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弟に抱いたのは愛情、そして恐怖。
dokusenyoku
この物語の結末が気になり手に取りました。いや〜すごかったです…:(;゙゚'ω゚'):
面白いストーリー展開だと思いました!
好みは分かれると思いますが、物語全体では面白かったです!
真陽の異常な執着だと思っていたし、光が痛々しくて可哀想だぁ…って思っていたのに、まさかの。
光…君の方こそ異常な執着を抱いていたのだと分かって真陽を自分と同じところまで堕としたか…。
とても恐怖を覚えました。
人間の感情は底知れない深さだと思いました!!
この2人の『幸せ』は、何なのかは2人しか分からないのだなぁ〜と思います。
物語の骨格は、兄弟モノ、執着モノですが、うまくストーリーを作られていて、読んだ後にズッシリ重みが来るという、久しぶりに読み応えというか後からじんわりくるお話でした。
オチ(というか、ネタバレしない方が良いと思う)があるのですが、あぁ、そうよね、そうだったのか、と思う訳で、その後の二人を心配してしまう壁の気持ちになりました。
何よりも、非常な執着を表に出している弟はその通りに兄に執着しているんですが、兄の方も弟に気持ちがあるので、心の底では離れたくない、そして離したくないという想いを持っているんです。でも、弟のように“素直“にはなれない。
歳上の理性なんでしょうか。ねじれてしまった想いがこういう結末になったのは幸せな事なのかもしれません。
初読み作家さん。ここに登録されてる設定が思いっきりネタバレ。見ずに読んで良かった。(ガチ兄弟が登録されているが、自分的にはそこが明かされる場面も衝撃だった)
爽やかな表紙と挿絵の本作、なのになぜか最初から不穏な空気を感じる。ところどころ伏線っぽい描写にひっかかり、徐々にモヤモヤが濃くなっていく。よく分からないけどただただ怖いという、変な感覚に。
そして徐々に弟の真陽もその狂気を増していく(監禁・凌辱要素あり)。兄の光が逃げようとするたびに、真陽の束縛が酷くなっていく。いつまで経っても物語はとある部屋の中だけで進み、二人以外の気配がない。凌辱シーンは生々しいのに、それ以外は形が曖昧で、ぽつぽつと違和感を落とされていく。
真相は少しずつ見えてくるが、その度に真陽が機嫌を損ねて邪魔してくる。光が真陽に捕らわれる恐怖に怯えるのと同調するように、読み手も真相が見えない恐怖に怯える。ここらへんは私がサイコロジカルホラーが死ぬほど苦手なので過度に恐怖を感じていたせいもあるかも。とにかく怖かった。
物語の種明かしは容赦がなかった。あれは実はこういうことだった、の連続で、あれもこれもそれもどれも覆されて、すとんと納まる。
エピローグ手前で終わっていれば、感情をぐちゃぐちゃにされた状態でスパっと切られる、ある意味美しい結末になっていたと思う。商業以外ならありそうな、行き場のない感情に困って叫びたくなるタイプの。
かといってエピローグが悪かったわけでなく、さらにもう一捻り展開がある。その前で終わるのとエピローグまで読むのとでは全く違う読後感だろう作品で、そこがとても好きだった。
逃げられるくらいなら殺してしまえ、という真陽の執着は徹底しており、最後まで変わらない。一方光は……?という結末。個人的にこれを求めていた!というツボにハマった神作品。いろんな意味で万人受けは難しいが、私は好き。
2014年刊。
買ったはいいが、どうも屈折していそうな内容だなと数年積んでいた一冊をようやく読んだ。
ええ、頑張って読みましたとも。
…で、どうだったかというと、正直言って私には全てを理解しきれませんでした…
(ノД`)・゜・。
出だしでは快活な弟・真陽と根暗な兄・光という設定だが、どこが快活なんじゃい!?と序盤から真陽の執着心は全開だった。
この話が難解だったのは、現実と過去、夢が交差する内容だった事だ。
頭の中でこの部分は現実、こっちの部分は過去、これは夢部分ってのを整頓しきれなかった、かなぁ…
でもまぁ、取り敢えず"おばけこわい"はキーワードになるのだろうか?という勘はあながち間違いではなかった…かな?
常に光の行動を監視している真陽のヤンデレぶりは、単なる謎解きどころかどことなくホラーっぽい要素もあると思う。
ちなみに、始終光を陵辱しているエロシーンの中で注目したのは排泄シーンも含まれているところ。
このシチュエーションは人によっては地雷ものな訳だが、プツンと切れた瞬間に相手にがっつりと支配される強力な描写なのだなぁ…って様子をまざまざと見せてくれたのだった。
一筋縄ではいかない複雑な話だが、真相まで理解出来たら一気に萌々か神評価に跳ね上がる位、ひねりのある内容だと思う。
本音を言えば、自分もこの話を理解しきって仄暗い世界観に感じ入りたかった。
難解なヤンデレ攻めを探している姐さん、頑張って読んで下さい!!
禁断の兄弟愛が読みたくて、色々検索してあれこれと覗き見をした挙げ句に選んで買ったこの本。
よかった……!
もうすごくよかった!!
神としか言いようがないと心の底から思いました。私は、非の打ち所のない完璧な名作だと思いました。
他の方もレビューしておられる通り、ネタバレを読まずに読んでほしいこの本。
私は、ネタバレにならない程度のレビューを軽く読んでしまいましたが、でも実際に読んで、それも読まないでおけばよかったと後悔しました。その方が絶対楽しめた。
なのでこれから読まれる方は、レビューもあまり読まない方がよいのではないかと思います。
とはいえ、読んでから「こんなはずじゃなかった」を防ぐための注意点は下記の二点。
・ミステリー展開であること。
義理の兄弟が、恋人として共に暮らしているところから始まるのですが、兄(受け)はいつも悪夢を見る。その悪夢は一体何を示しているのか……?というミステリー展開。とはいえ、BLにミステリーは不要、と思われる方もご安心を!ラブ要素はしっかりあるし、しかし同時にミステリー要素もかなり面白い。ラストにすべてが収まる。とても満足感が高いです。
・執着攻めによるエロと萌え。
最初のうちはラブラブなんですけど、受けが謎解きをし始めると同時に、段々と攻めが執着愛を拗らせていくので、愛ゆえの無理矢理展開は嫌いじゃないよという方にはオススメ。執着攻め萌えです。また弟×兄というカップリングの醍醐味である、受けを肉体的に支配しているくせに精神的に縋り付く攻め、というのも楽しめます。
そのくらいでしょうか。
もう、冒頭からラストまでしっかり楽しませもらいました。
終わり方も、私は弟(攻め)がもっとトチ狂った救いのないメリーバッドエンドも好きですが、このラストがやっぱり一番いいと思う。
こういう作品に「神」評価を付けるために、私は今まで安易に神評価を下さずに来たんだよ……!と自己肯定できた作品です。
「凄い話」という噂を小耳に挟んで購入。
結果は「うん、凄かった」。
これ、ネタバレしちゃうとダメなお話なんで……
人に勧めたくなるお話なんですよ。
でも、どう勧めれば良いのかが難しいんですよね。
あとね、上記『設定』は忘れて読んだ方が面白いと思います。
決して『ファンタジー』ではない。
とりあえず言えることは『執着もの』が大好物な方は「読んで損はないんじゃないかな?」ということ。
あと『不条理』がお好きな方や『精神世界』にご興味のある方。
ひょっとしたら『謎解き系のミステリ』がお好きな方も楽しめると思います。
2人暮らしの兄弟の何気ない日常から始まるのですけれども、話はどんどん「あれ?」という方向に進んで行きます。起きるはずのないことが起きるんですね。
「?」に引きずり回されて、色々想像した挙げ句「あー……そういうことかぁ(絶句)」で終わるお話。
幸せたっぷりのお話を期待する時には避けた方が良いと思います。
でも、散らばった不思議が「カチッ」と合った感覚は気持ちが良いというか……うん、やっぱり「凄い」っていう感じ。
初読み作家さん。
ガチ兄弟モノが好物だから手に取りました。
以下、ネタバレしています。
実弟である真陽の愛情から逃げようとして交通事故に遭い
病院のベッド上で1ヶ月間ほど眠り続ける光。
冒頭から続くのは、その光が見ている夢の内容で
光の過去の記憶と願望とが入り混じったもの。
夢の中では実弟の真陽は義弟で、光とは恋人同士でもある。
仕事の都合で遠くに住む両親と離れて2人だけでマンションに暮らし、甘く幸せな日々を過ごしている。
けれど穏やかな日常は光が頻繁に見る悪夢と同じものへとやがて変化していき
光は真陽に無理矢理に犯されたり、軟禁・監禁されたりするようになる。
脱出を試みようとしても何故か失敗して、どうしても真陽からは逃がれることができずにいる。
そして、逃げようとすればするほど真陽に酷く犯されるようになり・・・・
そんな夢の中では、真陽の昏く歪んだ愛情が怖い。
幼少時から天真爛漫で誰からも愛されてきた真陽は
自分を抱いてマンションから投身自殺した母を亡くした時から光への愛情を深め
父や従兄弟が異様に思うほどの激しい執着を見せるようになっていく。
一方、母に顧みられず友達もおらず常に独りぼっちだった光は
今も昔も真陽だけを愛しているのだが、表面上では真陽からの愛情を拒絶し続けている。
そんな2人の関係が動くラストでは、愛について考えさせられる。
真陽に対する想いを認めることで、真陽をがんじがらめにして自分の望みを叶える光。
光にとって真陽は幼い頃から唯一無二の存在で世界のすべてだったから
真陽に抱かれるだけでは傍にいるだけでは満たされなくて
殺してでも手に入れたいと思ってもらえて初めて愛されていることが実感できる・・・・
光の愛情は静かに激しくて静かに熱くて底の見えない深さがあって昏い。
歪んでいて重たくて怖い。
でも、そんな昏さが、ガチ兄弟という設定にはピタリとはまっているように思える。
サスペンス調で謎めいた内容は、最後まで飽きずにドキドキしながら読めるし後味も悪くないけれど
エッチシーンが私的には過多なのと無理矢理エッチの内容が好みではなかったことで
評価は中立とさせていただきました。
兄弟ものですが、設定が変わっていて最後まで楽しめました。
非常~に好き嫌いが別れそうな作品…最初から最後まで含めて、なのですが、あとがきを読んだ限り作者さまはそれも承知で書かれてるのかな~という印象でした。
この作者さんの本は初めて読んだのですが、救いようのないくらいドロドロした話だったので、普段は明るめのお話を書かれる方だと知って驚きです。
設定が不思議で謎に満ちている分、ラストまでの展開が物足りなくてそこが少し残念でした。
光は6歳離れた大学生の弟・真陽とマンションで二人暮らし。
兄弟だけど恋人同士、という兄弟もので最初から恋人というのは珍しいなあと思いました。てことは恋人になるまでのあれこれや葛藤は見られないのかな?と思ったのですが…この二人はすんなり仲のよい恋人とも違う感じです。
光はフリーで校正のお仕事をしていてマンションからは外に出ません。ですが、次第に長く続けているはずのこの生活に疑問を持ちはじめます。
何か真陽は隠し事があるのでは…と疑い始めた光は、真相を探ろうとしたところ真陽に拘束されマンションに監禁されるという冒頭の幸福感とは一転したドロドロした展開に。
なんとなく謎の裏側は見えているのですが、それでも答が知りたくてつい駆け足に読んでしまいました。
結果的には予想した以上に複雑な真相が待っていて驚き。
弟の執着心が見たことないくらい強いのですが、いわゆる普通の監禁ものとは違う奇妙さが引き立っていて面白いです。
でも中盤から監禁状態になったあとがあっという間で物足りないかな?と思いました。
BLですが、普通の恋愛部分のようなものはほとんどなく、謎を読んでいく読物風です。
なのでラブストーリーが読みたい!てかたむきではないかも。
兄弟ものとしても、仲がよいを通り越してぞっとするくらいの執着心です。
兄を逃がさないためにあの手この手で殺す方法まで考えてるいる弟です。
兄弟ものが好きなかたでも読み手を選ぶかも。
真陽の存在が初めからふわふわしていたのと、いろんな出来事を経て好きになっていくという過程が一切なかったので萌としてはどうかなあという感じでした。
執着ものとしてこれ以上のハッピーエンドはないのでは、というラストです。
いわゆる普通のハッピーエンドとは違いますが、このエンドありきで書いたお話だというので、いろいろ腑に落ちない所があるにはあるのですが完成度の高いお話だと思います。面白かったです。
ただし、明るい兄弟ものが読みたい方や、ほの暗いラストが苦手な方はご注意です。(本人たちは幸せですが)
ここまでやってくれる兄弟ものは自分は結構嫌いではありません。好きすぎて殺そうとするというのも(個人的には)ありなのかな・・・と思ってしまいました。
そうきたかーーーー、と思わず叫びました。
この作品を一言で表すなら、「執着」「偏愛」になると思います。
兄の光は絶対かわいそうな立場だと思っていたのに・・・
見事に裏切られてしまいました。
この手の物語を読むのは初めてでしたが、すっかりハマってしまいました。
この夢は今、誰の中の夢なのか・・・正直混乱しっぱなしでしたが
最後の5ページくらいから、最後の挿絵はセットで恐ろしいです。
もちろん、いい意味です。
作品の中にちりばめられているもの、全て伏線でした。
とても面白かったので、このような作風にもチャレンジしていこうと思いました。
ただ、萌かと言われると、私的にはそうではなかったので★二つです。
デビュー作から拝見させていただいていて、色々な作風を見せてくれていますが、
今回は一転、かなりシリアスでミステリアスなお話でした。
表紙が田倉トヲルさんですが、とても惹かれる雰囲気のイラストです。
このお話、追ってしまうと壮大なネタバレになってしまうので中身にはあまり触れない方がよいのかと。
原稿の校閲をフリーランスで仕事している光が主人公。
彼の夢で物語が始まります。
それは、男に犯される夢・・・悪夢と言っています。
では彼はノンケなのかと思いきや、同居している弟・真陽と恋人の関係でありセックスをするシーンもあります。
そこで覚える違和感。
そして彼が校閲する原稿の内容や、彼の過去が間に挟み込まれながら
あれ?何故?どうして?
それまで甘い二人だったはずなのに光が外へ出ようとすると豹変する真陽は光を監禁し犯します。
一体二人に、光に何があるのでしょうか。
兄弟の禁忌の物語でした。
弟の執着愛もありながら、兄がそれから逃げているようでいて実は兄も執着を持っていた。
禁忌の関係を見せるための新たな取り組みかと思います。
ただ、全ての謎が解けた後そこに残るのは複雑な心境。
過去が全てを物語る・・・そんな手法をとったのかもしれませんが、断片としての登場なのでそこへ突然強く訴える「執着」に違和感を覚えました。
萌えはないのですが、挑戦をした作者さんへの評価になります。