くて正義感でかっこよかったです。それでいて年下の可愛げもあって、これこそ年下攻めの醍醐味、と思います。
受けは一流ホテルのバーテンをしていたのに、ヤクザがらみの事件に巻き込まれて凋落しています。人間って自分に問題がなくても、運が悪ければこうやって堕ちていくんだなぁ、というような転落っぷりで、気の毒でした。公園で一夜限りの男に身を任せているところをオヤジ狩りに遭い、暴力を受けているところに助けに入ったのが攻め。攻めは攻めで、受けによって救われたところもあって、とてもいい組み合わせだと思いました。これからは仲良く幸せになってもらいたいです。

1

親の愛情にジンワリ

作者さんの地元を舞台にしているだけあって
地域名や方言がスルスル馴染みます。
九州はとっても好きな土地なので読んでて楽しいです(^^)


攻めは仕事の帰りに狩りと称して暴力を振るう少年らに遭遇。
腕っ節がシッカリしてて、夜回り隊に所属し、地域の防犯ボランティアしている攻めは助けに入り、襲われていた受けと出会います。どこか見覚えのある顔で記憶を遡ると、かつて攻めが気まずい場面に立った時、助け舟を出してくれた一流ホテルのバーテンダーだと思い出し。。。
そんな人が、なぜ場末のバーにいるのか。受けのことがとても気になる攻めは、足繁くバーに通い、少しづつ受けのことを知ろうとすのですがーーー。


攻めが逞しい九州男児です!
正義感があって、力も強く、どんな場面でも堂々とした態度で。
大切な人を守り、さりげない優しさもあって。
でも人には言えない重い血筋があり…。
父親が己の正義感と相反するヤクザ者で警官になりたい夢を折った過去があります。

受けは不憫な環境で育ち、何とか一流ホテルのバーテンダーになるものの不運に見舞われ…。
己を否定し汚すことで何とか精神を保っている危ういお人です。

実直な攻めと否定的に生きる受け。
最初のうちは2人の温度差にハラハラしました。
攻めは思い出の相手との再会に浮かれ、悪気なく相手のテリトリーに踏み込み。
受けはにこやかにスルーしつつも、嫌な思い出が蘇りさらに自分を汚す行為に行こうとし。

それに気づいた攻めが受けを誠心誠意守ろうとするのがとても良かったです。
攻めの心強さと惹きつけるパワーがカッコいい!
頑なだった受けも次第に心がほぐれ、互いに相手を大切にして暮らしてく描写にジーンときました。

ただ。
個人的にこの本はBがLしてる部分より、親の愛情を感じる方が上回りました。
大切な息子を思って他人のふりをし、2度と会わないと決めている攻めの父親。
血の繋がりはないけれど、それとは関係なく受けを大切に思う、バーの店長。
登場はしないけど、攻めの亡くなった母親や、受けの姉。
もう会うことはないけれど、会いたくても会えないけれど、愛情は繋がってるなぁと。

攻めも受けも順風満帆な人生とはいかなかったけれど、周囲の愛情を実感し、互いを大切に幸せに生きて行こうという力強さを感じました。

3

読むほど攻めが苦手になっていく

初読み作家さん。正直文章が厳しい。
読点ごとに立ち止まるような文体で、リズム良く流れてくれない。読むのに時間がかかり、内容もスムーズに入ってこず、気力が削がれる。はっきり下手とかそういうわけではないが、恋愛小説向きかは謎。たまにポエミーになるところは読むのが恥ずかしかった。

北九州の小倉を舞台にした、バーテンダーと正義マンのお話。青磁の過去はなかなか酷く救いのないもので、嫌な気分が最後まで拭えない。大悟は読めば読むほど苦手になっていって困った。

再会から失言を繰り返す大悟。それを自覚して何度も悩んでいるが、独りよがりなまま進んでいく。青磁の態度は実はこういうことだ、きっと本当はこうなはずだ、と勝手な推測で突っ走り、どんどん苦手な男になっていく。ネッチョリした勘違い系当て馬のような思考で、不快感が増すだけだった。
青磁を揶揄うようなセリフも、こんなこと言われたら冗談でも本気でブチ切れるな、と思うものがあり、好感度低下を止められない。

両視点だが二人の軸がズレていて、恋愛ものとして見るといまいちしっくりこなかった。相手への感情を自己完結させてばかりで、このままくっついても精神的なつながりはまやかしに思える。おままごと以上、恋人未満という感じ。

後半は父と子の話かな?お互いの家族問題を綺麗にしていく過程で、二人だから大丈夫、と絆を確認するような。たぶんイイ話だろうとは思う。ただ中盤あたりでメインカプへの興味が失せてしまい、さっぱり萌えを摂取できなかった。

読後は合わない文章への疲労感だけが残っている。これを吹き飛ばすほどの面白さがあれば良かったのにな。

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