Krovopizza
maybe someday
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『In These Words』2巻ネタバレを含む
篠原の過去編。
浅野先生の外伝と違い、シリアスで救いのない
サスペンス作品です。
あの篠原が、この過去編ではただの青二才!
本編(特に1巻)では圧倒的に『強者』だった彼にこんな過去があったとは誰が想像したでしょうか!
表紙の物憂げな顔からも分かるように
本作品の彼は踏んだり蹴ったりで
別人のような『弱者』に見えます。
その落差にとてつもない萌と色気が漂っていました。
※2巻未読の方は呉々も閲覧にご注意下さい。
***以下ネタバレます***
とある参議院議員の子息が、人身売買を行う組織に誘拐される。
警察は、彼を救い出すため
警察学校を中退した一人の青年に偽名を与え
潜入捜査を命じる。
青年は、少年たちが拷問されるパーティー会場に
バーテンとして潜入するが、グループのボスに見つかってしまい……
青年を「雌犬」と罵り犯す寺岡(ボス)は鬼畜そのもの。
しかし、青年の中で果てた後
今度は青年の快楽を引き出すように中を探り
「お前の中の俺の感触と、俺がどんな顔をしてお前を犯すのか、よく覚えとけ。一生俺のことを忘れるんじゃねぇ」
とまで言う。何やら特別なこだわりを感じます。
本作品の「いつかきっと」というタイトル、
そして本編で頻出する浅野の回想に象徴されるように
このシリーズは『記憶』で結ばれた
人と人との因縁めいた繋がりを紡いでいく物語のように思えます。
その縁が登場人物にとって
吉と出るか凶と出るかはさておき。
篠原って結局誰なの??
という新たな疑問が浮上しましたが
彼が人並みに苦い経験もしてきたことは確かで
ここから浅野先生に出会うまでに
どんな人生を歩んでいくのか益々興味が湧きました。
******
あとがきも面白かったです。
この非常に重厚なエピソード・ゼロが
「篠原が受の話を書いて欲しい」(by咎井淳さん)
という純然たるYAOI的欲望に端を発したものだったとは!
それでここまでの話を書けてしまうなんて、人類の創作意欲って本当に素晴らしいですね。
今回の寺岡、なんと今後も登場予定とのことで
非常に楽しみです。
挿絵やイラストラフも充実。
特に見開きのベッドシーンの迫力は素晴らしく、
このエピソードを漫画形式でも読んでみたくなりました!!
これはただロマンスも何もない暴行を受けた物語
事件やほかの視点から見ればこれからの展開が楽しみだとは思いますが、単に甘い夢に浸りたい場合はまったくのお門違いです。
警察官になりたての篠原は早々に香港に派遣されます。目的は行方不明になったある有力者の子息を探し出し連れ帰ること。目星がついている人身売買組織へバーテンダーとして潜入します。
組織の実情をさぐり、一網打尽することが目的ではありません。優秀な腕を評価された彼でも経験不足から不意の事態を招いてしまいました。
取引をしきっている寺岡に一目で見破られていたのです。
逆に彼に動向を監視されていたのでしょう。
腹いせに犯されてしまいます。
愛情も何もあったもんじゃありません。お尻にタイキックをくらい続けたと思った方がよろしいかと思います。
気絶して水の音に目覚めた篠原にメッセージが置いてありました。
バージンの代償に彼の居場所を教えてやると。
現場に到着すると箱の中に目当ての者は無残な姿で詰められていました。
失意のまま帰国の途つく篠原ですが、あとがきだとそれからのことを匂わして終えてます。
あれで終わるのはなんとなく生煮え状態で辛い。
弱い。
本当に体力も精神力ももろくて弱すぎる。どうやって成長していくがその過程を見てみたい気はあります。
あのシーンは苦手ですが、対決としては楽しみです。
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