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眉目秀麗な伯爵家庶子×天然古書修復師の幼なじみ愛!
eikoku kizoku ni aisarete
サブタイトルがTVドラマにもなった某作品を思い出すような感じでもありますが、
内容的には幼馴染同士で一方は幼いころから恋人で将来を誓い合った仲だと
疑うことすらしなかった攻めになる継成、一方は長年一方的な片思いを継成にしていると
思い込んできた受けになる雪紘ではたから見れば相愛なのが一目でわかるのに、
雪紘だけが、天然でオオボケしている感じはある意味やるせない。
それでも、雪紘は古書修復師を目指して修行中で、幼馴染の継成は実父が貴族で
既に亡くなっているが、義兄から乞われ日本を離れて毎週3日をスカイプを使って
遠距離恋愛しているみたいに連絡をする4年間を過ごしているのです。
それが継成の異母兄が起こしたトラブルで雪がイギリスに行くことになり、
継成の貴族の屋敷に代々伝わる当主だけが入ることを許される秘密の扉の謎を
説くことを雪が頼まれ継成と共に謎解きをする流れでした。
そもそも、継成がイギリスに行ったのも雪との約束を果たすためのようで
でもその約束を本人が覚えていないという継成がお気の毒な話もあります。
そして、主役の二人と同じような幼馴染の関係で同性同士の恋愛未満関係が
実は継成の異母兄ももっと切ないような恋をしていて、そのために兄は継成が
イギリスにくることをかなり望んでいたという話でもありました。
二カップルが出てきてそれに貴族の跡継ぎ問題をシリアスにならないように
複線的に描いているのですが、主役二人だけならhappyで終わるのに兄カプが
出てきたことで後継者問題が半端な感じになっていてすっきり感が損なわれた気がします。
古書修復師とはまた珍しい職業設定ですね。
数百年から、古いものは千年以上も前に作られた古書を、職人たちがその研鑽された技術と情熱を持って丁寧に修復をする…
職人や雪紘のお仕事描写が本好きとしては非常に興味深い内容でした。
修復方法や各時代の本の製造方法・特徴などが細かに解説されているので、雑学的にも楽しめました。
しかし、お話的には少し詰め込み過ぎかなと思いました。
雪紘と継也が両思いなのは序盤でもう丸分かりだというのに、雪紘が天然を通り越して鈍感過ぎるせいで、せっかくの両片思い設定の醍醐味であるすれ違い要素が薄く感じられます。
(正確には、攻めの継也は恋人同士だと思っていたようですが)
あれだけ好き好きと言われていたら勘違いもしますよね…恋愛としての好意を示していた継也があまりに不憫。
終盤辺りで誤解は解けるものの、ベッドシーンにも萌え切れず…うーん。
謎解きと継也の異母兄が登場した事によって、どんどんBLのLの部分が薄くなり、終始バタバタとした展開からのハッピーエンドで終わってしまいました。
ツンデレな兄が出張りすぎましたね。
兄カップルについてはスピンオフ作も出ているようなので、そちらで補完という感じなのでしょうか。
と、少々辛口のレビューとなってしまいましたが、珍しいお仕事描写や古書についてのあれこれに関してはとても面白かったのです。
そちらが大変興味深く面白かった分、BLとしての面白さがやや欠けてしまっていた点が残念でした。
作家さまが書きたかったものを詰め込んだのは分かるのですけれど。
兄カップルをもう少し控えめにして、メイン2人のラブ要素が欲しかったな。
継也視点があっても面白かったかもしれませんね。
留学中、きっとただならぬ努力をしていたと思いますし…すごく勿体なかった。
あくまでも個人の感想ですので、かなりの天然受けやドタバタ感がお好きな方にはグッと来る作品かもしれません。