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kanashii kemono
自然災害を鬼や大蛇で表現した民話のBLジャンル現代版でした。
タイトルの「哀しい獣」は、銀のことなのかな?銀は、鬼神で、獣じゃないです。
昔、僧によって岩に封じられた鬼神の銀が、山津波で壊滅した村でたった一人生き残った10才の男の子;亮を、親の代わりに町に出てずっと育てる。
或る晩、寝ている亮の枕元で、銀が誰かと会話しているのを聞いてしまう亮。
「亮が他の誰かと一緒になるまで、傍に居る」と会話しているのを聴いて、いつか、銀と別れる日が来ることと、銀は兄ではないことを知ってしまった亮。
亮が成人して勤務するレストランに、本社から派遣されてきた社員の柴田は経営者の息子で亮の従弟だった。柴田家が亮を引き取りたいと申し出てきて、亮は自分の気持ちに気づく。・・色々あって、いい具合に夫々落ち着いて終り。
★作中に、山津波の原因は「村の川を整地の為に流れを変えた為だ」と書いています。「忌地」特有の地名の土地には、災害が多いので住まないほうがいいと昔から言われていますが、主人公の家はそんな地域に有ったのかもしれません。
★「銀達は、祠を異界の入り口にしている」と言っているのも、面白かったです。
続篇を出すつもりだったのか、中途半端な終わり方でした。
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※余談
風水の話です。土石流が多い地域には「○○の方角に窓や入り口を作るな」という土地の伝承を持つ所が多いです。その伝承を知る方が、習わしに従って忌む方向の壁に窓を作らない家を建てました。土石流が久しぶりに起きた時、残ったのはその家だけだったと聞いています。
古老の話はバカに出来ないと思います。
10歳の時、山津波で両親と祖父母を亡くした亮。
事故の後、迎えに来る親族はいなかった。
亮には、目の前で、両親や家が土に埋まっていくのを見てしまった トラウマがある。誰かを失う恐怖が、兄に対する強い依存心を作り上げたのだろう。
親しい友人もつくらず、兄がどんな仕事をしてるか疑問を持たず
禁忌の関係となっても、依存を続けていた。
亮が21歳。働くレストランチェーンで柴田に出会うまで。
柴田は 亮のトラウマは知らない。
亮を死んだ従弟と重ねてかわいがった。
偶然の出会いが、亮と銀の忘れたはずの真実をあばいてしまった。
銀を追及する柴田。柴田を慕いながらも、銀を失うこと恐れる亮。
銀が絶対有利のはずの三角関係のやり取りだけど
一番の山場だと思います。
立場上強く出れない銀。攻める柴田。銀を悪く言われたくない亮だが、柴田と自分の関係を知って平静でいられない。
銀はただただ、亮を守っていた。
ワンマンに見えるけど亮へ対する愛情はせつないなぁ
亮は銀との別れを恐れてていたけど、それ以上に銀が 亮を失うのを怖がっていたんだなぁ。
山津波の跡地で、次々と記憶を思い出していく亮を
見つめている、柴田の表情が是非見てみたい。
やっぱり、真実に近づき 秘密が暴かれていくところが
スリルありますね
柴田と亮の再度の話し合いの時、大きなトラブルに巻き込まれ、
銀の正体を柴田と亮があらためて知る。
うーん 人外との恋。恩人になったとはいえ、かわいい○○と人外の関係を
なぜすんなり認められたのだろうか。