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kakuriyo no hana
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「堕ちる花」「姦淫の花」「闇の花」3部作、プラス「鬼花異聞」「神花異聞」、そして最終話としての本作「かくりよの花」にて花シリーズ6部作の完成となります。
本作は、異聞2作に登場の編集者・長峰将(たすく)が主人公です。
そして、本作もまた兄弟もの(弟x兄)でした。長峰、お前もか。
…と言っても今回の2人は全く血の繋がりはありません。将も弟の幸司も施設出身で、戸籍上の兄弟という設定です。
将と幸司、それぞれの出生の秘密は何とも血生臭い。また後半明かされる鬼沢村の陰惨な歴史には心底ゾッとしました。
6作の花シリーズ完結にふさわしく、私には、ホラー度もエロ度も一番濃ゆい気がしました……
でも、この怖さは1作目から順を追って全作読んでこその、正に完結巻の迫力。ある種やりすぎの怖さ。
エロは、将側の葛藤が大きいため幸司のレイプ的な要素もあるのですが、最後にはかなり甘さが出て官能的です。
今回の「神」評価は、本作1作だけの評価ではなくて、先の5作全てを読んだ上でのこの1作、村を覆う因習と呪い、現代にまで及んでしまった業、そして遂に浄化の時を迎える鬼喰いの沼に捧げます。
花シリーズ、異聞シリーズのスピンオフです。
全部まとめて花シリーズというのかもしれませんが……
異聞シリーズの編集者の長峰が主役。
『鬼花異聞』のレビューに花シリーズと世界観が 違って別物と書きましたが、この作品でようやく繋がります。
スピンオフというより、最後のまとめ的なものです。
おどろおどろしい話がようやく救いのある話となります。
この本を読むか読まないかで各シリーズの読後感は変わるのではないでしょうか……。
この本を楽しむためには、全部読まないとダメです。
全部読んで、最後に本作品を手に取ってください。
そうでなければ、面白さが半減してしまいます。
肝心の内容ですが、血の繋がりがない全くの赤の他人の兄弟のラブです。
ハードルが一番低そうなのに、シリーズに出てくる3組の中で一番葛藤している気がします。
あとがきで「夜這い」が見所?とあり、そんなの出てきたっけ?と思ったのですが、ありましたありました。
うっかりしてました。
あらすじにもちゃんと書いてありますね。
あれが夜這いなのですね。
ちょっと、私の夜這いのイメージと違っていたので、夜這いとは気付きませんでした……
でも、なかなか萌えるシチュエーションではあります。はい。
評価は、萌×2かなと思ったのですが、バラバラだったそれぞれのシリーズをうまく1つにまとめたというのと、複数冊に別れてしまいそうなお話をうまく1冊におさめたということで神評価にしました。
今回で兄弟シリーズが一応終わりとあとがきにあったのですが、非常に残念。
このミステリアスで怪奇で淫猥な花シリーズ好きだったのですよ。
そして今回は前作の天然神様の子供みたいな泰正くんやその弟の衛、尚吾に誠と
シリーズに出てきたキャラが大集合してのエンディング。
舞台が鬼沢村なので今までの主役キャラが出て来ても違和感が全然ないし、
主役の二人も霞んでいない、お気に入りキャラの泰正くんは、キャラ総出になると
やっぱりインパクトと言う一点に於いてシリアスな作品なのに、明るく照らして
作品をジメジメした雰囲気から底上げしてくれる気がしますね。
毎回兄弟禁忌ですが、今回の二人は初めから他人だと解る義兄弟です。
二人とも両親がいない施設育ちで、霊的な能力のある義母とリーマンの義父に
二人一緒に引き取られて兄弟になっています。
そして、一応兄である将も義母と同じで人ならざるモノが視える人で、
この兄は前作で、泰正を助けた作家の衛の編集で出てきたあの人です。
仄かなスピンオフでは無くガチスピンオフと言うか、全てが全て繋がっている
不思議な縁を感じさせる内容になっています。
不気味なあの沼もラストでは除霊される流れになって浄化される内容ですが、
まだまだ気になる不思議現象はあったろうし、過去の悲惨な出来事も気になる。
突き詰めればファンタジー要素だけの作品になってしまうかも知れないけれど、
鬼沢村と神谷村が出来るキッカケの内容も読みたいなと思いましたね。
近親相姦が多い、呪いとは何か?結局はあの花の影響故か、鶏が先か、卵が先か、
花の影響が先か、禁忌が先かみたいな感じなのでしょうか。
その辺りをもう少し読んで見たいと思いましたが、楽しませてもらった作品です。
『堕ちる花』から始まった花シリーズがこれにて完結です。
シリーズに共通する兄弟禁忌を描きながら、鬼沢村の鬼喰い草の謎が解き明かされ、そしてそこにまつわる因縁が浄化される場面で終わりを迎えましたので、本当の意味での完結を描いたものでした。
『鬼花異聞』に登場した出版社担当で霊感のある将とその弟である樹木医の幸司の関係を描きながら、幸司が実は鬼沢村の生まれで、やはり鬼喰い草に関係のある出生だったという面から兄弟の愛というより、謎解きのほうが目立ったような気がします。
というか、謎解きがされて初めて二人が寄り添う相手になるといった関係をつくっていたからかもしれません。
将と幸司は共に親が無く、施設にいたところを霊能者である長峰の母親によって引き取られ兄弟として育ちました。
先に執着を覚えたのは幸司。
将は、夜になるとキスしてきたり身体を触ってくる幸司の事を知っていましたが、気がつかない振りをして離れて行きます。
しかし、二山村の御神木が病気ということで泰正が樹木医である幸司を紹介してほしいという依頼をしたことで、幸司と久々に会うことになり二鬼山へ行くことになります。
その時に、幸司の生まれが鬼沢村に関係あることがわかるのです。
関係の始まりは、やはり鬼喰い草。
将は霊感体質だが、幸司には将を守る力があり、という設定など必然として対となる存在であることはほのめかされ、また彼等の母親の意味深な言葉もそれらを予感させるものでした。
将の幸司への愛が、わかりやすい愛とは見えにくいのでこれも宿命の関係と言ってしまってもいいのでしょうか?
しかしながら3作を通して、全ては明らかになったと言う点では少しすっきりしたのか?
かなり心霊モノにはなっていましたが。
兄弟の花シリーズのラストを飾る作品。
メインかと思われる三部作(堕ちる花、姦淫の花、闇の花)、次に時間軸的にはそれよりも前に当たる二作(鬼花異聞、神花異聞)、そして通算六冊目のこちら。
前二作に登場した編集者が主人公となっています。
作品の中身を理解するには、せめて前二作は読まれた方が良いとおもいます。
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受けの将は、子供の頃から不思議なものを見る能力がありました。
しかし家族以外にはその能力をひた隠しにして、29歳となった今は編集者をしています。
攻めは子供の頃から豪胆で、将とはまるで正反対の幸司、28歳。
造園業を経て樹木医として全国各地を回っており、ガタイの良い寡黙な青年。
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ふたりは児童養護施設から迎えられた養子で、血の繋がりはありません。
養母には未来を見るような力があり、ふたりを引き離さない方が良いと一緒に引き取ることに。
幸司は子供の頃から将を特別視していて、それは成長と共に性的な意味合いも含まれていきました。
しかしあることを境に将は幸司を避け、大学へ進むのをきっかけに家を出て行きます。
そこから数年間すれ違いのまま生きてきたふたりを再び結びつけたのは、前作の受けである泰正と村の御神木、そして鬼喰い草でした。
将の能力は自身にとって災いと言う他ないもので、子供の頃からそれが怖くて怖くて仕方ないのですが、幸司は将とは真逆で災いを追い払う力があり、彼がいれば将も安心していられました。
本当は二人で一つのような存在。
そんなふたりが別々に長いこといなければならなかったのは、不幸です。
シリーズは三つのお話に分かれていますが、それのどれもが攻めの方が執着度合いが強く、子供の頃から受けキャラを欲しています。
今回の幸司も、なんとか将との関係を修復したい一念で母の千里眼の力にすがり、その神託(?)が困難かつ突きつけられる真実が苦しく暗くとも懸命になって進んでいきます。
偏執的であっても、愛されていますね。
このシリーズはみな、受けは溺愛されております。
最終巻ということでシリーズの色々なメンツが登場し、なにやら懐かしくなりますね。
メインシリーズのカップルの父親が、元気な姿で登場していて嬉しかったです。
とても精神的にダメージを受けた人でしたから。
個人的には、一番人間の嫌な部分があからさまだと感じたのは今回だったのですが(テレビ関係者の無神経さが死ぬほど嫌)、読みやすくスイスイいけたのも今回でした。
終了がもったいないですが、しばらく兄弟ものはお腹いっぱいです(苦笑