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kiri no rakuen
読み始め「この文体好きだわ〜〜っ!!」ってなりました!丸木先生はお話や舞台で文体を変えられますが、硬めで一気に雰囲気に呑まれました。途中からは普通になり読みやすくなりましたが。
太陽のような坊ちゃんが、学、学と猫可愛がりする様が好きでした。口吸いをしたり肌を揉みますが一応そこで終わり。それが狂気を孕んでいって…
裕太郎の狂おし〜い学愛が堪りませんでした!工口も侍従気質な学が後ろからとか鏡で感じたりとか、口絵のスーツかっこいい攻めが良きでした。
最後に種明かしなのですが、もう少しお話に混ぜて欲しかったなと思いつつ、これは学視点の話なので仕方ないかなとも理解しました。裕太郎がどうしてそこまで学に固執するのかは分かったし、でも学が真に安らげる日がくる感じは無さそう(多面をも裕太郎が愛してそう)…
たろうを抱いてるとか、覚えてないのに体が違和感ある学とか見たかったかも。
後半裕太郎の妹葵とのやりとりに少し笑いました
「この、恥知らず!」「はい……その通りです」
大正時代の伯爵家の嫡男裕太郎と奉公人の学の
身分差BLとして読む本なのか、ミステリーとして読む本なのか微妙でちょっとモヤモヤしながら読み進めたら最終章で種明かしがあって、あー
ミステリーだったのねとなりました。
主人公の学は、体が弱くておとなしい性格でアル中の父親から毎夜暴力を振るわれてて、その処世術として心を無にするテクを身に付け、時には気を失ってるなんて事も頻繁にある。(これが伏線だったんだな〜)
裕太郎の悪友、青池が学の顔を[複数の人のパーツを寄せ集めた様な一筋縄ではいかない人相をしているから注意が必要]と何度か忠告する。(これも伏線)
学が、おかしな夢を見ている、その内容。(これも伏線)
たまに挟まれる文章、「たろう」「菊子」「ユウタロウ」「学」なーんか、意味不明で気持ち悪いなと思っていたら全部読み終わると理解できる。
うわぁ〜、ドロドロした共依存ストーリーだったわ。一方的に裕太郎が執着してる様に見えて、実は黒幕は学だったのかなとだんだん思えてきた。
私だったら奉公人なのに、毎夜坊ちゃんに抱かれてるお手つきだと同僚に知られたら気まずいからバレない様にしたいし、少し距離を取りながら関係を続けようと思うけどな、学の行動分からんなーと思ってたら、そう言う事かい!
しかし、誰1人として好きなキャラはいなかったな。
裕太郎が20代なのに行為の最中エロ親父の様な発言なのがオモロってなってしまいました。
登場人物の苗字が赤緑青黒黄でした。何か先生の遊び心なのかな?
同著者「蜜華の檻」も読んでの感想です。
「蜜華の檻」は昭和の戦後、「霧の楽園」は大正時代。
時代背景が少し似ているのと、どちらも挿絵が笠井あゆみ先生とのことで比べてみると私は断然「霧の楽園」が好みでした。
伯爵家の長男×奉公人で難しい話があまり得意ではない私は、メイドさんだと思って読みました。
二人とも霧の館に暮らしているので作品が全体的に湿っぽい、ダークな雰囲気でした。
受けの学の母は別の男と駆け落ちして、残された父には虐待を受け、かなり辛い境遇で胸が痛みました。
そんな中で唯一、光となったのが攻めの裕太郎の存在。
幼い頃から一緒に居て、学にとても優しいのですが大人になるにつれて執着が段々と強くなっていきます。
主人がたった一人の使用人に懐くのは、個人的にすごく好きなシチュエーション。
受けも無自覚の美人で、攻めが懇意にする行動に対して立場を考えてほしいと少し拒絶して攻めを暴走させてしまうのもまたツボ!!
攻めがじわじわと間合いを責めている感じや、館に閉じ込める為に生きているところが執着さMAX!
受けに他の女性と結婚してほしいと言われた時にとった行動が、いい感じに狂った思想でドストライク過ぎました…。
久しぶりに強めの執着を見つけました。
また、この受けもどこか不思議でミステリアスな問題を抱えています。
一見したら攻めが目立つのですが、私はどちらかというと攻めの方がまともに見えました。
受けにこういった怪しい雰囲気を持たせるのは丸木先生ならではないかと思います。
全体的に仄暗く、館の中という狭い世界だけでこれだけゾクッとさせられます。
「神」評価でなかったのは、終わりに少し違和感があったからです。
最後は第三者視点だったのですが、答え合わせが短すぎてもったいない…。
これが攻め視点だったら、もっともっと受けの良さが際立ち、面白かっただろうなぁと。
更に「あれ、そういえばアレはどうなったの…?」という疑問も残ってしまい、読み返しては悶々としてしまいました。
とはいえ、ダークさと執着、共依存を楽しめたので買ってよかった作品です。
大正主従もの、閉鎖的、鬱々!!
溺愛執着ハイスペ驕慢攻め。
受けのことは甘やかしまくりだけど外堀埋める系!
大好物です!!!!!
受けには捕まえようとすると壊れそうな脆さ。
ついつい魅了されちゃいます。
サスペンス要素もあって、モヤモヤっとあと引く怖さ。
全てが繋がってから、振り返ると、そういうことかーーーと
面白さも怖さも濃厚さも倍増!!
えろは濃厚で甘やかしつつガツガツ系でした♪
そして笠井あゆみ先生のイラストが良い!
ドキドキ魅了されっぱなしでした。
これはすごいわ。
『耽美』と紹介されてることも多いですが、私はサスペンスミステリとして「すごい」と思いました。
ホラー風味もあり、大正時代の霧に包まれたお屋敷の中で、何だかよく解らない不安感に弄ばれます。
まあ、読んでいて、不安なこと不安なこと……
これ、核心部分は絶対ネタバレしちゃいけないやつだと思うんですね。
だから私も出来るだけそこに触れないようにご紹介したいと思います。
主人公の学は、ぼんやりしていて、記憶が曖昧になってしまう人なんです。
赤井伯爵の家で使用人の子どもとして生まれるのですが、母が幼い頃に別の使用人と駆け落ちし、酔った父に暴力を振るわれる毎日を暮らしています。
学の希望は、小さい頃から自分を可愛がってくれる赤井家の長男、裕太郎だけ。
全てにおいて優秀で太陽のような裕太郎は、不憫な学に目をかけてくれるだけではなく、常に自分の側に置き、恋人の様に扱います。
そんな裕太郎の振る舞いを止めさせようと、彼の家族は学を裕太郎から引き離そうとし、学も一時はそれに従おうとするのですが、そのことで裕太郎は以前にも増して学への独占欲を剥き出しにする様になります。
裕太郎の縁談話、父の失踪、自分を捨てた母との再会……学の周りで次々と様々なことが起きますが、裕太郎との激しい情事の所為もあり、学の記憶はどんどん曖昧になって行くのですが……
察しの良い姐さまであればお話のオチに感づくかもしれませんが、とにかく丸木さんのお話の構成と文章の巧みさで、最後まで緊張感が途切れません。
「多分、こうなんだろうな」と思いつつ「いやいや、まだ解らんぞぉ」と思い直したり。
最後の短編『葵の手紙』を読んで「そうかー!」と。
全てが収拾された後の『やられた感』がすごいです。
上手い!
そして、怖く、哀しい。
ふむふむ
結構序盤で『ああ、人格たくさんある系かー』と分かりやすい伏線でした
受けが、お父さん殺したんじゃないの?と思いつつ……
死体の始末だけ、攻めがしたんじゃないかなぁとか……
私的にはそこまで病んでるとは思わなかったです
エチシーンはいつもながら擬音すごいですwww
じゅっぽじゅっぽとか
ぐぼぐぼとか
書いてて笑っちゃうwww
ここまでくるとむしろエロくないwww
たまに口直し的に読みたくなりますね、丸木先生……
複雑でほの暗くて病んでいて謎だらけのお話でした。
たろうや菊子の童謡のようなページが謎で何の意味だろうと。
学がとても不憫でした。
霧の館から出られず母に逃げられ父に毎晩罵られ暴力を受けて、体は育たず精神も健やかとはいえない状態で、でも館にしか居場所がなくて。
裕太郎がなぜそこまで学に執着するのか。幼い頃から性的な接触や願望を持つのか。
二人が二人だけの関係に深く沈んでいきどんどん病んでいくのが不安でしたが二人が一段階進んでだんだん幸せそうになってきたので救いでした。
学も館に閉じ込められて気の毒でしたが旅行にも連れていってもらえてホッとしました。
楽園へ と葵の手紙 で謎が解けますね。
学の正体?がわかって、そうなってしまった原因であったろう幼少時からの悲しい暮らしと、裕太郎の前だけ出て来て受け止めてもらえて愛されていたことに衝撃と少し救いを感じます。
また裕太郎の出自や今の裕太郎になるための努力も執念と痛ましさを感じます。
裕太郎がいつも言っていた学のことは自分が一番本人よりもわかっているというのはそういうことだったんですね。
執着攻めや病んだ攻めに引きずられて引き込まれていく受けの話はいくつか読みましたが、このお話が今までで一番病んでました。とにかく衝撃です。
葵の手紙から裕太郎と学の二人の楽園が完成したようで、到達してしまったんだなと素直に喜ぶべきなのか複雑な気持ちです。
しばらくはこのお話の余韻が抜けなさそうです。
丸木文華先生の作品はお初読みです。
率直な感想はというと「2週目からが本当の意味で理解できる作品」とだけ言っておきます。
1週目と違った見方で受け様、攻め様を見てもらえると面白いかもしれないです。
かなり好きなお話だなと思って読み進めてました途中までは。
しかし途中からだんだんとこの作品の良し悪しがよく見えてきます。
作品の流れとしては面白くていいかなとは思います。お互いが共依存している中受けがなんと○○○でしたーと衝撃のラスト、そこから2週目を読むこの流れがうまいこと言ってるなと思いました。
私はあまり好みではなかったですが
かなり狂気じみてる作品になるのでそういうのが好きな方は必見かもしれないですね。
笠井先生おっかけで当本get。
ところどころに「あんた誰」と思うモノローグのページが出てきます。
字体も変えてあって、思わせげ。
攻めさん:受けさん大事。なんでだろうと思ってたら。
理由は最後の方のショートでやっとはっきりわかりました。
そこまで、なんでやろ?幼馴染みやから? と思ってました。
受けさん:攻めさん大事。いつも大事にしてもらったから。
でも攻めさんは跡継ぎだしちゃんと結婚しなきゃと思ってる。
執着されてきてるのをうれしいんだけど、
そろそろ一線しかなきゃというところ。
そういう状況なんだけど、だんだん攻めさんに追い込まれ、一線を越えたら
あ、おわっちゃった。
なぜ、ここで終わる???????????と置いてきぼり感満載。
続きでショート2編。
最後は攻めさんの妹のモノローグ的ショート。
そこまで読んで、私はやっと「あんた誰」の人々が誰かわかりました・・・
(遅すぎ?)
謎がとけた感でいっぱい。すっきりはしましたが。
でも、これってBLである必要あったっけ・・と少々違和感が。
いや、ミステリー的には面白いかも ですけど、でも結局すべては闇の中・・・
私が読み取れてないだけ?
うーん。萌えどころが私的にはなかったです、先生ごめんなさい。
ミステリーのようでミステリーとも言えず、盛り上がるシーンも特になく、気づいたら話が終わっていて、結局最後まで話に乗り切れないまま読了してしまいました。
「葵の手紙」で本編のオチが明かされているのですが、手紙なのに話し言葉で書かれており、さらにこの葵の話し言葉が癇に障り、そんな自信満々に説明してくれなくてもこのオチがわからなかった読者はいないと思うけど…となんだかイラッとしてしまいました(笑)
葵に説明させるのではなく、裕太郎目線で学のことを書いていたらきっとゾクゾクできたんじゃないかなと思いました。
周りには完璧超人にみえる攻めが
その実、精神的に脆く病んでいる…
という丸木さんの描かれる執着攻め(裕太郎)と
弱く儚く美しい受け(学)のお話。
舞台が大正時代であることと
主従関係にあることが物語の耽美さを際立たせていると思います。
すこしミステリー要素もあり、
「俺は、お前よりもお前の事を知っている」
といったようなセリフ等が伏線となり、物語の
ラストまでその意味はわかりません。
受けはつまり幼少期からの父からの虐待によって
多重人格者となっているために記憶がおぼろげで時々
自身の記憶が飛ぶことがある。
多重人格の場合、本人がそれを認識していることが
多いと思いますが、受けはまったく気づいていません。
そしてそこは特に問題ではなく、攻めもその学の多重人格要素も
全て愛しており、自分以外学を愛せるものはこの世に存在しないと思っている。
裕太郎自身も、大企業の次期社長としてずっと仮面をかぶって生きてきており、
幼少期から仲の良い学にだけ全てをさらけ出せる、
丸木さんお得意の共依存関係ですね。
閉鎖的空間で行われる物語ですが、とても美しい話だと思います。
ラストが尾を引いて、もう一回初めから読んでしまいますね、
あれあれ?
はい。読み終えての感想です。
結局、何が描かれていたのかと……。
物語の最初と最後で何か変わったかな。
いやいや、ちゃんと色々と環境や人物の関係性など変化はしてるのですよ。
しているのに、何もないというか……。
不思議な感覚です。
これ、ミステリーが書きたかったのでしょうね。
それっぽい感じの作りになっているのですが、それっぽいだけです。
何もない。
玉ねぎの皮を、1枚1枚、丁寧に剥いていったのに、何も残らなかった。
そんな感じのお話です。
・キャラクター
攻:『太陽のように明るい』攻? わーい好みのタイプだー
――読了後
丸木さんに「明るい太陽」なんて期待した私が悪かったw
いつもの気持ち悪い攻でしたw
受:つかめない、一番動かない。主人公なのに!w
・プロット
何も起こらなさすぎます
ミステリー好きなので、BLで叙述トリックもどきが見れたのは嬉しかったです
ただ、よくある明治大正伯爵家BLに、突然叙述がくるのがチグハグでした。後から付け足した設定じゃないかな、なんて思ったり
それに如何にBLとはいえ、あんな取ってつけたような『趣味:人相見』なんてオカルトなんかじゃない伏線張らないとダメですよ。唐突過ぎます
・イラスト
大好きな笠井さんなのに、んん?
表紙はいいのに、中の挿絵の攻は24歳設定にもかかわらずアラサーのリーマンに見えちゃうなぁ
笠井さんは日本画風・筆書き調が売りなので、あまり頬染めトーン・髪が影なしグラデ塗り(表紙)、などデジタルっぽい画風には移行しないでほしいですね
・その他
いくらなんでもルビが過剰です。大人にはかえって読みにくい
「日露戦争、子爵、薩摩、華族、煙草、公家、莫大……」
う~ん、まぁ漢字が苦手な人もいるしね……
「優雅、補償金、更に、無邪気、屋敷……」
……ええい一体、何歳が対象年齢なんだっ(ノ゜д゜ )ノ
丸木文華さん、初読みです。
話題になっていたので一度読んでみたいとは思っていたのですが、どうもこういったほの暗く狂気じみていたり痛かったり怖かったりするお話はなかなか手に取りにくい質なのですが、ルビー文庫と言うことでお手柔らかに入っていけるのかと思い手にってみました。
ひとことで言って、まだまだこういった作品の良さを理解するには修行が足りないと時間をおいて再読したいと思いました。
恵まれた育ちで誰からも愛されて育った太陽のような青年 裕太郎。
それが、共に育った使用人の子供に執着しやがて病的にまで支配し囲い込んでいこうとする過程が描かれています。
ほとんどが学の目を通して彼の感情や知識からの情報なのですが、裕太郎の行動も思惑もあからさまに読み取れて、頭の良い主人の掌で転がされいい様に扱われているようですが、実際は、無意識ではあっても学が裕太郎を誘い自分を囲いこませ最後は楽園まで作らせてしまったような気がします。
よくわからない何人かの名前のついたモノローグなのか手紙なのかわからない1ページほどの文章が数回挿入されていて誰が何のことを語っているのかわかりませんでしたが、裕太郎の友人の学を見たときのひとことでわかりました。改めて読み直すと納得できます。
そこが裕太郎を虜にする学の隠された一面に繋がっていくわけですが、その種明かしを妹の母親への手紙と言う形で明らかにするというのは蛇足だったような気がします。
彼女の過去の行動や学に対する感情は十分わかっているし、裕太郎がそうなった原因についての考察も納得できましたがあまり重要ではないと思います。
結末は微妙な部分もありますが、親は悲しむでしょうが二人が幸せで誰にも迷惑をかけないのですからそのまま楽園で幸せに暮らしていけばいいと思います。
時代背景からしてこの先会社経営は厳しいこともあるでしょうが、きっと裕太郎はそれも利用しつつますます繁栄させていくでしょうね、楽園を守るために。
丸木作品とは相性のよさを感じた笠井あゆみさんのイラストにはカバーイラストからして惚れ惚れいたしました。
大好きな小説を手放さない学と学に執着する裕太郎の姿が物語のすべてを語っているようです。
恍惚とした学の表情も引き離そうとする他者を威圧するような裕太郎も艶っぽくて綺麗です。
丸木作品の「罪の蜜」に通じる薄暗さがあり、「罪の蜜」が好きな人は買っていいかと思います。
前半のほぼ2/3は受けの心理描写ベースで語られており、時々挟まれるモノローグに疑問が深まりながら読み進め最後はどうなるのか正直わかりませんでした。受けの心理描写が終わった時もまだ疑問は残ったままでしたが、最後の攻めの心理描写からすべての謎が解け、全体を通して納得できるラストでした。
特に攻めの心理描写は攻めの方がかなり病んでいるのではと思うような内容でゾワッとすると同時に、謎も全部解かれ「罪の蜜」を読み終わったときと同じような気持ちになりました。
読了後「あれ?」って気持ちになりました。何というか、うっかり100ページくらい読み飛ばしてしまったんじゃないかと…。
何といいますか事件の起こっていないミステリーみたいな感じです。最後に明かされる謎(冒頭で大体分かっちゃいますが)に関しても別に誰の迷惑にもなってないし、お話の鍵になってるってわけでもないし…。
これが原因で何人がお亡くなりになっていれば面白いと思ってしまうんですが、逆に何もしてないことに驚きました。
ご主人様と下男…のわりに案外、障害と葛藤がなかったラブラブなお話です。この時代の雰囲気は素敵、絵も素晴らしく美麗で絡みも濃厚です。
圧倒的に枚数が足りない、私が読み飛ばした100ページがどこかにあったら凄く読みたいです。
大正時代の箱根の鬱々とした洋館を舞台にした、美丈夫の伯爵令息・祐太郎と、その下男で幼い頃から一緒に育った庭師の息子・学の主従執着物語。
舞台は耽美のエッセンスたっぷりで、登場キャラたちも、主人公の二人をはじめ、祐太郎の家族の妹や母、高等遊民の友人、学の父親や不倫の果て出奔した学の母親など、皆揃って耽美の権化のよう。
ルビー文庫の薄い本なので、お話は下男の学の視点からの、祐太郎との関係の物語に絞られている。
そのため、仕込まれたいろいろが、最後の祐太郎の妹の葵視点の「葵の手紙」でさらっとネタばらしされるだけなのがちょっと残念なような、、、
この仕込みするなら、もうちょっといろいろ枝葉を茂らせてくれても良かったのにと思うのは、けして欲張りではないと思う。
それでも、耽美のエッセンスはサクッと味わえるので、これはこれでいいんじゃないかな。
しかし、それより、なにより、笠井先生のカバーイラスト!
逃げも隠れもしない、タイトル文字のすぐ横で、この乳首にこの体位!
流石やね。
セルフつっこみ
ただ、やっぱり、最後の「葵の手紙」はちょっと文体がラフすぎて、なんだかなぁ。
読み終えて。
二人だけの世界で、ある意味、幸せに暮らしているようだけれど、救いがないんですよね、読んでいる側に。人づてに「詳しいことは判らないんだけどさ~、」なんて聞かされているような。あるいは葵の手紙ような。置いていかれた感。
しかし、丸木先生と笠井あゆみ先生のコラボは本当に素晴らしい。この世界観にぴったりだと思います。
で、結局のお父さんはどうなったの?色々考えられるだけに、真相が知りたい。
まさしく、すべて、霧の中なんです。
丸木さんの作品は気になる物を数冊読んだことがあるのですが、今回もドロドロ執着攻めを期待して手にしました。
ルビー文庫らしからぬ背徳感のある丸木節炸裂でした。
最初はいつもながらの攻めの執着っぷりにドキドキワクワクしながら読んでいたのですが、最後のネタバレで、あーなるほどそういうことねーと納得させられたものの、なんだか萌えに繋がらず。
あまりに壊れた感じが受け付けなかったのかも。。
このネタバレポイントこそがこのお話の鍵なことは分かるのですが、その点もあまり深堀りされてなかったのが消化不良なのかな?
病んでる2人ですが、ある意味攻めの欠けた部分を受けが補っていて、それで平静を保てているのでしょうね。
2人が幸せならそれはまーそれで良いんですが。
もう一度読み返して、なるほどねーと納得する感じはミステリーのような謎解き要素はあるのですが、読後感は何とも言えないものでした。
はげしくネタバレしますので、未読の方はご注意ください。
なんかこれ、「妖の宴」と同じパターン。そちらはそこに至るまでの葛藤に読みごたえがあったので、納得のラストでした。
こちらはというと、病み×病みで最初から闇墜ち決定な上に、ハイスペックな攻めが障害をことごとくなぎ倒してくれる(笑)ので、お話に起伏が乏しい気がしてしまいました。
最後にオチというか謎解きを持って来たかったのでしょうが、そのせいで方向性があいまいになってしまった感がありました。それは早々に予測できるので、とっとと明かしてそれぞれの学との関係をみっちりねっとり読みたかったです。
世界観は丸木ワールドで、挿絵と相まって雰囲気たっぷり。
そこで繰り広げられる学達と裕太郎の1対1?のハーレムだったら、絶対滾ったのに!
…そこは妄想の翼で補完して、ということなのかなぁ。
と、おあずけを食らった気分でした。
丸木作品だからというので、ちょっと期待過剰すぎたのかもしれません。
古めかしい文体や雰囲気作りは本当によかったと思うからこその、欲張りなのかな。
ルビー文庫で、本自体も薄い(約210頁)ことから
ライトな話なのかな??と油断していると
良い意味で期待を裏切られる作品。
ネタバレなしでレビューしてみますが
出来れば何の前知識もなしに
読んでいただきたい一冊です。
時は大正。
赤井伯爵家に仕える下男・学(受け・22歳)は、庭師の父親から折檻を受ける大人しい青年。
赤井家の長男・裕太郎(攻め・24歳)とは、身分は違えど幼さなじみで、人知れず抱き合う仲。
学を溺愛するあまり、裕太郎は徐々に危険な領域に足を踏み入れ…。
序盤は、優しく男前な攻めに
愛され守られる健気受け、
という甘い雰囲気を楽しめますが
(学が、二人きりのときだけ裕太郎を『君』と呼びタメ口になるところにも萌!!!)
徐々に雲行きが怪しくなり……?
突如失踪する学の父親。
妹や友人の忠告にも耳を貸さず
学を軟禁し、夜な夜なその身体を貪る裕太郎……。
病んでいるのは裕太郎なのか?
と思わせておいて……という
どんでん返しに背筋が寒くなる展開です。
全てが分かってから読み返すと
伏線はそこかしこに見受けられ
陳腐な話にも思えますが
展開の早さとエロシーンの濃さに引き付けられ
推理する前にラストまで読みきってしまい
オチに驚かされる。
そんな構成力のある作品だったと思います。
欲を言えば、オチがもう少し本編の出来事に
関わっていれば、更にミステリ的な面白さを
堪能できたんではないかと。
ビックリはしますが、本編の話の流れには
あまり絡んでいない分、それで??と
ツッコミたくなる人もいるかもしれません。
とは言え、この薄さ、このレーベルの中で
ダークで退廃的な丸木文華さんお得意の世界観が
しっかり展開されている点は素晴らしいです。
丸木さんに笠井さんの挿絵ときたら買わねば、ということで手に取ってみました。今回もまさに丸木ワールド炸裂な内容でした。内容をざっくりと。すみません、ネタバレしてます。
時は大正時代。伯爵家という高い身分を持ちながらさらに煙草の生産で財を成した赤井家。その赤井家の嫡男で跡取りでもある裕太郎は頭脳明晰で男前、そして朗らかな性格で誰からも愛されるナイスガイなのですが赤井家に住み込みで仕えている2歳年下の学をとても大切にしています。
この学は幼い頃に母親が不倫の末自分を置いて家を出ていってしまい父親と二人暮らしなのですが、父親は母親にそっくりな学を疎ましく思い日常的に虐待しています。そのため学は精神的に脆いところがあり…。
というお話でした。
精神的トラウマを抱える受けに、何でも手に入る立場でありながら受けに対して異常なまでの執着を見せる攻め。
常に虐待する学の父親。
兄である裕太郎に執着し、そのため裕太郎が溺愛する学に対して辛辣な態度をとる裕太郎の妹。
まさに丸木さんお得意のドロドロなお話でした。
ただ、どうしても既視感がぬぐえない。話としてはとても面白いし、丸木さんならではの黒い話はとてもツボなのですがちょっとワンパターン化してる気がしました。学の抱える問題や、二人の行きつく先が読めてしまうのが残念でした。裕太郎の悪友の青池がもっと二人を掻き廻してくれたら良かったのに、と思ったのと、あと凄く気になったのが「学の父親は結局どうなったのか」という点です。そこをもう少し掘り下げてくれたらなおブラックで良かったのにな、と思いました。
けれど丸木さんが描く独特な雰囲気は堪能できましたし、笠井さんの挿絵は相変わらず美しく淫靡な雰囲気満載で、このお二人のコンビはまさにゴールデンコンビだと思います。