5人の王 1 初回限定版小冊子

5nin no ou

5人の王 1 初回限定版小冊子
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
33
評価数
7
平均
4.7 / 5
神率
71.4%
著者
 
イラスト
 
媒体
特典
出版社
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
5人の王(1)

商品説明

原作の恵庭先生の書き下ろし小説を収録した32P大ボリューム小冊子
(出版社より)

レビュー投稿数2

ボリューム満点の、満足度の高い小冊子でした

「5人の王(1)」の初回限定版についてくる小冊子ですが、有償特典です。
小冊子がついていない「通常版」は676円+税、小冊子のついてくる「初回限定版小冊子付き」のものは 850円+税なので、正味190円弱くらいでしょうか。個人的にはこの小冊子付きの限定版をお勧めしたい!

タイトルは『目には見えない青い星』。コミックについてくる特典ですが、この小冊子の内容はコミックではなく原作の恵庭先生が書き下ろした小説です。
内容をざっくりと。スミマセン、ネタバレしてます。


まだセージがヒソクと暮らしていた頃。二人で夜空を見ながらヒソクが「青い星が見える」とセージに伝えます。ヒソクと異なり特別な力を持たないセージにはその青い星は見えないのですが、嬉しそうなヒソクを見て「じゃああれはヒソクの星だね」と話を合わせてあげます。
そんなセージに、ヒソクは「大切なものすべてをヒソクにくれるセージは何も持っていないから、その青い星はセージにあげる」というやり取りをします。

時系列が現在に変わり、青の王につかえているセージ。
字も満足に読めないセージですが、星は好きでその日もこっそり抜け出して夜空を見ているセージですが、そこへシャーが現れます。相変わらずセージに辛辣な態度をとるシャーですが、セージは「青い星」についてシャーに尋ねると彼は「青い星」を知っていて…。かつては「赤い星」と言われていたと教えてくれます。

後半はセージと赤の王とのストーリーに。二人の可愛らしい恋心が垣間見れるほのぼのとしたお話でした。

「青い星」と「赤い星」。
どちらもセージには見ることはできませんが、この星とセージを軸にヒソク、シャー、赤の王へとストーリー展開していくところはさすがでした。
そして今後のストーリーへの布石になってるんでしょうか。続きが早く読みたいです。

小説部分は32Pもあり「おまけ」の枠を超えてます。読みごたえがあって、非常に満足な小冊子でした。

9

ふたつの星の魅力

コミックス『5人の王1』初回限定版小冊子です。
『目には見えない青い星』というタイトルで、書き下ろし。
先のレビューにてポッチさんが書かれているとおり、こちらはコミック特典ですが、内容は小説のみで画は含まれません。これがコミックス1巻を読み終えた直後の自分にはぴたりとフィットしてしまい、迷わず神を付けました。私もこちらの小冊子、おすすめだと思います。

「・‥…―――☆青い星」
「・‥…―――☆赤い星」
前後半、それぞれ半分ずつのボリュームで計32頁。ところで上記のように・が「・‥…」こんな感じで(再現は忠実でない)入っているのですが、これもセージやヒソクや王たちを、大きさや距離など含め星で表しているのかな。いや、人ではないのかな?きっと、細部にまで原作者のこだわりがあるのではないかと思えます。

「俺」の語りでセージ目線です。前半には青の王との話、後半に赤の王との話が。ポッチさんが青の王の方をメインに書かれていますので、私は後半の赤の王の方を。※以下、段階ネタバレ含みます。

青の王が宮殿を出ている間に、調理場から料理を持って赤の王に会いに行くのが楽しみなセージ。そこで待ち構える赤の宮殿の近衛隊長・バーガンディーとのやりとりから始まります。持ってきた料理のチェックをしたり毒見をする場面ですが、通常、王に熱い料理を出すことは許されていません。ここでのやりとりがセリフひとつひとつテンポよく、湯気や色の加減まで伝わってすごくいいんです。料理の一品にあった瓜が、赤く染められ「星の形になっていること」から、なぜ"星の形"にしたのか?と問われ、セージがそれに答えると話は思わぬ方へと進む。実はそれが、バーガンディーと赤の王の絆のような、ある「特別なこと」につながっているのですが、この時点ではセージはまだそれには気づかない。

料理チェックを終え、最後に「赤い星」をひとつだけ食べたバーガンディーはセージを通しますが、このときのバーガンディーの思いを察すると涙がたまります。一方、気分よく赤の王の部屋へと熱い食事を運んだセージは、赤の王と会話をしているうちに、先ほどバーガンディーが自分を通してくれた理由に気づく。そしてまた、セージが赤の王にバーガンディーの思いを気づかせてあげる、という話。セージはこれにより赤の王を一層大切に思ってしまうというエピソード、淡い恋心が見え隠れする幸せなお話です。

このあとー
青の宮殿へと戻らなくてはならないセージの心情が、
色や明るさを入れた情景描写と相まって重みのある表現となっています。

また小冊子の裏表紙には例のイディオムが。
"EVERY MAN IS THE ARCHITECT OF HIS OWN FORTUNE"
(だれもが自分の運命の設計者である)
「未来を作っていく」ことに焦点があてられたこの作品にぴったりです。

7

この作品が収納されている本棚