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六華の一生を、おれに寄越せ
wagashi yori amai kyukon
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
老舗和菓子店の長男でありながら不器用さから職人を断念した六花。
再婚した母の連れ子として義父の役に立ちたかったし和菓子も大好きなのに。
六花は職人の道を挫折したことから、作家としてドラマ化されるほどの人気がでてもいつまでも自分に自信が持てない自己評価が低いまま。
そして幼馴染で今では立派な和菓子職人として工場のリーダー的存在になった石衣に想いを寄せているのに少しでもそばにい続けたいから決して知られてはいけない想いだと頑なに思っている。
個人的な偏見でありますが、京言葉の受けさまはどうしても見かけは女性的で繊細な美形、でも芯は強くて時に腹黒なキャラクターが浮かんできます。
六花の場合はそのうえ気が強く見えるけど内気で甘えん坊なところを必死で隠してるみたいなところが可愛くて、そんな幼馴染を好きすぎて手が出せない石衣の気持ちがよくわかりました。
そうなんです、この物語は両片想いです。
小学生の頃一緒に和菓子作りを学んだころからずっと。
和菓子が大好きな六花が自分の作った和菓子無しにはいられないようにしたいってどんだけ独占欲強いんだか。
読んでると和菓子が食べたくなります。
和菓子の製作工程や小説の創作方法や映画撮影の場面なども適度にあって興味深く楽しめました。
義理のお父さんのプロポーズの和菓子も石衣の想いを込めた和菓子も本当にあったら見てみたいと思うような描写で素敵なエピソードです。
前半は片想いの切ない想いを抱えて、後半は想いが成就したあとの甘え方を知らない六花がどっちもウジウジグルグル自分の中で暴走しまくることで面倒にしてしまう展開だけれど、どっしり構えたいかにも職人という風貌の石衣が何があっても最後はちゃんと受け止めてくれるということをわかるようになれば落ち着くんだろうと思います。
あ、それから六花は腹黒じゃありません。
それはむしろ担当編集の童顔な宇砂さん。
とても一生懸命で気のつく編集者ですが、可愛い角と尖った尻尾を持ってると思います。
宇砂丸出版は安泰でしょう。
近い将来同棲生活になるのかな。
六花の部屋がある離れがスイートホームに最適です。
妹の華菜ちゃんは理解ある男性と結婚するか、石衣以外の職人をお婿にしたらいい女将さんになりそうです。
和菓子屋の息子でミステリ作家の六華は、幼なじみで和菓子職人の桂心のことが好き。
ある日、桂心が妹の果菜へのプロポーズの意味を込め、新作和菓子に取り組んでいると知り…。
京都の老舗を舞台に展開される、はんなりコミカルな世界。
口の中に和菓子の優しい甘さが広がるような柔らかな読み口です。
メイン二人をとりまく、個性的な脇キャラたち―ズケズケものを言う編集者や、おっとり京言葉だけど意外と肝が座っている果菜(六華の妹)、六華の小説の大ファンであるフランス人女性―の、とぼけた味な会話劇も可笑しい。
後半、六華の小説が実写化され、
探偵コンビ(モデルはもちろん六華と桂心v)を演じる
俳優二人にもフラグが立つという展開には
かなりワクワクしました。
ただ、ちょっと脇キャラにページを割きすぎな気も?
肝心のメイン二人のキャラや、
ラブ面の描写が薄いのが少し残念。
「両片思い」のジレジレ感を楽しみたいのに、
桂心に敵対する和菓子職人の暴走や
客とのエピソードの方が前に出ていて、
ちょっと散漫な印象でした;;
六華は周囲から「俺様」などと評されているけど
具体的なエピソードに乏しくいまいちピンとこないし、
京言葉がちょっと女の子っぽすぎて今一つ萌えられない;
ほかの和菓子職人に嫌みを言われたら
チクリとやり返すシーンは絶妙に京女っぽくて面白いのに
桂心が相手だとツンが足りないというか、
はじめから乙女全開なのがBefore/Afterの変化がなく
面白味に欠ける感じはしました。
桂心は寡黙な職人気質でカッコいいけど、
そもそも六華との会話や絡むシーンが少なくて、
ちょっと影が薄いかもです;
「餡ソムリエ」の異名をとる六華が主人公だけあり
出てくる和菓子はとても美味しそうで、
全体の雰囲気は素敵な作品です。
甘い作品ですが洋菓子のようなクドイ甘さと言うより口解けも優しい和菓子の甘さ
京都を舞台にしているのではんなりした方言もハマっていてかなり楽しめます。
幼馴染同士のラブは、受けになる作家の六華の過去のこだわりが自分自身への
過小評価に繋がっていて、片思いの気持ちと家族愛が心の未消化状態に感じます。
和菓子職人の義父を持ち、自身も子供の頃から大学進学くらいまでは菓子職人を
目指して幼馴染の桂心と共に修行したがどうしても不器用で義父の跡は継げないと
消沈しながらも家族が大好きで和菓子も大好きで作家として独り立ちしても家から
離れることが出来ない。
もっとも和菓子や家族だけが理由ではなくて、攻めになる桂心と離れたくないという
思いも大きいのですが、職人になれずそれがコンプレックスになっていて、
子供時分には桂心に嫉妬心を持ってしまったと同時に憧れも抱きといった日々を送る。
そして桂心への気持ちが何なのかをはっきり自覚しながら、その気持ちを小説へ
投影させて片思いを消化しているみたいです。
六華は繊細なのか鈍感なのか、片思いの相手の感情を読み取ることが出来なくて、
かなり一人でぐるぐる誤解してしまう。
お相手の桂心も言葉足らずで朴念仁一歩手前と言うところでしょうか。
二人の恋の行くへも気になりますが作品に登場する和菓子が美味しそうで食べたくなります。
それに、六華がもし嫉妬や僻みを持ち続けて成長していたらこんな風に和菓子を
冒涜してしまうような行動に走ることもあったのかもと思わせる事件もあります。
もっとも、そんなえげつないことをするような人物ではありませんけどね。
受け視点で描かれている作品で個人的には好きなキャラで楽しめるし、
書き下ろし部分の話は六華の小説の映画化での出来事で推理モノ風になっていて、
かなり個性的な魅力あるキャラも登場しているので面白かったです。
俳優同士の恋のゆくへもかなり気になります。