EQUILIBRIUM ‐均衡-

EQUILIBRIUM ‐均衡-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×24
  • 萌2
  • 中立4
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
46
評価数
14
平均
3.6 / 5
神率
28.6%
著者
Guilt|Pleasure 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
In These Words
発売日
価格
¥1,350(税抜)  
ISBN
9784799743447

あらすじ

NY市警の刑事デビッドと結ばれた精神科医の克哉。甘い距離感を満喫している二人だが、克哉の前に「М」と名乗る男が…!?

表題作EQUILIBRIUM ‐均衡-

デビッド・クラウス、NY市警の刑事
浅野克哉、NY市警に所属している精神科医

同時収録作品EQUILIBRIUM ‐均衡-

M、高級SMクラブのオーナー(※挿入はなし)
浅野克哉、精神科医(※挿入はなし)

レビュー投稿数7

へっとへと

In These Wordsの前日譚
蜜月?なのに胃に来る重さでぐるぐるヘトヘト…すごかったです

He Came~で恋人になったデビッドが過去Sだったのを知った浅野先生がSM体験したいと言い出し、圧倒的支配者Mと3人の契約を結ぶ…
SMにときめいて読み始めたら、うきうき読むようなSMじゃなかった!!
身も心も、浅野先生とデビットの関係までも壊れそうな緊迫感がとんでもない。

究極?シンプルなようですごく難しい。
手離しで服従することで心が解放される?
そんな姿をも受け入れられ守られる安心感?
痛みの先の快楽は官能的で言い表しがたい美や愛もあるけど、そこに至るまでの仕打ちが無……
Mの突き抜けた心理や浅野先生が何を感じて何を得たいのかが難しくて行ったり来たり。
これまで目にしてきた愛の上に成り立つSM、性的快感に直結した世界は平和だったんだなぁ。

痛めつけられている浅野先生より、浅野先生の希望を叶えたい、けど傷つけたくない。さらに自分の本質(Dom性)と向き合わなきゃいけなくて苦しむデビットがしんどくてしんどくて…
でも、その根底には浅野先生への愛があるから悩みに悩んでるわけで、
デビットは戻ってこれる、守り抜く本能がある、自分らしく生きる力があるのにないと思い込んでるって浅野先生の言葉はグッときました。
浅野先生がデビットを愛してるからこそ得られた信頼と安心感、
デビットが物理的にMから受けた印も浅野先生の印、その境地には わ~~~ってなりました!!
強い2人が軽口叩きながらじゃれてるのも、Mとやり合うのも堪らない。
Mの仕打ちにも耐えられたのはデビットがいたから!!
最中はただひたすらに難解でしんどいんだけど、その後の浅野先生とデビットの会話や触れ合いには愛が溢れてる。
デビットはDomだけど、浅野先生はSub体験したかっただけで、デビットの手綱を握ってるのは浅野先生だなってところも大好き!!!
浅野先生はデビットの愛を確認、より強固にしたかったからSMに踏み込んだ、SM体験をしたことで生まれてしまった綻びも2人を強く結びつけるものと思えたらハッピーなんだけど!!

ITWではデビットの影をほとんど感じないため、デビットがどうなったのか、2人がどうして一緒にいないのか気になって気になって…
Mが2人について言及する言葉ひとつひとつが不穏すぎて不安が募る。
浅野先生が、『私を傷つけることはできない』と言うもの、デビットは傷つけるようなことはしない、って意味だけでなく、傷を残すほど影響ある人ではないって深読みしてしまってしんどい……

ITWの小冊子にデビットとのNY時代の話があるのは今後絡みがあるからなのか…おまけなのか…
こんだけ強いデビットと浅野先生の歴史を見せられると複雑な気持ち…

篠原とのロマンスも大好きなんですが!


デビットの『この先何かの理由で離れ離れになったとしても、ずっと愛してる。それを忘れるな。』からの強い強い強い思いに悶えながら、これってフラグ???って純粋に萌えられないの辛い。

カッコよくて可愛くて強くて、ちょっと粗野、でも浅野先生には頭上がらなくてtnkも強くて攻めの中の攻め!!!ってくらい魅力たっぷりなデビットが幸せであること願ってます。

本作とITWの隙間の話が読みたいです!!

あと個人的にM邸に行く前の剃毛シーンがとてもとても良かったです!!!

2

SM行為から引き出された素顔は

作家買い。

『In These Words』の前日譚と言える作品ですが、コミックではなく小説です。

んー、Guilt|Pleasureさん作品なので、と言って良いでしょう。

めっちゃ痛い作品です。
SMがベースになっているので、痛いのは苦手、という腐姐さまには正直お勧めしづらい作品かと思います。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






時に軽い喧嘩もしつつ、それでも仲睦まじい恋人であるデビッド×浅野先生。その日は浅野先生の誕生日。という事で、デビッドは張り切って準備します。

祖父が優秀なシェフだった、というデビッドの料理の腕はなかなかで料理に舌鼓を打ちながら食事をする二人ですが、そんな最中に浅野先生からデビッド質問が。曰く、

昔、恋人とのセックスの時にSM行為をしていて、デビッドがSだった、と聞いた。

というもの。

デビッドは浅野先生の質問に答えつつ、その質問をした浅野先生の意図に気づく。

浅野先生もSMを体験してみたい、という欲求を持っていることに。

かつての恋人とのSM行為にあまりいい思い出がない風であるデビッドだけれど、浅野先生の希望をかなえてあげる事に。そして、その為にデビッドは、かつてSM行為を行う場所を提供してくれていた「M」という男性に連絡を取るが―。

というお話。

序盤はほのぼの~な展開でスタートします。
が、それがいつの間にかSMという特殊な世界へと移行していく。

かつて、デビッドがしていたというSM行為。
浅野先生が興味を示したSM。
そして、デビッドが連絡を取った「M」という人物。

SMという性行為の一つの世界を描きつつ、そこから描き出されてくるものは、今までも時折見えていた浅野先生の家庭環境、についてなんです。

浅野先生は両親とほぼ接触がない。
「親に捨てられた子」というレッテルを自身に貼っているのです。

それゆえに歪んだ「何か」を彼は抱えていて、そしてそこから彼は抜け出すことが出来ない。自分を見つける手段の一つとして、浅野先生が選んだのがSMという世界なんですね。

全てを無にして、そこから何かを見つけ出したい。

そんな浅野先生の思考が、まったく、さっぱり、全然、理解できませんでした…。

浅野先生にSM行為をするのが、Mという男性。
高級SMクラブのオーナーで、めっちゃお金持ち。そんなバックボーンしか見えてこないミステリアスな男性ですが、彼の施すSM行為に愛情は皆無です。

日本におけるBL作品のSMと言えば、愛情と信頼に基づく行為、といったイメージがありますが、Mには、当たり前と言ってしまえば当たり前ですが、浅野先生に対する愛情は一切ない。

ないので、Mが浅野先生に対して行う行為はただただひたすら痛く、そしてハードです。

行為そのものだけではなく、Mは浅野先生をモノとしてしか扱わないので態度も横柄でぞんざいです。そして、Mだけではなく、デビッドもSMの時は浅野先生に対して辛辣な態度をとります。

短気だけれど、浅野先生には優しく紳士だったデビッド。
そんなデビッドが、SM行為の時は「ご主人さま」に成り代わる。

完全に好みの問題だと思いますが、ひたすら痛くハードな絡みで、テンションがダダ下がりになりました。

デビッドは、浅野先生を愛しているからこそ、彼の意向を酌んであげたいとあげたいと思うわけです。浅野先生を愛しているからこそ、浅野先生が願うSM行為をするんですけれども。

ちなみにMと浅野先生の間に性交渉はありません。
鞭で叩かれたり、言葉で嬲られたりはしますが。モブ姦が地雷の方でも大丈夫かと。

Mという男性は圧倒的な征服者です。
SMの世界だけではなく、彼は冷徹な仮面の下に、冷静で人を見抜く力を持っている。彼がデビッドに告げた浅野先生の素顔は、「In These Words」を読んでいれば当たっている。

そして彼が浅野先生にSM行為をするのは、デビッドに対する執着心の表れでもある。

そんなMが、超気になりました。スピンオフ書いてほしいなあ。

浅野先生の過去。
デビッドがかつて経験した特殊なセックス。

そういったものが彼らを形成し、二人の間に流れる愛情を紡いでいったのだとわかる作品でした。今後、デビッドと浅野先生が、どんな未来を築いていくのか非常に気になります。

浅野先生と言えば、美しいビジュアルに優秀な頭脳を持つ精神科医、という孤高な存在のイメージがありましたが、そんな浅野先生が全裸で、人の足元に傅き、まるで犬の様に食事を与えられるシーンがあります。

「浅野克哉」という男性が内面に隠しているものの奥深さが描かれていて、『In These Words』ファンの方にはぜひとも手に取っていただきたい作品でした。

先述しましたが、かなり痛い作品です。
読み手を選ぶ作品かと思います。
痛い作品はちょっと…、という方はどうぞ心して手に取ってください。

10

Sなのに名前がM。ややこしや…

表紙が素敵!ルネッサンス絵画のような色合いで、パッと見BLではなく小難しい学術書、に見えないこともない。コミックコーナーにあったのに実は小説でした。でも挿し絵もたくさんあってどれも素晴らしい。浅野先生は美人さんです。

シリーズの前日譚ですが、間隔が空いてるのでなかなか内容が思い出せず、でも浅野先生の今彼はたしかデビッドではなかったので、こんなにラブラブだったのに別れちゃったんだと思うとちょっと切ない。

SMセックスがテーマなので、終始痛そうな感じではあります。あれが快感ってやっぱり変態だな。SMクラブのオーナーが最強のご主人様ですが名前はM。なぜだ。デビッドが忘れてたSM趣味を浅野先生が思い出させて寝た子を起こしてしまいました。まあお互いが満足ならいいのか。

このシリーズは相手は変わっても浅野先生が常に受けで痛そうな目に遭っている、という所はブレません。本編の方も着地点はどうなるのか気になる所です。

7

SMで、何を求めるのか。

SM描写はかなり痛々しいので、覚悟が要りました。
SM行為の描写は、充実していると思います。
行為の描写にある程度慣れると、心理描写の細かさに惹きつけられました。
arcissusさんの建物や家具の描写は美しくて素晴らしいです。

デビットと克哉がこの後どうなって、ITWにつながるのか、気になります!

萌2評価なのは、ITWなど他の作品の浅野克哉と同一人物に感じにくいから。
In These Wordsにないエピソードが書かれていても。

1

乞う、振り幅

漫画では紙幅をセックスだけに割けないので割愛するのは仕方ない、だから小説ならばガッツリ描写されてるだろう!と期待して買ったんですが、そうでもなかったのが残念。セックスの経験豊富な大人の男たちの濃厚なセックスが大好きなので、克哉とデイビッドに期待したんだけどなあ。

性感帯を刺激してのSMは好きだけど、痛いばかりのSMは理解できない。皮膚が裂けるほどの鞭打ちの先にどんな甘美な快楽があるのか?理解出来るような描写がもっともっとほしかった。
そんな折檻の描写の中でも、克哉の頑なな芯の部分、恋人デイビッドにさえ見せたくないという心の奥にしまってある閉じ込めてある部分が、Mによる愛情を持たない容赦ない折檻で溶解するという作用はなんかとっても納得がいきました。そういうこともあるかもなーと。ここがこの小説での見どころか。
克哉の人生においてターニングポイントにもなるんじゃないかなと思わせるこんな大事なことが起きたんだから、もっとそれを経験した後の克哉の描写に生かして欲しかった。クールビュ一ティだけだったのがちょっと隙ができたとか、素直にデレるようになったとか、セックスの時乱れるようになったとか。
Mによる冷酷な折檻や調教プレイの後には、甘々のデイビッドとのセックスをドーンと何十ページにも渡って描いて欲しかったです。あの克哉がこんなに変わったのか!とか、辛い折檻もあったけど甘やかしてくれる彼氏がいて良かったな〜(T^T)萌え〜となりたかったですw
その為にも、MによるSMはもっと過酷であって欲しかった。デイビッドが横槍を入れるのが・・あんたジャマ!みたいなw デイビッドがマスターになる時もちょいちょい優しくて、冷酷になりきれてない。こらーっ!
なのに、あんなにデイビッドに迷惑かけて人生のターニングポイントを経験しておきながらまたSMの世界に戻った克哉(とデイビッド)には、開いた口が塞がらないというか。あれは彼にとってそれ程の経験でもなかったわけ?私が理解できてないだけ??
話の終わりに、デイビッドが二人の関係の終わりの予感から目を逸らすシーンは「こういう心情って誰でも経験するんだな」ととても共感してしまいました。

In These Words シリーズとしては面白かったけど、SMも甘エロも振り幅が狭かったので、萌え一個です☆

4

curiosity killed the cat

むむむむ……
コレはBLだろうか?
小説として、なかなかにスリリングで面白いとは思うけれど、BL小説として読もうとすると「こういうのじゃなくて」となってしまう。

内容は「In These Words」の精神科医・浅野克哉が、恋人のNY市警刑事のデビッドと共に「M」という男との関係に取り込まれていく話…と言っていいのかな。
「ITW」に関して、私は同人誌も勿論原書も読んでないので商業作品の情報しかない訳ですが、「ITW」ではもはや姿のないデビッドとの甘い過去などがこれまでポツポツと展開されていましたが、本作ではデビッドの本性、というかある種の真実が明かされ、その部分を利用して、いや利用してという表現でいいのかわからないけれど、克哉が自分の欠落を見極めようとする…
デビッドの過去と関係している「M」という男、そして彼の属する世界に取り込まれて変容していく克哉とデビッドの関係性がスリリングに描かれる。
「M」の世界、それはDom/Subの世界…。SMとは少し違うように思う。
支配と服従のゲームなんだけど、なぜ子供の頃の愛情の不足が克哉の中でDom/Subへの執着心に繋がるのか、なぜ苦痛が必要なのかがよくわからなかった。克哉が危険な好奇心に首を突っ込んでしまっただけの物語に見える。
そのために、デビッドが封印していた冷酷さが発現してしまったのだし、予期せぬブランディング(焼印)まで…そしてデビッドはただのマスターではなく「M」の服従者・追随者・継承者としての一面もあった訳で、そこが再び目を覚ましてしまったのだと。
ここが回り回って現在の克哉の傍にデビッドの姿が無い事に繋がってくるような気がする。
まだまだデビッドと克哉の物語は奥が深そうですね。

2

克哉がどこに向かってるのか、ちょっと分かんないです

いや、前日譚だから「どこから来たのか」が正しいんでしょうけど。

こちらですね、個人の好みと言うものを考慮せずに、シンプルに「作品」として評価するなら、すごく面白いんじゃないかと思うんですよ。
ただ、それこそ個人的に合うか合わないかで評価すると、私にはちょっと合わなかった。


で、こちら、既に完璧なレビューを上げて下さってるので、感想のみ書かせてもらおうと思います。

克哉の過去であり、ここから『In These Words』に続く物語です。
で、SM。

これな~、私は元々『In These Words』にめちゃくちゃハマってまして、その流れでこちらも購入してて。
こう、私の中では『In These Words』の方が主軸であり、この浅野先生の過去と言うのは、あくまで「過去」でしか無いんですよ。
ただ、作者さんサイドでは、どうも「浅野克哉」と言う一人の男が主軸であり、彼の人生をメインにそれぞれのストーリーなんかが存在すると言うのでしょうか・・・。

まぁそんなワケで、デビッドが出てきた時も「克哉にこんな過去があったのね!」くらいの感覚で読んでいて、あくまで攻めは篠原みたいな。
また、それでも十分面白かったのです。

が、ここに至って、なんかデビッドの比重がすごく大きいと混乱して来たと言うか。
そして、何故SM?みたいな。
オマケに「M」まで出てきた!Σ( ̄□ ̄;)みたいな。

これ、私の読み込みが浅いと言われればそうなんでしょうけど、そもそも最初の入り口である「克哉が何故SMに向かったか」と言うのが良く理解出来なくて。
読み進めると、彼の過去が関係してるんだろうとは分かってくるのです。
分かってくるんですけど、やっぱり克哉のここに至る気持ちの流れと言うのがサッパリ理解出来ない・・・。
何だろう・・・。
いきなり「SM」と言う予想もしなかった飛び道具が出てきて、しかも主人公の心理も良く理解出来ないので、全然ついていけないんですよ。
また、克哉だけでなく、デビッドも理解出来ないし。
何故、SMの世界に手引きする・・・。
て言うか、そういう世界観だったっけ?と。

いや、う~ん・・・。
この過去や経験があって、『In These Words』の克哉になったんでしょうけど。
「M」といい、すごく奥深くて、人間の深層心理を覗き込むみたいな面白さはあるんですけど。

ただ、やっぱり良く分からないし、好みか好みで無いかと言えば、個人的には好みでは無い。
すごく痛い作品でもあって、そこもまた辛いですし。

う~ん・・・。
BLと言う枠を飛び越えて、浅野克哉と言う一人の人間の人生を深く追う事に魅力を感じる方にとっては、とても面白い作品じゃ無いでしょうか。
これもまた、彼を形作る物語ですし。

7

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