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天然ぎみな”おやじ”はお好きですか?
oyaji kashimasu
おやじ受け、というものは、あまりタイプではないのですが、こちらはキュートなアラフォーさんで、とっても面白かったです(*^^*)
受け様の尚は、人たらしなモテ男の双子の弟伸の陰で、多くを望まず地味にご隠居のように生きてきたアラフォー。
伸と2人で切り盛りしている『兄弟屋』というなんでも屋に、堅気に見えない強面のお兄さんが訪れる。
それが攻め様の新堂。
新堂は、兄弟屋の裏メニュー『別れさせ屋』の依頼してきたのだけど、そちら専門の伸は入院中なので断りたいのに、ゴリ押しされて引き受けることに。
色事は専門外で、慣れないながらも新堂の協力のもと、真面目に取り組む尚。
その一生懸命ぶりがいい。
ちょっとずれていたりしてるのがまたキュート(*´ω`*)
一方、新堂は練習と称しておさわりしたり、嫉妬と独占欲がみえみえでにやにやですよ(///ω///)♪
「ポ○モンの進化並みに激変した」との新堂の言にも、内心で突っ込んでいる尚にも笑いました。
『口を口の字にくわっと開けてる新堂』なんて、イラストも相まって、何度読んでも笑える。
的確過ぎる表現だわ〜(≧▽≦)
尚に惚れて、他の男と性的接触をしてほしくない新堂と、新堂の為に頑張って結果を出したい尚。
持ち前の誠実さで依頼を遂行することができた結果もよかったです。
作戦終了のメールを尚からもらってすっ飛んできた新堂もいい。
尚からのメールを見た新堂の気持ちを思うと萌えが溢れます。
恋を掴みにいく尚と新堂のやり取りに、笑いときゅんが同時多発でした( ☆∀☆)
なんとも愉快でかわいくていいなぁ。
イラストは兼守美行先生。
表紙からコミカルさがにじんでますよね。
口を口の形にくわっと開けた新堂のイラストが、まんまで笑いを誘われます。
表情がステキでお話にぴったりでした。
便利屋ものって、様々な依頼があるから面白い!!
裏銀座通りに【おやじ貸します!兄弟屋】という看板の便利屋を設け、
39歳の双子が夜の商売人達の依頼を日々承っています。
今回裏メニューとする“別れさせ屋”に焦点が当たるわけですが
さえない方・兄の尚が、イケてる弟・伸(両足骨折で入院中)の代わりに
引き受けることになります。
依頼人は、強面で怒るとワニ目になる新堂という男で
しかも伸が作った借金100万円をチャラにしてやると言うのです。
尚はまるっきり恋愛面に疎い為無理だと最初断りますが
兄弟屋存続の危機ということで半強制的に…。
尚の誠実でお人好しで一生懸命な姿がとても好ましかったです!
さすがに七三分けの眼鏡は本当にさえないんですが
多種多様な依頼に対応すべく、手品やボイスパーカッション、
腹踊りリンボーダンスまで出来るという意外性が!w
…そして、こういうタイプの男性が乱れるのが素敵なわけですよ…!!
更に尚には、誰にも知られたくないコンプレックスもあるのでした。
新堂の怖い見た目と圧力のあるワニ目がツボったーww
鬼のような、とかじゃないんですもん、ワニwwww
兼守さんのイラストがまたぴったりで笑ってしまいました!
すっかりその風貌から893かと思いきや、
造り酒屋の専務って!!こちらも意外…。
とっつきにくいのに、どんどん尚に優しさを見せてくれて
こういう展開大好きです!!!
練習だという口実が…うくくく、じれったい!w
別れさせるなら普通はそのカップルの女性が対象ですが
バイの男性がターゲットなので
ますますドノンケの尚にはハードルが高いのです。
そこを、ゲイの新堂が手ほどきしてくれる…という
そんなに奇をてらったお話ではないかもしれませんが(すみません)
尚の想いが切なかった…!!
弟の伸の方が良いと言われ続けてきた過去、
自分には何も魅力なんてないと卑屈になっても仕方ありませんが
その自信の無さに妙に共感してしまってですね…。
自分だけだと言われるような恋がしてみたいとか、ワカル…。
ラスト、ちゃんと甘くて一途な事実が明らかになるので
「そうだったの!?」と興奮しながら読ませていただきましたw
あと、脇キャラが個性的で楽しかったです!
ゲイ向け褌イメクラ勤務の漫画家志望・笹本の言動がコミカルでしたし
セクキャバで働き若くして一児の母・茉莉沙のアドバイスが
スキンシップ、とか(それで新堂の膝に乗るw)。
新堂の知り合いのホストの接客テクに唸りました…。
ホスト怖いw行きたいとも思わないから大丈夫だけどww
作戦云々も面白かったですが
尚のメンタル面での変化が可愛かったです。39歳だけどw
“一世一代の告白”の台詞がまた尚らしくて
新堂の「あんたは一番なんかじゃない」の台詞の次も
かなりグッときました!!!
ちょいちょい切なさやほろ苦さが挟まれてときめいたので
もっと夏乃さん作品を読ませていただきたいと思います♪
題名から、どんな親父が・・・と本屋で背表紙を見てドキドキしたのですが、とっても(中身が)可愛いおじさんでした。
外見だって、七三分けだけどあまり加齢臭はしませんし、オジサマを期待すると、ちょっと違う感じです。
読んでいて39歳だってことを忘れてしまうような、ちょっと天然の・・・お兄さんとは呼べないから、やっぱりオジサンなのかしら?(笑)地味だけどとても内面が魅力的な受でした。
「便利屋『兄弟屋』の裏メニュー・別れさせ屋。尚は、双子の弟に代わってその依頼を受けることに。ところが、ターゲットは男!経験乏しく、隠居モードで過ごす尚には荷が重たい。だが、依頼者の新堂のために、依頼を達成しようと決意する。最初こそは強面で強引な新堂に怯えていたが、彼は自分に自信のない尚を認めてくれたのだから。手管を学び、男に抱かれる“練習”をして―!?」
というのが、裏表紙に書いてあるストーリー。
尚はとにかく依頼を成功させようと一生懸命なんだけど、強面で強引なはずの新堂の方が天然で鈍すぎる尚に振り回されてます。
新堂もまた魅力的です。ワニ目とか不動明王とか(笑)だけど笑うと年相応に若く見える、とか外見はもちろん、根は優しいいい男です。
そんな二人が徐々に近づいていく過程は笑いが満載、しかもほろりとくる場面もあり、読み終えて満足感があります。
他の方も書いていらっしゃいますが、奇をてらった話ではないと思いますが、その分、尚の引け目や心情に共感できるし、振り回されている新堂の実はヤキモキしている気持ちが伝わってきて、面白いのだと思います。私は面白かったです!
初読みの作家さんだったのですが、他の作品も読んでみたいと思いました。
表紙の左、飄々としたメガネが本作主人公です。
思わずにやけてしまう程、兼守先生がドンピシャと表していますが、このおとぼけ感が最初から最後までずーっとで面白かったです。
双子の弟「伸」が子供の頃からモテまくる男で、華やかな弟の陰で主人公「尚」はその真逆でマジメで地味でじっとりタイプ。
この双子が始めたのが便利屋・兄弟屋で、『おやじ貸します!』は、そのアイ・キャッチなのでした。
苦しい経営の中でも、裏仕事の“別れさせ屋”(モテ弟出動)は良い稼ぎだったのに、その弟は恨みを買って入院中、
強面で高圧な「新堂」が客で来て、許嫁とその金目当ての彼氏を別れさせろと言ってきて、それも、彼氏はバイだから(新堂リサーチ済み)たぶらかせと!
七三で年齢より老けて見える尚、人の機微や色恋に疎いのも自負しているし、ましてや童貞だ!
男を釣るなんて、絶対無理・無理ーっ!!
と、反抗しつつ「ま、減るもんじゃないから良いかな~」と仕事に前向きな(?)な尚がいまして、こうして始まった新堂と尚の二人三脚の別れさせ案件、いったいどうなってしまうかー!?
おとぼけ尚だけど、他人に対してフラットで親切なあれこれ、ずっと心に遺っている親友への後悔、母親や伸へのコンプレックス、誰にも見せられない体の秘密と、尚節で話されていきます。
そこに新堂が、別れさせ成功の為に何やかやと世話を焼きつつ、その転でドン!
楽しくて優しい話でした。
送られてきた新刊全部に先に折り込み広告のカバーをして、作者やレーターやあらすじを確認しない「闇鍋・趣向」で読み始めた本作でしたが、最後の章で夏乃先生だと確信しました。
夏乃先生は「説明が多め」という印象があって、それは好きなのですが、でも書き込んでくれた分、その先その周辺の気になるものが増えてしまうというジレンマがいつもです;
ここを入れるならこっちをもっと説明して欲しかったなとか。
説明の分量や深度が気になる(だから買う)作家さんなのです。
これはジャケ買いの期待感通り、コミカル仕立てでかわいいオヤジ受けを書いた良作でした。
前半は、無駄のない小気味いい筆致でユーモアたっぷりにオヤジのどたばたを描いてほぼ神展開。
もててしょうがないチャラい弟の陰で、優秀ながらひっそりと堅実に生きる決意をした尚を明るく描きます。まじめな上に世間知らずの尚がまきおこす勘違いの嵐に笑いが止まりません。
攻めの新堂はゲイ。こわもて、仕事にはまじめ、遊びは奔放で時折色気も出すが、好きな人には純情ワンコという、ちょっとつかみにくいキャラ。
後半、ワンコ攻めにいたずらされてどんどん普通の乙女になってしまったオヤジ受けがちょっと残念だった。前半ののりのまま緊張感が持続していれば神評価でした。
全体的には楽しめる作品でした。