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好きになってしまったことが、俺の罪なのかもしれない。
1巻でこれでもかってほど泣いたのに
結局今回も号泣でした・゜・(ノД`)・゜・ボロ泣きすぎて
お笑い番組みても泣いてしまう。大丈夫かワシ・・・・
てなわけで第二巻であります。
正直、この緑の王。
ひどいことされて「嫌いだ!恨んでやる!」と言ったそばから
結局、青にも馴れ馴れしくほのぼのしてしまうその切り返しはどーよと思ってしまうわけなのだが、そんなことを吹っ飛ばすくらいのスペクタクルでありました。
有難うございます。
前作で、妹を亡くし、緑の王となったセージ。
王となってそうそう持ち上がった問題は、緑の国である西の民が盛大な疫病で苦しんでいるという。その疫病の打開のために立ち上がるのだが~から始まるお話。
もちろん、恋愛篇突入なのでありますが
これがまた切ないのです。
あんなにひどくされて、恨んで恨んで死んでしまえばいいと思っていた相手を
自分は愛してしまったということに気づくセージ。
他の女には優しい顔をみせ、優しい言葉をかけ、優しく触れる。
自分には冷たい態度、言葉しかくれないのに
サラが「青にポンポンしてもらいなよ」なシーン。
思わずセージの気持ちに乗っかってしばらく読み進めなかった。
そこから話は二転三転し、青の過去と現在。
複雑に入り組んだ仕組みが次々と解き明かされていく。
そして疫病の根底。
どうしてこうなった・・・の連鎖がものすごく切ない。
過去が紐解かれていくなかで、青が抱えていたものを知り
妹がどう立ち回っていたのかを知る。
王の禁忌に隠された過去と真実と。
全てを知ったセージが最後に出した答え
個人的には、もう妹のことは諦めなさいよと
思ってしまうのだけれど、やっぱりそうじゃないのかな~
待ち続けていた相手を失うことを覚悟での青の最後の言葉もまた涙を誘う。
3巻発売の月末(ハッピーエンド)まで待ち続けるのが辛い。
BL小説のレビューの冒頭にこんなことを書いてしまうのもなんなのですが、人生で大切なものはLOVE(友愛とか肉親に対する愛情も含んでいます)だけではないと思うのですよ。
「じゃあLOVE以外の大切なものって何だ?」って言ったら、それは人によって違う。
その『大切なもの』を守ったり、貫いて行こうとした時に、自分の身に余ることをしなければならなかったとしたら、そこに齟齬が生まれます。
だから葛藤します。
前巻で図らずも緑の王になってしまったセージはまさにこれ。
まさかこんな展開になるとは。
王の話ですから、確かにどういう統治をしていくかが書かれると思ってはいましたが、テーマが骨太だよ。たかだか20歳前後の主人公なのに(ごめん)この状況はかなりしんどそう。
セージの領土はただでさえ痩せた国土なのに疫病が流行っちゃうんですよ。
一番簡単なのはその地域を封鎖して隔離することなんですけれど。
でも、民族的差別がある地域でそれをやってしまうと、これからの統治がしづらくなる。
それだけじゃなくて、セージはそれをやりたくないのです。
だってセージ自体が被差別民族で、奴隷だったんですもの。
彼は『名誉白人(この言葉がぴったりなのかはちょっと疑問がありますが)』的なものになってしまうことが出来ない子なのよ。
そして何と言っても「殺したくない」。
妹と2人だけの世界に生きていて妹のことしか考えられなかったセージの社会が、王宮で大切な人が増えることによって広がっていく。そして、周りが望む者に変わっていく様に激しく共感しました。
そうなのよ、人はこんな感じで大人になって行くと思うんですよね。
ただね、セージのこの頑張りに自暴自棄感が否めないのが辛い。
大切な妹を助ける方法は相変わらず解らず、恋を自覚した青の王への想いも告げられず、強大な力(彼の力はかなりチートですよ)を持っていても全然思う様にならないんですよ。むしろ力は彼をより孤独にし、危険な方に追いやっているようにすら見える。
結局は「いつ死んでもいいから」頑張っちゃっている様に見えます。
青の王がいけずな理由が徐々に解ってきましたよ。
ああ、こっちも肉親(弟)への愛情がらみか!
彼が王になる前に、盛大な四角関係(絡んでいるのは5人なんだけど)があった模様です。まだ全貌は解らないのですけれども。
その余波でLOVE関係でもセージはとても可愛そうなことになっております。
もう「次どうなるの?次は?」状態で、読むのが止められません。
時間軸が飛んだり、登場人物やその役職名が横文字で結構読みづらいのです。ストーリーも含めてストレスが多いお話だと思うのですけれど、それなのに止まらない。
これはヤバい。
電子書籍で3巻一気読み。
1巻で緑の王を受け継いだ妹ヒソクが亡くなり、
その手に緑のティンクチャーが現れ王となったセージ。
西方の疫病の最中に出かけていき、一方過去に飛ぶ……
物語は怒涛の展開を見せるのだが、電子で読んだせいもあってか
2巻だけの感想を区別して述べることが難しい。
ということで、ここではどうでもいい覚書を。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
このお話、人名がその国の色と直結しているのがわかりやすくて面白い。
まず5人の王の名前は、5種類の原色のティンクチャーから取られている。
アジュールは青色、ギュールズは赤色、パーピュアは紫色、
ヴァートは緑色、セーブルは黒色というのは、そのままズバリ。
面白いのは青の王が即位する以前の名前のアージェント(Argent)。
銀?なぜ?と思って調べてみたら、銀色を表すティンクチャーなのだ。
もう一つの金属色 (metals) のティンクチャーの金は、なんとオーア!
ところで、この『ティンクチャー(Tincture)』とは何か。
作中では肌に現れる「徴」を指して使われているが、
現在ではアルコールで抽出したハーブエキスを指すことが多い。
原語の意味は、色合い、染色とあるが、
上記の原色のティンクチャーというのは、
中世ヨーロッパの紋章に使われていた色のこと。
(この紋章の本来の意義は、鋼鉄製の兜を被っていてもで誰であるかを
識別するためのものであった為、遠くからでも判別できるように、
紋章に使用できる色にはルールがあり非常に限定されていた。)
また錬金術の文脈でのティンクチャーとは、
霊的原理(非物理的本質)としての意味合いを持っている。
以下、
主人公のセージは青磁で、その妹は青磁の色ヒソク(秘色)。
シアン(cyan)、ルリ(瑠璃)、テンラン(天藍)、
エールっていうのは、フランス語のAir(空)だろう。
ブロイスィッシュブラウのブラウ(Blau)はドイツ語の青。
ウィロウ(Willow)は植物の柳だから緑っていうことなのかな?
同じく植物系で、ガゾン(gazon)はフランス語で芝生。
最初グリニッジははて……と思ったが、綴りを考えて納得、
Greenwichですね!
マラカイト(malachite)は、緑色の孔雀石のことで、
チャイブ(Chives)は野菜(西洋アサツキ)です。
ウィスタリア(wistaria)は藤および藤色のこと。
カーマイン(carmine)は赤い色の名前。
あとは誰がいましたっけ?
ソーサラー(Sorcerer魔法使い)やスクワルのように
色と関係なさそうな名前もあるんですが……
他にも思いつきましたら追加します。
緑の王として即位した受が、自分の統治する西方で発生した疫病事件について東奔西走する話がメインでした。
相変わらず恋愛色は激薄味のおかゆ状態なんですが、内容はなんとも面白い。
ですが、前回わかりにくいと書いた、過去と現在の書き分けは更にわかりにくくなり、何だかもう頭がこんがらがって何度もページを遡る始末。
ずっと受がタイムトラベル状態になっていて、時間軸がさっぱり分からなくなって混乱しました。
作者の中では描けているであろう世界が、読者には見えづらい。
その辺の描写が非常に不親切な上、文章表現が巧みとは言い難い作家さんなので、ところどころ誰が喋ったセリフなのか分からない、誰の行動なのかが分からない、という致命的な部分もいくつか。
章ごとに場面転換するわけでもなく、次の行からいきなり過去に行ってたり、現在に戻ってたり、おまけに1人称なのに誰の視点なのかすらもわからなくなってしまったり。
1人称で書くには力不足と言わざるを得ません。
ただ、それを我慢してでも読みたいと思わせる勢いがあります。
ぐいぐい引きつけてくるので、先が気になって仕方がないんですよね。
そしてついに疫病の原因を突き止めたんですが、そこでまさかの展開。
えええぇぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇええええぇぇぇ!?
と思わず叫びました。
そう来る? そう来ちゃう? え、え、嘘って言って、私結構このキャラ好きだったんですけど!? のまさかの裏切りです。
この男が裏切るだなんて、誰が想像したでしょう……衝撃的すぎて、どうせ敵を欺くにはまずは味方から、な展開なんでしょ、うふふと思ったものの、ガチで裏切りでした。
受と同様、かなりのショックを受けながら読み進めると、気がつけば受と青の王との恋愛話になっていて、あれれれれ……?
タイムトラベルの絡繰りについては、詰めが甘い為か矛盾も生じていてツッコミ所満載な感じではあるのですが、その辺に目をつむったら楽しく読めます。
今回の巻は受の気持ちがフラフラすぎて、何だか少し青の王が不憫にも思えるのですが、受の年齢と境遇を考えると、それも仕方のないことなのかもと思いました。
赤の王の存在については完全に空気になっちゃったので、恋のトライアングルを楽しむまでもなく、ただの当て馬終了ということで良さそうですね……。
次回で決着がつくの? というくらい色々と拗れてますが、どんな結末か楽しみにしながら3巻に突入したいと思います。
3巻いっぺんに読みたいなとつくづく思います。
連載時に追いかけていらした方は、ひとつひとつの展開に一喜一憂、呆然としたり悶え転がったり、様々だったのではないでしょうか。
伏線やその回収が四方八方に散らばっているので、2巻を読みながら1巻を引っ張り出してその都度読み返し…を繰り返しました。そして「これは3巻でわかるかな」という部分もあり、一度だけでは気が付かない点もたくさんあります。
読者を惹きつける設定を創るその力は素晴らしいと感じます。繰り返されるタイムリープ、神の力、変えられる未来そして過去。SF好きの好みをぐんぐん突かれます。
1巻もでしたが、やはりこの『5人の王』の設定や登場人物、また特に主人公セージ(ヴァート王)のことを好きになれないと読み切れないと感じます。
2巻になり、ますますセージのセージらしい面(こう!と決めたらそこへ向かってまっしぐら、そして作者さまも仰られているようにシスコン・笑)が際立っています。また幼い王であり、心も体も未成熟であることは時折引っかかります。
特に、側近グリニッジと関係を持ったときです。うわああグリニッジとまで致してしまうのか…と頭を抱えました。心が弱っていたとしても、縋りたかったとしても、それはいいのかと…。
ギルのことはなんだったんだーとか、セージ自身も思っていましたがこのグリニッジとの繋がりにジェントを重ねていて、1巻でジェントにギルを重ねて致した時となんら変わらんではないかーとか…。(CP固定主義ではない私でもそう感じたのです)
繋がったことによってグリニッジに緑のティンクチャーが浮き上がることが重要なキーになる、それが追々分かるからこそまだ…まだ受け入れられますが、やはりセージはこういうところが幼いです。
あと賊の目の前にほいほい出て行っちゃうところ。いくら緑の王でも、西方の民には幼い君の姿は逆効果だよ! と読みながら突っ込んでしまいます。
でもセージの持つ魅力が、彼を信じたくなり、彼を応援したくなる気持ちを駆り立てます。
奴隷制度を廃止したい、水路を整え土地と民を豊かにしたい、懺悔でもあるけれど尽くそうとする。そういった『考えに固まらない、新しい王でありまだ若いからこその勢いと行動力』はいいところです。
彼は周りの人間に恵まれていますね。ウィロウしかり、ガゾンしかり。ジェントにギルにパーピュア、そしてヒソクも。セージの無垢で献身的な面が、誰しもを惹きつけるのでしょう。
巻末、死を与えるためにセージを抱くジェントの心にはなにが灯っているのでしょうか。好意がなければできない多々のこと。でもジェントがいまだセージに何を想っているのか、愛なのか恋なのかそれともただの興味か遊びかはたまた別のものか、明確なことが分かりません。
端々に見える優しさは、過去のあの少女・ヒソクに恋をしたからかなのか…うーん。セージの耳を塞いで、なにを口にしたのか…。
以下、諸々のこと
◆ジェントはどの時点で、過去の少女ヒソク≒セージであることに気が付けたのか
◆グリニッジはずっとセージ憎む対象とし、抱き、見ていたのか
裏切りだった展開は本当に哀しかった…
◆ヒソクが言う『さいご』とは、生の終わりの最期のことか
◆1巻中盤、西方制圧から帰還したジェントは「ヒソク」と出会ったのちに青の宮殿でヒソク(セージ)を抱いたのはキーになる?
◆タイムリープが繰り返され興味深いが、時系列が混乱する
◆ルリのしたことがあまりに大きすぎる
エールがルリを罰から守ろうとする意図は分かれど、ジェントに憤りはなかったのか。
愛する弟エールが望んだから? ルリがエールの為を思いすぎてしてしまったことだから? ルリもまた同様に大切だったから…?
◆ジェントが孤独な王である理由はなにより、彼ら4人(ジェント・エール・ルリ・シアン)が幸せに楽しくあった頃を覚えているのがたったひとり、ジェントだけであるから?
孤独だと思う。誰かと分け合いたい記憶も、彼はひとりで昇華するしかない。
愛するエールに纏わる喜び怒り悲しみそして懐かしさ、誰も覚えていない…
理解してもらえない。ひとりで抱えるしかない、そしてそれを戒めにしているのでは
◆前回レビューでも書いたが、『声』に合わせて口を動かしているのかそれとも本当にセージ自身の声なのか…結局のところどっち?(笑)
薬処方されたときの長らく声を出していない云々は違うもの、かな
◆まさかジェントの今までの数々の言動や行動は、過去へ飛んで記憶がおぼろげな頃のセージが話したことをなぞった…? 星の話含め?
◆ガゾンとの関係をお互いにくだけるようにしたかったのは、シアンとジェントのような関係を間近で見ていたからか
「緑の宮殿にはもう、俺を叱ってくれる者はひとりもいない」の一文は胸にのしかかる
◆グリニッジの刑執行を伸ばそうとする、勘のようなものとは
◆王そろい踏みのはずのファウンテンでのワンシーンでなぜにギルのセリフ等々が無いのか
わざと外しているのか、それとも再編集によって切られたのか、はたまたもうこの話はジェントとセージのふたりで進めるべく、そうなったのか…。予感はしていた、キャラクター紹介にギルが居ない時点で…
◆ジェントはシアンに「15,6までヒソクは死なない」と言っているから、一度目の前でヒソクが死んでいるはず。これはおそらく3巻
◆王の子供が必ずしも次王になるわけではない=女性を后として迎える必要がない。これがなによりいい、王宮BLで必ずぶち当たる壁はない!
それぞれの運命の建設者となるべく、彼らが向かう先はどこなのだろう。