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読むと気持ちが前向きになる本で、落ち込んだ時にいいかもしれません。
高校卒業の時の告白のやりなおしって感じで、リーマン同士なんですが若さを強く感じさせられました。
宝丈酒造営業・三角森 ツンデレ甘えんぼ攻め×広告会社営業・永橋友希 真面目ポジティブ受け
2人は高校の同級生同士だったが、取引先相手として再会することになる。
卒業の時にラブレターを書いたのに待ち合わせ場所に来なかった三角に、永橋は振られたと思っている。
気まずい事は気まずいが、久々の再会に永橋の胸は躍る。
もう確定済な仕事であっても、1%の望みがあるなら頑張ると永橋ははりきって。
告白での悶着で、永橋からまさかのちゃぶ台返しが見られます。
下駄箱へラブレターで、三角はもてる男──とくれば、もう展開は読めまくりです。でも、あんなことをしていたとは思ってはいませんでしたが。
寄り道してようやく道が繋がったので、それだけ相手の大事さを実感出来ていいかもしれない。
永橋への未練みえみえで素直になれずに、嫉妬飛ばしまくりな三角のことも丸わかりでした。ツン飛ばしまくりで、可愛い攻めです。
三角はちゃっかりしていて、自分達さえ幸せならそれでいいというタイプ。
それに反して永橋は、三角が好きで周りにいる皆も好き。だから、皆で幸せになりたいと言うタイプで、常に前向きな発想がとにかく気持ちよかったです。仕事に取り組む姿勢も、永橋の性格が出ていて好きでした。
2人が恋人になってからのエピソードで、永橋の友人が、両親の幸せを考えて上司の娘と結婚するか、男の恋人と新天地で仕事をはじめるかで悩んで、相談にきます。
それから、自分の悩みとして真剣に永橋も考えだします。よく考えていなかったけれど、自分達も同じ悩みを持っているんだと。
諸説あるとは思いますが、永橋らしいポジティブ解決で納得させられます。
男同士ということに、真剣に向き合っている話です。
そんな真面目な永橋に対して、三角の自己中の緩い考えも、それはそれでありだなと思えて、2人の性格の妙が楽しかったです。
高校の頃のやり直しといった感じなので、学生みたいな青臭さと子供っぽさを感じました。若さと勢いで、こういう感じもありだと思います。
エロ:★2 普通
総合:★4 このバカップル!って感じで最初から好き同士って丸わかりすぎですが、そこが可愛かったです。
表題作と続編の、中編2作品が収録されています。
どちらも永橋(受け)の目線で進んで行きます。
「雲の形が変わる前に」
永橋は、高校の卒業式で三角(攻め)に告白をしようと下駄箱に手紙を入れます(古風!)。しかし、三角に無視されて永橋は夜まで待ちぼうけ。それから互いに連絡を取ることもなくなります。仕事の相手先として再会しますが、三角は過去に触れることなくて…という話です。
「幸せの形を見つけるために」
恋人同士になった二人。幸せな気分でいた永橋に、大学時代の友人が尋ねてきます。男の恋人がいるのに、断れずに上司の娘と見合いしてしまい、どうしようかという相談でした。友人の好きなのは恋人だけど、親に男の恋人がいると言えるのか、恋人のために会社を辞められるのかという悩みを、永橋は自分に見立てて真剣に考えることにして…という話です。
題名がロマンチックですし、表紙も綺麗で、美青年な主人公かという印象だったのですが…。内容はそんな印象と全然違いました。永橋は直情径行で勝気。強気なツンデレというレベルでなく、食事に出かけた店で一徹返し(ちゃぶ台返し)をやります。家ならともかく外出先の店というのがすごいです。イラストに笑いました。友人の相談を考え込んで仕事中に上の空になる、浮気を疑った三角にビールをぶっかける、と短気でキレやすいです。そんな永橋に合わせて、表紙イラストと題名はもっとハジけた感じの方が良いかった気がしました。確かに雲を眺めもしましたが、こんなロマンチックな主人公じゃなーいって思いました。
「幸せの形」では、永橋の友人の名前が「田崎」と「野崎」で誤植があります。名前が登場する前半と後半で違うという大きい誤植で、どちらが本当の名か分からないくらいです。私のように「誰それ?」とならないようご注意ください。