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cold heart in tokyo
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「COLD SLEEP」「COLD LIGHT」「COLD FEVER」の一連の作品からのスピンオフ。
主人公の友人である楠田正彦が本編の主人公で、スピンオフとはいえ別作品なので単体でも楽しめます。
楠田は兄とアクセサリー会社を経営していて、その広告のイメージモデルとして契約することになったが秋沢海斗という、かつての天才子役でいまは売れない俳優。この二人のお話です。続巻あり。
10年ぶりくらいに再読しました。初読当時と私の受け止め方が大きく違ったのは、この10年の間に木原先生の作品をたくさん多く読んで耐性がついていることだと思いました。
木原先生は、子供の頃から精神的に成長できていない大人子供みたいな人、そういう人に振り回される自称大人、そして、同じ言語で会話しているのに噛み合わなくてどうにも意思の疎通ができない、そういう気持ち悪さを描くことが絶妙にお上手というかお家芸というか、まあお好きなのでしょうがそれが独特の作風になっていると思います。
しかもそのシチュエーションが作品のカラーによって、不気味だったり切なかったり憐れだったり可笑しかったり、異なる仕上がりになるのも面白いと思っています。
この作品においても、秋沢海斗という大人子供のモンスターが登場します。
主人公の楠田は秋沢にひどい迷惑を被り、一方で魅了され、なりゆきで身体の関係からのおつきあいになるという、なしくずし的ではありますが仕事とは別の、二人の関係がスタートします。
楠田は俯瞰して全体を見ているようでいて、でもかなり軽率で立ち回りが上手くなく、結果として秋沢を助長しているとも言えるし、そもそも楠田自身が一件常識人ですが同じような大人子供なのかもとも思えたりする場面もありました。
二人は決してよい関係とも言えないのですが、最終的には良い感じで終わるので、大人子供の秋沢にも同情の余地があるというか、過去の環境や置かれた状況のせいで捻れているけれど、このあと少し変わっていくのかなという可能性が見えてきます。
秋沢については、初読のときはもっと嫌な男のイメージでした。もちろん今も、実際に存在していたら決して近寄りたくないタイプの人ではあるのですが、時々現れる可愛げのため、印象が違いました。
続巻でどう変わっていくか、楽しみたいと思います。
やっぱり木原先生は面白いなというのが一番の感想でした。受けか攻めか、どちらが好きになるのか、というかこいつらくっつくのか?というBLの気配が無いところからスタートするし、秋沢は人としてちょっと(二日酔いで仕事に来る、子供っぽい性格でマイペース)で楠田が呆れたり毒づいたりする内心描写が面白い!秋沢が「あっあっ」っていうヘタレ感がにやけます。横っ腹が痛くなるとか何十年ぶりに聞いたわ…笑
撮影した写真を使うなー!と脅しにきていたけど、その件はその後あっさり解決したんでしょうか?
その撮影の日も、秋沢がバーで暴れた日も事務所連絡取れないのどうなんと思いました。
好きなフリをして機嫌を取らないととなし崩しにBL展開になりますが、きっと現実的にそういう人もいるかもしれませんがちょっと運び方が強引な気がしました。
COLDシリーズスピンオフ。透の友人、楠田の話。
攻めが明らかに凡人ではなくやばすぎて、え?!となりながら読みました。
個人的には本編よりもスピンオフが好きだなとこの1冊目の時点では思っていました。
作中で登場する透がきちんとした大人の男になっていてドキドキします。本編の時よりもそれから数年経って生活している透は魅力的です。
干された天才俳優である攻めは常識を逸脱しているので苦手な方は注意。ただ木原音瀬先生の作品にしては珍しくこの1冊だけだと痛さはありません。2冊目を読めなければ心に傷はつきません!笑
でもやはり二人の人生を見届ける為にも最後まで読みたいです。ファイナルのみまだ未読の為、時間ができ次第ファイナルも読もうと思います。
COLDシリーズスピンオフ、楠田編。
そのお相手秋沢はまるで子どものように純粋な男。
でも無垢で可愛げあるプラスなかんじではなく…その素直さも悪く言えば大人なのに中身はめんどくさい子どもそのもの。
社会人としての心構えは薄く我儘言うわ機嫌が悪くなると怒るわ暴れるわ。
大人としてどうなんだ?な秋沢に振り回される楠田。
そんな二人も関係が続くうちに秋沢は楠田に懐いていきます。
無邪気に自然体で接している秋沢とは反対にあくまで【弊社のイメージモデル相手】として建前を崩さない楠田がぶれないところがこれまた良い。
だからこそ二人がくっつくような雰囲気が感じられない部分が長く逆に面白かったです。
子どものような大人の攻めに大人の対応する受けが楽しいんですよ。
本心では秋沢の印象は最悪なままっていうのも(笑)
損得を考え付き合っている。うまく扱っていくために【自分(秋沢)を愛している男】を否定せず望まない肉体関係まで進展したところで今度は快楽に足をとられてしまう楠田。
本当は先にくるべき心の好きがない分戸惑いや後ろめたさはあるが肉体が求める物凄い欲に溺れてしまう。
そんな楠田の本心など知る由もなく…無邪気に両想いだと信じて疑わない秋沢が不憫でならないのですがそこがいい。
心で繋がり合っていない、確かな結びつきがないからこそ二人の関係がとても不安定でこれからどうなるのかとても気になります。
早く続きを読まなければ!!!
藤島さんの名前を見るだけでなく…また会えて物凄く嬉しくて雄叫び上げました。
COLDシリーズ(SLEEP、LIGHT、FEVER)の透の友人・楠田のスピンオフです。
SLEEP~FEVERを読んでいなくても楽しめそうですが、透は出番が多く、藤島、同窓会カップルの黒川も出てくるので、三作品を読んでからの方がより楽しめると思います。
楠田は兄とともに立ち上げたアクセサリーブランドの専属モデルに、かつて天才子役と言われながら今は落ちぶれた俳優・秋沢海斗を採用します。カメラマンの透が引き出した秋沢の新たな魅力とアクセサリーの斬新なデザインが相まって、次第に秋沢はメディアの注目を集めるようになりますが、秋沢の子どものような自己中心さと激しい思い込みのせいで、楠田はフォローに追われます。ある時、楠田は大声で暴れる秋沢を黙らせるためにキスしてしまいます。楠田が自分を好きだと誤解した秋沢の楠田への好意はエスカレート。楠田は秋沢のトラブルによる自社のイメージダウンを避けるため、その誤解を利用し続けますが、やがて飲み込まれるように体も心も秋沢におぼれていき…。
何か突出した才能の持ち主と言うのは、秋沢のようにアンバランスなのかもしれません。その極端さや危うさが放つ光のようなものが、周りを惹きつけてしまうのでしょう。
楠田が秋沢の天才的な演技力にはまり、やがては肉体関係にもはまっていく描写がとても怖くて。相手の何か一つに強く魅せられることは、さらなる深みに向かっていく前兆なのかもしれません。
楠田が秋沢の強引な愛撫の感触を脳内で遮断しようとして、自社のアクセサリーの名前を順番に思い出す描写に笑ってしまいました。数式を思い浮かべて自分の欲望をなだめる男子のようで。
才能あるものを羨む楠田の気持ちは、私も常々感じていたことなので共感してしまいました。目指す何かを与えられていることが羨ましい。きらりと光るそれが羨ましい。
透の恋人・藤島の「透は才能か、君かと言われたら、君を選ぶと思うんだ」という言葉で、楠田は自分が透に大事にされていることに気付きます。誰かを大事にすることは、才能のあるなしよりずっと大事なこと。温かく心に沁みました。藤島の変わらない優しさにホッとします。きっと恋人の透もそうなのでしょう。
果たして秋沢が透のように楠田を大事にする日がくるのか…。人として秋沢が成長できるかが、このカップルの行く末を左右する気がします。
自分の気持ちばかり押し付けてくる秋沢ですが、最後のホタルのエピソードはキュンときました。秋沢なりに楠田を喜ばせたいと考えてはいるのですね。ただ、いつも片方だけがもう片方を支える関係は長続きしないし、何か困難が起きれば破綻するのではないでしょうか。アンバランスな秋沢を楠田が支えるアンバランスな関係。秋沢の楠田への愛情が、自己愛の延長だけではないことを祈ります。
麻生ミツ晃さんのクールなイラストが、芸能界、アクセサリー業界、物語の不穏な雰囲気にぴったりだと思いました。
先にinNEWYORKのレビューを書いてしまったんですが、好きなのでこちらも書かせて頂きます( ˘ω˘ )
嵐の前の静けさ?飴と鞭?煮え湯を飲まされる?兎に角、木原作品で甘いまま終わることはないんです(そんなことないけど)
続編が出るとわかっていたので、このまま甘い幸せハピエンなんて有り得ないよな。って思ってました。そしてそれが楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。
でも、inTOKYOだけ読めば幸せエンドなんです。
ちゃんとこれだけで読み切れるようになってますしね。普通に一冊の小説です。ノンケ同士が惹かれあって、抵抗しながらも愛し合うちょっと切ないBL小説。
なので、痛いのが苦手な方はここまで読んで自分の中で完結になさるのが宜しいかと思います。
痛いの苦手だし、痛いのも知ってるけど、続き気になるな…程度の覚悟で先へ進むと痛い目にあいますよ…痛いの見たくて行ったのに痛い目見ましたからw
よくよく考えればCOLDシリーズって時点で、甘さは地獄への布石でしかないのですよね。失念しておりました。
わたしは痛くて苦しくて楽しかったので文句なしの神評価ですヽ(。・ω・。)ノ
COLDシリーズスピンオフ。
COLDシリーズで透の良き友(話相手)だった楠田が、仕事で知り合った秋沢に振り回されていきます。
あれ?楠田ってこんな振り回されちゃうキャラだっけ?と若干の違和感を覚えつつも、ぶっ飛んだ秋沢相手じゃしかたないかーと納得。
とにかく木原さんの書くキャラはいつも個性的で作品に引き込まれてしまいます。
自分勝手でわがままな秋沢、でも弱く甘ったれなところもあってついつい冷たくしきれずにかまってしまう感じでしょうか。
ただ木原作品なのにまだ痛くない。
2巻が怖い。そしてすごく気になる(笑)
コールドシリーズのスピンオフ。もう読みたくて読みたくて仕方なかった。この作品に出てくる秋沢さんとやらが、下衆キャラランキング一位になっていたこともあり、ますますわくわくしながら読ませていただきました。
トーキョー読んだ時点では、秋沢は下衆ではないですね。むしろ、かわいい。「俺のこと絶対に絶対に裏切らない?」
とか、ワンコみたいですやん。ワンコ攻めかなーって、ここ読んでる当たりの私は思っていましたから。
ところがですねえ。次がやばい!!
スピンオフといえども関連作品なのだからCOLDシリーズをおさらいしてから読んだほうがいいのかなと思い久しぶりに再読しました。
何度読んでも重い話でせっかく再読したにもかかわらずこちらの方に手が出ず長らく積んだままにしてしました。
でも、未読でいきなりここから読もうと思う方がいても、メインシリーズの3冊については読まなくても全く支障はありませんでした。
ただ、透がカメラマンとして成功し二人が仲良く暮らしているという幸せそうな近況が垣間見られて良かったと思えて甘さ控えめな本編のおまけのようで嬉しかったです。
主人公の一人はメインシリーズの主役 透の友人でアクセサリー製造販売会社の副社長。
もう一人が俳優。天才子役として名を馳せ賞までとった経歴の俳優だが、一度監督ともめて降ろされてからパッとしない役に甘んじている。
これがまたしょうもないわがまま坊やで暴力的で空気は読まない協調性はない自己中でそばにいたらイライラするような面倒なやつです。
楠田も海斗の言動に散々振り回されながら心の中で言い返しても言葉を飲んでいましたが、あまりにも子供すぎて言っちゃうとへこましてしまいそうではっきり拒否もできないという困った性格です。
はっきり言えないって事で後々楠田が被害を被る方向にいくことになるんですけどね。
だけどそんな困った子供が役者としてモデルとしてどれほど魅力的で目の離せない存在か読んでいてよくわかりました。
お仕事系のBLは好きなので、そちらの話しも面白くて気にならなかったのですが、 7割ほどページが進んだくらいになりやっとBLのLが出てくるまで気づきませんでした。
アクセサリーブランド経営の苦労話から崎谷はるひの『純情にもほどがある』のカップルと、役に成り切るあまり入りすぎて戻れない役者の剛しいらの『顔のない男』の攻めを思い出してまた読みたくなりました。
本作とは全く関係有りませんがお勧めします。
コミカライズされた、COLD LIGHTを再読したら
読みたさウズウズがとまらずとうとうページをめくってしまいましたw
もこデスヾ(o´∀`o)ノ
まぁそもそも積んどくなっちゅー話なのですが。
さて、お話。
透の友人である楠田さんのスピンオフですね。
正直まぁ前作を読んでいなくても、単独で十分楽しめるかなというのが雑感。スピンオフといわれなければ気づかないレベルw
スピンオフだからと敬遠されている方があれば単独でもお勧めです。
兄と宝石の商売を始めた楠田。
商売も軌道に乗り、ブランドのイメージを見える形で表現してくれる人物モデルを探すことに。そこで選ばれたのが今回の攻である秋沢。
この秋沢という人物がまた曲者で・・という流れ。
いつもの流され受な展開です。
攻に関しても、やっぱりどこか壊れているというか壊滅的といいますか。
どこか癖があるのが木原色を色濃く表現してるなと思いました。
毎度の事ながら「すごい」としか言いようがない(`-д-;)ゞ
しかしながら、二人の出会いから後半結ばれるまでの紆余曲折。
決して順風満帆とは行かない二人の関係、日常がすごく上手。
あらすじを読んで思ってたのは最初から取引として「好き」といっていたのかと思っていたのですがこれもイイ意味で裏切られましたね。
そういう展開ですか。楠田さんご苦労様です(苦笑
後半は怒涛の展開。
ずっとノーマルな付き合いだった二人の関係は急展開し
自分の本音を言えないまま関係はズルズルと
そこまでは結構好きだったんですが
ヤったらヤったで気持ちよくてその後は言わずもがなな展開が
ちょっと勿体無かったかな~と私は思ってしまう。
や、気持ちよくなってしまう受は好きなの!好きなの!好きなんだけど・・
もうワンクッションなにかあっても良かったかなと。
突っ込まれて「死にたい」とつぶやいた楠田のその後すぐの切り替えの早さがちょっと乗り切れなかった。
紆余曲折でのカップリングまでが本作。
ようやく落ち着いたかに見える今回ですが
木原さんの作品だもの。きっと急直下で落とされるのでしょう。
作品トータルとしてキャラクターに気持ちが乗らないのが少々残念ではありますが、朝方まで一気に読みきってしまった作品です。
張り切って次、読ませていただきます!
兄弟揃っているのに楠田は楠田のまま。
ちょっとした違和感と思い描いていたイメージが壊れない安心感にスピンオフ作品なのを強く意識してしまいます。
軌道に乗った会社は兄のスランプによって思わぬ危機が訪れようとし、危機回避に奔走する姿は学生から社会人へ、そして自然に登場する透の思わぬ余裕も見られて、変わらず積み上げてきた月日の経過を感じました。
イメージモデルとして理想と現実の妥協点に立った秋沢海斗。
エキセントリックな人物の理解に苦しまされる事もありますが、俳優という職業が免罪符となります。
話が進むにつれその行動も正光の言うとおり、純粋過ぎるせいと思えるようになりますが、それが嘘と都合の良い言い訳ばかりでは質の悪さに好感度のアップは難しそうです。
本来、楠田に関しては良くも悪く人畜無害。
構えず、相手にも構えさせず、無理のない関係を築くのが上手い。
そんな印象でした。
ちょうどいい距離感からその先には踏み込まない淡白さを、透に関しては好意的に捉えていたのですが。
秋沢に押され続けてほだされ、狡い計算に断りきれず体の関係まで持ってしまう。
段々深みに嵌っていきながらも、楠田の内なる熱が暴走しては冷静に自問自答する。
支離滅裂になりながらも自ら距離を縮めようとしない人任せな所も見られ、言い訳でごまかしているのは楠田も同じような気がしました。
俳優という演技の才能だけでない秋沢の素の部分も大切にしたい楠田。
ただ、手放せない。
その感情の答えをようやく見つけたのか観念したのか。
子どものような睦み合いでやり過ごそうとしてもそれは目の前にある。
着地点の分からないあやふやさの中、大きな波にのまれて実感できたのはそれだけでした。
「才能」に引け目を感じている大人が、圧倒的な才能を目の当たりにしたとき、
憧れや畏敬を感じるのは当然。
自分は凡人と思っている大人が、天才を御そうとして、なんとか穏便に事を進めようとして、色々目をつぶってしまったばかりに、恋愛の道筋を間違えるお話。
木原さんお得意の(?)、言葉の通じない大きな獣に取り憑かれて振り回される人間のお話で、お話のパワーは半端ないけど、正直言って、このパターンはあんまり好きじゃない。
とりあえずどこに落ち着くのか、続きはイッキ読み。
ネタバレは皆さんがしているので、感想だけ。
木原作品としては異色でしょう。
なにより設定がおしゃれ。
華やかな世界を舞台にした、華やかな香りを持つ登場人物。主人公の兄や高久透も、華やかな人物として描かれていて、主人公の葛藤を助長していきます。なにげに社員達の役割がいいですね~!
ですが木原さんらしいと思うのは、華やかな世界が地道なものとして描かれている所です。一つ間違えば浮ついてしまう設定に付けていく説得力がすごい。
登場人物がそれぞれ骨と肉を持った人格として描かれているけれど、重くはなっていないのが、異色と思ったゆえんですが。
とはいえ木原さんお得意の、性格破綻者はやっぱり出てきます。
性格が破綻したまま、主人公と接点を持って行く流れ。あくまで少しずつ外堀を埋められるように、主人公が身動きできなくなっていくエピソードの積み重ね。
さすがと言うしかないですよね。
主人公の心の動き、流されていくさま、溺れていく様の描写も自然で、分かる分かると頷くばかり。
すっかり世界にはまり込んでしまったあたりが、ファンの弱みというか…またしてもやられた!というか…
雑誌掲載時も読んでいたので、結末は見えていますが、やっぱり一冊にまとまるとパワーがあります。
永久保存決定です。
暫く木原作品と距離をおいてましたがcoldシリーズ番外編となると久々に心踊りました。暫く距離おいて良かったと改めて実感しました。水のナイフやloopが好きな方にはたまらない一冊だと思います。海賀卓子「スタンダードレヴュー」にも通じる年下(攻)の一方的な歪んだ一途さに嫌がりながらも深みに嵌まる(受)の変化を存分に味わいました。楠田が秋沢を見付けた時から全てかそうなる様に動いてたとしか思えません!秋沢と同等かそれ以上に惹かれてるのに認める事が出来ない楠田がどういう形で溺れるのかが楽しみです。coldシリーズだしそう甘くないとは思います。痛いけど心地良い、腑に落ちる感じだったら良いなぁと期待しつつ次巻をまつのが楽しみです。チラっと黒川も登場してましたがああいう激甘カプの様でも面白いかな?と(笑)
COLDシリーズで既読なのは、本作以外は「COLD SLEEP」「COLD LIGHT」のコミカライズ版のみです。
ただ、この3冊を読む限り、登場人物は少しずつ重なり合っているものの、ストーリーは(これまでのところ)完全に独立していて、相互に影響し合う部分はなさそうな気がしています。
過去作が多いので読むのを躊躇っている方は、思い切ってこの本から読み始めてみることをお勧めします。(ただ「COLD SLEEP」~「COLD EVER」のネタバレ的内容は含まれているので、ご注意を。)
◆あらすじ◆
主人公は、楠田正彦。ジュエリーデザイナーの兄と2人で立ち上げたアクセサリーブランド「CRUX」の経営者です。
突如訪れたCRUXの経営危機を回避すべく、楠田兄弟はイメージキャラクター戦略をとりますが、イメージキャラクターに起用した俳優の秋沢海斗(24)は、ずば抜けた演技力を持ちながら、業界のタブーを冒したため(?)仕事を干されて、スポイル気味。生活も荒れている上、滑稽なほど子供じみた性格の、手に負えない男です。
それでも秋沢以外の選択肢はないと考えた楠田は、秋沢を手なずけるべく、彼に恋愛感情があるふりをします。偽りの愛情と気づかない秋沢は、楠田に夢中になり、彼に強い執着を見せ始めて――
ざっくり、こんなストーリーです。
◆レビュー◆
今のところ、あくまでも今のところですが、これまで読んだ木原作品とはちょっと異質な感触。
というのも、流れが上昇に転じるのが早い。私の知る木原作品はどれも、クライマックス寸前まで、叩きのめされる勢いでどん底が続く展開だった気がするんですが、本作の場合、すでに執着される側の楠田も秋沢に歩み寄りつつあり・・・二人の間には甘い雰囲気さえ。
しかも、CRUXの経営状態も、秋沢の俳優人生も好転中・・・と、すべてが上昇に向かってる。
なんだか運動エネルギーは高さと質量に比例するという法則を思い出してしまいます。
高さが高いほど、落下速度も大きい・・・これは落下に向かう前段階なのか?
そう疑ってしまうのは、やはりこれまで読んだ木原作品の傾向として、愛情に寸分でも打算や妥協といった感情が差し挟まれることは許されなかったように思えるので・・・
愛に付着した贅肉は容赦なく剥ぎ取り、醜い膿を絞りきって、純度100%の部分(もう血だらけ!)だけを切り取って見せる(たとえそれがカプ以外の第三者には理解しえない「愛」の形であっても)・・・これが、私が個人的に抱いている木原作品のイメージです。
仮に、そのイメージが本作にあてはまるとすれば、まだまだ贅肉だらけの2人の関係は、ザックザクに切り刻まれる余地があるのでは?そんな気がしてしまいます。
今、2人を結びつけているものは、CRUX経営者である楠田とそのブランドイメージを背負う秋沢の、一種運命共同体のような関係性、そして、楠田の秋沢の才能に対する畏敬と羨望。秋沢の側は、「絶対に裏切らない」(と信じさせている)楠田に対する信頼。
二人の愛情(楠田はまだ微妙ですが)は、その上に成り立っている気がします。
まだまだ、ぬるい。
すべてを削ぎ落してお互いを見据えた時に、果たしてそこに愛は見つかるのか・・・?
COLDシリーズを貫くコンセプトが何なのかは分かりませんが、「COLD SLEEP」「COLD LIGHT」を読む限り、やはり極限の純愛を求める作品のように思えます。
もしかしたら秋沢は、あるいは楠田も、いったん全てを失ってしまうかもしれない。
もしくは、「美しいこと」のように、執着される側(楠田)と執着する側(秋沢)が逆転する展開もあるのかも??
ただ、唯一私の中で希望ある要素は、この2人、とてもいいコンビネーションに思えることです。
この作品には、何度も、秋沢の才能に羨望と劣等感を抱く楠田の心理が描かれています。
突出した才能を持ってはいるものの人としてアンバランスな秋沢と、特別な才能はなくても人としてのバランス感覚に富み、裏方仕事が得意な楠田。
楠田には、秋沢の才能を生かす才能があるように見える――お互い支え合い、認め合える2人の関係が築かれる未来も、想像したりして。
続編「COLD HEART in NEWYORK」は来月発売ですか。
まな板の上のM(木原作品を読む時、心はいつもMです♪)になった気分で、発売日を待っています。
COLD3部作で透の友人として登場した楠田のスピンオフ。
前作の、特に3作目COLD FEVERでは重くて暴力的な描写が続く中、透の友人でよき理解者の楠田はいたって普通で常識的で善人で、もうなんというかCOLDシリーズの良心というか。おもーいストーリーの中、楠田君登場シーンがある意味癒しになってましたが、今回はそんな楠田君がメイン!もちろん透や藤島さん、あとは別スピンオフ?の「同窓会」の黒川も登場します。
お相手は、落ちぶれたw子役出身俳優の秋沢。
演技に関しては天才的だけれど、子どものころからずっと芸能界に身を置いていたたためか、基本的に世間知らずで思い込みが激しくて気に入らないことがあると手が付けられないほど暴れてしまったりする秋沢…なかなか強烈な個性の持ち主です
楠田は、役者としての秋沢の才能に惚れ込んでいきますが、恋愛感情が伴っていないのに、秋沢には自分が秋沢を(恋愛対象として)好きだと誤解させてしまう形になり、気持ちが追い付かないまま体の関係におぼれてしまうことに…
楠田が常識的だからこそ、後ろめたさを感じて葛藤します。
二人の気持ちのちぐはぐさがせつない。
特に絡みのシーン、何度も読み返してしまいます。
物語終盤、犬のように懐いて愛情を全身で向けてくる秋沢にほだされて、情もでてきたかな…というところでのto be continuedですが…
木原作品ですもの。このまま穏やかに収まることは…ないのでしょうね(笑)
続編でどんなどんでん返しと怒涛の展開が待ち受けているのかと打ち震えながらも、続きが気になってしかたありません!!
次回は今作の1か月後に発売のニューヨーク編ということですが、なぜニューヨークなのかwそして、ふたりの関係はどうなるのか…とにかく次作の発売を楽しみに待とうと思います。
木原さんの作品はまだ数を読んでませんが、読んだ中でも断トツにこの作品が好きです。数ページ読んだだけで物語に惹き込まれ、秋沢が出てきてからは更に心持ってかれました。
この作品は、COLDシリーズのスピンオフですが、ドラマCDから入って原作小説未読。前作で脇役の楠田は、人当たりの良いヘテロのイメージしかなく、まさか主人公になるとは!!驚きでした。
実を言うと、特典ペーパー欲しさに予約はしたものの、今は小説を読む習慣が無いので、買ってもタンスの肥やしになるなと思っていた矢先にコミカライズ版COLD LIGHTの書き下ろしを読んで一転。早く読みたい!!と強く意識。
やっぱりまだ小説を読む脳になって無くて、手元に届いて読み始めるまでに時間は掛かりましたが、読み始めたら小説をあまり読まない私でも容易く物語に入り込め楽しめました。二日で読み終わったのは久しぶりです(笑) 楠田と秋沢以外の人物たちも、動きや感情がよく表現されていて容易く想像できました。
秋沢は、演技とルックスだけが取り柄で、自分本位でクレイジーな言動行動に初めは唖然としましたが、なぜか憎めない。懐いた人への態度の違いも愛らしい。気性が荒く暴れている場面でさえ、だんだん可愛くなってきました。物語の半ばを過ぎても、楠田と秋沢の間にはビジネス以外の関係が無いようにみえて、そのくせ秋沢の演技には惚れ込んでる楠田は何かと秋沢の世話を焼いてて、CRUXの中の人たちの内でも秋沢からの楠田の位置付はさほど良いとは思えなかったのに、突然ペッティングまでの仲になった時は驚きました。こんなにも恋愛の過程を無視した物語があっただろうかと。気性の荒い秋沢の罵声を落ち着かせるために仕掛けた罠が、まさかこんなに上手く行くとは(笑) キス=好きと解釈するウブな一面とエロには人一倍積極的な面を見せる秋沢のギャップもまた良い。一方の楠田は哀れとしか言いようがありません。兄のスランプ脱出に必要な秋沢をどうにか繋げ止めておくためとはいえ、今までの言動行動に嫌気をさしてる相手(秋沢)に振り回されっぱなしで、仕事も忙しいのに休息も秋沢に奪い取られる始末…。本作では終盤の、秋沢の楠田への愛情表現を読む度に切なくなりました。まだ心が伴わない楠田の偽装の恋が、どんな風に動かされるのか次作がとても楽しみです。
※木原の大ファンの書評とふまえてお読みください。
めっちゃ面白かったーー。
前作のCOLD三部作は切なかったけど、今回は嘲笑しながら読みました。
共通点は攻めの性格ががらりと変わるところでしょうか。
そう、今回はせつなくないんです!全く!!!
読む前は泣く準備をしていたんですよ。でも、前作の攻め透と今回の攻めの秋沢が大暴れしてるとこからテンションが変な風にあがちゃって爆笑しました。
透と藤島のその後がちょっとでも見れて嬉しすぎます。
秋沢くんは木原のキャラに良く出てくる人格がガチで子供の奴。
そして、受けの楠田の性格がいつもはメインキャラでホモにはならないが、ホモな主人公達を見つめる第三者でした。ここが新しい。
スピンオフだから当たり前なんですけどねw
だから境遇がいつもの受けじゃなくて、苦労もなしに秋沢と相思相愛になるんですよ。
だからでしょうか、いつもと比べて文章が力んでなかったです。
木原の本を読むと感じるエゴイスト感って言えば良いんでしょうか……いつもの真綿で首を絞められているような緊縛した雰囲気が無かったです。
今回の話は何をやっても上手くいく話しですしね。
だから、秋沢の無垢な愛がストンと心に落ちてきて、最後の蛍のシーンは読んでいて心が軽くなりました。
エロシーンがこれ良いです。木原さんは新装版の秘密という小説からエロシーンがどんどん上手くなってまして、木原の本の中で一番好きなエロです。
私自身エロシーンは下品で内容も無いものだと思えて苦手でして。BLにはエロシーンなんて無い方がいいと思ってましたが、これは行けます。
私の予想では秋沢の顔が父親と全く似てないのがキーになっていきそうな気がします。
in TOKYOはこれからの不幸の前座か、それともこのまま幸せになるか、
コノハラーとして木原の小説に油断なんかするわけないいですけどwwww
雑誌で連載を追って読んでいたので、レビューに本編より先のことが多少ネタバレしているかと思います。その思い込みでないとどうしてもレビューできなかったので、すみません。
そういったことが気になる方は、どうか閲覧注意して下さると助かります。
連載時、題名が『COLD HEART 』だけで、この本が発売されるとわかって題名が『COLD HEART in TOKYO』であったので、何でなのかなとよく分からなかったのですが、どうやら前後編になっていて、後編に『COLD HEART in NEWYORK』となっていたので「おお~!」と思いました!
私は雑誌の連載終了までが収録されるかと思ったのですが、幸せいっぱいの途中までで、読み終わってびっくりの何とラブ成分に満ちた内容になっていることか!
これだけ読めば本当にちょっと「?」はつくけど、幸せいっぱいの二人じゃない!と思います。
でも、いくら甘い展開が繰り広げられようとも、忘れてはいけません!「表紙」に込められた意味を。
秋沢に関して、あの表紙が全てを物語っています…。
雑誌を読まれた方ならご存知かと思います。
そして私の様な感想を抱きはしませんでしたか?
「楠田包囲網がどんどん狭まっていっているー!!」家に上げてはダメだよ。家に寝泊りが常になるとかダメです。なんで自宅マンションの上に引っ越すのをヨシとしているの!そんなボヤボヤしてどうするの!
秋沢に少し惹かれる自分がいるからもう自業自得とするしかないの!?
雑誌だけ読んでいたら、楠田~(涙)ですが、こちらを読むと書下ろしがたくさん加えられていて、いやいやこの二人、結構いい感じじゃない、楠田も満更じゃないじゃないと少し見方は変わりました。
けれど私は秋沢が嫌いです。雑誌連載時から嫌いでした。連載が終わった頃には本当に大嫌いで、こいつには本当に本当に底辺を這いずり回るようなそんな人生を送ればいいとさえ思いました。
人生には時に自分だけではどうすることもできない大きな波にのまれることがあります。最初は気づかないのです。今の楠田のように気づかないのです。けど、楠田は感じ取っていますね、こいつは自分には手に追うことができないタイプ、裏切りは絶対に許されないタイプだと。自分さえと楠田は何とか奮闘していますね。けれど、この時点なら何とか秋沢と距離を取ることができたんじゃないでしょうか。(でもそうしたらこのお話は終わってしまいますね。)
後編が楽しみです。私の秋沢に対する印象は変わるでしょうか。作品に対する印象は変わるでしょうか。
今回、結構、透も出ています!すごい賞を取ったりと、活躍していて嬉しいです!
そして藤島さんも少し出ています。仕事が少し大変そうですね。後編の方でもう少し出番が増えると個人的に嬉しいです。
萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
信じていた相手に裏切られることがどれだけ人の心を歪ませるか。
信頼とは心を預けることも同然で、その心を踏みにじられることは自分を否定されることと同義です。
前COLDシリーズは、そんな風に存在否定され続けた二人の人間の悲痛がつぶさに描かれた衝撃作でした。
その陰惨な本編の中で、透の友人でもあり、「普通にいいヤツ」という唯一とも言うべきオアシス的存在だった楠田が主役として登場。
本作だけでも支障はありませんが、前シリーズの大まかなあらすじが分かってしまうので、できれば発売順に読んでほしいです。
さてさて、その「普通にいいヤツ」こと楠田。
彼は、本っっ当にごくごく普通の人なんですね。付け加えるなら、「才能」を持つ人間が身近に多いゆえに自分が凡庸であることをほのかにコンプレックスにしていることくらいで、作中の彼は常識的な普通の社会人として位置づけられています。そこがミソです。
真っ当な青年がなぜ男と寝るようになってしまうのか?その一連の流れと心理をひたすら追っています。
対する秋沢。
天才子役と評されながら、現在はすっかり落ちぶれた俳優です。
彼の性格付けがこれまた興味深いんですが、常識や普通の典型が楠田とするならば、そんな常識や普通が通用しない相手がまさに秋沢です。
天才的な演技力という突出した才能を持ちながら、一方で対人関係を築く能力(具体的には、相手の感情や状況を察したり、自分の感情をコントロールすること)が極端に欠けています。というか皆無に等しい。このバランスの悪さは、サヴァンもしくはそれに近いのかな?とも思えたり。
まぁ、そんな二人なのでまずもって噛み合いません。
正確に言うなら、非常識だろうが何だろうが自分の感情で動く秋沢に対し振り回されるばかりの楠田、という構図。
仕事の便宜上秋沢を切り捨てられない楠田は、撮影現場をぶち壊されようがナイフを向けられようが家に押しかけられようが頭の中に罵詈雑言が浮かぼうが、とにかく何とか自分を抑えて場を治めようと努力します。あんた偉いよ。
そんな、楠田にとっては仕事上の義理の態度が、なぜか秋沢の目には「自分を受け入れてくれる人」という風に映る。
この認識のズレがとっても不気味です。
その上、秋沢の「演技の才能」に惚れ込んだ楠田の態度が秋沢に更なる誤解を与えて、二人の関係は更に深まることになってしまう。でも根本にあるズレは大きくなる一方。
その危うさが、ほんとにほんとに怖いです。
例えるならば、まるで欠陥ある基礎の上にどんどん積み上げていく工事現場を見てるような恐怖感。この先崩れてしまうのか、それとも欠陥を孕んだまま完成してしまうのか。
倒壊の危険性を知っている楠田に対し、無邪気なまでに喜ぶ秋沢。
二人の落差に不安感を煽られます。
全体的な印象として、特異な秋沢のアクの強さが残りやすいけど、実は普通の人である楠田こそが作品の中核を担っているように感じました。
楠田の兄が秋沢について“すごく純粋な子”と表現していますが、言い換えるとそれは、相手の言葉や態度の裏が全く理解できないということ。つまり言葉のまま、態度のままを受け入れる。
秋沢の変化は、楠田の態度を素直に受け止めた結果です。
そういう意味では、秋沢は言わば楠田を映す投影機の役割を果たしているんじゃないでしょうか。
楠田が秋沢との関係性に違和感を覚えるのなら、それは楠田自身に対する違和感ともとれる。普通の人という記号でしかなかった楠田だけど、秋沢というフィルターを通して徐々に滲み出てくるのはまさに楠田という男の人間性です。
そして恐らく続編では、更に楠田が掘り下げられていくだろう期待。
そんな面白さを感じる前編でした。
とにかく、先が気になります。
帯にも載っている「俺のこと、絶対に絶対に裏切らない?」という秋沢のセリフが頭にこびり付いて離れません。
正直に言って私にはもう警鐘にしか聞こえないこの帯に加え、肩に留まった蛍が幻影を残しながら消えていくという一文が暗喩するところは何なのか。
to be continued の文字にワクワクがとまりません。(S心発動)
こんばんは~茶鬼さん!
Sっ気あるM仲間のともふみです(勝手に)
ほんとーーーにほんとーーーーに先が気になりますよね。
今か今かとどんでん返しに身構えながら読んでただけにちょっとした疲労感があったんですが、どうやらお楽しみはNYに持ち越しということで今から妄想でいっぱいです。
確かにどっちも甲乙付けがたい駄犬ですね~。
宮緒作品はBLというセーフネットがあるからある意味安心して読めるけど、木原さんはネ、何が起こるかわからないもんネ…
ところで蝙蝠はいつ日本に帰ってくるのか…
ともふみさま
こんにちは、またコメントしちゃいます。
この作品、滅茶苦茶先が気になりますよね!もう楽しくて楽しくて仕方ないです(Sは同じか^^)
楠田が本当に普通すぎるほどまっとうな人すぎて、秋沢の犬(駄犬)に思わず宮緒作品の「渇仰」を思いだしまして、、、果たして木原流はどのように?という期待でいっぱいでございます。
ともふみさんのレビューでまたまた一粒で二度おいしいグリコを味わいましたデス。
ありがとう☆
『COLD』シリーズのスピンではあるけれど、単発でも問題ない。
あちらの主人公であった透の友人、兄が立ちあげたアクセブランドを一緒にやることになった楠田が主人公。
そしてもう一人は、子役で注目され高校生で映画賞を取るほどの才能を持ちながらトラブルがきっかけで干されてうだつの上がらない(周囲から見て)役者となっている24歳の秋沢。
楠田兄のブランドの新シーズンの販売戦略でモデルとして採用することになったのがこの秋沢。
彼の性格が超とんでもないもので驚愕する事となるのだが
大人になれないまるきりの”子供”でしかない秋沢と、社会人としてまっとうな楠田がどうやってくっつくのか?
1読目は次から次へとその先が知りたくてあっという間に読み終えた1冊。
それから頭を整理してみる2読目。
そして、それを検証しながら読んでみる3読目。
きっと、この話はこれからの始まりの部分でしかないでしょう(木原作品によくある、いつもの如く?)
でも、自分の感じた彼等への印象と気持ちの想像を持ちながら、その先を考える事はとても楽しく、ここで終わった本作を物足りないと感じるよりも、想像力を引きたててくれるとてもユニークな作品として、勿論続きへの期待もなきにしもないが、
それがとても楽しい(嬉しい)作品となったのです。味わい深いというのか?
片方がとんでもない性格だからこそ、無限の可能性を見てしまうのです。
秋沢が特殊な人物でした。
天才子役としてやってきて、役に入り込んでしまってそれが抜けなくなると。
それで親とも上手くいかなくて、学校も中退してしまって。
マネージャーは父親で、父親依存の上手くいかないと自分で考えて行動することができなくてかんしゃくを起こすダダをこねるまるきりの子供。
楠田はごくごく普通の常識のある社会人でした。
様々な描写の中で、才能のある透や兄に囲まれてひょっとして裏方に徹する自分であるからそれへ羨望はなかっただろうか?
そこへ現れる秋沢。
最初は昔の子役時代のDVD。でも会ったらとんでもない人だった。
モデルだから無碍にも出来なくて、ちょっとなだめる役割を演じて。
しかし、見えてくる秋沢の本物の才能に彼はそこは好きな部分があって。
秋沢にとってマネージャーとはいえ、いつも一緒にいてくれるわけではない父親から、自分を相手にしてくれて、仕方なしにしろ気分をよくしてくれる楠田へ役割をシフトチェンジしただけでは?しかも、下半身も込みで。
ヒナの刷り込みの親役が実父から楠田に変わっただけ?と思わなくもなかったのですが、秋沢の才能を楠田はきちんと認めて評価してくれている。
他人として気を許せる、特に自分に構ってくれて自分をほめてくれて認めてくれる初めての近しい人となったから、特別なのです。
まだこの特別で秋沢にはいいと思うのです。
一方、楠田はあくまでも推測ですが、バカ犬が懐いてくるからかわいくなった。
という側面もあるかもしれないけど、それは秋沢の才能があるからこそのような気がしました。
天才というような才能ある人達が周囲にいて、もちろん秋沢もその一人なのですが、彼は自分だけを特別にして慕ってくれる。その優越感はなかっただろうか?
完全なほだされでもあるのですが、元々仕事自体がフォローという縁の下の力持ち的ものでありその手腕を発揮していたわけで、その中に天才の才能を自分が支えるという満足感もなくはないのでは?と思うのです。
だからこそ、彼等はまだまだこれから。
どういう変遷をたどって恋人として成立?成長していくのか?
このブランドの次シーズンの秋沢の写真は一体どんなものになるんだろう?
そこで見せる秋沢の成長はどんな顔なんだろう?
この話から先、将来を考えるのが楽しくて仕方ないのです。