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狂気の執着愛。ついに文庫化!
anohi kousha no kaidan de
もう間違いなく、私の小説沼堕ち・執着攻めへの目覚めのきっかけになった作品と言えます。
BLといえば、漫画ばかり読み漁っていたのですが…ちるちるさんの掲示板でたまたまこちらの小説の紹介を見かけ、なんの気無しに読んでみたら、もう。。
読み進める手が止まらず、読んだ後もしばし放心していました。
受けの笠井と一緒に、最初は私自身も嫌悪感と恐怖を感じて攻めの遠藤を見ていたのですが、あら不思議…
読み進めるうちに、どんどんどんどん、「いいぞ(?)遠藤!がんばれ遠藤…!」と、応援してしまっている自分が。
黙って引っ越した笠井の住所を知るため、会社から後をつけて突き止める、
スペアキーを勝手にもぎ取り勝手に家に上がる、嫌がる笠井を無理矢理襲う、
その際の写真をネタに脅し、自分から離れられないようにする‥等々、やっていることはストーカーですし、もはや犯罪なんです。
でも。それでも、笠井のことを想うあまり…どうしても手に入れたくて、離れたくなくて…酷いことだと分かっていながら、心の奥では笠井の心が手に入らないことに絶望していながらの一連の行動なのだ、ということが、作者様の文章から痛いほど伝わってくるんです。
恋って、落ちてしまうものだもんね…。
コントロールできる気持ちであれば、誰も苦しまないもんね…
無理やり体を繋ぎながら、耳元で洗脳するかのように「好きだ、好き、好き…」と
呟く遠藤が哀れで、切なくて。。
そして、遠藤→笠井への愛(というより執着か)の大きさが果てしないため、遠藤にフォーカスしてしまいがちなのですが、実は受けの笠井の”覚悟の大きさ”の描写こそが、私が涙ぐんでしまった理由なのだろうと思います。
実父が男性と付き合っていたことから、幼い頃、実家が嫌がらせを受け、学校でも教師たちから異質なものを見る目で見られていた笠井。
”人の目が、怖い。自分を嘲る目が、怖い。”と言い、「妻がいて、子供がいて…誰にも咎められたりしない普通の家庭を持つこと」が望みだった笠井。
それを失うことと引き換えに、遠藤を選んだ笠井の覚悟に、心の中で大号泣でした。
初めて読んだのは1週間ほど前なのですが、それからもう毎日、何度も何度も読み返してしまうほど好きでたまらない作品です。
執着攻めが好きな方にはもちろん、小説には手を出したことがない、という方にも、ぜひ一度読んでみていただきたいなと思います。
これまた衝撃的な作品でした。
リアリティがありすぎて、ストーカーの枠からもはみ出る。読んだのは旧版なので書き下ろしは読めてません。
高校時代に笠井に告白した及川を気持ち悪いと陰湿にいじめた遠藤は実は自分も笠井に思いを寄せていたゲイだった…
そこから狂う歯車。10年経って再会してからの二人の関係が、いわゆる執着とかじゃないのに恐ろしくもあり、当事者笠井のの逃げきれない、切り離しきれない気持ちと相まって先へ先へと読み進めちゃいました。
何気に長沼がいい味を出してくれてたのが、この暗いストーリーに救いを与えてくれています。笠井が倒れたのが長沼の前だったっていうのも必然なんだろうなぁ。
私には笠井の心情は理解できない(何故に一回やったら気が済むだろう、なんて事を思うんだ?そもそもノンケなのにヤらせても良いかと思う時点で遠藤に気持ちがあったんでは?とか思っちゃいました)ので、他人の色恋に口出すつもりは無いけどね、って引き気味に見てる感じになりましたが、当事者じゃないからこそ興味深く読めたのかもしれないな。。。
小説としての完成度というか描き方、見せ方が秀逸でした。
他の作品も読んでみたくなるくらいに。
2010年版と本文は一緒です。
ですが、2013年発売のこちらには番外編の「プラネタリウム」「週末は甘い病気」が収録されてます。
購入するならこちらを強くオススメします!!
こっそりアレを嗅いじゃうとか…。
私のド性癖が詰め込まれていたので、これがなかったら私は神評価にしていないかもしれません。
内容は学生時代、親友だったのに喧嘩別れしてしまって疎遠になり、社会人になって再会モノのお話です。
攻め、遠藤は親友の笠井が好きだけど関係が壊れるのを恐れます。
そこへ別の友人が笠井に告白しているのを見て「俺は何もできないのに、どうしてお前は告白できるんだ」と八つ当たりのように、その友人をいじめてしまします。
笠井はそれを知り、遠藤と縁を切ります。
そして大人になって再会し、昔、告白も何もできなかったことを取り返すような強引さで笠井にアタックします。
笠井の近くに引っ越しちゃうし、ストーカーするし。
(私的には高ポイントですが。)
そんな遠藤に恐れて避ける笠井。
どうしても、どうしても諦めきれない遠藤。
終盤以外は受け視点なのですが、笠井の気持ちも、遠藤の気持ちも痛いくらいに伝わってくる描写がすごいです。
どちらも辛そうで、痛々しく、胸がギュッと締め付けられます。
笠井は容赦ない言葉で突き放し、そ、そこまで言うか…?
と思うのですが実際、笠井の立場だったら…と考えるとどうしようもないのかな…と、どこかで納得してしまいます。
遠藤もすごい追い詰めるしね。
考えながら読むので、ドラマを見ているようでした。
また、遠藤の両親もキーパーソンです。
どうしてこんなにも遠藤は拒み続けるのか?は、ここに隠されていると思います。
さあ、この二人が最後はどういう選択を選ぶのか。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。
ゲイ×ノンケ。
攻めの遠藤の笠井への愛が重くてやばいです。
決して受け入れてもらえることはないと分かっていても気持ちを伝えるだけでなく身近にいることを望み熱い視線で笠井を追いつめていく。
限界ぎりぎりな笠井は一度きりの肉体関係を条件に縁を切ろうと思いますがうまくいくわけもなく…。
それをきっかけに遠藤も我慢がきかなくなり脅迫のネタにするわ家に居座るわ嘘も吐くわ執着凄すぎるわで酷くなっていくんですけど、特に恐怖は感じませんでした。
笠井への好きがメーター振り切っていますが、人間らしいどうにもならない気持ちが爆発しているようで、読んでいて結構楽しめました。
それよりも私は笠井の変化が納得いきませんでした。
胃に穴があくほど辛い何もかもの元凶=遠藤を拒みきれないどころか友達ではいたいだって???!!??
仲が良かったことは分かりますがこんなどえれぇ目にあっても尚友達関係は維持したいなんて正気か!?としか思えなかった。
そこをこえる遠藤の愛まみれの執着の粘り勝ちだったら分かるんですけど、この時点で遠藤は身を引こうとしていましたからね…。
二人の関係が別のものに変わったところがどうにも噛み合った気がしなくて納得できなかったため、晴れて恋人となってもどうにもモヤモヤを消せませんでした。
執着攻めの最高峰作品。
最右翼、金字塔、なんと言っていいかわからないくらい頂点。
この作品の攻め・遠藤が受けの笠井にしでかす行動は、もはや犯罪と言えると思います。
高校時代の喧嘩が元で親友関係が壊れずっと音信不通だった2人が、もう1人の親友のお節介で再会し…
そこから笠井の悪夢が始まります。
視点が笠井ということもあって、待ち伏せや入り浸り、家も近所に引っ越してきて熱く湿った目つきで見つめてくる…その気持ち悪さ、恐怖感。
どうしても離れていかない遠藤に、笠井は一度寝たら満足してくれるのでは?と追い詰められて、取引としてお前と寝る、と言ってしまうのです。
遠藤はここまでは常に笠井の顔色を伺う感じで卑屈だったけれど、ここで急に笠井に対して高圧的になり、行為を撮って笠井を脅して強引に同居するようになる…
逃げ道のない笠井はついに吐血し…(このシーンは本当に恐怖!)
ここまできてしまってやっと遠藤が笠井を追い詰めすぎたことを後悔して手離してくれるんだけど、ここでどんでん返しが来るのですよね。
正直。
私は笠井の変化が今だによくわからないんです。なんで?なんでやっと別れられるのに自分から?
吐血の意識不明の時に見えた星空って臨死体験?そこで高校時代親友だった遠藤の姿を探してしまったから?遠藤が暴走したのは自分が間違えたせいと思ったから?
ここで完全に絶縁したら本当に終わってしまう、それは嫌だというのが本心だから?
「アクアリウム」
「プラネタリウム」
笠井は遠藤を恋人として受け入れています。
「アクアリウム」は遠藤視点。「プラネタリウム」は笠井視点。
遠藤は以前にも増して執着。いつも好き好き言って、嫉妬深くて、ベタベタして。
笠井は遠藤と恋人でいるのはいいけれど、非常にクローゼットなのです。他人には絶対に知られたくない、ひとの目が怖い…
だから時々誤解やすれ違いがあって、それがセックスの行き違いにもなってしまう。
そんな時、以前遠藤が脅しに使っていた画像をまだ持っていることを笠井が気づき…!
ノンケの笠井を信じきれない遠藤。どうすれば遠藤に気持ちが通じるのかわからない笠井。
なんで笠井がそこまで遠藤を好きになっているのかわからない私…
「週末は甘い病気」
笠井の脱いだパンツの匂いを嗅ぐ遠藤、という衝撃の名シーン。
合コンに誘われて断らない笠井に怒り、電車内で痴漢をしてくるクレイジー遠藤。
笠井の変心の肝心な部分は理解を超えているけれど、本作の凄さは本物。
笠井は逃げられずに泥舟に乗ったのか、それとも2人だけの幸福を見つけた恋人たちなのか、どちらにも取れる。心の不思議を深く描く傑作。
表題作の終わり方、すごいですね。
ぞくぞく?ぞわぞわ?しました。
恋とはなんだ。から始まる笠井の葛藤が凄まじい。
面白いストーリーの鉄板ネタは主人公が成長していくことだと言われていますが、まさにそれです。
話の序盤で元カノに振られた時の笠井と、ラストの笠井は全然違う。
その変化をもたらしたのが遠藤ですから、いやー、いいカップルですね。
...って、簡単には思えないわ!!(笑)
なにこれ、ほんと。
ラブストーリーなら、ふたりがくっつけばハッピーエンドなわけですが。
もはや何がハッピーエンドなのか分からない。
遠藤の凄まじい執着は、恐怖しかない。
だって笠井には、こんなに愛されて嬉しい♡みたいな感情ゼロだから。
ひたすらに恐怖。
...でしたよね?え?
なのに...なのに...どうした笠井!なぜ逃げない!
あんな展開で絆されている笠井にも得体の知れない恐怖を感じました。
あぁ、こうして人は自分がタブーとしているものにさえ堕ちていってしまうのか、という恐怖なのかな。
上手く言えません。
これ、設定がきちんとしてなかったらただの怖い話ですが、かなり作り込まれているのでBLならではの人間ドラマを楽しめると思います。
恋人に対するスタンス、及川との過去、両親、そしていじめ。
かなり丁寧に書き込まれていて、笠井については、笠井が自覚している以上に笠井の心理が読者に伝わってきます。
常識外れなことばかりなのに、読めば読むほど納得がいく。
ひとつだけ「ん?」と思ったことをあげると、遠藤については謎が残った。
笠井が死にかけてから、あっさり引いた遠藤。
(駐車場にいたけどさ...)
え?そういう良識備わってたの?
ちゃんと社会人やってるし案外普通のやつには違いありませんが、今までの行動を考えると...なんかね。
色々な意味で、本当に趣味じゃない作品でした。
まず気になったのが文章。セリフや地の文が説明調で、実際にこういう言い回し、気持ちをそのまま言うこってないよなあ、というところでつまづいた。
中学生向けのラノベとかならギリギリありかもしれないけど。。
それから、執着攻めに絆される流され受け、ならいいんですが、執着がほぼ犯罪で、気持ち悪い攻めにゾクゾクするというのを遥かに通り越して、これあかんやつってなりました。
あとは、いくら若くても社会人なんだから、そのインテリアはないだろうとか、ウォレットチェーンってとか、気になり出したら設定、小道具などが全部幼稚に思えてきて、もう早く終わらないかなと。
脅しに使った写真は全部削除したからと、本編最後の和解シーンで言っていて、それ自体ストーリー上重要な行為なのに、後日談で全く消してなかったことが分かったところも引きました。
残念ながら、私には合わなかったようです。
ちるちるの記事や、レビューでの評判が高かったので、気になって手に取りました。
評判通り面白かったです。日常の描写とか何気ないやり取りから話を繋ぐのが、上手な作家さんだと思いました。文章も読み易かったです。最近作家活動をされていないようなので、残念です。
攻めの執着がスゴイという評判を知った上で読みましたので、驚きはありませんでしたが、遠藤の行為は不可解で、次に何をしでかすか分からないスリラー的な怖さがありました。先の展開が気になり一気に読みました。最後まで遠藤は不気味なキャラのスタンスを地でいっていました。これも珍しい…。
カップリング萌えはなかったですが、不思議とBL小説として堪能できました。攻めの異常な執着より、ノンケを好きになったゲイの葛藤の方がリアルに伝わり心に響きました。一時的に振り向かせても、いつ元に戻るか分からない…という不安定な関係が伝わってきます。遠藤のメンタル面も安定しないのも少しは分かるかも。主人公の笠井の家庭環境が恋愛にも影響してくるので、なかなかくるものがありました。実体験で周りの人の目を知っている笠井の心境には重みがあります。遠藤の猛烈なプッシュにも笠井が怯えて長い間なびかなかった所はBL小説として目新しいです。BLは受けが攻めになびくのが早いからなー。結局一度も遠藤に「好き」と言わなかった笠井も大概かも、ですね。
新書版には入っていなかった「プラネタリウム」が文庫本には入っていました。これを読んで二人への理解も深まったので、文庫版がオススメです。
攻め→→→→→受けのあまりにも一途な片思いにキュンキュンしまくり、切なさに泣きまくりでした。
一途で健気で、ノンケ受けに執着しているゲイ攻め。設定からしてどストライクだったんですが、期待以上でした。ノンケ受けがすぐにほだされないのもとても良い。こんなBLが読みたかった!
遠藤(攻め)の一途すぎる気持ちにとても感動しました。愛が重たすぎるけど、それが最高ですね。
ヤンデレというとなんだかわざとらしかったり、内容が薄いものもありますが、この作品は全くそんなことはなく、リアルでディープで大満足です。攻めが受けのことを好きすぎて病んでいます。
執着攻め、受け溺愛攻めが好きならぜひ読んでほしいです。
この小説で執着攻め萌えに目覚めました。
この作品を読んで佐田さんの既刊全巻集めたくらいです。
私の中で、執着攻めの受けに対する執着度合いが高ければ高いほど美味しく、受けはただ言いなりになるんじゃなくて攻めと対等、もしくは攻めを尻に敷くくらいが好ましいのですが、その点この作品は私の好みど真ん中でした。
それに加え佐田さんの文章が私にすごく合ってるんですよねー。
淡々とした文章に感じなくもないのですが、その中に遠藤(攻)のドロドロとした執着が感じられてゾクゾクしましたw
遠藤(攻)から逃げて引っ越した笠井(受)の前に遠藤が再び現れた時は、笠井には悪いですが「よし来た!!」と思いましたw
ただ、受けが攻めを受け入れる過程は唐突に感じなくもなかったかなぁ…と言う感じです。
が、それを補って余りある萌えを頂きました。
きっと執着攻めの中にはもっとヤバい人達がいると思いますが、遠藤に出会った衝撃が凄すぎて、私の中で執着攻めの頂点はもうずっと遠藤です。
濡場はわりとあっさりめの文章です。
色々書きましたが、好みの分かれる作品であることは間違いないです。
話は甘くないですし、受けの気持ちは分かりづらいところがありますし、遠藤は笠井のことを手に入れる為なら手段を問わない上に使用済みパンツの匂いを嗅いで気合いを入れる変態です。
ですが、心を奪われる人がいるのも間違いないと思います。
あーーーー佐田さん新刊出してくれないかなあ…