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昼は清楚な婚約者、夜はケダモノ!?
noroware shachou to usotsuki hanayome
月東湊さんの書く、健気な受けが好きです。
今回の受けのレイは、美人で、女装が似合って、男らしくて、一途でした。
レイと無口な少年の睦月は、二人で除霊の仕事をしています。ある日、近衛崎海運5代目社長(雄一郎)の秘書から、仕事を頼まれます。雄一郎には、晩餐会の同伴者を頼んだことにしていますが。
呪われた家系のために、誰とも深く関わってこなかった雄一郎は、くったくなく接してくるレイに、いつしか一緒にいるとくつろいでいる自分に気付きます。
雄一郎がどんどんレイに惹かれていき、花嫁にしたいと思いだした時、二人は仲違いしてしまいます。
そして、除霊も終わり、レイは出て行ってしまいます。
思い出した子供の頃のレイとの出会いや、自分のレイへの想い…。一生懸命にレイを口説く雄一郎に萌えました。
雄一郎のために、離れようとしたレイが切なかったです。
ジロウは可哀想な最後だったけど、大満足なハッピーエンドでした。
このサイトで質問させていただき、おススメいただいた作品。
展開的にはベタだったと思いますが、その分不安を持たずにサクサク読める良作。攻めが女装のまま突入してくれたのが、個人的にGJ!最後はハピエンだし、購入して正解でした。
人ならざるものが出てくる呪いと除霊のファンタジーで女装攻めまで出てくる話。
さらにまるっきり口も聞かず無表情だけど可愛い男の子も出てきます。
作品の内容的には再会もので片思い、もしくは生きる希望を与えてくれた人への
恩返しの様相も感じられます。
受けになる近衛崎雄一郎は自分の家が代々呪われていて、近衛崎に嫁いできた女性も
使用人も呪いを受けて早世するかひどい病や怪我が続きその結果今では女性が誰も
いないという家になってしまった近衛崎家のたった一人の跡取り息子なのです。
母親を5歳でなくしその2年後には父を亡くし雄一郎は若くして祖父にかわり
家の家業を継ぐ形で社長に就任しているのですが、
呪われた家のせいで女性との付き合いは皆無ですが今後の社運にも影響が出ると思われる
女性同伴のパーティーに長年家令をしている家族同然の秘書に独断で決められた相手と
参加することになるのですが、それが攻めになるレイ。
しかし、雄一郎より身長があるのにその女装姿は完璧で男に見えない。
雄一郎は渋々婚約者の代役をレイに頼むことになり、その後も仕事上でどうしても
婚約者同伴なことが多くなり雄一郎は長期契約をレイと結ぶことにするが、
パーティーの夜にいきなりレイに犯されてしまう。
それだけ聞くとレイプから始まるのかと思いますが、全てにワケありなんです。
秘書で家令でもある榊は近衛崎家の呪いを弟同然に可愛がっている雄一郎の
幸せのためになんとかしたいという気持ちでレイにある依頼をするのです。
でもスーパーマン的な除霊が出来るタイプではなく、力はあるけれど悪霊の姿は見えない
睦月は除霊能力はないけれど見る能力が非常に高いのです。
二人でワンセットで除霊をしますが、二人共生まれ育った背景は切ないです。
それでもレイはそんなことを微塵も悟らせない程無駄に明るくキラキラ元気に
一見すると見えるのですが、そこには本人にしかわからない葛藤と苦しみもあり、
意外にシリアスなファンタジー系だと思います。
ラストの方はワンコ好きには切ない結果が待ち受けていて悲しかったですね。
主役ふたりはもちろんハッピーエンドですよ、それも結婚式までしますからね。
雄一郎は呪いが解けるけれど、レイの今後はどうなるのだろうと少し心配かな、
睦月は見えるだけだけど、何故か動物にレイが襲われている時に睦月が来ると
動物が攻撃を止める、これがどうしてなのかよくわからなかった。
表紙からしてイクメンものかと勘違いしそうな感じだけど違っていた。
代々嫁いだ花嫁に呪いがかかるという家系にまつわるオカルト要素と、それぞれにナイーブさを持つ登場人物のバランスが上手く取れている。
カップリングもひねってあって、女装は完璧で繊細な攻め×襲われる側だけど優しく包容力のある若社長という組み合わせ。
普段なら攻め受け逆のほうが私の好みなんだけどな(笑)。
ちなみにこの話は、ラブ面よりも信頼関係の味わいが強いかも知れない。
雄一郎が強引な初体験を怒っていながらも既にレイに心を許していたり、無口で訳ありの子供・睦月を気にかけたりする中で、レイ達のほうも本来屋敷に来た目的を果たす為に行動を起こしていく。
実はレイと睦月の二人は本来持っている能力のせいで辛い目にあっていたが、一緒に暮らすうちに雄一郎の優しさに救われて、近衛崎家の呪いをどうにかしたいという気持ちも持っている。
それが雄一郎にとって隠し事に映り、途中にすれ違いがおきたり、更に呪いの件では秘書の榊まで巻き込まれる羽目になり、皆が相手を想っているのに傷付いて離ればなれになりそうになるピンチもあるが…。
最後もやはり若社長の優しさで綺麗にまとまって、作者の後書き通りの未来予想図が想像できるほのぼのとした話だった。