ブラックジャックの罠

blackjack no wana

ブラックジャックの罠
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×225
  • 萌12
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
9
得点
177
評価数
46
平均
3.9 / 5
神率
17.4%
著者
中原一也 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784199007231

あらすじ

巨大カジノで凄腕のディーラーとして名をはせる西沖。──その正体は、実はカジノに巣食う巨悪を
摘発するため、警視庁刑事の身分を隠してもぐりこんだ潜入捜査官だ。ところがある日、所轄の刑事・
鵜飼が、カジノで起きた自殺事件の捜査に現れた! 西沖の真意を知らないはずの鵜飼だが、なぜか
西沖に注目して、ことあるごとにちょっかいをかけてきて……!?

表題作ブラックジャックの罠

中央署の刑事
凄腕カジノディーラー(実は潜入捜査官)、29歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

色んな意味でドキドキはらはら♡♡♡

久しぶりに読み応えのある小説でした!
何と言っても皆様仰る通り、攻めも受けもめちゃくちゃ男前‼︎かたや今時珍しい形に嵌らない、風貌に反した人情味ある刑事、かたや自分のせいで罪なき人を死なせてしまったやり切れなさから、感情を抑えただただ犯人を捕える為だけに生きている様な潜入捜査官...
そんなストレスのせいで味覚障害になってしまった西沖をひたすら鵜飼があれやこれや美味しいお店に連れ出すので、ラーメンやら焼鳥やらが無性に食べたくなりました(笑

初めはそんな鵜飼に壁をつくっていた西沖が、だんだん心を許していき、捜査とは言え、嫌なオヤジ相手に身体まで投げ出した西沖が何で自分を大切にしないのか!と怒る鵜飼に身を預けるシーンがめちゃくちゃ好きです♡もう鵜飼にとことん癒されちゃえばいいよ‼︎って...
普通のBLならいざやられちゃう!って所で横槍が入って結局セーフ...なんて有りそうなところ、こちらは見事オヤジにやられまくりで、そんな解せないところも好きです。それが有ったからこそ鵜飼と西沖は自分の気持ちに気付けたんだから...
高級車に身知らぬそのオヤジと寄り添い乗っていた西沖をどうして自分は職質してでも引き止めなかったのかと、自分への怒りも露わに西沖を攻めまくる行為の中で、まさかのスパンキングに私が悶えました_:(´ཀ`」 ∠):すみません
そんな鵜飼にもっと叱ってと身をよじる西沖天使...

最後までハードボイルド、なのにそんな野獣美女的なエロスも有りで、本当に面白かったです♡♡♡
更に小山田先生の挿絵が輪をかけて素晴らしく、こちらの作品を盛り上げて下さっていました!確かに、最初のカラーの絡み絵は何度も見返しちゃうくらいにエロ綺麗です♡
この続編とか有れば嬉しいなぁ(´vωv`*)。o0○
密かに期待しておきます‼︎

5

甘味成分少なめ。男臭いハードボイルド……でもBL!

まるでハードボイルドを読んでいるような男臭さ。
ある意味、読み応えのある警察小説を一作読み終えたような感じ。

甘さとか、らぶらぶなどとはかけ離れた硬派なストーリー展開で、途中でBL小説を読んでいるのを忘れそうになるほど。
けれどもそこはやっぱり忘れてはいけないところで、ちゃんと鵜飼と西沖のバトルもしっかりと。
……そう、まるでバトルのようなベッドシーン!
それでも、西沖の抱える切ない罪悪感は、腐女子のハートをきゅんきゅんさせますv

もう一山、事件の絡みのエピソードも欲しかった気もしますが、そうするともう本当にただの警察小説になってしまいそうなので、これくらいでよかったのかな。
BLとハードボイルドのいいバランスの一作。

萌×2評価が多いのは、多分甘味成分が足りないせいかなと……
でも、とても面白く読破したので、私は「神」で。

4

暖のあるハードボイルド

カジノが合法化された日本、というパラレルワールドが舞台のハードボイルドなお話。
カジノを利用した資金洗浄等の政治家の不正を暴くため
ディーラーとしてカジノに潜入する捜査官・西沖と、
カジノで起きた自殺事件を単独で追う刑事・鵜飼が、
共に命を危険に晒し、協力し惹かれ合いながら事件を追っていきます。


鵜飼は、猫背・無精ひげ・ボサボサ頭のアウトロー刑事。
かなりデジャブな外見なのですが、
性格に、従来の中原作品の攻とは一味違う魅力がありました♪
西沖に付きまといますが、下心よりも、
味覚障害を治して美味しいものを食べさせてやりたいという優しさ先行。
初めて寝るキッカケも、仕事のため他の男に抱かれた西沖を慰めるため。
中原作品だと、こういう外見で35~6歳の攻=下ネタ好きor鬼畜なオヤジという印象が強いので、普通にカッコイイ鵜飼は実に新鮮でしたw

西沖は、潜入捜査で怪我をすることや、
ターゲットと寝ることも厭わない心身共に強い人物。
でも自分に厳しすぎる性格もあってか、捜査のストレスで味覚障害になり、さらに巻き込んで死なせてしまった議員秘書への罪悪感を抱える。
そんな西沖を色んな店に連れて行き、
「今度は味するかもしんねぇぞ」と言う鵜飼の優しさにグッときます。
出てくる料理がまた、焼肉や麻婆豆腐など庶民的な味のものばかりで、店内の雰囲気や鵜飼の温かさに触れて変わっていく西沖にこちらも温かい気持ちになれました。


西沖が、生きること・食べることの楽しさを教えてくれる鵜飼に惹かれ、美味しそうに食べる姿に性的なイメージを結びつけ、恋愛に傾いていく展開はとても分かりやすいし萌えます♪
ただ、鵜飼が西沖に執着する理由がやや弱い…?
確かに西沖はカッコイイし、優しい鵜飼が西沖の力になりたいと思うのも分かるけど、それが恋愛感情に結びつくのかな~と…。
西沖が鵜飼に惹かれる展開はとても分かりやすかったので、
鵜飼視点のエピソードが巻末にでもあれば良かったのにな~と思いました。

とは言え、エピローグのラブラブな二人には萌えました☆
西沖が味が分かるようになったのが嬉しくて、路上でキスする鵜飼。
大人同士だけど、鵜飼が西沖を可愛がってる様子が親子のようにも見えて素敵☆
事件を追う本筋もスリリングで読み応えありましたが、
カップリングが好みなためか、恋愛面も大変楽しめる作品でした。


最後に小山田あみさんの挿絵について。
元々好きな絵師さんですが、今回は特に素晴らしかった☆☆
出てくる絵がすべて、硬派かつ温かな作品の雰囲気にピッタリで、作品を盛り上げていました!
口絵カラーの二枚目、ベッドシーンの鵜飼と西沖の美しい筋肉が眼福♡

10

スリリングでドキドキさせられる

恋愛のドキドキとは違うけれど、犯罪に立ち向かう潜入捜査官、西沖の
静かなる情熱と懺悔を感じさせる硬派な刑事モノで読み応えありました。

読みはじめの序盤まではカジノディーラー西沖と所轄の刑事のダークな、いばら道かと
思ったりもしました、プロローグでホテル内で遺体が発見され、
序盤の流れで西沖が自分が殺したと独白めいたセリフがあり、西沖の職場である
カジノに所轄の刑事で上から押えられても動じないような野性的な鵜飼が西沖の
前に現れたことで、刑事と犯人とのシリアスな作品かと思ってしまいました。

しかし、それは誤解だと、共に警察関係者ではあるが片方は秘密裏に活動する
潜入調査員で野性的刑事の勘が西沖には何かあると鵜飼に思われたことから
始まる内容で、カジノの裏に潜む巨悪と戦う捜査官、そこに所轄の刑事との
恋愛を絡めた、硬派なサスペンス作品はドキドキハラハラで楽しめる内容でした。

5

事件の真相を追って出会った男臭い二人

舞台は東京ニューカジノシティ内のホテル。
既に日本の法律でカジノ特区法案が可決されているという架空設定で、リアリティのある内容になっている。

カジノ内で隠れ蓑となっている不正資金の隠匿を取り締まる警視庁の潜入捜査官の西沖は、極秘捜査の中で犠牲にしてしまったと政治家秘書の死に責任を追っている位に正義感が強い。

そんな中、他にも政治家秘書の自殺に疑問を持った刑事の鵜飼が勘の鋭さでたちまちに西沖の正体を見破ってしまう。
自己犠牲の強さやストレスからくる味覚障害も言い当てられた鵜飼には隠し事はできないと悟った西沖は、彼を信頼し全てを話す…
といった展開に二人の関係の進展を感じる事ができる。

それに、最初に登場した時から漂わせていた鵜飼の男臭さが堪らない。
鵜飼のほうも既に西沖に惹かれるものがあったらしく、情報を引き出す為には自らの身体を色仕掛けに使うのも厭わないと知った時の苛立ちや嫉妬心を剥き出しにした告白にはグッときた。

全体的には硬派な印象で、カジノ界の影に潜む政治家の黒幕を暴き、事件の真相を明らかにする展開だが、鵜飼と西沖が結びつくまでもしっかりと書かれている。

野性的な攻めと男前受けの二人の絡みは濃厚さがあって萌えに萌えた。
鵜飼は普段の食欲から伺える肉食ぶりが西沖を抱く時にも表れている一方で、西沖に食べる楽しみを取り戻してやりたいという優しさも持っている。
こういった部分でオヤジ攻めの魅力を引き出されているのを楽しむのが、中原さんの小説を読む楽しみにもなるんだよなぁ。

2

大人の男

丸ごと一冊がひとつのストーリー入り。

いいですね、2人の大人の男が駆け引きをする様子。
「ときめき」では無い方のドキドキがありますw

鵜飼さんは、上からの権力にも屈しない強い心の持ち主。
だからこそ、西沖は惹かれたんだろうな、と思います。
西沖もとっても重いモノを心に抱え、決意を秘めている。
だからこそ、鵜飼さんも西沖が気になったんでしょうね。

お互いがお互いにピンとくるものがあって
気にかけることによって興味を持つことがきっかけとなった感じ。

感情を抑えることが得意な西沖と人の心の中に
ガンガン入ってくる鵜飼さんという正反対な性格から交わされる
会話や駆け引きが楽しめました♪

2

どちらも男前

食事シーンが多いです。
そして、それらを美味しそうに食べる鵜飼が堪らんのです(笑)
ストレスによる味覚障害の西沖は味が分からないので何を食べようが頓着していないのですが、一緒に食事をする鵜飼が本当に美味しそうな食べっぷりを披露します。
一緒に食べている西沖も、旨いものを食べたいと思うようになるし、味がしないにもかかわらず美味いものを食べているような感覚になります。
一人で食べるよりも誰かとの食事の方が美味しい、好意を持つ相手とだったらもっと美味しい・・・西沖と鵜飼の距離感が近づいていくのを、そんなとこでも感じることが出来ました。
鵜飼が最後までかっこよくなりすぎず(充分かっこいいのですが)、男臭いオヤジな雰囲気を醸し出したままなのも好印象です。鵜飼いいです!
もちろん、鵜飼に惹かれていき徐々に素の感情を露にしていく西沖もいいです!
鵜飼と西沖、この二人のキャラクター、どちらも魅力的でオススメです!!

2

力に立ち向かう男たち

舞台はカジノ特区というものが作られた日本という想定のパラレルワールド。
そこで孤独な戦いをしている男たちの姿が描かれました。
相手が「権力」という力を手にしている者たちな為、彼等は報われるのだろうか?と
自己を犠牲にしてまで突き進む主人公の姿もあり、そのラスト展開まで目が離せない物語でありました。

カジノ特区のあるホテルで起きたある男の自殺。
このカジノの敏腕ディーラー西沖は実はこのカジノ特区の不正資金の流れに絡む犯罪を捜査するためにこのホテルに入り込んだ潜入捜査官。
男の自殺は自殺として片付けられ、それに疑問を抱いた所轄の刑事・鵜飼が西沖に接近する。
正体を隠してごまかしていた西沖だが、鵜飼の人柄と同じ正義への情熱を感じて彼には本当の事を明かします。
捨て身の行動でホテルオーナーの津川に気に入られた西沖は捜査を前進させますが人を信じない狡猾な津川につかまってしまうのです。

この西沖という人物、実に淡々としているのですが内側に秘めたるモノを持っています。
自殺した男、彼は本当は西沖の協力者。
彼の為にも何とかしたいと、すごく人情的な部分があるのです。
なのに、ホテルではポーカーフェイスで正体がばれないようにクールに演じ、津川の前では金が全てのような狡猾な男を演じ、情報を得る為にはその身体も投げ出します。
感情の発散がないですからストレスがたまるのも当然ですよね。
彼にはそれが味覚障害として現れていますし、興奮した時には過呼吸気味になっていました。
しかし、決して自虐でもないと思われて、すごく強い意志と信念をもった男だと見えました。

鵜飼は、一匹オオカミの刑事。
外見は、中原作品によく出てくるような雄の魅力にあふれた外見だと思われます。
彼はしょせん所轄ですから出来ることなんて限られているし、そうそう何かできるわけでもない。
だけど、何とかしたいという強い執念で行動しているのです。
だから西沖が心を許せる人、無意識の心の支えになる人になったのだと思います。
彼が西沖が味覚障害と知りながら、おいしいものを食べに連れ歩くシーンは安らぎのシーンかもしれないです。

話しがハード路線であるので恋だの愛だのというそういう部分は余り感じられず、どちらかというと表現方法は違えど似ている人間、互いを補う相手なのかもと思われました。
そうしてラスト、、、正義は勝つというより、彼等の努力は報われるのだという後味のよい終わりを迎えてほっとしたのです。
危機一髪に駈けつける御約束はあったものの、この路線も作者さんお得意の路線であったので安心して読めました。

8

シンクロ

中原さんの書く男の人たちはやはりカッコいいのです。
今回は2人とも猟犬を思わせるような方々で。
同じ猟犬でもタイプが違うんですよ。
西沖はポインターを思わせましたね。獲物を見つけて、飛びかかるのではなく獲物を見つけてポインティングする。荒事には向かない感じで、実にスマート。
方や鵜飼は泥臭いです。この『泥臭さ』がオヤジスキーには堪らない訳ですが。ブラッド・ハウンドみたいな感じ。人には優しいけれど、獲物に対しては執念深くてどこまでも匂いをたどっていくみたいな。

起きる事件はハードです。
舞台はカジノが合法化されている日本。西沖は潜入捜査をしていますが、情報提供をしてくれた議員秘書が死んでしまったことで自責の念にかられ、かなり危ない橋を渡ろうとしています。
そのストレスで味覚障害になったりもしている。
「ああ、だめよ!ポインターは獲物の位置さえ見つければ良いの。獲物を確保することには、あなた、向いていないよ~っ」と、読みながらかなりハラハラしました。

エリート西沖に対して、鵜飼は所轄の刑事なんですけれど、この鵜飼の安定感が良いんですよ。
西沖が非常に不安定でハラハラさせるのに対して、鵜飼が出てくると「きっと大丈夫だ」と思えるんです。この組み合わせはすごいなぁ。

たまたまこの本を読んでいる最中に現実でもIRがらみの汚職事件が大きなニュースになりまして。
現実の事件を茶化すつもりはありませんが、なんか臨場感が出る様な気がしちゃったのも事実です。

2

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う