獅子王アルファと秘密のいとし子

shishio alpha to himitsu no itoshigo

獅子王アルファと秘密のいとし子
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×238
  • 萌25
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
14
得点
349
評価数
89
平均
3.9 / 5
神率
27%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784773063356

あらすじ

ずっと運命から逃げ続けていた

獅子の耳を持つアルファ・ヴィスランが君主の獣人族の国。その片田舎で息子・ミランと暮らす人族のシアには秘密があった。それはミランの父親がヴィスランだということ。
五年前、貧しいシアと身分を隠したヴィスランは仲の良いルームメイトだった。彼はシアの恋心も子どもが出来たことも知らないまま部屋を去り、即位した。所詮身分違いの恋と諦めたシアだったがミランを連れ王都に出かけたある日、ヴィスランと再会し……!?

表題作獅子王アルファと秘密のいとし子

ヴィスラン・ルフス、獅子の耳をもつ獣人族のルフス王国の君主
シア・リンド、一人息子と暮らす人族

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数14

両片思いが焦ったい

小中大豆先生が大好きなので作者買いです。

あとがきにあった小中大豆先生が目指した通りの優しい世界観でしたので、オメガバでも安心して読めました。
どちらかというと登場するアルファの方が、オメガの発情(ヒート)によって望まぬ関係にならないように怯えてる印象がありました。

面白かったのはどうやってシアがヴィスランの子を身籠ったのかとか、どうして二人が離れ離れになって再会に四年もの期間が空いてしまったかの理由でした。この辺が全く想像出来ない理由だったのに感心したんです。

でも、お互いに好意を持ってたのにお互いを思い遣るばかりに告白のタイミングを逃してしまったシーンがとても焦ったく思いました。
でも告白出来てたらこちらのお話にはならないので、上手いなと思ったのも確かです。

不本意ながらも王太子となりやがてルフス王国の国王になって、孤独な中でも諦めずにシアを探し続けて迎え入れる準備をして来たヴィスランの気持ちを思うと切なかったです。一途な攻め好きには堪らないと思います。

そしてただ守られているばかりじゃなく、自らの技術で生計を立てて来たシアに今までに無いオメガ像を見た気がしました。


波瀾万丈な二人の恋の行方が綺麗にまとまっていて、読後感も良い結末になっていました。
やっぱり小中大豆先生の作品大好きです。

18

穏やか2人の両片思いと。

ルフス王国の田舎で息子のミランと2人で暮らす人族のシア。
人族の子供ですがミランは獣人族。
それはミランのもう一人の親が獣人族で、実はルフス王国の国王ヴィスランだからです。

シアの母国カーヌス国の大学院にヴィスランが留学してきて、その寮でルームメイトになった2人。
そこから親友になり、ヴィスランに恋愛感情を抱いていきます。
とある事があり、シアはヴィスランの子供を身籠るのですが(オメガバース設定です)、妊娠を自覚する前に2人は離れ離れに。
ミランの存在をヴィスランには知らせず、秘密にしながら親子2人で暮らしています。
そんなある日シアはヴィスランと再会し、止まっていた2人の関係が再び始まります。


片親であることや身分違い等、不憫な主人公のお話になりそうなのですが
シアの周囲の人がとても温かく、ミランが元気でめちゃくちゃ可愛いくて。
全然可哀想ではなくて、どちらかと言えばほのぼのしたお話だったと思います。

王家の跡目争いや身分違いといったドロドロした事よりも
ヴィスランとシアの長年の両片思いと、ミランを含めた家族の形といった事に焦点を当てたストーリーでした。

ヴィスランはスパダリなのですが、穏やかな人柄で心情がケモ耳やしっぽに出て可愛いかったです。
ミランに対しての控え目な親バカも良かったです。
ヴィスランがシアの事を好きなのは結構分かりやすいのに気付いてない、天然?おっとり?なシアも良かった。
こんなおっとり穏やかでいい人な2人だから、きっと周りも優しくてほのぼのしたお話になったのだろうな。
そしてミランが無邪気で可愛いくて良い子でした!
挿絵にミランが登場する度に癒やされてました。


子育てBLでもあるので、ラブやエロは少なめでした。
ラブ要素は2人の大学時代のお話が可愛く優しい日々なのと、再会後の焦れったい所かな。
激しめラブを求めると物足りなさを感じてしまうのですが、穏やかでほのぼのとした気持ちになれるお話でした。

あと個人的に大好きな、小中大豆先生の文章はやっぱり読みやすくて好きでした〜。

12

恋愛ものというより、子育て苦労話に近い

表紙の絵は、内容のダイジェスト版。分かりやすい。
みずかね先生の挿画効果で、ファンタジーの世界観が拡大されている。

シアは、美貌の人属、そして捨て子の孤児だった。
シスが有り得ない妊娠で生んだ子ミランは、獣人との混血。
シスは、人属でオメガでもない、有り得ない不思議な妊娠と出産。
自分が生んだ子を、父親側に奪われないように
「ピューマ族」と偽り、田舎に隠れて子育てをするシス。

シスの発明品を売りに、たまに都市に出かけている。
ミランとシスがデパートで買い物をする際中、王族の昔の恋人と再会。

・・・ここから、二人の馴初めの回想に変わる。

シスは孤児。内向的な性格、中性的な外観の、優秀な研究者。
でもからくり工房が多い故郷の島では、シアの発明品は余り評価されない。

成績優秀なシアは、特待生として大学に入学、そして大学院に進んだとき、
留学生のヴィスランと同室になる。
舎監に頼まれてヴィスの面倒をみながら、シスは仲良くなり、1年半を同室で過ごす。
有り得ない発情を起こしたシス。

そして、ヴィスが故郷に帰り、別れたあとで妊娠を知るシス。
出産後、シスの発情は二度となかった。
・・ここで回想終わり。

シスをオメガに変えたのは、ヴィスの強すぎるアルファ性?
ハピエン。
シアが生んだ子獅子ミランが、聡くて可愛い。

5

耳は口ほどに物を言う

イラストがとても美しいです。柔らかい金色の髪に金色の目のヴィスランと真っ直ぐな黒髪で華奢なシア。体格差も良いです。
私は獅子の耳に注目した事がなかったんですが、ライオンならネコ科だし、猫や虎と変わらないんじゃない?って思ってましたが、違うんですね!(表紙の絵に注目です)ライオンの耳って形が愛らしいって思ってしまいます。
ヴィスランは王族アルファで大きな体躯、何かあっても動じない見た目なのに、シアに対して耳や尻尾では心の中がそのまま表現されてしまい、ちょっとしたシアの言動で色々な耳の動きがあるのが可愛いです。
身分差から、なかなかヴィスランの思いを受け入れられないシア、そんなシアに我慢強くシアのやりたい事を尊重してあげながら離れたくないと思うヴィスラン。
攻めも受けも我慢強く、健気です。シア目線で語られるヴィスランの耳と尻尾に注目して読んで欲しいです。

4

可愛さ極まる♡

獣人の留学生ヴィスランと故郷の大学で出会ったシア。ヴィスランと寮で同室になり、交流するうちに友情そしてそれ以上の気持ちを育むようになる。そこに事件、そして‥というお話。
ヴィスランのシアへの想いは透けて見えてたけど、言葉がないから不安になる、しんじられないのも仕方ない。アルファで完璧なヴィスランがシアに関しては弱腰なのはそれだけ想いが強かったからかな。
ミランが生まれて、状況が変わる中でシアの心の揺れようは大きかったし、好きだけど信じられないのもしんどかった。でも守るべきミランがいたから強く居られたと思う。そのミランが可愛くて、シアも彼に支えられたんじゃないかな。
運命の番っていうのも、ヴィスランにしかシアが反応しない時点で本物!って思うけど、それより先に人柄で惹かれ合った2人が素敵だった。
やっと家族で過ごせるようになって本当に良かった。すごく可愛いお話だったし、みずかね先生のイラストも最高でした✧*。

10

もふもふオメガバース

今回は獅子の耳と尻尾を持つ獣人国の王と
一人息子を育てる人族の発明家のお話です。

シングルで息子を育てる人族の受様が
獣人国の王となった攻様の伴侶となるまで。

この世界には人族と獣人族の国が存在します。

獣人には男女の性別以外に
アルファ、ベータ、オメガというバース性という
第二の性が存在します。

バース性は多くの獣人にとって
相手に問う事は不躾とされる神聖なもので
獣人同士はある程度推測できます。

獣人には様々な祖先をもつ種族がいますが
男女の交わりで子供を成せるのは同族か、
ごく近い種族だけです。

しかしながら
アルファとオメガは男女に関係なく子を成せ
全く異なる種族同士でも生殖できますが
産まれた子供はどちらか一方の特徴を持ち
アルファかオメガがほとんどです。

故にベータはベータ同士、
アルファはオメガと結婚する獣人が多いのです。

受様の母国カーヌスは人族が9割を占める島国で
赤ん坊の頃に孤児院に捨てられた孤児です。

大人しく引っ込み思案な性格で1人で
本を読んだり、勉強するのを好み、
特待生として大学に進みます。

受様は大学の寮でルフス王国から留学してきた
アルファの攻様と同室となり、とても親しくなりますが

実は攻様は訳有りで留学していた王子で
継承問題に絡んだ事件で突然帰国する事となり
そのまま退学してしまうのです。

受様はある事情で攻様を探しに
ルフス王国に渡る事を決意するのですが
受様を待ち受けていたのは・・・

兄の死で人族の国に留学してきた攻様と
天涯孤独な人族の受様のオメガバースになります。

受様が攻様の子供を身籠るも
攻様はそれを知らせずに別れてしまう再会モノとしては
王道で鉄板なストーリーです。

もふもふ好き、秘密な関係大好きな私には
タイトルとカバーイラストだけもかなりツボでしたが
期待通り、とっても面白かったです ヾ(≧▽≦)ノ

この世界のバース性は獣人にしか見られないはずなのに
攻様の発情にあてられるかのように
オメガ性を発現してしまう受様に

オメガの発情に本能的に引きづけられしまうが故に
オメガを避け続けていたのに
受様を押し倒してしまう攻様にハラハラですが

王位継承問題はあるものの
受様親子が王宮策謀に巻き込まれるとかではないので
安心してドキドキしながら

3人に新たな家族が増えての幕引きまで
たいへん楽しく読ませて頂きました。

みずかね先生のもふもふキャライラストも
とても素敵でした♡

8

根回し上手だけど弱気な攻め

みずかねりょうさんの素敵なイラストと、とっても良いお話でした。

ヴィスがシアに対して強引に行かないところが新鮮でした。

てっきりヴィスは5年間何も知らず祖国で王様をやってるのかと思っていたら…。
ずっとシアを探し続け見つけたときのために父への説得と、王宮にシアのための研究室まで作ってて。

シアは王様になったヴィスに婚約者がいると新聞で知り、ヴィスに会いにはるばる来たのは浅はかだったと後悔して。色んな人達の助けを借りてミランを産み研究を続けて。

学生時代の甘酸っぱさ、嵐のような初めての交わり、言い出せなかった言葉。
再会後のヴィスの申し出や、シアのための根回し。お互いが相手のためだけの性。

正直寮で発情期にヴィスが知らないオメガに襲われたと思いながらも交わり、逃げ出した時には絶望しかけましたが、こんなふうにつながって本当に良かったです。
シアは親友だと思ってたけど、実際はほとんど恋人だったよね?

孤独な二人が家族となり、家族も増えて幸せそうで、読んでるこちらもほっこりします。
獅子王でアルファなのに、プロポーズも弱気で。だけど一つずつシアの不安を解決していって。良い夫だなあ。

ミランもとっても賢くて可愛くて。うちの甥っ子と同じ年で余計可愛かったです。

7

これぞ運命の番




人族の多い国から獣人族の多い国に移住してきた人族のシア(受け)はひっそりと獅子族の息子ミランを育てていました。
獣人族にあって人族にはないとされている第二の性が発現し、予期せぬ発情期によって子供を身籠もってしまったシアは子供の父親の祖国に渡ってきたのでした。
が、相手の立場慮り連絡を取るのをやめ、偶然知り合った人々に助けられ生まれてきたミランを慈しんでいます。
このままささやかながら幸せに暮らせたら思っていた矢先、偶然立ち寄った百貨店で再会してしまいます。獣人族の現国王・ヴィスラン(攻め)に。

2人はどうやって出会い、思い合い、離れ離れになったのか。
3人は家族になることができるのか。

シアもヴィスランも波瀾万丈な半生を送ってきて幸せになってほしいと思う2人でした。
特にシアは知り合いの1人もいない国に身重の身体でやってくるなんて、人との関わりを極力避けていたシアからすれば本当に勇気のいることだったと思います。ヴィスランとの日々や我が子への愛の重さがあればこそ。
そんなシアには幸運なことに力を貸してくれるアルファの友人や周りの人たちがたくさんいて、大変だけども比較的幸せな日々を送っていましたが、国王の重責に今までの王族の醜聞を払拭すべく奮闘しなければない上、行方不明のシアを探し続けるヴィスランは大変な日々だったでしょう。
家族のことで大変だったからこそこの2人には幸せな家族になれてよかったです。
それにしても、ヴィスランにだけ発情するなんてまさに運命ですね。
他にもそんな人族がいるのでしょうか。
人族が殆どのシアの祖国ではそういう症例はあまり愛かもしれないけど、ヴィスランの国なら他にもあってもおかしくない。でもすごく奇跡的な出会いなんでしょうね。

人族の男性の妊娠という有り得ない状況のシアに親身になってくれた大学の後輩兄弟と外国にやってきて全く身寄りのないシアの面倒を見てくれたエリヤに村の皆。シアの周りにはいい人ばかりでとても心穏やかに読める(学生時代はちょっと大変だったけど)お話でした。
オメガが苦手なエリヤにもいい人が現れるといいですね。

1

切なさとほんわかの塩梅がいい

作家様買いです。

オメガバースと獣人モノがまざったお話です。
シアは孤児院育ちの平民で、ヴィスランはルフス国の王様です。
そんな身分差のある二人が出会い、恋に落ち、すれ違いー…と、切なさ、悲しさ、愛しさが詰まった作品になっていました。

身分を隠して学校に入ってきたヴィスランはシアのルームメイトで、
そこから二人は仲良くなり、それぞれに恋心を抱くのですが、
一つの発情で二人の関係は変わってしまいます。
そして、シアは身籠り行方をくらましー…。

人間は発情することがないはずなのに、シアが発情したのはなぜなのか。
医学的にはわかってなかったけど、二人の中で思った事が答えなんじゃないかなと思います。

家族モノも、オメガバースも、ケモミミも好きだから
すごくときめいた作品でした。
シアとヴィスランの子供のミランが、すごくしっかりしてて可愛いんですよ。
何も事情がわからない中で、ヴィスランに「シアをいじめないで」と言うミラン。
小さいのにシアを一生懸命守ろうとする姿に胸を打たれました。

それぞれ今まで苦労した分、これからは家族4人で幸せに暮らして欲しいなぁと思いました(*´ω`*)

0

安心して読める王道なお話

一人で子育てする「シア」。
4歳の実子が「ミラン」。
色々な事情が重なって、なるはずのなかった王となってしまった「ヴィス」。

好きな人に迷惑が掛からないように、と2人で暮らすシアとミランが健気。
そして、このミランがとってもとっても良い子で可愛い!

途中まではちょっぴり切なくもあり、
でも、この元気で天真爛漫なミランや周りで支える人々によって、ほのぼのモード。

獅子王の「ヴィス」と再会してからは、少しのドキドキはありますが、
とても穏やかに読めます。

痛い系や怖い系がニガテな人には、ぴったりかもしれません。

0

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う