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sensei soredemo aishiteru
7つ年上の兄が、交通事故でなくなり、父と母は、植物状態の被害者の医療費のために、過労死。
一人残された「千早」は謎の親戚に 全寮制の楡の木学園に入れられた。
家族を失って 人間不信の「千早」を救ったのは 数学教師の結川だった。
ここまで読んで、「結川」氏って謎の親戚 足長おじさん?とありがちなパターンを想像してました。
「結川」氏のいる数学準備室は「千早」の憩いの場となり 二人の世界かと思っていました。
でも
そこに陸山君と柚子奈ちゃんが仲間に加わりました。人と打ち解けた「千早」はみんなの信頼を集め 生徒会長を務めるまでに。
「結川」氏への恋心以外は、すべて順調の学園生活をすこしていく。
本当に「結川」氏は先生の「鏡」でした。
でも、卒業式の前日に、「千早」と結ばれました。
ここでもまだ「結川」氏 足長おじさん?説を信じていました。
もちろん そのままでしたら「神」評価なんていたしませんでした。
急展開は 卒業式のあと。
わたくしの 貧困な想像力は一気に打ちのめされました。
「結川」氏の正体は あまりに意外でした。
陸山君と柚子奈ちゃんも一緒に過ごしていたのですから。
推理小説の犯人みたいに 説明したらつまらなくなるので いいたいけど
内緒です。
でも「結川」氏 出会いは優しくて 生徒思いのいい先生。
だけど、思った以上に 臆病でヘタレさんでした。
ここに登場する人たちは、みんな優しい人たちで 教師たちも、卒業生も
心の傷をどこかしら持つ 生徒たちにを守ろうとしていました。
ハッピーエンドにホットしました。
同時収録された、「千早」くんの先生編 は楽しく読めました
おそらく事前知識なしに読んだ方が楽しめるタイプの作品。
極力ネタバレは避けてレビューしてみますが、未読の方は閲覧にご注意下さい。
物語の主な舞台は、訳ありの子どもたちが送り込まれる、とある全寮制の学園。
高等部の生徒会長・千早(攻め)もまた、両親の死後、親戚により学園に厄介払いされた子どもであった。
そんな自分を支えてくれた数学教師・結川(受け)に恋をするが、結川は想いに応えてくれず……
浮世離れした学園の雰囲気が
少女漫画のようで、世界観としては恩田陸さんの「麦の海の果実」に近いものを感じました。
ダンスパーティの場面など特に。
そして後半に思わぬ真実が明かされ、ただのセレブ学園モノではないシリアスな物語であることが判明。
その仕掛けは確かに意表をつくものでしたが、因果関係やその後の展開が弱く、インパクト頼みに終わっている印象。
なぜ好きになったのか?
なぜそんなことが出来たのか?
なぜそのタイミングで奇跡が起きたのか?
など決め手に欠け、ご都合主義が目立ちます。
こういう展開を書きたいなら
特殊な学園設定にする必要はなかったような…。
学園のセレブな描写はない方が
不幸設定に悲壮感が出るし、恋の過程に
もっとページ数を割けたのではないかと。
脇の生徒や卒業生のエピもちょっと蛇足感がありました;
とても真面目に真面目に書かれた
「泣ける」系のお話ではありますが
手放しで絶賛するには
今一歩ストーリーの練り方が足りないかな?
というう印象でした。