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airen no ori
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
犬飼さんに小山田さんの挿絵と聞いたら購入せねば!ということで手に取ってみました。
内容をざっくりと。スミマセン、ネタバレしてます。
旭帝国という名の国の遊郭が舞台です。吉原の奥にある、陰間がいる奥吉原。そこで陰間として身を置いているのが受けの紫乃です。紫乃はオトコに興味のない男性にも知られているくらい有名な陰間なのですが、美貌だけではなくネコをしない難関不落の処女の陰間として名が知れわたっています。
その紫乃の働く吉原の近くで鬼が出没するという事件が起こります。なぜか鬼を追い払おうとする紫乃ですが、そこに軍人がたまたま居合わせ鬼と戦い紫乃を救ってくれます。
その軍人が攻めのミハイル。彼は旭帝国と同盟を結んでいるアルメルスの貴族であり、軍人です。
5年前に会ったことがあり、お互い淡い恋心を抱いていた二人。その二人が再開して…。
というお話です。
二人が出会った当時、紫乃は人間国宝である名刀匠・四代目雷斬を祖父に持ち、また自身も弱冠16歳にして祖父の後を継ぎ5代目雷斬を名乗る予定の優れた刀匠で、名は忍と名乗っていました。ミハイルは四代目に自分が持つための刀を打ってほしくて忍のいる鍛冶場に赴くのですが、四代目の不在と、予約がいっぱいであることから断られてしまいます。それでもお金を積めば何とかなるのでは、と足繁く通うのですが、そこで一心不乱に刀を打つ忍に心奪われます。
互いに惹かれあい、自身の刀は忍に打ってほしいと願うミハイルと、ミハイルの刀は自分が精進して最高の刀が打てるようになったら打ってあげたいという忍。忍に託された予約が4年先まであるので、その後に最高の刀を打つ。だから4年後に再開しようと約束するのですが。
そんな忍がなぜ紫乃と名乗り陰間をしているのか。
鬼がミハイルに似ているためにミハイルも窮地に追い込まれることもあるのですが、それはなぜなのか。
軍人でもない紫乃がなぜ鬼と戦おうとするのか。
などなど、どうなるんだろうとページをめくる手が止まりませんでした。
紫乃は陰間ですが、吉原の悲惨な感じは出ていません。それはもちろんお金で体を売るわけですから嫌なこともあると思うのですが、紫乃自身が優しく人柄が良いこと、美貌に恵まれ売れっ子であること、紫乃には負い目がありそこにいられることに感謝の気持ちを持っていることなどから奥吉原の仲間たちからもお客さんからも愛されていて、そこは少し安心しました。
特に紫乃側仕えの千景。紫乃に恋心を抱いているのだろうな、と思わせるまさに忠犬で、彼にも幸せになってほしいです。ただ、彼は元忍者という経歴を持っています。何かの伏線だったりするのかなあ、とも思うのですが。
忍と鬼の関係は忍がまだ16歳だった頃にミハイルに真実を伝えることで分かってきますが、その時のミハイルの懐の広さにきゅんときました。あとその時の小山田さんの描かれた挿し絵の忍の可愛さったらなかった。可愛いのに色っぽいって反則だよ…。そりゃミハイルもイチコロだよ、と思ってしまった。
ミハイルも約束した4年後に忍と再会できず、一生懸命忍を探したり、軍人として戦いがある時は率先して戦地に赴くなど、男気溢れるキャラでかっこよかったです。
陰間をしている忍の身請けをしたいと願うミハイルですが紫乃は首を縦に振りません。それには忍が抱えた大きな秘密が関係していて。
え~、それってどうなるの?と思わず思ってしまうような関係が鬼と忍にはあります。
途中で「これって1冊で終わるの?」と思いましたが、終わりませんw
続き物だったんですね。続き物なら続き物って書いてほしいなあっていつも思うのですが、このお話は1冊でまとめなかったからこそ奥行きのあるどっしりとした内容になっていると思いました。
ええ、首を長くして待っています。早く続きが読みたいです。
あと小山田さんの挿絵がすごく良かった。表紙で紫乃とミハイルの手に赤い紐が巻き付いてるのが何とも意味深で良かったし、折込ピンナップもカラーできれいで美しかったです。刹那的な雰囲気も良かったし、個人的にミハイルの身体の傷に激萌えしてしまいました。
旭帝国という、日本に似た架空の国のお話しです。和風ファンタジー。
吉原、備前、浅草など、日本と同じ地名も出て来ます。
このお話の中の吉原は帝都郊外の海に浮かぶ島という設定で、お客様は百間橋という石橋を渡ってやってきます。
長い橋の先に海に浮かぶ、風光明媚な色街。提灯や着物の描写もあって、なんとも艶やかで幻想的な光景が浮かびました。
そんな色街での再会愛のお話し。
攻め様は同盟国の軍人、ミハイル。
受け様は元刀匠で陰間の紫乃こと、忍。
裏表紙にあるように、紫乃は秘密を抱えているのですが、
身分を隠して生きる場所がなぜ吉原なのか。約束を果たせないのは何故なのか。
本当に残酷な運命に切なくて涙がこぼれました。
幻想的な世界観と、身を焦がすような二人の想い、そしてたくさんの謎に引き込まれました。
あまりに心を持って行かれたので、滅多につけない神評価を付けさせて頂きました。
まだまだ明かされない秘密もたくさんあります。
シリーズは続くそうなので、続きが楽しみです。
悲しい物語の残照を常に感じながらも次なる展開にワクワクと心躍ってしまう。
(※ネタバレを含みますのでご注意ください)
紫乃太夫こと忍の性そして御職太夫という彼から放たれる魔性の美、少年時代の初々しい初恋、可憐さや妖艶さと様々な姿を見せてくれる忍のダイナミズムに心奪われました。
ミハイルに憧憬にも似た恋心を抱く十六歳の天才刀匠忍は逞しくもあり、非常に可愛らしいです。
そんな忍を前に余裕をなくすアルメルス軍人のミハイル 二十四歳もまた魅力的なのです。
やがて彼らは五年後に再会を…。
忍、ミハイルとインパクトの強い二人の物語の中で、鬼、贔屓の上客、友人と様々なタスクの存在が主張しすぎることなく、絶妙なバランスで描かれており、その世界に違和感なく自然にどっぷり浸らせてくれます。
そして、子を成すという別視線からの捉え方が思いがけないものであり、とても面白いですね。
忍とミハイルを始め、登場人物達の関係性、そして物語の可能性に無限を感じさせられます。
忍という一つの命が宿った瞬間から抗えない宿命の元に生まれたもう一つの抗えない悲劇。
それが恋だったというわけで… 。
恋という抗えないエネルギー、唯一無二の存在に全身全霊で多幸感を覚えながらも何とも言えない絶望感に苛まれる。
その相反する思い、多くの謎が精緻に描かれており、より深く物語へと誘われてしまいます。
そんなわけでページを捲る勢いが緩みませんでした。
受が既に他の男性を抱いており、攻に抱かれる設定は正直、苦手でしたがそんなの途中でどうでもよくなりましたw
考える隙もないぐらい夢中になっていたのだと思います。
緻密に構成された世界背景やキャラ設定、目に浮かぶような心像風景、人外の新たな魅力、と何から何まで犬飼ののさんの創造性に感嘆いたしました。
小山田あみさんの挿絵も物語にぴったりでとても美しく、うっとりしながら何度も釘付けになってしまいます。
益々、妖艶さに磨きがかかっているように感じました。
美麗すぎる折込カラーピンナップはもう鼻血ものです(´〃`*)ただただ素晴らしいとしか言いようがありません。
続きが非常に楽しみで仕様がないのと、物語に心をすっかり奪われてしまったので神評価にさせていただきました☆
めちゃくちゃ面白かったです。早く次巻が読みたい!!
元・天才刀匠(現・人気陰間)忍と外国貴族軍人ミハイルの、刀と鬼をめぐる和風ファンタジーです。
刀匠と剣士の関係性としてもすごく萌えるし、忍が吉原の人気太夫になってからの初恋との再会も切なく引き込まれました。
そして忍の背景には、旭(きょく)帝国に突如出現した妖刀鬼という謎の存在があります。
妖刀鬼と忍とミハイルの関係性が明らかになるにつれて、これもう詰んでないか…と思い、どんな結末を迎えるのか気になってしょうがないです。
しかし、忍とミハイルのお互いを想いあう気持ちがとても強く結束の堅い所が大きな拠り所であり希望です。
BL的にこれはめちゃくちゃ大事ですよね。
犬飼さんは、キャラクターの背景をきっちり書かれているのはもちろん、相手に魅かれていく心情も丁寧に描写されるので互いを強く想う気持ちにも説得力があるなと思います。
恋情に中身を感じるというか。
なのでこのメインカプは、たとえ何年離れていようとも、受けが陰間であろうともお互いの気持ちが揺るがないだろうと思えるんですよね。
忍の相手がミハイルで良かった。
ミハイルだからこそここまで困難になっているのですが^^;
そのジレンマも良かったし、忍の抑えきれない想いまでも伝わってきました(>_<)
難しいタイトルなうえに架空の国が舞台のファンタジーですが、なんとなく近代日本っぽいしややこしい設定なども出てこないのですらすら読めました。
そして重くどっしりとした雰囲気でメインの舞台が遊郭なので、殺伐としてそうとも思ったのですが、意外にも脇役など良い人達ばかりなので読んでいてそんなに辛くはなかったです。
その優しい環境が忍の頑張りの結果として思えるのも良いですね。
これ以上犠牲者が出ませんように。最後泣いた(;_;)
この作品の中で印象的だったのは、忍(天才刀鍛冶・受け)のそこはかとなく漂う健気さ…。パッと見、やんちゃ子猫っぽいのに実は健気。そこらへんの表現が上手いな~と思いました。なんか切なくなってきます。そこにラブラブ爆発の攻め様ががぶり寄ってる感じ…素敵です。心地よく浸らせていただきました。
てか、続きものならそう言って欲しかった。(私の情報収集能力の問題か…)
ええ、待ちますとも。。。
紆余曲折はあったけれど再会出来て、互いに深く愛し愛され、その結実とさえ言える「子供」(諸手を上げて喜べる存在かどうかはまた別として)まで現れる。読み手として何も不足は無い筈なのに、どうにも切なさの消えないお話でした。
思いは通じたものの、二人が同じ空間で一緒に過ごせるようになってはいない(多分)し、ミハイルが来られない時はお客取るのかな?とかその辺もグレーだし……(取る訳ないでしょ、言わずもがなでしょ、とかだったらすみません。ただ、最後の方に、これまでもこれからも彼以外に身体は許さないと心の中で誓う描写はありますが、その後で今度は「今日から見世に出るつもりだったのに」という描写もありましたので、寝子としては引き続きお客は取らないけれど、そうじゃなければこれまで通りなのかなと疑問に思ったものでして。細かくてすみません)。しかも小毬ちゃんの、「近々…また行きますね…」で涙腺がちょっと……。「近々」って言葉が哀しくて可哀想で。二人の関係には異分子と言うか相容れない子でしたが、それでも小毬ちゃんを個人的には憎からず思っていましたので、ああなってしまった事は残念で仕方ないです。それと、小山田さんの美しい絵で彼を見てみたかったかも。きっととても可愛かったんだろうな。皆様仰いますように、絵がもう本当に美しく、素晴らしいですね。繊細で色っぽくて綺麗で、見飽きません。國沢さん、彩さん、笠井さんに続き、今度は小山田さんで来たか!という感じです。主人公達は言うまでも無く、彼らの「鬼」もまた本当に美しく、まさに魅入られそうです。
これから先自分が一番気になるのは、例の「鬼」は果たして人格みたいなものを持つのか?という点かな。犬飼さんの過去作品を照らし合わせると、眷属とはそういったものは多分持たない存在なのかもしれないですが、今作の場合は主である忍の意思に関係なく自分で行動(騒ぎ)も起こしているし、小毬ちゃんの家へ向かったのも彼の意図のようですし、彼は一体何を思っているのか、その辺が明かされるのが楽しみです。そして、離れてるのさ、がなるべく解消されたらいいなぁ。好きだからこそ一緒にはいられないっていうのが切なすぎます……。
余談ですが、この本を読んだ直後に『武士道と日本刀』という番組の中で玉鋼を初めてきちんと見ました。玉鋼が出来るまでの三日三晩に渡る炎との格闘、その中からいざ刀匠が相応しい玉鋼を選んでの鍛錬の過程、そして仕上げの研ぎと、どれも(これは確かに憑りつかれるかも…)という思いを抱かせるほど集中に集中の連続で、忍の刀造りへの気が違いそうな想いも理解出来るなぁと溜息ばかりでした。後継者不足が懸念されるそうですが、なんとか次へ、そしてまた次へと受け継いでいって欲しいものです。
2014年刊。
『紫乃太夫の初恋』と『約束の恋刀』は上下巻のような構成になっているので、この小説に興味を持ったなら二冊読む心づもりでいたほうがいいかも知れない。
当然ながら、まずこの本を読み終えた時点では散りばめられた幾つかの謎の種明かしは下巻に集中しているな、といった印象だった。
犬飼さんの書く物語に関しては、その作品ごとの世界観に嵌ればまず楽しめるだろう。
鬼の存在が鍵となるファンタジーは既にいろいろな作家の他作品でも読んでいるせいか、この本もまたか…と思ったものの、遊郭、軍人、日本刀(作中では旭日刀)、異国の想い人、身分差の恋、メロドラマを詰め込んでもごちゃごちゃせずに読ませる手腕はいつも見事だなと感じ入る。
今回は受けキャラの忍が姿を隠している奥吉原内の遊郭でタチ専門として名を馳せている点に「おっ(´・ω・)!!」と感じた。
タチからネコ(攻めから受け)に転じるキャラなのか、と期待したのだが、この辺りは犬飼さん作品で良く見かける『好きな相手を想って操を守る』健気受けの範疇を越えられないようでいて惜しかった。
最初は、忍が元刀匠という設定から幾分男臭い受けなのかと思ったのだが、綺麗とか婀娜っぽいといった表現が強調されているせいか、いつもの犬飼さん作品の受けキャラに落ち着いちゃったな…と。
がっちりした体格のミハイルと並ぶと華奢になってしまうのかも知れないが。
それでもこの物語自体には惹き付ける力が強いので、後半どうまとまるかといった期待は充分にある。
この作品、ずっと気になっていたのですけれどやっと読みました。
……『読者大サービス!』とでも言う様なお話じゃないですか!
萌え要素のてんこ盛りです。凄い。
主人公の紫乃は奥吉原(陰間の吉原です)の御職太夫。今日の客を大門まで送っていった際に、帝都を震撼させる妖刀鬼の出現に遭遇します。妖刀鬼は魂魄を体内に取り込む為に人を斬ります。
逃げ惑う人達に逆らい鬼に近づく紫乃がそこで出会うのは、同盟国の軍人であるミハイル。
妖刀を体から切り離さない限り死なない妖刀鬼にミハイルは苦戦しますが、何故か紫乃が鬼を追い払うことに成功します。
紫乃とミハイルは5年前に、若き刀匠(太刀風忍が紫乃の本当の名前です)と刀を求める剣士として出会い、互いに惹かれ合った間柄でした。
4年後にミハイルのために最高の刀を作るという約束をして別れたはずなのに、再び訪れたミハイルを待っていたのは火災で焼失した忍の鍛冶場でした。行方の知れない忍を一年間もミハイルは探していたのです。
身請けを乞うミハイルに紫乃はそれを拒みます。
紫乃は吉原に『閉じ込められていなければならない』理由があるのです。
妖刀鬼の出現は忍が作った名刀が関わっているという噂、また妖刀鬼の見た目が何故かミハイルに酷似している謎、鬼の血が混ざっている忍の哀しい運命などが明らかになる怒濤の前編。
萌え要素を羅列すると、
まず、妖刀。
そしてミハイルの白軍服に日本刀という出で立ち(これにはやられた)。
対する忍は、天才刀鍛冶で鬼のとのミックス(!)。
忍は紫乃として男花魁に身をやつしているんですけれど、ミハイルに操を立てて『抱く方』なんです。『処女太夫』っていうのが泣かせるじゃありませんか。
そんでもって、紫乃の側仕えの千景は、なんと『忍者くずれ』なんですよ。
こんな萌えしかない設定の中で『心から愛し合っているのに、忍(忍になったり紫乃になったりして申し訳ない)の出自の所為で決して幸せになれないであろう2人』の悲恋が描かれるんです。
2人が吉原の大夫と間夫として想いを通わせるシーンの、激しく美しいこと!
妖刀鬼を巡る国家的陰謀が存在する匂いも漂っていて、これ、止まりませんね。
これから読まれる方は、次巻『約束の恋刀』も併せて入手してから読み始めることをお薦めします。
何と言ってもこの作品のキモは挿絵!
もうね、小山田あみさんの絵が素晴らしく、シチュエーションが遊郭とか。
攻めのミハイルと受けの忍がね、苦難の末に、そして我慢に我慢を重ねた二人が尊い…
しかも、忍は遊郭で陰間なのに抱かれたことがないという奇跡。抱く側でずっと人気を保つ陰間って設定がまた萌。
物語は打った大太刀が人を襲う鬼に使われるという若干妖魔物だったりしますが、忍の一途さとミハイルの思い入れ、しかもミハイルは自分の祖国では同性愛は禁忌なんです。だけど二人は惹かれ合って、でも4年後に再会を誓うような純粋さもあり。
結ばれたものの、まだ謎は残されていて連作になっています。忍び崩れの千景もいいポジションなので、続刊で活躍するのか、実は陥れる側なのか。
楽しみです!